2025秋・対慶應義塾大学戦
TOKYOROCKSをご覧の皆さん、こんにちは。
2年マネージャーの大沼です。
この文章を書いている今日は、10月7日(火)、対慶應義塾大学3回戦を終えた翌日です。
‥‥‥。このカードの振り返りブログを書くのは、いつにも増して勇気が要ります。このあまりにも濃かった3試合を文章で伝えられるのか、不安でたまりません。
ここに重ねて良いのか分からないですが、先輩方の『ぼくじん(僕の野球人生)』を読んでいても、過去を文章にすることの重みを感じます。
自分の野球人生のどの瞬間を切り取り、どの感情を伝え、どう言葉にしていくか。全て書く人の自由です。その人の野球人生が本当はどんなものだったかは、本人以外知ることはできません。
それでも『ぼくじん』は、とても尊い、素晴らしいコンテンツです。それは、皆さんの野球人生の一端を知ることができることはもちろん、過去の「振り返り方」に映し出される、皆さんの「今」の姿に触れることができるからです。等身大の皆さんが、読む人の胸を打つのです。
なんて、深夜テンションで書いてしまいましたが、要するに私は『ぼくじん』が大好きです。
ということで今回は、10/4(土)〜10/6(月)に行われた対慶應義塾大学戦を振り返るブログです。「私の振り返り方を〜」なんて言いません。どうか純粋に、この3日間に繰り広げられた熱戦の様子を、楽しんでご覧ください!
【10/4(土) vs慶應義塾大学1回戦 ○6-3】
この日の先発は、春の立教戦に次ぎリーグ戦2度目の先発となる、松本慎之介投手(2年/國學院久我山)。
東大野球部で現在唯一となる「甲子園出場経験あり」という脅威の経歴と、筋骨隆々の身体が特徴的な、下級生投手陣を引っ張る左腕です。
〈松本投手はこの瞬間のシルエットがとても綺麗だなと思います。〉
1回表、次第に強まる雨の中、慶應打線は早くも流れを作ります。
先頭打者がヒットで出塁すると、バントや内野安打で塁を進め、4番・常松のタイムリーヒットでホームへと生還します。
東大はこの回先制点を許しましたが、最小失点で抑えます。
対する慶應の先発は、渡辺和大投手。
東大キラーとして知られる渡辺和大投手を前に、東大打線は3回まで無得点に抑え込まれます。
そんな中、4回裏、東大が反撃の狼煙を上げます。
先頭打者・樋口内野手(2年/海城)のヒットから始まり、続く中山副将(4年/外野手/宇都宮)もヒット、大原外野手(4年/県立浦和)はフォアボールで出塁。一死満塁のチャンスを迎えます!
そしてこのチャンスは、思わぬ展開へと試合を運びます。
6番打者・青貝内野手(4年/攻玉社)の2球目、相手投手の投じた球は青貝内野手の右足へ。押し出しデッドボールで1点を獲得し、1-1の同点となります!
〈かなり痛そうですが、死球を受けた青貝内野手はガッツポーズ。勝利への執念を感じました。〉
一塁側東大スタンドでは、応援歌『ただ一つ』が流れます。その声を背に受け続いて打席に立ったのは、左打ちのキャッチャー・明石捕手(3年/渋谷幕張)。
追い込まれたその8球目、鋭く振り抜いた打球は完璧な角度で上がり、ライトの頭を越える長打に!
三走・二走がホームへと迷いなく走り出すだけでなく、一走の青貝内野手も好走塁を見せ、ホームへ魂のヘッドスライディング!走者一掃・タイムリーツーベースとなりました!
また本塁への送球間に、明石捕手は三塁へと進塁。相手の隙をつく好走塁で、さらなるチャンスを作ります。
〈3点タイムリーツーベースヒットを放った明石捕手。ベンチに向け拳を掲げます。〉
続くバッターは、松本投手。東大投手陣の中でも、バッティングへの思いが人一倍強い選手として知られています。
そんな松本投手は一塁線に痛烈なファーストゴロを打ち、その間に明石捕手がホームイン。追加点を獲得します!
この回、一挙5得点のビッグイニングとなりました!🔥
初回に得点を許した東大の守りですが、その後は相手に隙を与えませんでした。
先発の松本投手は、力強い直球にスライダーなどの変化球を織り交ぜながら、2回から5回までを無失点の好投。慶應打線をねじ伏せます。
そして6回表、フォアボールでランナーを出したところで、ピッチャーは佐伯投手(3年/渋谷幕張)に代わります。
〈リリーフとして登板した佐伯投手。豪快なクイックモーションが特徴的です。〉
しかし続くバッターにツーベースを浴び、その後も2者連続でフォアボールを許し、1点を失います。
一死満塁。このピンチの場面で、ピッチャーは江口投手(3年/海城)に交代します。
後続を打ち取り、見事な火消し役を果たしました。
江口投手は次の回も緩急のあるピッチングで慶應打線に流れを渡さず、無失点で抑えます。
〈伸びのある直球と大きく曲がる江口カーブ(詳しくはこちら)が武器の江口投手〉
一方東大の攻撃は、7回に酒井捷副将(4年/外野手/仙台二)からヒットが出るも、6回・7回と無得点。攻略の糸口が掴めません。
リードを守りたい東大。8回表、マウンドに立ったのは、我らがエース・渡辺投手(4年/海城)。
〈渡辺投手がマウンドに立つと、球場全体が異様な空気に包まれるように感じます。華奢な身体から、ものすごいオーラが放たれています。〉
途中守備のエラーでランナーを出しますが、レフトの榎本外野手(4年/渋谷幕張)の好プレーや、得意のフライで打ち取るピッチングでアウトを重ね、無失点で切り抜けます。
8回裏、4回以降得点のない東大の流れを断ち切ったのは、途中出場の伊藤滉一郎外野手(3年/県立千葉)。
この回から登板した慶大投手の初球、内に入った球を美しいスイングで振り抜き、打球はライト線へ。ツーベースヒットとなり、東大打線に再び火を付けます!
〈山本考マネージャー(4年/海城)も『打つ芸術作品』と称するほど綺麗なスイングと打球が魅力の伊藤外野手 (詳しくはこちら)〉
伊藤外野手は続く荒井慶斗内野手(2年/宇都宮)のファーストゴロで三塁へ進塁し、また青貝内野手もフォアボールで出塁。ランナー1,3塁となります。
ここで打席に立ったのは、4回に外野の頭を越えるタイムリーツーベースヒットを放った、明石捕手。
フルカウントの7球目、相手投手の変化球を器用に打ち返すと、打球はレフト前に落ち、ヒットとなります!
三走・伊藤外野手はその間にホームイン。追加点を獲得します。
〈この試合3安打4打点の大活躍を見せた明石捕手。スタンドからの大歓声を浴びます。〉
5点リードで迎えた9回表、8回に続いて渡辺投手がマウンドに上がります。
勝利まで残りアウト3つ。
皆が祈るように、グラウンドの選手たちを見つめます。
そんな中、慶應の先頭打者に痛烈なホームランを打たれます。点差は3点に縮みましたが、選手たちは落ち着いていました。
次の打者は、内野ゴロに打ち取ります。
続くバッターは二遊間に落ちるかというヒット性の打球を打ちますが、ここはショートの樋口内野手がスライディングキャッチ。見事なファインプレーが飛び出し、ツーアウトとなります。
〈鉄壁ショートの樋口内野手。毎試合のように惚れ惚れする守備を見せてくれます。〉
勝利まで残りアウト1つ。
そして4球目、打ちつけた球はこの回から守備についた井之口内野手(4年/ラ・サール)のもとへ。
井之口内野手は華麗にボールを捌き、一塁へ送球。3アウトで試合終了。
ついに、東大が勝利しました!!
TEAM2025、TEAM杉浦初のリーグ戦勝利です!
〈喜びを爆発させる選手たち。酒井太幹学生コーチ(4年/筑波大駒場)(写真中央・背番号50)も、真っ先にベンチを出て選手の元へ向かいます。〉
〈ハイタッチを交わす奥畑主務(4年/智辯和歌山)と酒井副将〉
〈ヒーローインタビューを受ける明石捕手。決勝打を放ったヒーローとしてはもちろん、キャッチャーとしての思いや、チームへの思いが伝わってくる素晴らしいインタビューでした。〉
怪我により出場を果たせなかった杉浦主将(4年/捕手/湘南)は、応援席でこの勝利の瞬間を見つめ、涙を流していました。
本当に、勝てて良かったです。感動の一戦でした。
【10/5(日) vs慶應義塾大学2回戦 ●1-4】
迎えた翌日。
この日は『淡青の日』ということで、三塁側の東大応援席には沢山の方が観戦に来てくださりました。淡青に染まったスタンドの光景は、とても綺麗でした✨
またこの日は100周年記念イベントである、『レジェンド始球式』もありました!
この日のレジェンドは、東大野球部OBで現在報道ステーションのキャスターを務める、大越健介さん。
〈東大のユニフォーム姿でマウンドに上がった大越さん。気持ちのこもった投球で、球場を沸かせます。〉
偉大なる先輩の一投を幕開けに、試合が始まります。
先攻の東大。1回表は無得点に終わります。
守りにつく1回裏。この日の先発は、前日に試合を締め括った、エース・渡辺投手です。
〈『神宮の幾何学』こと渡辺投手 (詳しくはこちら)〉
途中ランナーを出しピンチの場面もありましたが、落ち着いた投球で自らのペースを崩さず、3回までを無失点に抑えます。
しかし4回裏、慶應打線に捕まり、3失点を喫します。
しかし最後は明石捕手が見事なフライキャッチを見せ、3アウト。好守でピッチャーを助けました。
この日の東大打線は、相手投手を前に苦戦します。
2回には明石捕手が左中間を破るツーベースヒット、6回には大原外野手が華麗な流し打ちのライト前ヒットを放ちますが、得点には結びつきません。
5回からマウンドに立ったのは、ルーキー・中根投手(1年/筑波大駒場)。今春のフレッシュトーナメントで神宮デビューを果たし、今季の明治戦2回戦でリーグ戦初登板を果たすなど、早くも東大投手陣の一端を担う活躍を見せています。
〈ダイナミックな投球フォームが魅力の中根投手。どの瞬間も映えるため、つい写真を撮りすぎてしまいます。〉
テンポ良く投げ込む球は絶妙なコースを突き、慶應のバッターを次々と打ち取ります!
6回・7回を三者凡退に抑えるなど、圧巻の投球で3イニング無失点。好リリーフを見せました!
8回、ルーキーの好投に応えるように、東大打線が動きます。
先頭打者、中根投手の代打として出たのは、こちらもルーキー・小美野外野手(1年/早稲田)。今春のフレッシュトーナメントでは神宮初打席で初安打を決める活躍を見せた小美野外野手ですが、リーグ戦では初めてとなる打席でした。
1年生とは思えぬ落ち着きでフォアボールを選ぶと、代走として安田外野手(2年/名古屋)が出場。『赤門エクスプレス』の異名(詳しくはこちら)を持つ安田外野手、すぐさま二塁への盗塁を決めます。
9番・青貝内野手は俊足を活かして内野安打を決め、ランナーは三塁へ進塁。
続くバッターは秋元内野手(2年/市川)。粘りに粘ったその9球目、高めの球をレフトへ返し、タイムリーヒットとなります!
〈前日にはツーベースヒットを放った秋元内野手。この日も打棒を発揮します。〉
しかし8回裏、犠牲フライにより1点を失います。
後がない9回表、1アウトの場面で樋口内野手からライト前ヒットが飛び出し、チャンスを作ります!
しかし、代打の門田内野手(3年/松山東)、絶好調の明石捕手が続いて打席に立ちますが、惜しくも凡退。試合終了となりました。
結果は1-4、悔しい敗戦となりました。
そして勝ち点の行方は、翌日の3回戦に持ち越されます。
【10/6(月) vs慶應義塾大学3回戦 ●1-6】
勝った方が勝ち点獲得という、勝負の一戦。
この日の先発は、江口投手。前々日の1回戦では好リリーフを見せた、東大投手陣の中核を成す存在です。
しかし初回、早くも慶應打線に捕まります。
守備のエラーやデッドボールによりランナー1,2塁とした場面。
江口投手が投じた初球は、相手打者のバットに弾かれレフトスタンドへ。スリーランホームランとなります。
初回に先制点を許した東大。逆襲を誓う打線は、相手投手を前に奮起します。
1回裏には中山副将がライト線を破るツーベースヒット、2回裏には明石捕手が気迫のライト前ヒット、代打で出場の工藤内野手(4年/市川)がレフトフェンス直撃のツーベースヒットを放ちます!
しかし、どちらも後続が倒れ、得点には繋がりません。
3回表には、江口投手からバトンを受け前田投手(3年/熊本)がマウンドに上がります。
〈今カード初登板となる前田投手。前田投手がマウンドに上がると、どことなく安心感を覚えるのは私だけでしょうか。〉
しかし、フォアボールで出したランナーを犠牲フライにより生還させてしまい、1失点。その後は打ち取り最小失点で抑えますが、この回でマウンドを降ります。
得点を掴みたい3回裏、先頭・樋口内野手が詰まりながらもセンター前ヒットを放つと、続く中山副将もこの日2本目となるヒットで出塁。ノーアウトランナー2,3塁のチャンスを迎えます。
〈逆襲ポーズ(?)を決める中山副将。スタンドのボルテージも上がります。〉
しかし、4番・大原外野手の内野ゴロで樋口内野手が三本間で挟まれ、1アウト。ランナーが入れ替わります。
続く荒井慶斗内野手の打席。打った打球はショートへと転がり、その間に中山外野手がホームイン!1点を返します。
4回にマウンドに上がったのは、なんとリーグ戦初登板のルーキー・池田投手(1年/江戸川学園取手)。初登板というだけでなく、この日は初めて神宮のベンチ入りを果たした日でした。
〈身長186cm体重84kgという恵まれた体格を持つ池田投手。長い手足とこの美しいフォームにスター性を感じます。〉
緩急のあるピッチングで慶應打線を手玉に取り、4回・5回を無失点に抑えます!
6回にはソロホームランを浴びますが、セカンド・秋元内野手の好守にも助けられ、3イニング1失点の堂々たるピッチングを見せマウンドを降ります!
続いてマウンドに上がったのは、活き活きとした投球が魅力の武田投手(3年/岡山白陵)。
〈今カード初登場の武田投手。この回から点灯したナイター照明は、彼の登場をより一層ドラマティックに引き立てます✨〉
ヒットを許さず、最後は三振を奪いこの回を無失点で切り抜きます!
〈雄叫びを上げる武田投手。リーグ戦デビューから3試合、いまだ無失点です!〉
一方の東大打線。5回には中山副将がこの日3安打目となるツーベースヒットを放ち、また同じく宇都宮高校出身の荒井慶斗内野手からも今季初ヒット、7回には樋口内野手からこの日2安打目となるヒットが出ますが、いずれも後続が倒れ、得点には繋がりません。
〈バットを折りながらヒットを打つ樋口内野手。勢いが止まりません。〉
8回には佐伯投手がマウンドへ。1回戦・2回戦に続き3日連続となる登板です。
樋口内野手の好守もあり、無失点。攻撃へと流れを作ります。
その好投に応えるように、8回裏、明石捕手のライト前ヒット、青貝内野手のセンター前ヒットによりチャンスを作ります。
〈ベース上で熱いガッツポーズを見せる青貝内野手。まさに『千両役者』です。(詳しくはこちら)〉
しかし惜しくも後続が倒れ、ランナーを塁に残したまま、無得点でこの回が終わります。
9回表、東大投手リレーのアンカーを務めたのは、エース・渡辺投手。
1回戦ではクローザーとして、2回戦では先発としてマウンドに上がった渡辺投手は、3日連続の登板となりました。
慶應打線はクリーンアップからのスタートでしたが、得意のフライアウトで、わずか3球で2アウトを取ります。
しかし、続く打者にフォアボールを与え、またその後長打により1失点。
そして最後はショートゴロに打ち取り、攻撃へと望みを繋ぎます。
9回裏、5点を追う展開。逆襲を見せたい東大打線は、1番・秋元内野手の攻撃から始まります。
しかし、抑えとして登場した相手エースを前に、秋元内野手・樋口内野手・中山外野手という好打者たちも次々と打ち取られ、3アウト。試合終了となりました。
結果は6-1の慶應の勝利。あと一歩のところで、東大は勝ち点を逃しました。
喜びと悔しさが交錯した3日間。
初戦で掴んだ勝利の歓喜を、勝ち点という形には結びつけることができませんでした。
今週末、 10/11(土)からは、対立教大学戦が始まります。
勝ち点獲得という目標に向かって、チーム一同、全力で戦ってまいります。
今後とも変わらぬご声援のほど、よろしくお願いいたします。