【野球人生を振り返って】佐藤拓斗
18人目は佐藤拓斗(内野手・日大山形)です!

14年間の野球人生の終わりが近づいてきました。
ついに、この時が来てしまったかと感じます。野球を取った自分に何が残るのか、考えてもすぐに答えは見つかりません。小さい頃から、遊びよりも何よりも野球が第一でした。小学生の頃は学校から帰ると兄が開発したランニングコースを走り、素振りと壁当ても欠かしませんでした。そんな日々を続け、野球は私の生活そのものになっていました。
野球の終わりを意識したのは、大学3年の春です。今の実力では野球を続けるのは難しいと感じ、野球と就活の両立生活が始まりました。不安とプレッシャーに押しつぶされそうな日々でしたが、充実していました。ただ、二度と戻りたいとは思いません。
大学での成績は思うように残せず、最終学年を迎えてもリーグ戦出場の道は険しいままでした。しかし、リーグ戦出場という目標を諦めることは、これまで私を夢中にさせてくれた野球に失礼であり、何より山形から応援してくれる家族に申し訳ない。家族に活躍している姿を見せたい、という一心で頑張り続けることが出来ました。野球の神様に微笑んでもらえるよう、一日一日を後悔なく過ごしました。
試合のチャンスがあるたびに、「これが最後になるかもしれない」と思い、一日一生の気持ちで臨みました。試合前日には、緊張やプレッシャーで夜中に何度も起きてしまうこともありました。そんな日々を乗り越えてリーグ戦の打席に立つことができた瞬間は一生忘れることはないでしょう。諦めずに頑張ってよかったと心から思います。

ここで、家族への感謝を伝えさせてください。
長男が野球を始めなければ、今の私はいません。野球を始めてくれてありがとう。暗くなるまでキャッチボールに付き合ってくれてありがとう。手がボロボロになるまでバットを振っていた高校時代の姿、今も努力を惜しまない姿、そして継続力。心から尊敬しています。
次男とは、何をするにも一緒でした。どこへでもついてくるしつこい弟だったけど、その優しさにたくさん支えられました。本当にありがとう。これからも二人の兄の背中を追い続けます。何年経ってもずっと仲良し3人兄弟でいようね!
お父さん。小学生の頃から「バッティングは当て方とタイミング」と教えてくれました。本当にその通りでした。仕事で試合を観に来たくても来れない時があったかもしれませんが、お父さんが来たときは、いつも以上に気合が入りました。家族を大切にしながら仕事も頑張るお父さんが大好きです。そして、私にとって永遠の目標です。
お母さん。東京にも甲子園にも台湾にも、どこまでも応援に来てくれてありがとう。大学でメンバー入りできずに謝った時、「謝らなくていい。辛くても必死に頑張っていることは分かっているから」と送ってくれたLINEに、もっと悔しくなり、心が燃えました。マチュアカップで、スタンドでカメラを構える姿を見つけた時は、試合中にも関わらず涙が止まりませんでした。常に一番の応援団でいてくれてありがとう。
私は家族が大好きです。一生を懸けて恩返しします。

そして大学野球部の仲間にも感謝の気持ちでいっぱいです。23時まで一緒に自主練してくれた仲間。一緒に学校に行ってくれた仲間。毎日の練習を一緒に頑張る仲間。そんな仲間に恵まれて最後まで野球ができました。複雑な思いもありますが、出会った仲間は失いたくありません。この学年で良かったと胸をはって言えるように最高のフィナーレを飾りましょう。
後輩たちには、三つのメッセージを送ります。
・やりたくないと思うことがあっても、適当な理由を付けてでもいいから一旦全力で頑張ってみてください。そこに何らかの楽しさを見出すことが出来ると思います。
・諦めたり逃げたりするのはいつでもできるから、もう少しだけ頑張ってみてください。
・一緒に頑張る仲間を大切にしてください。仲間がいるからこそ乗り越えられる瞬間が必ずあります。私は、朝起きて何か言い訳を付けて休もうか、と何度思ったことか。しかし、グラウンドで一緒に頑張る仲間がいたから、逃げることはありませんでした。この仲間と一緒に野球ができるのもあと少し、と思うだけで、どんなにきつい練習でも乗り越えられる気がします。
来年以降の注目選手は菅井颯です!期待を込めて言い切ります。同じ地元で高校の後輩でもある菅井と大学でも一緒に野球ができたことはすごく嬉しかったです。特別な思いがあるからこそ、絶対に最後まで頑張って欲しいし、神宮で躍動する姿を楽しみにしています。マジでマジで応援してるぞ!

引退後、自分が何をモチベーションに生きるのかはまだ想像できません。
野球があったからこそ自分を律して生活することができました。オフの日に自主練をしなくていいのか、マネージャーから明日の予定が送られてこないのかと思うと、胸が締めつけられます。だからこそ、後悔も未練も残さないために最終戦まで、全力で走り抜きます。野球人生の最後の一球まで魂を込めます。
長く続いた私の野球物語は、まもなく最終章を迎えます。その最後のページを優勝という最高の結果で締めくくれるように頑張ります!これからも法政大学野球部への応援、よろしくお願いいたします。
これまで野球を通して関わってくださった全ての方々、本当にありがとうございました。