【僕たちが歩んだ4年間】⑲~田村康介~
19人目は、田村康介(内・商・早大学院)です。

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リーグ戦試合の守備中、ショートからしょうもないことを言ってきて笑わせてくれる仲良し渋谷くん(渋谷泰生・4年・内・スポ・静岡)から繋いでいただきました。光栄です。
私事ではありますが、リーグ戦期間中、毎日のようにリポビタンⅮを飲んでいて氣合いを注入するんですけど、最近飲みすぎて血液型がA型からⅮ型に変わってしまいました、田村康介と申します。よろしくお願いいたします。
早稲田で過ごした4年間、これまで紆余曲折あり、様々な経験をし感情を抱きました。もっと文字数があったのですが、最後の方はだいぶ端折りました。拙い文章ではありますが、最後までお読みいただけると幸いです。
中学2年生の秋、兄に早慶戦観戦を勧められ、早稲田に強い憧れを抱くようになりました。甲子園よりも大学野球と考え、早大学院に入学し、「自分のヒットで『紺碧の空』を鳴らす」という夢を持って、高校3年間充実した時間を過ごしました。しかし、大学入学直前に人生初の肩痛に悩まされ、20mも投げらないという状況に陥ってしまいます。
1年目は怪我に振り回されました。
練習にはもちろん参加できず、朝6時から朝準備、午前はAチームの練習補助、ご飯を食べて、午後はBチームや同級生の練習補助をするという日々を送っていました。「何のために野球部に入ったんだろう。」ぼーっと考えているうちに、先輩が構えているのにも関わらず、マシンにボールを全く入れないという愚行を何度も繰り返しました。お前はもうマシン入れるなと怒られました。ちょっぴり嬉しかったです。
早大学院出身で怪我人というところで、みんなになめられていたと思います。「絶対チームメートを見返す」、その一心で空いた時間にとにかく練習しました。夜やオフの日は渋谷と、朝準備前の朝4時からは飯塚(飯塚悠斗・4年・内・社会・早大本庄)と自主練習するという今では到底考えられないようなことをしていました。しかし、中々肩は治らず、手術もしましたが良くならず、気がついたら11月。家族に近況を聞かれた時も、「肩治った!練習参加してる!」と嘘をつき、実際はトス上げ、紅白戦の審判、球拾いという日々。
ようやく肩が良くなりはじめた頃、希望ポジションであったショートを諦め、ファーストで初の練習参加をしました。しかし全体ノックで暴投を連発し、学生コーチに呼ばれ「まだ練習に参加できる実力じゃない。迷惑だ。」とはっきり言われ、トイレで隠れて涙したこともあります。こんなに練習して、みんなに追いつきたいと誰よりも考えていたはずなのに、どうしても肩の痛みで思う場所に投げられない。自分でも、あ、野球人生終わったな。とメンタルがやられてしまったのを今でも鮮明に覚えています。
そんな時に支えになったのが、東京ステイ(学生寮)での日々と両親の存在です。ステイの日々は毎日が修学旅行で、歯磨きもテレビを見る時間もずっと一緒でたくさんの元気をもらいました。

写真左から 冨田大地(4年・学コ・スポ・日立一)、田村、依田塁(4年・投・文・早大本庄)
全く趣味のない両親は、私の野球の活躍を見るのが1番楽しいようで、きっとそれが唯一の趣味だったように思います。“自分ではなく、親のために”という言葉が、当時書いていた野球ノートの1ページ目には大きく書いてあります。仲間や家族、お世話になった方々の存在が、挫けかけていた自分を立ち上がらせてくれる原動力になっていました。そういった方々の存在のおかげで、ものすごく長かった肩の怪我も次第に回復していきました。
2年目は様々な経験をさせていただいた年でした。
2年夏に念願のAチームに入ることができました。その時は色々あって坊主だったのですが、野球に打ち込めたので結果的によかったと思います。徐々に調子も上がり、2年秋リーグ法政2回戦に初めてベンチ入りすることができました。そして、チャンスで頂いた初打席で打点付きのヒットを打つことができました。自分のヒットで奏でることができた「紺碧の空」が聞こえた瞬間、感動と興奮とよくわからない感情がいっぱいいっぱいに押し寄せてきて塁上で泣きじゃくりちらかしてしまいました。中学高校時代、素振りのときに、コンバットマーチを流してチャンスでの打席を妄想し、打ったあと塁上で、ガッツポーズをして紺碧が流れるごっこをしていた、そのシーンが現実になった瞬間でした。夢が叶った瞬間でした。
その2週間後に優勝のかかる初めての早慶戦を経験しました。圧巻でした。その日が大学入学後、初めてサードを守る試合で、不安もありましたが「Let it be(成り行くままに)」と「Vamos(さあ、いこう)」この言葉たちに救われました。今も緊迫する場面や試合で緊張する時は思い出すようにしています。また、慣れないサードの練習に長い時間付き合ってくれた、学生コーチの肥田さん(肥田尚弥・R6卒)、白塚さん(白塚公基・R6卒)には本当に感謝しています。優勝こそ逃してしまいましたが、その代の方々と野球ができた幸せは一生忘れないと思います。

3年目は、気持ちの弱さを実感した年になりました。文字数の関係で割愛します。
最終学年は野球への限界を感じ、モチベーションを保つのが難しい年でした。
サードのポジションが埋まれば、強いチームになることは明確だったので、そのワンピースになれるようにと努力しましたが、3年の時と同様、納得いくシーズンにはならず、野球に限界を感じるようになりました。後ろで控えてくれている選手たちに申し訳ない。チームに迷惑をかけるばかりで、スタメンで出たくないとも思うようになりました。夏にはBチーム落ちも経験し、モチベーションも0に近くなっていたのも正直な話です。「なにくそ、ライバルに負けてたまるか」という入学当初の気持ちも不思議と湧いてきませんでした。自分自身が2年生の時に4年生を押しのけてメンバーに入ってしまったように、自分もその立場になる順番が来たかと受け入れる気持ちもありました。しかし、同級生のミーティングで1人1人の最後にかける想いを聞いたときに、「最後にこのみんなで優勝したい。そこに力を加えたい。」と強く思うようになりました。小澤(小澤周平・4年・内・スポ・健大高崎)からも「お前の力が必要だ。最後、みんなで出し切ろうぜ。」という言葉をもらい本当に救われました。
自分のためではなく、仲間やこれまでお世話になった方々のために、最後の最後まで野球をやり切りたいと思います。
最後みんなで笑って終わろう。Vamos!
~お世話になった方々へのメッセージ~
父へ
野球未経験なのにたくさんノック打ってくれてありがとう。「気持ちだけ、自信持って」とよく言うけれど、その言葉にたくさん救われました。ありがとう。大好きです。
母へ
「無理しなくていいからね」と言ってくれる母の優しさが私にとってのオアシスでした。ここまで野球を続けてこられたのは間違いなく母のおかげです。ありがとう。大好きです。
兄へ
「兄に負けたくない」その想いから、よくアドバイスに反抗してごめん。けど実際はめちゃくちゃ聞いてます。これからもアドバイス待ってます。普段言えないけどガチで尊敬してます。大好きです。
東京ステイ住民へ
人生でこれ以上ないくらい最高に楽しい日々でした。起こし合ったり、布団でぬくぬくしたり、飯食ったり、風呂入ったりするだけで毎日が笑顔になって魔法の場所でした。みんなありがとう。

写真左から 田村、冨田、山口力樹(4年・内・スポ・早稲田佐賀)
丈くん(椎名丈・4年・外・教育・早大学院)へ
丈くんの球が世界で1番打ちやすいよ。いつもバッティング練習のペア、ありがとう。神宮での初ヒット誰よりも待ってます。あと少しだけ、まじ頑張ろ。
中澤(中澤凱・4年・投・社会・早大学院)へ
中澤がいたから、この7年間ほぼ毎日楽しかった。たまに君はダルがらみがすごいから、気を付けてね。かといってガチドロップキックしちゃっていいわけないよね。その節はごめんよ。これからもよろしくね。
まお(山口真央・4年・投・社会・早大学院)へ
まおの部屋でゲームしたり、洋楽やクリスマスソングをきいたり。たくさんのチルをもらったよ。また梁山泊いこうね。7年間ありがとう。
飯塚へ
ステイを語る上で欠かせない1人。飯塚のクリエイティブな性格のおかげで、ステイの思い出がいっぱい携帯に残っています。今年もどっか出かけようね。グローブとカウンタースイング借りパクしてごめんね。返しません。
りき(山口力)
1年の時からだけど、君は最高に面白いよ。人から見て変なところも俺にはかわいく見えるよ。いろんなエピソードあるけど割愛。残り数週間、朝しっかり起きるように頼むよ。
裕平(伊藤裕平・4年・投・人間・水沢)へ
君は心から自分を見つめ直してください。その先に未来が見えるようになります。
渋谷へ
2人で秋葉原行ったり、火鍋食べに行ったり、池袋のよくわからん大衆居酒屋で呑んだり。よくデートしたね。そんな渋谷と三遊間組めて嬉しいよ。優勝してクールな渋谷君の泣き顔を見たいよ。

写真左から 田村、石郷岡大成(4年・外・社会・早稲田実)、渋谷、椎名
スポ推へ
間違いなく、115期がこんなに仲がいいのは3人のおかげです。優しくてとっつきやすくて、最初は本当にスポ推かって思いました。これからも怪我に気を付けて野球頑張ってね。
マネージャー、学生コーチ、学生トレーナーへ
選手をやめて裏に回る決断をしたときは相当な想いがあったと思う。それでも嫌な顔ひとつせず、チームを裏から支えるみんなを尊敬してるし、感謝してる。本当にありがとう。
早稲田大学野球部の115期で本当に幸せでした。先輩、同期、後輩。みんなありがとう。
2025秋シーズン、4年にとってのラストシーズン、170人全員で優勝しよう。
以上になります。長くなってしまい申し訳ございません。
次は、個人的いい匂いランキング1位の田和廉(4年・投・教育・早稲田実)に回します。