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2020.10.09

『僕の野球人生』第5回 澁谷恒平捕手

『僕の野球人生』第5回

澁谷 恒平 捕手(4年/筑波大附)

済

僕には2つ上の兄がいて、小学生の頃から野球をやっていました。僕はシンプルにサッカーが好きだったので、母から「野球とサッカーどっちがやりたいの?」と聞かれて「サッカー!」と答えたのを覚えています。母は、「送り迎えが兄弟で大変になるから、野球にしなさい」と幼い僕にマジレスをし、僕は野球少年となりました。齢7のときでした。

小学生の頃は多少体が大きかったこともあり、1つ上の学年に混ざって試合に出て満塁ホームランを打ったり、最高学年ではキャプテンをやったり、とにかく楽しかった思い出しかありません。中でもキャッチャーを任されるようになり、ピッチャーとともに試合を作っていく感覚がとても楽しく、ヤミツキになりました。

中学では軟式野球部に入部しました。練習量はお世辞にも多いとは言えませんでしたが、ポテンシャルの高い同期に恵まれ、地区で一強体制を築いていた日大豊山中学を倒してブロック大会に進出することができるなど、試合に勝つ喜びを味わいました。正直中学の時の詳しい試合内容の記憶はほぼないのですが、同期のエースの息遣いを読み取りサインを出し、相手を抑えていったあの高揚感だけは今でも鮮明に覚えています。

高校時代は進学校で部員数が少ない事情もあり、早い時期から試合に出させてもらい、多くの経験を積むことができました。しかし、自分がキャッチャーとして試合に出始めてからの2年間で、公式戦で勝てたのはわずか1勝と高校野球は悔いとともにあまりにもあっけなく幕を閉じました。このままでは終われない、もっと高いレベルで野球を、そしてキャッチャーを続けたいという思いの下、自然と目標は東大野球部に定まっていました。

そして1年の浪人を経て東大野球部に入部しましたが、そこで僕は愕然としました。体がでかい。球が速い。プレーのレベルが自分と違いすぎる。そして何人いるんだよ、部員。はっきり言って自分が今までやってきた野球は1つも2つもレベルの低いものであったことを痛感しました。なんとかその差を埋めようととにかくがむしゃらに練習をして、2年生の春、チャンスが訪れました。サルの一つ覚えのようにグラウンドの隅でワンバウンドした球を体に当てて止める練習ばかりしていた努力が実り、ワンバウンドを止める能力と、シンプルな声のでかさが評価され怪我で離脱した先輩捕手の代わりに春リーグのベンチ入りを果たしたのです。しかし、そのチャンスを活かすことができず、そのカードを最後に春シーズン僕がベンチ入りすることはありませんでした。

その後は地獄の時間でした。同期のキャッチャー加見(学生コーチ/4年)や後輩にじりじりと差をつけられ、悔しさと不甲斐なさで劣等感に苛まれる日々でした。高校時代までは野球とは自分を表す名刺のようなもので、活躍することによって胸を張れる自分がいましたが、いつしか野球は自分を苦しめるものになっていました。それでも、ブルペンでピッチャーの球を受けて、フォームの悪いところを指摘したり、声を張り上げて気持ちをのせたりしているときは自分が人の役に立っていると実感できました。誰のブルペンでも目を皿のようにして何かアドバイスできることはないか、課題に寄り添うことはできないか考え続けており、ブルペンを受けたピッチャーが試合で結果を残していくのを自分のことのようにうれしく感じていました。

気づけばリーグ戦に出られる気配のないまま3年の秋のシーズンが終わっていました。選手を辞めてサポートに徹した方がいいのかもしれない、という考えが頭をよぎりました。そんな時、引退していく大﨑さん(R2卒)が最後に残してくれた「絶対にあきらめるなよ。必ず報われる時が来るから。」この言葉に背中を押されて、僕は最後の最後、自分の経験を少しでもチームに還元しながら選手を続けていこうと覚悟を決めました。4年になり、捕手陣のチーフとして少しでもこのチームの投手陣を助けられるように後輩たちと相談しながらやってきました。そして捕手陣が一丸となって投手陣を支えていこうという気概は伝えてきたつもりです。一方で今までの先輩よりも実力が伴わず後輩に頼る部分も本当に多くありました。支えてくれてありがとう。自分がゲームに貢献できないまま残された時間ももうわずかになりました。もちろん、本音を言えば自分がマスクを被って貢献したいですが、どんな形になろうと僕は全力でこのチームで勝利に貢献したい。この想いはだれにも負けません。

振り返ると自分は本当にたくさんの人に勇気づけられ、支えられてここまできました。
どんな状況でも声を張り上げて応援を続けてくれた応援部、ファンの方々。指導してくださった監督やコーチ。時間を割いて自分の練習に付き合ってくれた学生コーチ。活動をサポートしてくれたマネージャー。ともに勝ちを目指してきた同期・後輩たち。そして何不自由なく野球を続けさせてくれた両親。
感謝してもしきれません。

今まで僕を支えてくださった方々へのこの感謝の気持ちはプレーで返したいと思います。

残り3カード、絶対に勝つぞ。

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次回は10/10(土)、石元内野手を予定しております。

お楽しみに!

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