33人目は大川航駿(内野手・日大鶴々丘)です！

同期の引退投稿、特に私と同じ一般組のものに目を通せばその大半が4年間での大きな挫折や理想と現実のギャップによる苦しみにフォーカスしたものだと感じます。
それと比べると日々の練習を楽しみ、グラウンドに行くことを生きがいと考え、野球が嫌だと感じたことは一度もなかった自分に狂気すら覚えます。
さて、「楽しい」とは言ったもののCチームで誰にも見られず練習をする日々や失敗ばかりの毎日が心の底から楽しかったかと問われれば、正直そうではない日も多かったことでしょう。
しかし、それを凌駕する成長の喜びや発見の楽しさに満ち溢れた生活を送り、常に野球に対して真摯に向き合い続けた私にとって、この4年間は一切の後悔がない「楽しい」毎日だったと言い切ることができます。そのような気持ちになれたのも私の周囲に「野球を学び、野球から学ぶ」ことができる環境とそれを実践できる人間がいたからだと思います。生来、面と向かって感謝を伝えることが苦手な性格なので今回はこの場をお借りして私が本当にお世話になった方々に感謝を述べたいと思います。

まずは大島監督
大島さんとの4年間は多くの学びで満ちていました。毎日大島さんの帰り際を狙ってはグラウンドに現れ、ティーアップをお願いする私に嫌な顔ひとつせず付き合ってくださり、長い日は2時間近くバッティング指導をしてくれました。「本気で真剣に心を込めて丁寧に」「野球は人生の短いサイクル」「強さは優しさ」など野球の技術だけでなくこれからの人生の道標となる言葉をたくさん頂きました。野球では全くと言っていいほど見どころがなかった私を「人」として評価していただき春のリーグ戦ではベンチに入れてもらったこと、これからの人生の糧にして生きていきます。

次に𠮷安
「野球」という部分を除けば自主練の時間は自分勝手だし、音楽のセンスはないし、自分のことをイケメンだと勘違いしている痛い奴です。しかしこの一年、野球を一から教え直してくれたのがやすでした。バッティングの技術だけでなく考え方、チーム作りについて本当にいろんなことを話し、学ばせてもらいました。高校野球の最高峰である大阪桐蔭を卒業したやすが「努力してない奴は、努力してる奴には一生勝たれへんから」と言ってくれたことを今でも忘れません。そのおかげでここまでやってこれました。ありがとう。毎日欠かさずティーとウエイトを行い、誰よりもチームのことを考え、ここぞのチャンスで必ず打つ主将。報われなきゃ嘘だと思います。絶対やすのことを胴上げします。重すぎたら上がらんから痩せてな。
最後のシーズンこそ優勝、脱二割二分、大川のヒットという俺たちの三大目標を達成しましょう。

最後に、涼星
口を開けば「そのレベルでやってない」モットーは「忍耐」合言葉は「魂」野球人生で初めて自分と同じ暑苦しさを持つ人間に出会いました。私の大学野球はあなた抜きで語ることはできません。4年間本当に、本当にいろんなことがありました。
初対面で「足、えぐいね」ってわけわからない絡みをしてきたあの日から、二人揃ってイップスになったこと、深夜の二高でキャッチボールにもならないキャッチボールをしたこと、春のリーグ戦前、毎日不安すぎて二人で部屋に集まっては何時間も話したこと、どちらかしかベンチに入れなくても恨みっこなしでやろうと約束したこと。やっぱり一番辛かったのは学生コーチ決めのミーティングかな。二人とも投票で選ばれるのを覚悟して半泣きで現役最後のキャッチボールをしたのが懐かしいです。そこから数ヶ月後、二人揃ってベンチに入った立教戦は死ぬまで忘れません。
大学生にもなってここまで熱く、泥臭く、必死にやってくれる涼星が隣にいたから俺もここまでやってこられました。本当にありがとう。
数年後に甲子園で采配を振るう岩間先生、楽しみにしてます。残り数ヶ月どんな結果になっても最後まで最高の相棒でいてください。

明日の開会式を皮切りに私たちのラストシーズンが開幕します。四年生40名が魅せる魂のシーズンです。誰一人欠けることなく、必死に、泥臭く、命を懸けて戦い抜くことを約束します。

最後になりますが、選手として何の取り柄もない私に怪我をしない体と大きな声という唯一無二の武器を授けてくれた両親、常に球場をオレンジに染めてくれる応援団、私のような選手に期待し応援してくださるファンの方々、そして何より、メンタルが強いふりをしているけど実はただの見栄っ張りで、ビビリで、ずるくて、一時期はパニック症状が出てどうしようもなくなってしまった私を包み込み、成長させ、生き抜く力を与えてくれた『野球』に最大級の感謝をして、締めくくりたいと思います。
野球に出会えて、こんな人生を歩めて私は幸せ者です。ありがとう。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。ラストシーズンも法政大学野球部への熱い熱いご声援よろしくお願いします。