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2020.10.21

『僕の野球人生』第13回 松田祐香マネージャー

『僕の野球人生』第13回

松田 祐香 マネージャー(4年/渋谷幕張)

松田祐(加工済)

野球をやったことがないので野球人生はありませんが、観るのが好きという点でいうと、野球は私にとってかなり特別なスポーツです。家族の影響で野球観戦が好きになって、小学生の頃からテレビで甲子園を観たり、プロ野球に連れて行ってもらったりしていました。他のスポーツを観てもあまり熱中することがなく、野球だけがなぜか好きでした。中高時代は通っていた学校がマリンスタジアムからすぐ近くのところにあったので、よく友達とナイターを観に行ったり、1人で県予選を観に行ったりしていました。チケットを買って、中を通って、スタンドに入る瞬間の視界が開ける感じが今でもとても好きです。とはいえ、野球が好きだから高校で野球部のマネージャーをしようという発想にはならずに全く別の運動部に入っていて、大学でも全然違うことをしようかと思っていました。あれだけ野球が好きだったのに大学野球というステージにほぼ馴染みがなく、六大学の各校もああ、あの高校球児の進学先か、くらいのイメージだったのですが、知れば知るほど六大学という場所の凄さがわかり、数ヶ月遅れでしたが、大学で野球部に入ることにしました。逆に高校までなぜ大学野球に興味を持たなかったのか不思議です。

ところで、大学の野球部のマネージャーと言われて、何をしているか正しく思い浮かべられる人はほぼいないのではないでしょうか。練習補助やベンチでのスコアラーというのが世間一般のイメージだと思いますし私もそう思っていましたが、実際は90%以上がマネージャー室での事務仕事です。部のスケジュールや道具、お金の管理、広報、渉外活動など、”運営”という言葉でかっこよく説明してしまうこともできますが、実態は一日中パソコンと向き合う日々がほとんどです。もっと言えば、オープン戦を組んだり合宿に帯同したりする男子マネージャーと異なり、野球経験がない私の仕事は、ミスをすれば関係者に多大な迷惑をかけることこそあれ、勝利という結果に直接貢献することはありません。選手をサポートする立場、組織を運営する裏方の立場というのはチームが結果を出すためには必要不可欠だということは頭では理解できていますが、実感として、自分がその役割を果たしているという感覚は全くないです。

ただ、その実感が得られないことで、チームにおける自分の存在意義に悩むようなことは私の場合、意外とありませんでした。その理由はおそらく、最上級生になった今でも、東大野球部を応援してくださるファンの皆様とほぼ同じ目線でみんなの姿を見ているからかなと思います。マネージャーをしていると、文字通り毎日のように、電話やメールで「頑張って」「期待してるよ」「次こそ勝つぞ」といった激励のお言葉をいただきます。こんなにもたくさんの方に応援していただいているのか、と最初は驚きました。本当にありがたいことです。それに対していつも「ありがとうございます。頑張ります」と返しますが、内心では私自身も、そうしたメッセージをくださる方々と同じ感情を選手のみんなに対して持っています。チームの内部の者として責任を持って、やるべき仕事をしっかりやる。そのこととはまた別次元で、チームメイトに対しては、一番近いところにいるファンのような気持ちでいます。

誤解を恐れず書くと、マネージャーの仕事ひとつひとつそれ自体というのは、やりがいがものすごくあるとは思いません。確かに全体を見ればやっていることは学生では考えられない規模になりますが、毎日の業務でやっているようなところまで分解してしまうと”雑務”という表現がしっくりくるようなものばかりです。なんで続けられるのかというと、それは、野球だからです。私は野球部以外だったら、絶対にマネージャーはできません。六大学野球で、東大が他大学に勝つということが、選手としてその道を選ぶことがどれほど困難でもの凄い挑戦であるか、今までたくさん野球を観てきたからこそ、想像もつきません。サポートするスタッフも含めてチームメイトのことを心の底から尊敬していますし、それが私がこのチームで、どんなことがあっても頑張れた理由です。

まるでマネージャーの仕事がつまらないかのような書き方を先程はしてしまいましたが、この立場だったからこそできたありとあらゆる経験、見られた景色を挙げればきりがありません。自分を成長させてくれた、本当にかけがえのないものです。野球を通して出会えた、お世話になった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。残り1カード、絶対に勝って終わりたい。みんなのことを信じています。

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次回は10/22(木)、有賀学生コーチを予定しております。

お楽しみに!

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