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『僕の野球人生』第6回 石元悠一内野手

『僕の野球人生』第6回

石元 悠一 内野手(4年/桐朋)

済

祖父と父がよくテレビで野球観戦をしていたのがきっかけで興味を持ち、野球で遊び始めたのが僕の野球人生のスタートだったと思います。

小学校2年生のとき、地元の少年野球チーム狛江フェニックスに入団しました。この頃は何も考えずに野球ができたので、ただただ楽しかった思い出しかありません。桐朋中学野球部では、苦しいことばかりでした。その頃はピッチャーをしていたのですが、コントロールが悪すぎて、僕のせいで負けた試合はたくさんありました。当然ベンチ入りできないこともあり、悔しい思いをしました。

「このままでは終われない」と思い、桐朋高校野球部では内野手に転向しました。2年秋にはレギュラーを獲得し、11年ぶりに秋の一次予選を勝ち抜き本大会に出場できたことが、高校野球では唯一の良い思い出です。冬にはもっと成長し、先輩たちが行けなかった神宮、甲子園へ行くぞと期待を膨らませながら、練習に取り組みましたが、春先の調子は、チームも個人も絶不調。春の東京都大会は何もできないまま初戦負けに終わりました。「もう夏もどうせ勝てない。」と思い、気持ちの切れてしまった僕は、そのまま夏もパッとしないまま引退しました。

「やっと終わった。野球から解放された。」と思ったのですが、同期の数人が「東大に入って野球をやる。」と言っているのを聞きました。その頃、楠田さん(H30卒)や大成さん(山田大成/H30卒)が東大野球部の主力で、甲子園のスターを数多く有する他大学相手に勝利を目指して戦っていました。それを見て僕も東大野球部に憧れはありましたが、学校の成績は下から数えた方が圧倒的に早く、「東大目指してる」と言ったら鼻で笑われるぐらいでした。それでも同期や先輩たちの影響で、「このまま野球を辞めてもいいのだろうか。東大でもう一回本気で野球をしよう」と決心して猛勉強しました。現役では二次試験すら受けられないほどでしたが、幸運にも一浪で合格することができました。

憧れの東大野球部での1年目は「4年間でリーグ戦に出られるのだろうか。」と思うぐらい自分と周囲のレベルの差を感じました。先輩方はもちろん、同期のみんなと比べても上手な方ではありませんでした。秋のリーグ戦に出場する同期がとても羨ましく、自分も早く出たいと思いながらも、自分がリーグ戦に出場するビジョンが全く見えませんでした。

2年目も春のリーグ戦メンバーには当然選ばれることはなく、苦しいスタートでしたが、秋のリーグ戦でメンバーに入るために勝負どころだと思っていたフレッシュリーグで運良く結果が出ました。このおかげで、夏のオープン戦でAメンバーに選ばれるようになり、秋のリーグ戦で初出場することができました。しかし、初めてのリーグ戦は、全く結果を残すことができないまま終了しました。

3年目に入り「このままでは、パッとしないまま4年間が終わってしまう。」そんな危機感から、オフシーズンに國學院大学へ練習参加したり、垣野打撃コーチとともに打撃改造に取り組みました。その結果、春秋のリーグ戦でホームランを打つことができ、成長を実感できた1年でもありましたが、チームの勝利には全く貢献できませんでした。チャンスの場面で数多く打席に立ちながら凡退を繰り返し、大事な場面でエラーをしてサヨナラ負けをしました。早稲田戦の最終回先頭バッターの打球をトンネルした時の味方スタンドの「あー!!」という悲鳴は、今でもはっきりと覚えていますし、本当に悔しい思いをしました。

そしてラスト1年は、どうすれば勝てるのか考えながら取り組んできました。打撃長として、チーム全体の打力向上を図るために、自分がこれまで教えてもらったことや培ってきた技術をチームに還元したり、悩める後輩がいれば個別にアドバイスをしたりしました。個人としてもチャンスで結果を出すために、二度とエラーをしないために、さらなる技術向上に努めてきました。しかし、ここまでの2カードは4連敗に終わり、勝つことができていません。

ここまで振り返ってきて、野球を通じてたくさんの人に出会い、成長することができたと思っています。

桐朋の先輩方。先輩方は信じないでしょうが、先輩方は僕の憧れでした。「楠田さん、大成さん、柊馬さん(齋藤柊馬/H30卒)、舜也さん(宇佐美舜也/H31卒)と一緒に神宮で野球がしたい。」「あの人たちみたいになりたい。」そう思って東大野球部を目指し、練習に励んできました。今の自分があるのは、先輩方のおかげだと思っています。ありがとうございました。

僕を信じて起用してくださった指導者の方々ありがとうございました。特に、垣野打撃コーチにはとても感謝しています。おそらく垣野コーチが指導してきた中で一番出来の悪い選手だったと思いますが、本当によく面倒をみてくださいました。下手くそな僕に見切りをつけず、来る度練習に付き合っていただいたことでここまで成長することができました。垣野さんがいなければ、このような野球人生は絶対に送れなかったと思います。本当にありがとうございました。

東大野球部の先輩方にも感謝しています。特に朋大さん(山下朋大/R2卒)には、大変お世話になりました。朋大さんは常に僕のライバルでした。2年秋のリーグ戦で僕がスタメン出場できそうだったのに、オールスターで3安打4打点の活躍で帰ってきてスタメンを取られた時は、悔しかったのを思い出します。いつもは「うおい!」というツッコミしかしない朋大さんですが、試合になると勝つために全力でプレーしみんなを引っ張る姿は、僕の憧れです。本当にありがとうございました。

いつも応援してくださるファンの皆様、応援部のみんな。打席で聞く応援の声は、いつも僕の力になってくれましたし、応援してくれる人たちがいるからこそ頑張ろうと思えました。ありがとうございます。そして、残りの3カードも宜しくお願いします。

両親へ。なんだかんだ色々あったけど、ここまで何不自由なく野球を続けさせてくれて、いつも応援してくれて、ありがとう。

他にも多くの方々に支えられてここまで野球ができました。本当にありがとうございました。

2017年10月8日法政大学から勝ち点を獲った試合が、今のところ僕の野球人生のハイライトです。その時の球場の雰囲気、ファンの方々の歓声やグラウンドで喜んでいるメンバーの姿を見て鳥肌が立ったのを今でも鮮明に覚えています。あの日の感動があったから、またいつか勝ってみんなと喜びを分かち合うために、辛くても前を向いて頑張ることができました。

大成さんの代が僕らに残してくれたように、僕らも後輩たちへ「勝利」という財産を残したい。

残り3カード、必ず勝ちます。

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次回は10/13(火)、川出内野手を予定しております。

お楽しみに!