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2019.10.24

2019秋 明大戦振り返り

 

こんにちは。

4年学生スタッフの岡林です。

 

「雪辱」。

「辱」は屈辱のことを意味し、「雪」は雪ぐ(すすぐ)と読んで、さっぱりと晴らすことを意味します。

 

屈辱とは、ニュアンスをやや異にしますが、私たち塾野球部員は非常に悔しい思いをしました。

今年の春季リーグ戦第6週(4カード目)、同率1位の明治大学との首位攻防戦。事実上の天王山となった明治戦は、2連敗を喫し、そのまま明治大学はリーグ戦完全優勝、またその勢いのまま全日本大学野球選手権で優勝し、日本一に輝きました。

翌日の読売新聞朝刊には、「顔」というコラムにて明治大学監督の善波達也さんの記事が掲載されており、「あの時、明治に勝っていれば、ここに写っているのが大久保監督だったかもしれない…」と悔しさを滲ませたのも記憶に新しいです。

 

その悔しさを晴らす「雪辱」の機会が訪れた秋季リーグ戦の明治大学戦。

その一部始終を振り返って参りたいと思います。

(以下、毎度のごとく詳細に書いたので長くなります。)

 

【対明治大学戦1回戦 K 4—1 M】
春の雪辱を誓う慶應は初回から柳町の2点本塁打が飛び出して先制すると、直後の裏に1点を返されるも、5回に相手のミスと福井の犠飛で2点を追加し、その後は4年生の継投リレーで逃げ切り先勝を果たすことができました。

相手の先発は横浜DeNAベイスターズから3位指名を受けた伊勢投手。

初回、1番・中村健人がフルカウントから四球を選び出塁すると、2番・下山は初球をきっちり送り、チャンスでクリーンナップを迎えます。打席に入るのは、福岡ソフトバンクホークスから5位指名を受けた柳町。初球の甘い球を逃しませんでした。センターに打ち返した打球は低い弾道でそのままバックスクリーンまで届き、2ラン本塁打で先制します。

その後の郡司は四球で出塁し、続く正木の打席の5球目、俊足を飛ばし、盗塁を決めます。その後、正木は四球を選び、一死一、二塁と再びチャンスを迎えます。後続の福井は三振、小原は右安で満塁となるも、続く瀬戸西が打ち取られてこの回を終えます。

こちらの先発はエースの髙橋佑樹。立ち上がりに苦しみます。

初回、1番・陶山選手に四球を与え出塁を許すと、すぐさま盗塁を許し、続く添田選手には右前に運ばれ、これで走者が一気にホームにまで帰還し、1点を返されます。

続く、3番・北本選手は一直、4番・喜多選手の打席で盗塁を試みた添田選手を捕手・郡司の好送球で刺殺します。しかし、その喜多選手には四球を与え、続く和田選手に三塁線を破る二塁打を放たれ、二死二、三塁とピンチを背負います。一打、逆転を許す場面でしたが、6番・原田選手に遊ゴロに打ち取り、最小失点に抑えます。

初回の攻防は両投手立ち上がりに苦しむ展開になりました。

その後は、両先発とも走者を背負いながらも粘りの投球で得点を防ぎ、スコアボードに0が並びました。

再び、試合が動いた5回表、1打席目に先制2ランを放った先頭の柳町が二遊間を破る中安で出塁すると、中日ドラゴンズから4位指名を受けた4番・郡司が、ライトの頭を超える二塁打で無死二、三塁とチャンスを広げます。

続く、打席には正木。2球目、相手捕手がボールをこぼした隙に三塁走者柳町がこれを逃さず、ホームに生還。1点を追加します。なお、その間に二塁走者の郡司も三塁に到達します。

正木は三振、次の6番・福井はレフトへの犠飛で、リードを3点に広げます。

6回裏、先頭の4番・喜多選手を一ゴロに打ち取ったところで、先発の髙橋佑樹はマウンドを髙橋亮吾に託し、逃げ切りを図ります。その髙橋亮吾の投球、迎える5番・和田選手にフルカウントからレフト戦への二塁打を浴びます。

続く、原田選手の放ったライナーが右中間を破るかと思われたところ、ライトの中村はこれをスライディングキャッチし、二死とします。次に代打・岡本選手を三振に抑え、ピンチを背負いながらも無失点で切り抜けます。

7回裏から髙橋亮吾に代わり、東北楽天ゴールデンイーグルスから3位指名を受けた津留﨑がマウンドに登ります。その津留﨑はこの日最速149キロの直球と鋭く曲がる変化球で7回、8回を0点に抑えます。

最終回にマウンドに登るのは、守護神・石井。先頭打者に内野安打を許すも、その後はきっちりアウトを取り、ゲームセット。

1回戦は投げては髙橋佑樹、髙橋亮吾、津留﨑、石井の4年生リレー、打っては柳町の先制2点本塁打と、投打において4年生がチームを牽引して、春に2連敗した明治に見事先勝することができました。


<初回に先制の2ランを放つなど、打線を牽引した柳町>


<先発として5回1/3を投げ、1失点に抑えて勝利投手となった髙橋佑樹>

 

【対明治大学戦2回戦 M 1—2 K】
2回戦は、ドラフト1位・森下投手と防御率0.00の森田晃介との投手戦でした。4回表にエラーと適時打で先制を許すも、首位打者争いに食い込む好調、下山の適時二塁打で追いつき、その後は両投手の好投で9回まで得点が入りませんでした。試合を決したのは、9回裏二死一、二塁の場面から代打・橋本典之のセンターへのサヨナラ打。無傷の8連勝で優勝へのマジックを1として、早慶戦を迎えます。

先発は前回、6回無失点の好投を見せ今季防御率0.00の森田晃介。初回、先頭の1番・陶山選手が放った一、二塁間を破るかの打球を二塁手・小原が軽快なフットワークを活かしてアウトにします。続く添田選手に中前安打を許すも、3番・北本選手のセカンドへのライナー性の打球を再び、二塁手・小原が今度は巧みなトリックプレーで重殺にし、初回を無失点で切り抜けます。

初回の裏の攻撃、明治の先発は広島東洋カープから1位指名を受けた森下投手。初球から150キロの直球を投じ、エンジン全開でした。一死から好調の2番・下山がレフト線への二塁打を放つも、後続が続かず、最後は153キロの直球で正木が見逃し三振に取られます。

2回裏、先頭の6番・福井が浮いたカーブを捉えてセンター前に運ぶも、この回も後続が続かず、先制することができません。

4回表、先頭の陶山選手が試みたセーフティーバントと郡司の悪送球により、無死二塁とされます。続く2番・添田選手は左飛に抑え、迎えた3番・北本選手の一塁線への打球は不運にも一塁ベース付近でバウンドが変わってライト線を転がり先制の1点を奪われます。なおもピンチが続きましたが、後続をしっかり抑え、最小失点で切り抜けます。

直後の裏の攻撃、先頭の4番・郡司がフルカウントからの7球目を鋭くレフトへ弾き返し、無死から出塁します。しかし、ランナーを背負うと一段階ギアが上がる森下投手を前に後続が続くことができず、同点に追いつくことはできませんでした。

5回裏、先頭の8番・瀬戸西が死球を受け出塁すると、続く森田晃介がきっちり送り走者を進めチャンスで打順が1番に帰ります。1番・中村健人が右飛に倒れた後、1打席目に安打を放っている下山を迎え、追い込まれてからの7球目、右中間を破る適時二塁打で遂に追いつきます。

ここまでの試合においても、1年生の下山は攻守において三面六臂の活躍を見せます。

先発の森田はその後も安定したピッチングで6回も3人で抑え、勝ち越しを待ちます。

その裏、二死から6番・福井がフルカウントから四球を選ぶと、その福井に代えて俊足の渡部遼人を代走に送ります。渡部遼人は1球目からすかさず、二塁を奪い、直後の2球目、相手の暴投につけ込み、三塁を陥れます。

打席には好調の小原。鋭い打球を放ちますが、センターの正面。中直に倒れ、この回も勝ち越しにはなりません。

その後も8回まで両チーム膠着状態が続き、9回にも先発の森田がマウンドに登ります。

9回表、先頭の中村選手を三振に切って取ったところで、1年生左腕の増居にマウンドを譲ります。

先発の森田は被安打4、1失点(自責点0)、7奪三振の好投を見せ、森下投手との投手戦を繰り広げました。

セットアッパーの増居は続く2番・添田選手をセカンドゴロに抑えたところで、守護神石井に繋ぎます。増居は、ワンポイントとして好調の左打者をきっちりと抑える役目を果たせました。

増居の後を受けてマウンドに登った石井、1人目に死球を与えるも、強気のピッチングで喜多選手を三振に取り、最終回のサヨナラを待ちます。

直後の裏の攻撃。先頭の嶋田、渡部遼人が倒れ、二死から7番・小原がレフトへの2塁打を放ちます。続く瀬戸西は申告敬遠を受け、二死一、二塁で打席に入るのは代打・橋本典之。一打サヨナラの場面でスタンドのボルテージは最高潮に達し、1球ごとに息を呑む緊張感にスタジアムが包まれます。追い込まれてからもファールで粘り、2ボール2ストライクからの6球目、森下投手の投じた変化球に食らいつき、打球は左中間センター寄りに上がります。予め浅く守っていたセンターはヘッドスライディングで捕球を試みるも届かず、スタンドの歓喜とともに2塁走者の小原がホームに帰還。ベンチ総出のサヨナラ勝利を飾ることができました。

劇的なサヨナラで明治に2連勝を飾り、春の雪辱を見事に果たすことができました。


<最終回に二塁打を放ってサヨナラのチャンスを作るなど攻守で活躍した小原>


<代打で出場し、サヨナラの適時打を放った橋本典之>

 

1回戦は上級生の力、2回戦は下級生の力で勝つことができました。

 

また、データ班の取り組みやスタンドの応援、神宮での1年生のサポート。

慶應野球部員全ての力を結集してきたからこそ、無敗の8連勝を果たすことが出来ました。

 

 

最後に控えるのは宿敵・早稲田大学。

チーム目標である「早稲田に2連勝してリーグ戦優勝」。

条件は揃っております。あとは早稲田を倒すだけ。

 

8年ぶりの完全優勝だとか91年ぶりの全勝優勝だとかの前に、大事なことは「早稲田を倒す」こと。

 

早稲田戦を控え、下田グラウンドのスコアボードには、あと1勝で優勝を逃した昨秋の早稲田戦3回戦のスコアが貼られております。

 

あの時の悔しさを晴らしてパレードを行う。その気概をもって、我々はこの2週間を過ごし、慶早戦に臨みます。

 

 

長々と書いて参りました。最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。

 

塾野球部は優勝に向かって参りますので、今後とも温かいご声援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

(4年・学生スタッフ・岡林嵩介/土佐高校出身)

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