【僕たちが歩んだ4年間】⑨~大倉啓輔~
9人目は、大倉啓輔(投・教育・早稲田実)です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新人集合日が遠く昔に感じるほど月日が経ち、気づけば引退まで2ヶ月弱のところまで来てしまいました。これまでの4年間で感じたことや考えたことを書き記そうと思います。
1年生の時は、1年生ランや朝準備など大変なことが多くありましたが、唯一の楽しい思い出は電話当番でした。仕事内容は、リーグ戦で使用する荷物の準備や片付けをしたり、試合中には打席や投球を録画して選手に送ったりすることでした。電話当番の日は朝が早く、バス出発の2時間前に集合でした。朝早くからの準備や日頃の疲れもあり、バスが出発して試合が始まるまでの間は、同期の樹の部屋をよく使ってました。
今主務をしている北嶋(北嶋晴輝・4年・マネ・スポ・早稲田佐賀)とマネージャーの成瀬(成瀬かおり・4年・マネ・スポ・千種)も同じ電話当番で、北嶋は荷物を持ちすぎて鼻血を出したり、成瀬はいつも遅刻ぎりぎりで来るのが遅かったです。その他にも忘れ物を届けるために全力で走ったり、残ったケータリングを食べたりするなど、電話当番があったからこそ辛い1年生の期間を乗り越えることができたと思います。
2年生になると朝準備や補助がなくなり、自分の練習時間を多く取れるようになりました。しかし、肘を怪我してしまい、なかなか復帰することができませんでした。高校時代は肘を痛めては復帰することの繰り返しで、不完全燃焼のまま高校野球が終わってしまったので、思い切ってトミー・ジョン手術を受ける決意をしました。このままでは高校時代の二の舞になり、また不完全燃焼で終わりたくないという強い思いがあったからです。リハビリ期間が長くなっても、最後の1年にすべてを懸けるつもりで手術に踏み切りました。
しかしリハビリは思うように進まず、3年生の1年間をすべてリハビリに費やすことになり、復帰できたのは今年の2月でした。そこからは運良く春の浦添キャンプや夏の南魚沼キャンプにも参加することができ、ある程度結果を残せたことで、秋季リーグ戦の東大戦ではベンチ入りを果たしました。その時は、これまでの長いリハビリが少し報われた気がしました。
これまでの4年間を振り返って、野球部で学んだことが2つあります。ひとつは “他人の不幸を願うのではなく、自分のやるべきことをやる” ということ。もうひとつは “結果と同じくらい過程を大事にする” ということです。
早稲田の投手陣は層が厚く、なかなかベンチに入ることが難しい状況でした。誰かが調子を崩したり怪我をしたりしないとベンチ入りできないと思い、他人の不幸を願ってしまうことがありました。しかし、それでは人間としても野球選手としても成長できないと気づきました。大切なのは、他人の不幸、失敗を待つのではなく、自分が努力し、練習という過程を大事にしながら結果をつかみ取ることです。
また、リハビリの経験を通じて過程の重要性をより深く学びました。焦ってリハビリを疎かにすると痛みを繰り返し、かえって復帰が遅れてしまいます。地道なトレーニングを継続したからこそ、今こうして健康に野球ができているのだと感じています。結果は、日々積み重ねる過程の努力次第で変わるのだと思います。
この二つの学びは繋がっていると考えます。他人の不幸を願うのではなく、自分のやるべきことに集中し、日々の練習を大切にする。そうすれば必ず結果がついてくると信じています。この姿勢を忘れずに、リーグ戦での登板を果たし、戦力としてチームの4連覇に貢献できるよう、最後までやり切りたいと思います。

個人的には田和(田和廉・4年・投・教育・早稲田実)がいなければ自分はここまで頑張れなかったと思います。高校からずっと一緒にいて学部、ゼミまで一緒で多くの時間を過ごしてきました。自分が手術する3ヶ月前に田和も同じ手術をしていたので、アドバイスを貰いながら2人でリハビリを共に頑張りました。リハビリをしていた病院も同じで、お昼に一緒に魚定食を何度も食べたのはいい思い出です。直接言うのは恥ずかしいのでここで言っときます。7年間ありがとう。

写真 投手陣

写真左から 伊藤樹(4年・投・スポ・仙台育英)、黒﨑将太(4年・捕・文・國學院久我山)、田和、大倉、椎名丈(4年・外・教育・早大学院)
仲のいい後輩は多くはないけど、今まで仲良くしてくれてありがとう。みんなに負けないように上手くなろうと思えたし、楽しく過ごせたと思う。倉光(倉光条・3年・投・教育・早稲田実)は中学からずっと後輩だから特に頑張ってほしい。ベンチ入りして投げてる姿見せてくれ。
リハビリ中にお世話になった野瀬さん、鈴木さん、花田さん、あと豊島さん。術後からのリハビリ期間、多い時には週3回も通ったのが懐かしいです。野瀬さん、鈴木さんの治療があったから今の自分があると思っています。花田さんも色々と相談の乗ってくださりありがとうございました。豊島さんがいなければここまで成長できませんでした。これからもよろしくお願いします。
家族には感謝してもしきれません。手術やリハビリ、それ以外にも色々と迷惑かけてすいません。お金が掛かってすいません。けどそのおかげで今は健康に野球ができています。これからもよろしくお願いします。家族、祖母のためにも、リーグ戦で投げてる姿を見せられるように、残り2ヶ月弱頑張ります。
