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号外WEB版

通常、紙面にてお届けしている号外スタイルの東京六大学野球情報紙。 2020年秋季からは特別版として、本サイト上にて掲載させていただきます。 野球部員による記事だけでなく、各大学の新聞部や応援部などの様々な寄稿がこの号外を盛り上げます。

TOKYOROCKS2026 秋季号外

第5週

守備の要

2026/10/8 UP
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早稲田大学

早大の守備の要は、大内碧真(4年=浦和学院)だ。下級生のころからAチームに帯同し、山縣秀(R7卒=北海道日本ハムファイターズ)、渋谷泰生(R8卒=カリフォルニア州立大学サクラメント校)らの守備から技術を学び、今では内野陣を支える存在へと成長した。大内の最大の持ち味は、どんな打球にも果敢に飛び込んでいくガッツあふれるプレーだ。なかでも、今季の明大3回戦で見せた守備は圧巻だった。抜ければピンチが拡大する場面で、二遊間へのゴロに飛びつき、アウトをもぎ取った。チームの危機を救うプレーで流れを引き寄せ、守備からチームを勢いづけた。さらに、グラウンドを離れてもチームに欠かせない存在だ。普段から周囲をよく見て行動し、後輩への声かけや仲間とのコミュニケーションを大切にしている。責任感のある言動で部員から厚い信頼を集め、プレーだけでなく日頃の姿勢でもチームを支えている。4年間の集大成となるラストシーズン。幾度となくチームのピンチを救ってきた大内の堅守と熱いプレーが、早大を天皇杯奪還へと導く。(千葉海翔)

慶應義塾大学

今シーズン、慶大の「守備の要」として注目したいのは、吉開鉄朗(4年=慶應義塾)だ。彼の最大の持ち味は、リードする力である。キャッチャーは、グラウンド全体を見渡せる唯一の守備位置であり、まさに司令塔と言える。相手バッターの細かな動作を瞬時に分析し、味方ピッチャーに配球の指示を出す。扇の要にも例えられるこのポジションでは、点を取ること以上に、取られないことが求められる。さらに、チームの精神的支柱として統率力や冷静さも必要とされるため、非常に負担の大きい役割だ。リードには、観察力、洞察力、判断力、決断力、記憶力と、あらゆる「力」が欠かせない。試合中は迷っている暇などないからこそ、吉開は試合前の準備に人一倍取り組んでいる。相手打者の傾向を頭に入れ、あらゆる場面を想定しておくことが、試合での瞬時の判断を支えているのだ。そうした地道な努力を重ね、昨秋から正捕手の座を固めた。迎えたラストシーズンでは、奮闘する姿が数多く見られる。チームを日本一に導くために欠かせない吉開の活躍に、ぜひ期待していただきたい。(藤井綾乃)

明治大学

守備の要としてチームを支える光弘帆高(4年=履正社)。2年次からリーグ戦出場を果たし、経験を重ねながらチームに欠かせない存在へと成長してきた。秋季リーグ戦では本来の力を取り戻し、攻守にわたって躍動している。内野の要として幾度となくチームの窮地を救ってきた光弘。数々の試合を乗り越えてきたからこそ、見える景色がある。積み重ねてきた経験を力に変え、最終学年の秋もグラウンドでその存在感を示す。守備からチームに流れを呼び込み、悲願の頂点へと導く活躍に期待がかかる。(酒井菜々花)

法政大学

法政大学野球部の守備の要は、井上和輝(2年=駿台甲府)だ。規格外のバッティングと、元気ハツラツとしたプレーが魅力である。春季リーグ戦では指名打者としてベストナインを獲得し、強打者として注目されている。そんな井上は、この夏、捕手としてさらなる成長を遂げた。2年生ながら大学侍ジャパンに選出され、レベルの高い選手たちとプレーする中で、普段とは異なる環境にも物怖じせず、探求心をもって多くのことを吸収した。彼が捕手として特に大切にしているのがバッテリー間のコミュニケーションである。1年生投手や経験の浅い選手が多い投手陣に対し、積極的に声をかけ、意思疎通を図りながらマウンドを支えている。技術面でも二塁送球の正確性が増し、捕手としての安定感も向上。持ち前の強肩を生かし、守備からチームに流れを引き寄せる。春は打撃で存在感を示した井上。夏の経験を経て、秋は捕手としても、チームを支える存在へと大きく成長した。(佐藤瑛)

東京大学

東大の守備の要として伊藤滉一郎(4年=県立千葉)の名を挙げたい。2年生からリーグ戦の経験を積み重ね、いよいよラストシーズンを迎えた。センターとして魅せる守備力には絶大な信頼が寄せられており、広大な守備範囲と「難しい打球も伊藤なら捕ってくれる」という安心感でチームを支える。打撃面では今季1安打と苦しい試合が続いているが、昨秋には7安打と頭角を現し、3月の社会人対抗戦では本塁打を放つなどポテンシャルは十分だ。さらに、今春勝ち点を挙げた法政大学戦では2打数2安打2打点と大活躍を収めた。チームが勢いに乗るためには、攻守に渡る伊藤の躍動が必要不可欠である。(堂埜智咲紀)

立教大学

弊部の守備の要といえば村本勇海(3年=大阪桐蔭)である。1年秋に代打でデビューを果たすと、2年春からは二塁手としてスタメンに定着。これまで出場した43試合ノーエラーという安定した守備力を誇る。そんな彼は併殺時のピポットの速さと球際の強さを活かし、小林隼翔(3年=広陵)との3年生二遊間コンビで幾度となくピンチを切り抜けてきた。守備だけでなくバッティングでもキーマンとなる彼が、立大に流れを呼び込んでくれるであろう。(大西陽菜乃)

応援席から

慶應スポーツ新聞会

春季リーグ戦では5季ぶり41度目の優勝、第75回全日本大学野球選手権大会では準優勝を果たした慶大。2024年秋から3季連続でリーグ戦5位と低迷が続いていたが、“強い慶應”を取り戻した春となった。今季はこれまで東大戦、立大戦、法大戦とすべてのカードで勝ち点を奪い、第4週時点で単独首位。春秋連覇、そしてあと一歩届かなかった日本一をつかみ取るために、負けられない戦いが続く。

この夏は投手陣の層を厚くすることを目標に取り組んできた。その成果が秋季リーグ戦に存分に表れている。先発は渡辺和大(商4=高松商業)と広池浩成(経4=慶應)の二枚看板が安定した投球で試合を作る。渡辺和は、東大戦、立大戦、法大1回戦いずれも先制点を許し立ち上がりに課題を残したが、法大3回戦では要所を締めながら無失点投球を披露。確実に調子を上げてきている。広池は、法大2回戦で6回2/3を無失点、7奪三振と好投し、安定感を増している。二枚看板の後ろを支えるのが、水野敬太(経3=札幌南)、沖村要(商4=慶應)、鈴木佳門(経2=慶應)のリリーフ陣。さらに抑えには、衝撃の神宮デビューを果たした甲子園優勝投手・小宅雅己(環1=慶應)が最終兵器として登場する。伸びのある直球と完成度の高い変化球を武器に、相手打線を最後まで封じ込める。

この投手陣の力投に応えたいのが野手陣である。現在、チームトップの打率.393を誇る小原大和(環4=花巻東)は巧みなバットコントロールでこれまで7試合中6試合で安打を放ち、立大2回戦では4打数4安打の大暴れ。スタメンの中で唯一2年生の若き主砲・一宮知樹(経2=八千代松陰)は立大1回戦で6回、値千金の2点本塁打を放つなど、勝負所でのバッティングに注目だ。他にも法大3回戦で3安打3打点と大活躍を見せた吉野太陽(法4=慶應)、春同様打撃好調の吉開鉄朗(商4=慶應)、林純司(環3=報徳学園)など、切れ目のない打線が慶大の強みである。一方、不動の4番・中塚遥翔(環3=智辯和歌山)、主将・今津慶介(総4=旭川東)は本塁打こそ飛び出しているものの、今春ほどの成績を残せていない。また、ここ最近の試合では安打数に比べて得点が伸びず、残塁も多い。チームの中心を担う2人が本来の打撃を取り戻したとき、慶大打線はさらに勢いを増すはずだ。

スローガン「ファンファーレ」のもと「リーグ戦優勝・日本一・四冠」を掲げ、ここまで突き進んできた“チーム今津”。春季リーグ戦を制し、全日本大学野球選手権大会では決勝まで勝ち進んだ。しかし、関西大学を前にあと一歩及ばず、試合後のベンチでは選手たちが悔し涙を流した。その涙を力に変えるべく、夏場に取り組んできた成果が今、秋季リーグ戦で花開こうとしている。守備からベンチに戻ってくるときには「ありがとう!」と言葉を交わし、ピンチのときにはベンチも一緒になって肩を組んで仲間を見守る。「自分はチームのために何ができるか」。春季早慶戦前のインタビューでは、多くの選手たちがそう口にした。そんなチーム思いの選手たちが集う慶大野球部が目指すのは春秋連覇、そして今度こそ日本一。“チーム今津”の集大成を、この目で見届けたい。

(河合亜采子)

神宮六景

東京六大学野球の伝統あるユニフォームに袖を通し、神宮球場で白球を追う現役選手の皆さん。

私は神奈川の県立厚木高校から立教大学へ進学し、この素晴らしい世界に飛び込みました。初めて立教のユニフォームを着て神宮のマウンドに立った時の、あの体の底から湧き上がるような武者震いは、今でも忘れられません。背中に感じる歴史の重みや各校の応援団による地鳴りのような歓声。神宮球場とは選手を極限まで奮い立たせてくれる一方で、少しでも隙を見せると飲み込まれてしまいそうな、独特の厳しさとオーラがあります。 社会人野球やプロ野球、独立リーグ指導者を経験し、様々な球場を渡り歩いてきた今だからこそ、神宮球場と六大学野球へのリスペクトはより一層深くなっているように感じます。世代を超えて夢を託したくなるような、そんな不思議な魅力と格式が神宮球場にはあるのだと思います。

私は4年間で、ありがたいことに通算63試合に登板させていただきました。しかし決して良い思い出ばかりではありません。慢性的な腰痛に悩まされたり大学野球最後の登板となった試合では序盤で大量失点しノックアウトされたり、と本当に悔しい思いもたくさんしました。それでも栄光も挫折もすべてを歴史の一部として優しく包み込んでくれたのが神宮球場でした。 そんな特別な場所で今まさに戦っている皆さんにお伝えしたいことが二つあります。

一つ目は、「常に自分で考え工夫する力」を大切にしてほしいということです。私は高校時代、140キロに満たないストレートで上のレベルと戦うために当時の監督から「かまぼこの板を投げる練習」を薦められました。これでボールに純粋な縦回転をかける感覚を養ったのですが、実はこの練習が自分の投球スタイルを作り上げる大きなヒントになりました。自分の特徴を活かすには何が必要なのか、自分で考える力を養うことができました。この考える力があったからこそ、六大学の強打者たちともなんとか渡り合うことができたのだと思います。指導者から与えられたメニューをただこなすだけではなかなか壁を越えられないものです。「今の自分に何が必要で、どうすればもっと良くなるのか」を考え、ぜひ自分なりの正解を探し続けてみてください。

二つ目は、「入念な準備」を怠らないことです。プロ野球や独立リーグでの指導経験を通じて痛感したのは、勝負を分けるのは結局のところ「ミスの少なさ」であり、それを支えているのは「日々の準備」だということです。どんなに高い身体能力を持っていても準備が足りないとここぞという大舞台でほころびが出てしまいます。試合の日はそれまでの準備の「答え合わせ」をする日です。悔いのない大学野球生活を送るために地味で退屈に感じるかもしれない日々の準備をどうか大切にしてください。

おそらくこの二つはこれまでの野球人生で何度も言われ続けてきたことかもしれません。しかし、これらを「継続できる才能を持つこと」こそが本当に大切なんだ、といろいろな野球を経験してきた今、改めて実感しています。

皆さん一人ひとりには無限の可能性があります。どうかご自身の可能性を信じてください。先人たちが築き上げてきた六大学の伝統や、神宮球場へのリスペクトを胸に抱きながら自分で考え、しっかりと準備をして思い切り自分自身の野球を表現してほしいと願っています。聖地・神宮の杜で躍動する皆さんの姿をこれからも心から応援しています。

(立教大学野球部 平成7年卒 川村丈夫)

第4週

打撃の要

2026/9/30 UP
OPEN

立教大学

立大の打撃の要は、丸山一喜(4年・大阪桐蔭)である。2年生の頃から4番を任されてきたこともあり、チャンスでの打席はお手のもの。そんな彼がこだわり続けてきたのが、「ホームランよりもタイムリーヒット」という4番としての打撃だ。自らが一発を放つこと以上に、一本のタイムリーでチームに勢いをもたらす。そんな「4番としてのこだわり」を追い求めてきた。「丸山ならきっと何かを起こしてくれる」。そんな期待を一身に背負い、法政大学一回戦では、反撃の狼煙を上げる逆方向へのアーチを描いてみせた。大阪桐蔭時代から守り続けてきた「4番の座」、立教の勝負師が今季もその一打、その雄叫びでチームを勢いづける。(宇畑直斗)

早稲田大学

早大の打撃の要として名前を挙げたいのが、岡西佑弥(4年=智辯和歌山)だ。昨年までは出場機会こそ限られていたが、緊迫した場面での代打で着実に力を発揮してきた。今春からは3番を任されたものの、春は悔しい結果に終わった。夏のキャンプやオープン戦を通じて打撃を磨き、今季は飛躍のシーズンとなることが大いに予感される。その片鱗を示したのが、法大3回戦で放った特大ホームランだ。試合の流れを変えるだけでなく、球場全体の空気をも一変させた。また、練習中には後輩にも積極的に打撃のアドバイスを行うなど、チームリーダーとしての気質も見せており、誰からも頼られる存在になっている。勝負強さを発揮できるのも岡西の持ち味であり、まさにチームに勢いをもたらす存在といえる。今秋の戦いにおいても、彼のバットがチームの命運を握るのは間違いない。(大野郁徳)

慶應義塾大学

今シーズン、慶大の「打撃の要」として注目したいのが、一宮知樹(2年=八千代松陰)である。彼の最大の武器は、何と言ってもそのスイングスピードだ。決して大柄ではない体格から繰り出される、鋭く速いスイング。バットがボールを捉えた瞬間、打球は瞬く間に外野の頭上を越えていく。千葉県・八千代松陰高から一般受験で現役合格を果たし、勉学にも秀でる一宮。その実力は、入学直後から神宮の舞台で証明された。2025年秋季リーグ戦、開幕カードの法大戦で神宮デビューを果たすと、1年生ながらレフトスタンドへ特大の一発。鮮烈な神宮デビューを飾り、その名を六大学野球に知らしめた。新チームとなって迎えたオフシーズンには、チームとして取り組んだ肉体改造と打撃強化にも励み、さらなるスケールアップを遂げた。2026年春季リーグ戦、2年生ながらレギュラーの座をつかみ、全13試合に出場。打率.302を記録し、チームのリーグ優勝に大きく貢献した。そして迎えた今シーズン、彼は慶大打線の中心として、さらなる存在感を放っている。立大1回戦、2点ビハインドで迎えた6回、打席に立った一宮の鋭いスイングで捉えられた打球は、レフトスタンド中段へ突き刺さった。起死回生の同点2ラン。劣勢だった試合の流れを、一振りで引き戻した。一振りで試合の流れを変え、チームを勝利へ導く。その力こそ、一宮知樹という打者の魅力である。そして、彼はまだ2年生だ。今シーズン、そして来シーズン以降も、彼のバットから放たれる一打が幾度となくチームを救うことだろう。慶大打線の中核を担う若きスラッガー、一宮知樹。その一振りに、ぜひ注目していただきたい。(沖﨑真周)

明治大学

明大打線の要は榊原七斗(4年・報徳学園)である。走攻守三拍子揃う榊原は、1年春からベンチ入りし、怪我による長期離脱もなく、リーグ戦に出場し続けてきた。強肩が光る不動のセンターとして、そして副将としてチームを牽引し、リーグ戦通算12本塁打(歴代12位)を誇る。3年時から侍ジャパン大学代表にも選出され、今夏は大会MVPを獲得するなど、世界一に大きく貢献した。第一線でプレーし続ける身体の強さと日頃の自己管理、そして周囲への気遣いを忘れない優しい人柄で、チームからの信頼も厚い。大きな期待とプレッシャーがかかる中、勝負どころでチームを救う一打が放てるか。大学野球界を代表する選手へと成長した榊原が、チームを優勝へ導く姿にご注目いただきたい。(平野凪乃香)

法政大学

この秋、法政大学野球部の打撃の要は、只石貫太(2年=広陵)だ。彼は1年春のリーグ戦からスタメン出場を果たしたものの、1年秋から2年秋にかけてなかなかチャンスをつかむことができなかった。それでも、キャッチャー陣と競争しながら、バッティングにも力を入れ、地道に練習に取り組んできた。そしてこの夏のオープン戦では、持ち味のパンチ力を存分に発揮し、長打を量産。本塁打も放つなど、打撃面で存在感を示し、今シーズンは指名打者として4番を任されている。彼の魅力は野球のプレーだけではない。チームの皆に愛されている只石は、早稲田戦で主将の藤森康淳(4年=天理)より試合前の声出しを任された。「まずは手を繋ぎましょう!」彼の合図で、ベンチの指導者・スタッフ・選手の全員が一つの輪になり3戦目を勝ち抜く覚悟ができた。今シーズン、まだ多くの試合を残しているが、打線の中心となってチームに流れを呼び込む彼の一打に期待したい。(佐藤瑛)

東京大学

東大の打撃の要として、明石健(4年=渋谷幕張)の名前を挙げたい。全身を目いっぱい使ったフルスイングから放たれる鋭い打球が魅力であり、今春はその打棒でリーグ戦初本塁打を記録するなど、放った安打の半分以上が長打であった。また、バットコントロールにも長けており、特に2ストライクからの粘りは絶品である。簡単にはアウトにならない明石の打席が相手投手を苦しめ、チームに勢いを呼び込む場面を何度も目にしてきた。今季はここまで4番DHに固定され、2試合で安打を放っている。しかし、明石の力はこんなものではないはずである。泣いても笑っても残り3カード。勝負所の一打で、打撃の要である「証」を示してほしい。(石田遥人)

応援席から

立教スポーツ編集部

春季リーグ戦では3位と悔しさを残した立大。目指すのは9年ぶりの優勝だ。春に大量失点を許し、勝ち点を献上した法大との秋季リーグ戦初戦を迎える。1回戦で敗れるも、2回戦は引き分け。勝ち点の行方は持ち越しとなった。

開幕戦の先発を任された道本(コ1=星稜)が、4回8奪三振5失点となる。しかし、1年生ながら重圧がかかる場面で三振を重ねた。第2先発を務めたのは、春に142球を投げ切り、リーグ戦初完封勝利をあげた、田中(文3=仙台育英)。法大2回戦では9回を1人で投げ切った。同点で勝敗はつかなかったが、150㌔の左腕が掲げる、秋季5勝の目標は夢ではない。リリーフ陣で注目したいのは南(ス2=大阪桐蔭)と菅野(コ3=高田)だ。南は法大1回戦で相手に満塁本塁打を許すも、慶大1回戦では先発を務め、6回途中6奪三振3失点の好投を見せた。先発、リリーフどちらも担えるため活躍が期待される。今春にリーグ戦初登板を経験した菅野。法大1回戦ではなかなか制球が定まらなかったが、最速150㌔を超えるストレートは相手打線を翻弄(ほんろう)するに違いない。

野手陣では丸山(コ4=大阪桐蔭)と村本(文3=大阪桐蔭)の大阪桐蔭コンビが法大1回戦で力を見せつけた。8回に丸山が左方向に本塁打を放つと、村本が負けじと2点本塁打を放つ。チームの流れを変える2人のプレーから目が離せない。また、夏には大学日本代表として本塁打を放った小林隼(コ3=広陵)。大きな舞台で積んだ経験を活かして、立大野球部に勢いをもたらすだろう。さらに、主将の落合(ス4=東邦)は法大1回戦で2本の二塁打を放ち、ラストシーズンで好スタートを切っている。下級生では長島(ス2=東農大三)、本間(ス1=日大三)、越後(コ1=関東一)に注目。この秋から外野を守っている長島は法大2回戦でリーグ戦初本塁打を記録した。同じ名字の大先輩である長嶋茂雄さんと同じ背番号を背負い、戦う姿にも注目だ。本間も法大1回戦、3点を追う4回にリーグ戦初本塁打を放った。越後はスタメン起用された法大2回戦で1打点を挙げている。強力な下級生の活躍がチームの優勝を手繰り寄せるのかもしれない。

未だ法大戦、慶大戦と勝ち点の行方が決まっていない立大。まずは両大学から勝ち点を奪う。そして、10月10日から始まる東大戦での2連勝で優勝に向かって突進してほしい。(稲毛もあな)

神宮六景

「神宮36年生」

東京六大学野球の思い出を振り返ろうとしてもなかなか言葉が出てきません。審判員としてまさに今日、明日の試合に関わる私にとって、六大学は「過去」ではなく、「今」そのものの存在であり、落ち着いて振り返ることのできる対象ではないのかもしれません。

あらゆる光景、心情が私にとっての日常です。外苑前駅から球場までの道のり、神宮球場外周のアーケードの佇まい、審判員として出場する直前の緊張感、グラウンドに出た時の高揚感、スタンドの熱気、際どい判定に対する両校の熱狂、グラウンドから見上げる青空、この場に立てる幸せ、秋季リーグ終盤に感じる一抹の寂寥感、試合終了の挨拶とともにわき上がる安堵感、仕事と野球の指導と審判の調整を気にかける自分・・・。

体育の教員、高校野球の指導者、大学野球の審判。ありがたいことに今の私の生活は、自分がやりたいことばかりで構成されています。しかもそのそれぞれが密接に関連し合っており、どの世界に身を置いている時であっても、その他の世界に役立つ知見を得ることができます。

この生活の基礎にあるのが、大学の別なく広がる幾多の貴重な出会いです。その時々の各校選手、指導者の方々、審判員の先輩・同僚の皆さんはもとより、現在の野球指導の礎となった平野裕一監督(東京大学昭和53年卒)、いまだに「できる大人」の見本となっている先輩マネージャー、野球やスポーツ指導の現場で活躍する各校OBの皆さんなど、様々な出会いが私にとっての財産となっています。

そして今思うこと。東京六大学野球はただ強いことだけを求められているのではないこと。強いことに加えて、強さ以外の「何か」も不断に追求し続け、それを大切にする姿勢を持つことが六大学の真髄です。六大学は単なるスポーツ団体の枠を超え、大きな文化的価値を持つ存在であると感じています。現役4年、それに続く審判32年。その文化的価値を維持し高めていく誇りを胸に、「神宮36年生」として責任を全うしたいと思っています。

東京大学 平成7年卒 青木秀憲(東京六大学野球連盟審判員・開成高等学校硬式野球部監督)

第3週

この選手に注目!

2026/9/24 UP
OPEN

東京大学

この秋の東大の注目選手には小村旺輔(4年=私立武蔵)を挙げたい。今春、三塁手として自身初のベストナインを獲得し攻守にわたってチームを支えた。初めて規定打席に到達した今春は、シーズンを通して着実にヒットを積み重ね、打率.278を記録した。しかし、小村の魅力は何と言ってもその華麗な守備だろう。昨年まで主に二遊間を守っていたが、今年から挑戦した三塁でも安定した守備を見せ、幾度となくチームのピンチを救っている。打球への対応だけでなく、熱心な分析に裏打ちされたポジショニングなど、緻密な準備も彼の持ち味だ。ラストシーズンとなる今秋。勝ち点3の獲得を掲げるチームの躍進には、小村の攻守にわたる活躍が欠かせない。春に掴んだベストナインを自信に変え、最後の神宮で背番号7が春以上の輝きを放つ瞬間を見届けたい。(堂埜智咲紀)

立教大学

今秋の立大の注目選手は北野雄大(2年=鎌倉学園)だ。縦縞のユニフォームの下に秘めた身体は、体脂肪率10%以下。体重77.9kgに対して除脂肪体重71.2kgという驚異的な数値を誇る。この身体は決して偶然手に入れたものではない。日頃のトレーニングに加え、脂の多いものやお菓子など余計なものは口にせず、徹底した自己管理と日々の積み重ねによって作り上げられた努力の賜物だ。そんな鍛え上げられた身体から繰り出されるのが、力強いフルスイングだ。振り抜いたバットから放たれる打球は、猛スピードで果てしなく伸びていく。初戦の法政大学戦から、台風の影響もあり厳しいスケジュールとなっている立大。苦しい場面で放たれる彼の一発は、状況を打開する一筋の光となるであろう。(大西陽菜乃)

早稲田大学

ラストシーズンを迎えた4年生全員に注目!といきたいところだが、なかでも注目選手は井櫻悠人(4年=高松商業)だ。今春はほとんどの試合でランナーコーチを務め、試合の出場機会を伺いながら、天覧試合では逆転につながる二塁打を放った。夏の強化合宿では誰よりもバットを振り込み、ひたむきに打撃を磨いてきた。ベストナインの経験もある主砲・寺尾(4年=佐久長聖)が怪我で戦線を離脱すると、シュアなバッティングと持ち前の脚力を生かし、1番打者に定着。打席では粘り強く出塁し、塁に出れば相手守備をかき乱す。打って、走って、チームに流れを呼び込むその姿は、まさに今の早稲田に欠かせない存在だ。残り4カード、井櫻のプレーが優勝への流れを引き寄せる。誰よりも熱い彼にぜひ注目していただきたい。(千葉海翔)

慶應義塾大学

この秋、注目してほしいのは副将・寳田(4年=三重)だ。誰よりも真面目に練習する彼は、フレッシュリーグで主将としてチームを2連覇、3連覇に導くなど、同期の中心として活躍してきた。一方、リーグ戦ではなかなか出場機会に恵まれない時期が続いた。それでも、彼が練習の手を抜くことはなかった。試合に出られなくても黙々と練習を続け、グラウンド内外関係なく、常にチームのお手本となる姿を見せてきた。その姿を、チームメイトはずっと見てきた。今年副将を任されているのも、そうした積み重ねが選手からの厚い信頼につながっているからだ。先輩、後輩、同期の誰からも応援される選手である。最上級生になった今年は、夏頃から打撃の調子を上げ、念願の開幕スタメンをつかんだ。そして迎えた東大戦の第2戦では、二塁打2本を含む4打数3安打2打点の活躍を見せ、チームの勝利の火付け役となった。大学野球最後のシーズン。この秋にかける想いは誰よりも強い。チームみんなの思いを背負ってグラウンドに立つ寳田のプレーに、ぜひ注目してほしい。(杉山雄剛)

明治大学

今秋、キャプテンとしてチームの先頭に立ち、躍動している福原聖矢(4年・東海大菅生)。捕手としてグラウンド全体を見渡し、状況に応じて瞬時に最善の判断を下す圧倒的な野球脳を持つ。攻守において明治を支える、まさに司令塔だ。今年はキャプテンとしての責任も背負っている。苦しい場面でも誰よりも声を出し、仲間を鼓舞する姿をチームメイトは皆見てきた。自らがプレーで引っ張るだけでなく、仲間を活かし、チーム全体を勝利へ導く。それが福原聖矢という男だ。そして迎えた最後の秋。春に味わった悔しさを胸に、目指すはただ一つ、リーグ優勝。これまで培ってきた野球脳とキャプテンとしての力を存分に発揮し、福原がチームを頂点へと導く。この男なら必ずやってくれる。最後の秋、福原聖矢から目が離せない。(島抜康介)

法政大学

法政の注目選手は、今泉秀悟(3年=石見智翠館)である。1年秋からリーグ戦でベンチ入りを果たし、2年春にはスタメンの座を勝ち取った。同学年の中村騎士(3年=東邦)や熊谷陸(3年=花巻東)らと切磋琢磨しながら、守備と打撃の両面を磨いてきた。彼の持ち味は、何といっても高い集中力だ。試合や練習で一切の隙を見せず、常に淡々と練習に励む姿勢が印象的で、その練習量はチームトップクラスと言える。日々の積み重ねが、神宮の舞台でも揺るがない強靭なメンタルとチームを勝利に導くプレーにつながっている。春季リーグ戦では、怪我により離脱となり、彼の存在がとても大きかったことを改めて感じた。春の悔しさを更にぶつけて、法政旋風を巻き起こしてほしい。(佐藤瑛)

応援席から

東京大学運動会応援部

お世話になっております、本年度東京大学運動会応援部主将を務めます、若木良太と申します。

今年、硬式野球部が掲げる目標は「勝点3」です。決して容易な道のりではないでしょう。しかし、春季リーグ戦でつかみ取った勝点1によって、東京大学の野球は確かに新たな一歩を踏み出しました。長く動かなかった歴史の針は、すでに動き始めています。

だからこそ、この秋をその先へと続く季節にしたいと我々応援部も思っています。

私たち応援部は、ただ勝利の瞬間を待つ存在ではありません。硬式野球部と同じ目標を見据え、共に喜び、共に悔しがり、最後の一球まで共に闘う仲間でありたいと考えています。試合の流れが良いときも、苦しいときも、変わらず選手のそばにあり続け、神宮で声を送り続けます。

春につかんだ勝点1は、決して終着点ではありません。そこからどこまで進めるのか。それを示す舞台が、この秋です。

硬式野球部が勝点3を目指して戦うのであれば、私たちもまた、その目標を自分たちのものとして追いかけます。そして選手、応援部、スタンドに集うすべての皆様の思いが重なったとき、きっと神宮の景色を変えることができると信じています。

春に吹き始めた風を、秋にはさらに大きく。

今度こそ神宮の杜に、再び赤門旋風を巻き起こそうではありませんか。

(東京大学運動会応援部主将若木良太)

神宮六景

「感謝の思い」

愛知県立大府高校では甲子園に出場することができず、私の高校野球は幕を閉じました。そんな中での進路選択は、野球を中心に地元に残るか、関東へ出るか、あるいは将来を見据えて学業に専念するかという、人生の大きな岐路となりました。 結果として「野球で関東に出る」「東京六大学の明治大学に進学する」という決意ができたのは、今振り返れば無知ゆえの最もチャレンジングな選択だったと思うと同時に、高校の恩師をはじめ、関わっていただいた多くの方々への感謝の思いは、今も尽きることがありません。

同級生の推薦組が入寮してから遅れること約2ヶ月、2002年3月27日に私は明治大学野球部の明和寮に入寮しました。同日に入寮した菅谷剛男、翌日に入寮した下山寛典——のちにレギュラーを獲得し、社会人野球の道へと進んだ一般入試組の2人とは、同じ境遇の中で互いに刺激し合いながら時を過ごしました。

入寮後ほどなくして、4月13日に春季リーグ戦が開幕しました。 初めて目にした東京六大学リーグ戦の光景は、今でも忘れることができません。鮮やかな人工芝の輝きと広大なスタンド、大勢のお客さんとそれを彩る華やかな応援、そしてその中で繰り広げられるレベルの高いプレー。甲子園のスターたちが躍動する中、自分が同じ舞台に立つ姿など到底想像できず、「とんでもない場所に来てしまった」と呆然とするばかりでした。

大きな衝撃を受け、気力を失いかねない状況の中、私に大きな刺激を与えてくれたのが鳴り物入りで入学した同級生の2人でした。私たちの世代で夏の甲子園を制した、日大三高の4番・5番コンビである原島正光と齋藤達則です。私が入寮した時には、すでに原島は4番打者として、齋藤も一軍メンバーとしてチームに帯同していました。 誰もが羨む実績と高い技術を持ちながら、彼らは誰よりも熱心に練習を重ねていました。下級生が唯一自由になれる休日の前夜、多くの同級生が逃げるように寮を外出していく中でも、彼らは当然のこととしてウエイトトレーニングに励んでいました。私からすれば“超一流”の2人が見せるその妥協のない姿勢に接し、一流たる所以を学ぶとともに、「彼ら以上に励まなければ、一生近づくことすらできない」と強く実感し、自分自身の心に激しく火がついたことを覚えています。

初めて神宮の舞台に立てたのは、3年生になった2004年春のリーグ戦でした。初戦で1番打者として打席に向かった際、そこに立っている自分が信じられず、逆に驚くほど冷静だったことを記憶しています。そして、恩師やお世話になった方々への感謝の思いとともに、「大変だったらいつでも帰っておいで」と手紙に書き添えてくれていた両親を少しは安心させられたかなと、ほっと胸を撫で下ろした瞬間でもありました。

この東京六大学野球に身を置いた経験は、私を野球人として、そして社会に出ていく人間として、大きく成長させてくれました。仲間や指導者、ライバルとの出会いには感謝しかありません。今後も東京六大学野球が大学野球界を牽引する存在であり、また多くの若者を育む場として発展し続けることを心より祈念いたします。私もまたアマチュア野球界に携わる者として、その発展に微力ながら貢献できるよう精進してまいります。

末筆ではございますが、このたびは素晴らしい執筆の機会をいただき、誠にありがとうございました。

(明治大学平成18年卒 宇津野純一 東邦ガス硬式野球部監督)

第2週

ラストシーズンにかける思い

2026/9/16 UP
OPEN

法政大学

「やるしかない!」早稲田3戦目に主将の藤森がチームにかけたこの一言で全員の覚悟が決まった。また、助川(4年=茗溪学園)の力投、土肥(4年=鳴門)や川崎(4年=日大三)のバッティングにも私たち4年生がラストシーズンに懸ける思いが込められていた。長期戦を勝ち抜くために、地に足をつけて、どれだけ厳しい状況でも、最後の一瞬まで目の前の一球に食らいつく。そして、チーム法政の「執念」を神宮の舞台で見せ、接戦に競り勝って優勝できるよう、全員が一丸となって戦い続ける。最後まで熱い声援をよろしくお願いいたします。(佐藤瑛)

東京大学

2023年10月8日、2024年10月6日、10月13日、2025年10月4日、10月25日。入学時からの3年間で5回のリーグ戦勝利を経験してきた4年生。先輩方が苦しみながらも繋いできた勝利の伝統を、春季リーグ戦にて9年ぶりの勝ち点獲得という形で結実させた。迎えるラストシーズン、この秋の目標は「勝ち点3」。これまでにお世話になった方々のため、いつも応援してくださる方々のため、春を超える「勝撃」を見せる。(石田遥人)

立教大学

「覚悟」このスローガンは、魔法のような言葉である。優勝する覚悟、野球に4年間を捧げる覚悟、影からチームを支える覚悟……。4年生26人、それぞれの想いが込められたこの言葉は、この1年間、どんな瞬間も力強く前へ進む力を与えてくれた。春のリーグ戦は、悪夢の4戦連続2桁失点での敗北から始まった。地獄のような雰囲気の中から5勝を積み上げて3位に喰らいついた。「もう二度と、こんな想いはしたくない。」その一心で、夏は例年以上のオープン戦を重ね、グラウンドに残って練習を続けた。悔しさを力に変え、できることを一つずつ積み重ねてきた。そして今週、いよいよ立教の秋が開幕する。「優勝」それは、どんな景色だろうか。入部してから一度も優勝を経験していない我々の代は、よくそんな話をする。まだ誰も見たことのない、最高の景色。その景色をこの4年間のすべてを懸けて掴みに行く。百色の覚悟を胸に臨む初戦の法政大学戦。オレンジ色の歓声を封じ込め、最高のロケットスタートを切る準備はできている。(宇畑直斗)

早稲田大学

「低迷期を脱し、何としても天皇杯を奪還する。」2024年春から2025年春にかけてのシーズンで、リーグ戦3連覇を達成した。しかし、その後は思うような結果を残すことができず、今秋のリーグ戦を迎えることとなった。春季リーグ戦では、勝ち点1の5位という厳しい現実を突きつけられた。他5大学と互角に戦うだけの実力が自分たちにはなかった。その事実を真摯に受け止め、南魚沼キャンプでは、これまでにないほど自分自身を追い込み、チームとしての成長を追い求めた。これからの早稲田大学野球部のためにも、このシーズンで必ず低迷期を脱し、再び天皇杯を手にしなければならない。全部員がその強い覚悟を胸に刻み、目指すものはただ一つ――天皇杯奪還。全員が同じ方向を向き、最後まで泥臭く戦い抜く。(大野郁徳)

慶應義塾大学

ラストシーズンが始まった。年々加速する時間の流れをひしひしと感じつつ、このシーズンをもって、終わりを意識することのなかったこの日常にも終わりが来ると思うと、込み上げてくるものがある。同期のラストシーズンブログの下書きを見ていると、やはり各々のラストシーズンへ懸ける想いが並大抵のものではないことを改めて感じる。10年以上続けてきた競技生活に区切りをつける者、これからも野球に向き合い続ける者、スタッフとしての道を歩みながらも同期の活躍を祈る者。一人ひとりに、それぞれの想いがある。そして、戦っているのは4年生だけではない。戦力として、チームの一員として活躍し、チームに貢献し続ける3年生以下の部員達の存在あってこその春のリーグ戦優勝だった。だからこそ、4年生は背中で、プレーで、その姿を示さなくてはならない。自分らが先輩に見せてもらった日本一の景色を、次のチームへ繋げていかなければならない。3季連続5位と落ち込んだ戦績も、彼らは決して無駄にしなかった。悔しさを自らの糧に変えて、それぞれがチームに貢献していく姿が好きだった。チーム愛を持った部員が集まった慶應が日本一に輝く姿が見たい。春に引き続くリーグ戦優勝、そして春にはあと一歩叶わなかった日本一の称号を奪取するべく、全員が一丸となって一戦一戦、残りのカードに我々の全てを注ぎ込む。(水品玲香)

明治大学

昨年秋、弊部として29年ぶりのリーグ戦全勝優勝を果たし、チームとして大きな喜びを味わった。しかし、春季リーグでは優勝を逃し、あと一歩届かなかった悔しさを全員が胸に刻んだ。だからこそ、このラストシーズンに懸ける思いはどのチームよりも強い。4年間、嬉しいことも苦しいことも、すべて仲間と乗り越えてきた。新チーム発足時に掲げた「繋げ。」というスローガンのもと、これまで先輩方が築き上げてきた伝統を受け継ぎ、今度は自分たちが後輩へと繋いでいく。ここまで支えてくださったすべての方々への感謝を力に変え、仲間とともに最後の一球まで戦い抜く。そして、4年間追い続けてきた「日本一」を、最後は必ず神宮で掴み取る。(酒井菜々花)

応援席から

神宮六景

私は1996年に奈良県立畝傍(うねび)高校を卒業し、早稲田大学野球部に入部しました。残念ながらリーグ戦出場は叶いませんでしたが、忘れられない思い出がたくさんあります。

「1年冬のマネージャー投票」
過去の慣例通り、1年の冬に現役部員の中からマネージャーを選出することになりました。同期で深夜まで話し合っても決まらず、投票となり、私が選ばれました。「マネージャーになるために上京したわけじゃない」と、地元の大学を受験し直すことまで真剣に考えました。そんな中、1年春から試合に出場し、甲子園出場経験もある鈴木ケンジがマネージャーに立候補してくれました。本人は恩着せがましいことを一切言いませんが、私は今でもケンジには頭が上がりません。

「2年春の大ケガ」
同期で最も練習する亀井に喰らいつこうと、全体練習の後、毎日一緒に自主練習を続けていました。しかし2年の春、亀井にトスを上げていた際、顔面に打球を受け、脳挫傷と頭蓋骨骨折(ひび)の大ケガを負いました。数週間の入院と約1年間のリハビリを経て完治しましたが、カメとの練習パートナーは自然消滅しました。しかしカメはそのまま練習の虫であり続け、4年時には野村徹監督に認められ、リーグ戦初出場ながら1番打者として10季ぶりの優勝に貢献。春秋連続でベストナインを受賞するという一大サクセスストーリーを体現しました。

「4年春の就職活動」
4年になるとリーグ戦出場が難しいことを自覚し、練習への熱が薄れ、就職活動を優先してグラウンドから足が遠のく時期がありました。そんな私を同期の田原が「テツ、何してるんだ!」と一喝してくれました。コータローがあの時叱ってくれなければ、私は腐ったまま、4年秋のベンチ入りもなかったと思います。言いにくいことをストレートに伝えてくれたことに、今でも感謝しています。

「4年秋のベンチ入り」
4年秋のリーグ戦で優勝の可能性がなくなると、野村監督はBチームの4年生を1名ずつベンチ入りさせてくださり、私も明治3回戦でベンチ入りしました。試合前ノックで、いつも観戦していた2階席を見上げた時の不思議な光景と、イレギュラーのない人工芝での内野ノックの心地よさは、まるで竜宮城にいるようでした。その感覚は今でも鮮明に覚えています。

ここに書ききれなかった同期との思い出もたくさんあります。48年の人生のうちわずか4年ですが、今でも夢に出てくるほど濃密な時間でした。最近、久しぶりに東京勤務となり、時々神宮球場へ足を運んでいます。後輩の皆さんにも、今過ごしている時間が人生のかけがえのない財産になることを忘れず、悔いのない野球部生活を送ってほしいと思います。

(早稲田大学平成12年卒 増田哲也)

第1週

この夏の収穫

2026/9/9 UP
OPEN

明治大学

この夏は、春季リーグ戦であと1勝届かず優勝を逃した悔しさを胸に、特に「打倒慶應」を掲げて取り組んできた。今年も島岡御大ゆかりの地である長野県高森町と飯田市で夏季キャンプを行い、朝から晩まで野球に集中できる環境で一球を追いかけ、技術・体力ともに鍛錬を続けた。チームとして目指す「隙のない野球」の体現を追求した10日間となった。その後のオープン戦では、多くの実戦を重ねながら、さらに調整を図ってきた。中でも指名打者の枠を巡っては強打者達がしのぎを削り、競争を通じて打線全体に厚みが生まれている。春季リーグ戦で課題の一つとなった指名打者の起用に、新たな可能性が見えてきた。春の悔しさを力に変え、夏に磨いてきた「隙のない野球」で、秋こそ優勝、そしてその先にある悲願の日本一を達成する。(平野凪乃香)

法政大学

この夏、法政大学野球部は関西、新潟、武蔵小杉の三拠点に分かれて活動し、5日間で計14試合のオープン戦を行った。関西遠征では春季リーグ戦から夏にかけて取り組んできたことが、実践の中でどのような結果として表れているのかを試す機会となった。また、社会人チームや春日本一となった大学とのオープン戦では、技術面はもちろん、練習への取り組み方など、野球に向き合う姿勢についても多くの学びを得ることができた。普段とは異なる環境や相手との対戦は、チームにとって大きな刺激となった。そして、遠征先ではOBの方々をはじめ、日頃から応援してくださっている皆様から、リーグ戦に向けて熱いエールをもらった。いただいた想いを力に変え、秋季リーグ戦に臨む。(佐藤瑛)

東京大学

この夏は、Aチームは北海道の遠軽町、Bチームは岩手県の盛岡市と洋野町で合宿を行った。Aチームは冷涼な気候の下で、リーグ戦を意識した連携プレーなどの練習を積み、Bチームは大会に参加するなどして実戦機会を多く確保するなど、各々が課題に向き合った夏となった。Aチームは合宿後、息つく暇もなく福岡で開催された全国七大戦総合体育大会に参加。2試合で2桁得点を挙げるなどチームは勢いに乗り、3年ぶりの優勝を飾った。東京に戻ってからもオープン戦を重ね、リーグ戦への熱気は高まるばかりだ。春の勝ち点獲得を通過点に、秋こそは悲願の最下位脱出を果たすべく、全身全霊で戦い抜く。(堂埜智咲紀)

立教大学

今年の夏も例年同様、Aチームは7月31日から8月13日までの14日間、岩手県盛岡市と陸前高田市にてキャンプを行った。少し肌寒く感じるほどの涼しい気候のもと、朝から晩まで練習に励み、チーム力の向上を図ることができた充実したキャンプとなった。今回のAキャンプには多くの下級生が参加し、各ポジションでの競争がこれまで以上に激化した。悔しい結果に終わった春季リーグ戦を経て、スターティングメンバーがフラットな状態となったからこそ、選手一人ひとりが高い競争意識を持ち、緊張感のある雰囲気の中で練習に取り組んだ。新たな顔ぶれも加わり、チーム全体としてさらなるレベルアップを遂げることができた。秋季リーグ戦では、夏を越えて一段と成長した立教大学野球部の姿にご注目いただきたい。(大西陽菜乃)

早稲田大学

昨季、5位に終わった悔しさを胸に、今夏を「地獄の夏」と位置づけ、チーム一丸となって鍛錬に励んだ。弊部は8月7日から21日までの15日間、新潟県南魚沼市で夏季キャンプを実施。普段は全寮制ではない部員たちも、この期間は寝食を共にし、朝から晩までへとへとになるまで練習に打ち込んだ。長時間にわたり苦楽を共にし、同じ時間を過ごしたからこそ生まれた一体感は、チームの結束をより一層強固なものになった。また、キャンプや帰京後のオープン戦を通して、多くの実戦経験を積んだ。なかなか成果を勝利という形に結びつけられない試合も続いたが、社会人チームを相手に勝利を収めるなど、秋季リーグ戦に向けて確かな弾みをつけた。この夏に積み重ねた練習量と、苦楽を共にした仲間との強い結束を力に変え、昨季の悔しさを晴らすべく、チーム一丸となって秋の戦いに挑む。(千葉海翔)

慶應義塾大学

この夏は、まさに波乱の夏であった。春のシーズンを終えると韓国遠征に赴き、帰国後は8月3日から2週間にわたる北海道キャンプ。そしてキャンプを終えると、怒涛のオープン戦の日々が待っていた。連戦に次ぐ連戦。選手たちの身体は、限界に近づいていた。しかし、そんな厳しい夏だったからこそ、慶應はさらに強くなった。オープン戦の結果だけを見れば、決して順調な道のりではなかった。だからこそチームは試合の結果だけに一喜一憂するのではなく、日々の練習を何よりも大切にしてきた。試合が終わっても17時までバットを振り続ける。選手が打席に立てば、バッティングピッチャーも最後まで投げ続ける。その姿を、私はこの夏何度も目にしてきた。私がこれまで見てきた慶應野球部の夏の中で、間違いなく一番練習した夏だった。これほど厳しい練習を積み重ねながら、大きな怪我に見舞われる選手を出すことなくチームとしてここまできた。その裏には、首脳陣の方々はもちろん、学生スタッフを含めた多くの人たちの努力がある。この夏に懸けてきた思いは、一人ひとり違うだろう。それでも、そのすべての思いにある共通点は、ただ一つ。「日本一」春、あと一歩のところで逃した日本一。その頂に向けた、下剋上が今、始まろうとしている。主将・今津慶介率いる200人を超える野球部員はこの夏を経て、さらに強くなった。さあ、見せてやれ。優勝だけではない、その先にある「日本一」を掴むための、「慶應魂」を。この秋、慶應の逆襲が始まる。(沖﨑真周)