〜vs WASEDA②〜
《東京六大学野球秋季リーグ戦》
対 早稲田大学
11/2(土) 13:00〜 先攻三塁側
11/3(日) 13:00〜 後攻三塁側
こんにちは。
4年学生スタッフの岡林です。
明日はいよいよ早慶戦です。
慶應にとって優勝が懸かった伝統の一戦。
優勝が懸かっているということはつまり、「天皇杯」に王手ということ。
「天皇杯」
本来は天皇賜杯といいますが、それは宮内庁から競技大会を運営する団体に下賜されるもので、その競技に権威を与えているのです。
そして、そもそも下賜いうのは原則として「一競技に一つ」で、その競技を統括する団体に与えられており、普通は日本選手権で優勝したチームに授与されます。
サッカーや剣道、バレーボールなどを見ても、高校や大学、社会人、プロのチームが一堂に会し、それぞれが自らの名誉を懸けて競っております。
ただ、野球だけは例外です。
先日行われた、日本シリーズをとっても優勝した福岡ソフトバンクホークスには天皇杯は授与されておらず、また、夏のお盆の季節、もはや風物詩となっている甲子園(高校野球選手権大会)でも優勝した履正社高校には天皇杯は授与されておりません。
では、硬式野球という競技において、大変権威ある天皇杯はどこに下賜されているでしょうか。
ご承知の通り、我々の所属する六大学野球連盟なのです。
硬式野球に限っては、六大学野球のリーグ戦優勝校に天皇杯が授与されるのであります。
さらに、現在下賜されている天皇杯の中で、実はこの六大学野球の天皇杯が1番古い歴史を有しているのです。それは1926年、皇太子摂政宮裕仁親王(のちの昭和天皇)によって下賜された「摂政杯」に端を発するのであります。
この辺の歴史を整理すると、1925年に東京帝国大学野球部(現在の東京大学野球部)が当時の五大学野球リーグに加盟し、今の東京六大学野球リーグになりました。またその開始に伴い、絶縁状態であった慶應と早稲田に対して、法大と明大が仲裁することで早慶戦が復活しました。
その翌年の1926年10月23日には明治神宮球場が落成しました。その奉献式に摂政宮裕仁親王が台臨され、優勝校に摂政杯が授与されたのであります。
その後、1943年、大東亜戦争に伴いリーグは解散命令を受けます。戦後、リーグ戦が再開したのは1946年の春季。また秋季から先の「摂政杯」に変えて天皇杯が下賜されることになります。
我が国の野球の歴史を紐解くとその嚆矢は1903年の早慶戦にあります。
このスポーツによる熱狂と興奮を国民にもたらしたことが野球界だけでなく、日本のスポーツ界の発展にも寄与したと言えます。
その功績から、六大学野球連盟に「天皇杯」が下賜されているのだと個人的に解釈しております。(あくまで個人の意見です。一般論ではございません。)
さて、昔話が過ぎましたが、要するにこの大変栄誉ある「天皇杯」は六大学野球リーグの中ではないと手にすることができないのであり、そして正に今、それを手にする機運に恵まれているのであります。
更に言えば、2連勝で91年ぶりの全勝優勝。91年前といえば1929年にまで遡ります。
その条件としては、「早稲田に2連勝」。新チーム発足時に我々が掲げたチーム目標です。
燃えない訳がない。
さて、今回は前回、西山が書いてくれたブログの続編になります。
前回は選手を特集しましたが、今回はそんな選手たちを支えてきた熱き学生スタッフたちを特集しました。
まずは、投手のチーフスタッフとして慶應の投手陣をまとめあげ、試合中には打球監視員を務める藤井に話を聞いてみます。
―これまでを振り返って、いかがですか。
打たれれば打撃陣が打つ。打てなければ投手陣が抑える、そして勝負所で投打共に結果を出す、まさにチームで勝っている事を感じます。
去年の秋、早慶戦で敗れ優勝を逃してから1年、また同じ場面まで戻って来ようと新チームがスタートし、やっとここまで来ました。長かったですが、その分去年の悔しさを晴らす準備はして来ました。
―今季、投手陣の活躍が目立ちますが、練習ではどんなことを意識してきましたか?
「投手陣」というワードを常に意識して来ました。
今の投手陣は「アウトを一つ一つ、ベンチ入り全員で繋ぐ」のが特徴なので、例え自分が良くても他の一人が打たれたら試合に負けます。春はそこの甘さで明治大に2連敗し、早慶戦の初戦を落としたと考えています。なので、春以降の練習では各自の努力に加え、その選手自身の努力が身を結ぶためにも、他人に興味を持って指摘し合える「勝てる」投手陣を目指して来ました。
―早慶戦、どのように臨みますか?
野球人生をかけて臨みます。そこに「投手陣が抑えて勝つ」であったり、「野手陣が打って勝つ」であったりなどは無いと思います。とにかく最後に1点でも早稲田大学を上回れるよう、チーム全員で早慶戦に挑みます。
―注目すべきところは何ですか?
出てくる投手全員が一つのアウトを全力で取る姿に注目して欲しいです。
―最後に一言お願いします!
最後は日本一を目指しますが、まずは土曜日勝ってリーグ優勝を果たし、今まで支えてくれた人に少しでも恩返しがしたいです。応援よろしくお願い致します!
続いて、効率的に練習を回しながら主に内野の守備練習を統括し、試合中にはボールボーイとしてグラウンドを颯爽と駆ける元木に話を聞いてみます。
―これまでを振り返って、いかがですか。
開幕から8連勝していますが、快勝という試合は一つもありませんでした。「負けない野球」を追い求めて、投手、野手ともになんとか粘り、全員でカバーし合った結果、現在に至っていると思います。
―試合(試合前から)には、どのように臨んでますか?
僕自身、試合に出場することはありませんが、細川とともに「チャンスの時ほど冷静に、ピンチの時ほど鼓舞する」ことを意識して臨んでいます。
―早慶戦について、どう思いますか?
これまでの長い歴史を踏まえてというのはもちろんですが、今のチームは昨秋の敗戦から始まったので、リベンジという点でも絶対に負けられない一戦であると思います。
―注目の選手は?
今年で10年目になる髙橋亮吾、二宮や内野陣を引っ張ってくれた小原、田中凌馬、そして1年間学生スタッフとしてともにやってきた後藤、金澤、藤井です。また2年生の福井、橋本典之のしゃかりきになってプレーしているところにも注目していただきたいです。
―最後に一言お願いします!
パレードしましょう!
次に、学生スタッフではありませんが、選手として神宮で活躍する選手たちを支える細川にも話を聞きます。(細川も試合中、ボールボーイを務め、試合前から雰囲気作りに貢献します。)
―この四年間を振り返って、いかがですか。
辛いことや悔しいことのほうが多かったが、振り返るとこの4年間は何にも代えがたい時間で、この野球部に所属できて本当に良かったと思う。
―練習ではどのようにサポートしてきましたか?
サポートしているという意識はなく、とにかく目の前の一球のプレーに入り込むこと。良いプレーは良い、悪いプレーは悪いという。
あと、バッティング練習の守備などで、自分にできる最高のプレーをして、少しでもチームに活気を与えること。
―試合を見ていて、どのようなことを感じますか?
自分たちが苦しい場面で、粘れる強さがあると思う。
―早慶戦について、どう思いますか?
チーム目標でもあるように、絶対に早稲田には勝ちたい。
―最後に一言!
素晴らしい仲間と素晴らしい景色がみたい。
続いては、副将としてグラウンドに指示の声、確認の声、鼓舞の声をこだまさせる金澤に話を聞きましょう。
―ここまで振り返って、いかがでしょうか?
正直出来過ぎかなという印象です。リーグ戦が始まる前は勝てるのかすごく不安でした。そういったなかで1試合1試合選手だけじゃなく、スタンドやデータ班はじめチーム全員が一丸となって戦った結果がここまでの成績に繋がっているのかなと思います。
―試合中、どのように試合に臨んで来ましたか?
選手を鼓舞し、監督の指示を選手に伝えることを特に意識しています。また試合展開に応じて、チームにどのような声をかけたらいいか考えて臨んでいます。
―早慶戦についてどんな印象を抱いておりますか?
早稲田は本当に強いなという印象です。去年もあとアウト3つというところで優勝を逃していますし、今回もすごく厳しい戦いになると思います。
―注目すべきところは?
ラストシーズンにかける4年生の必死のプレーです。レギュラーだけではなく、試合途中から試合に出てくる4年生にも注目してほしいです。野手でいえば植田将太や二宮、田中凌馬、山崎、杉本といった試合終盤の男たちの活躍に注目してほしいです!!
―最後に一言お願いします!
僕たちの慶應義塾大学野球部で過ごした4年間を出し尽くします!!応援よろしくお願いします!!!
最後に、チーフスタッフとして、メンバーだけでなくチーム全体をまとめて、この快進撃を導いてきた後藤に話を聞いてみましょう。
―ここまでを振り返って、いかがでしょうか?
かなり出来過ぎだと思います。もちろん全ての試合で勝利を目指してやっていますが、8連勝して早慶戦に臨めるとは思っていませんでした。チームみんなで助け合い、ピンチに耐え粘ること、少ないチャンスをものにすることが出来ているのでそれが勝ちに繋がっているのだと思います。
―チームの状態は?
最高だと思います。1勝すれば優勝、2連勝すれば全勝優勝という最高のシチュエーションもそうですが、昨年3連覇を阻まれた秋の早慶戦と同じように優勝を懸けて闘うことが出来ることに最高の緊張感と高揚感を持ち、練習に励むことが出来ていると思います。
―早慶戦、どのように臨みますか?
もちろん優勝や全勝優勝というものを期待されていることは分かっていますが、いつも通り目の前の1試合を必死で、また全力で闘うことだけだと思っています。
しっかりと準備はしてきたので、アウトを1つずつ重ね、全員で1点を必死に取りに行くといういつも通りの野球をするだけです。
―注目してほしいところは?
この早慶戦は昨年の秋、最後の最後で粘れなかった弱さを乗り越える自分達へのチャレンジでもあると思います。
勝つことの難しさを知ることから始まった「チーム郡司」の執念を見ていただけたらと思います。
―最後に一言お願いします。
必ず2連勝して、早稲田を倒します!熱い熱い応援よろしくお願いします!
ありがとうございました。
読んでいただけたらお分かりのように、チーム全体が優勝に向けて熱い想いを持っております。
「早稲田に2連勝してリーグ戦優勝」
栄光を冠する「天皇杯」の価値や重みは冒頭で申し上げましたが、そんな「天皇杯」が手に届くところまで来ております。必ずや宿敵早稲田を打倒し、この手に勝ち取ります。
最後に、優勝への情熱に燃えた「若き血」が、「陸の王者」となる瞬間を是非とも見届けいて頂きたく存じております。
長くなりましたが、以上で早慶戦前の特集を締めさせて頂きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
温かいご声援のほど、どうかどうかよろしくお願いいたします。