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2020.10.23

『僕の野球人生』第15回 加見伊於理学生コーチ

『僕の野球人生』第15回

加見 伊於理 学生コーチ(4年/甲陽学院)

加見(加工済)

広島でソフトボールを始めた時からずっとカープファンで、自分の野球人生は広島カープと共にあったといっても過言ではありません。小・中・高と受験の年以外はカープの試合の中継を毎晩見ていました。大学受験の年、中継は見られなくとも自分のメンタルを支えてくれたのはその年25年ぶりのリーグ優勝を果たしたカープの躍進です。

プレーする野球に関する最初の記憶は父と家の近くの河川敷でキャッチボールやバッティング練習をしていたことです。その後、小学校2年生でソフトボールチームに入り、4年生で広島から大阪に引っ越してからも軟式野球チームに入ってプレーしていました。防具が格好良かったのか、理由は忘れましたがソフトボールを始めた時からメインはずっとキャッチャーでした。4年生か5年生の頃自分の代のキャプテンが辞めてしまい、代わりに自分が指名されました。やりたいと思っていたわけではなく、予想外のことで驚きましたが結果的にこの後の中学・高校でもそのような立ち位置を任されることが多くなり、自分の人格形成に大きく影響したと思っています。

中・高が別敷地でグラウンドが広く使えるという理由で入った甲陽学院中・高では下級生から試合に出していただき、自分の代では主将をさせていただくなどしましたが、結局自分の代の公式戦では一度も勝てませんでした。練習試合や公式戦で対戦する相手の方が自分より大抵は上手いのに、チームの中では「上手いやつ」として見られる違和感・申し訳なさを感じてもいました。高校時代の監督・コーチが六大学野球の経験者であったことや、1つ上の先輩も東大野球部を目指していたことに影響されていつしか自分も東大で野球をやりたいと思っていました。

大学では、これまで経験することのなかった立場での野球をたくさん経験させてもらいました。選手としての3年間では、スタンドで見た1年秋の勝ち点・自分がマスクをかぶった2年春のフレッシュリーグでの勝利・2年秋のリーグ戦初打席など、様々な思い出はありますが、何より覚えているのは試合に出られない悔しさ、無力感、気楽さなどです。自分が中心選手として試合に出て、打てたり打てなかったり、勝ったり負けたり、それが当たり前ではなかったことを知りました。と同時に、今までの人生で一番練習した時間でもあります。特に2年生の時は、授業もなく毎日朝から夕方まで練習して、自分の成長を一番実感できた時でした。

学生コーチとしての1年では、選手であった時とは違う視点でチームを見る経験ができ、選手をやっていた時にはわからなかったことが多くありました。特に今年、学生コーチとしてチームの運営に関われて幸運だったと思います。コロナの影響でしばらく全体練習ができず、その間チームとしてリーグ戦に向けてどうすれば良いか、先が見えない不安の中、自分たちで決めなければならず戸惑ったことも多くありました。しかし、そのような中で監督・助監督には多くのことを任せていただき、自分の意思決定がチームの多くの人に影響を与える怖さ・責任を、それゆえのやりがいを感じることができました。

今年このような状況になり、月並みですがこれまでの人生ずっと当たり前に野球ができたことのありがたさを感じます。これまで、指導者の方々や応援してくれた友人、環境を整えてくださった方々をはじめ本当に多くの方に支えられて野球をやってこられました。小学生時代自分をキャプテンに指名してくれた当時の監督、中高と一緒にやってきた甲陽のチームメイト、六大学野球に足を踏み入れるきっかけとなった高校の監督・コーチ・先輩。高いレベルを見せてくれ、自分引っ張ってくれた大学の先輩・同期・後輩、多くのことを学ばせていただいたこれまでの指導者の方々。この他にも、今の自分は野球を通じて出会った方々に導いてきてもらいました。そして何より、自分に多くの選択肢を与えてくれて、ここまで野球をやらせてくれ、応援してくれた両親には感謝してもしきれません。ありがとう。やりたいことができる自分は幸せ者です。

「早く行きたいなら一人で行け、遠くに行きたいならみんなで行け」この言葉を最初に聞いたのはいつであったかもう忘れましたが、最後の1年は漠然とこの言葉を意識しながら過ごしていました。もともとすべてを自分でやりたい・把握しておきたい性格の自分を抑え、周りに任せて一歩引いて、足りないところを補うようなポジションでやろうとしてきました。うまくできたとは思いません。ただ、その中でみんなを信じることの大切さを学べたと思います。性格や考え方は十人十色ですが、上手くなりたい・チームの勝利に貢献したいという思いで上手くいく方法を自分で考え、追求し、時間を見つけて時には夜まで練習・仕事をするチームメイトの姿を見てきました。すぐに結果は出なくとも、必ず報われる時が来ると思います。残り2試合となりましたが、最後までこのチームを信じて、連勝して後輩たちに渡します。

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次回は10/24(土)、須川学生コーチを予定しております。

お楽しみに!

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