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《僕の野球人生》 Vol.10 地曵 龍一 内野手

4年生特集、《僕の野球人生》では、ラストシーズンを迎えた4年生に1人ずつ、今までの野球人生を振り返ってもらいます。

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《僕の野球人生》 Vol.10 地曵 龍一 内野手  (4年/開成)

地曵X

 

これまでの野球人生を振り返ると、「期待」に満ちた野球人生だったと思う。時に、期待に応えることが何にも変え難い喜びに繋がり、時には期待は呪いへと変わり苦しみになったこともあった。それでも、「なぜ野球を続けてきたか?」と問われれば、「誰かに期待されることが何よりも幸せだから。」と間違いなく答えるほど特別なものである。

だからこそ、これまで期待してくださった方々や関わって下さった方々への感謝は、私の野球人生とは切り離すことができないので、この場をお借りしてお礼させていただきたいと思います。
相生イーグルズ関係者の皆様へ

私がチームスポーツとしての野球を知り、学び、人生の中心となる程好きになるきっかけを作っていただきありがとうございました。代表が子供達とした、友達を連れてきたら好きなお菓子を買ってあげるという約束により、友人にお菓子の生贄として捧げられるおかしな始まりではありましたが、3年と遅い入部時期にも関わらず、体の大きさからたくさん期待していただき、常に試合に出していただけて本当に嬉しかったです。また、今思えば、人生で1番試合に勝てる時期であり、品川区では負け知らずで勝ち取ってきた金メダルの数々は、未だに私の人生の誇りとして部屋で保管しています。今後も多くの子供達に野球の面白さを伝え続けていってもらいたいです。

開成中学軟式野球部顧問の方々へ

思春期を迎え、合宿先のホテルの壁に穴を開ける等、何かと問題ごとの多い学生でありましたが、厳しくも優しい指導をしていただきありがとうございました。授業後に練習場の河川敷に向かうと、誰よりも早くグランドに訪れ整備を黙々としている蔵内先生の姿は、自身のイメージする野球の監督像とはいい意味でかけ離れていたので鮮明に覚えていて、先生のように野球に真摯に向き合いたいと思うようになりました。時にはエースを任せてもらうなど多くの期待をかけていただいたのにも関わらず、大した結果を残すことができず、期待を裏切り続けてしまったことは本当に悔しく、少しでも上のレベルを目指し続けたことで東大野球部にたどり着くことができました。

開成高校硬式野球部関係者の皆様へ

制限された環境の中で如何にして勝つのか、考えて野球をすることを学ぶことができました。大会1週間前に突然ショートにコンバートされ、1日でクビになって今度はサードにコンバートされそのまま大会に臨んだり、7日間で11試合にフル出場したりと、野球経験者なら誰もが羨むような貴重な経験を沢山させていただきました。また、青木先生が常々「最終的な目標は東大に入って勝たせる選手になること。」と仰っていたからこそ、我々の選択肢の中には常に東大野球部があり、目指すことが当たり前となりました。他の部員の入部までの決断過程を聞くと、改めて恵まれた環境にいたのだなと東大に入り痛感しております。本当にありがとうございました。私自身は後輩達の手本となるような活躍は叶いませんでしたが、今後も多くの開成出身者が東大野球部で活躍する姿を楽しみにしています。

東大野球部指導者の方々へ

トレーナーの豊田さん、高木さんに、リーグメンバーでない自分の身体の悩みの相談に、丁寧に答えていただく等、100人を超える部員の中で存在を認知してもらえるだけで、大変嬉しく、その努力には感謝しきれません。また、打撃練習中には、井手監督に何度もアドバイスをいただき、少し意識を変えただけで突然打てるようになった時には、プロの偉大さを身をもって感じました。4年間ご指導いただきありがとうございました。

先輩の皆様へ

入部初日に先輩方のプレーを見て、これまでの野球とのレベルの違いを痛感しました。365日いつでも誰かが球場で練習していて、選手に限らず1人1人が野球に真剣に向き合い、後輩には惜しみなく助言をする先輩方の姿は私の憧れでした。特にサードの先輩方には、ほぼ守備初心者の自分と一緒にノックを受けて、たくさんアドバイスをしていただきました。また、学生コーチの先輩方にはたくさんノックを打ってもらい、さらに隆成さん(R5卒)には打撃改造を1から見てもらい、時には夜の12時に打撃投手もやっていただきました。皆様本当にありがとうございました。
応援部やファンの方々へ

皆さんの応援が、選手達のモチベーションや力に繋がっていることは間違いありません。今年はまだ勝利はありませんが、試合メンバー達がきっとやってくれると思うので、どうか最後まで自分達と共に戦ってください。よろしくお願いします。

部員の皆へ

ノックを打つなど練習の補助をしてくれた学生コーチ、自身の打撃のデータをくれ、それまで選手にとって負担になっていた分析の多くを担ってくれるアナリスト、そして合宿準備や部外とのやりとりを一身に背負ってくれるマネージャーとスタッフのサポートがあり、そして選手としての道を諦めスタッフに回ってくれた選手がいたからこそ、自分自身は選手をやり抜くという我儘を貫き通すことができました。だからこそ、4年の秋の時点でBチームにいる自分が、チームのため、後輩のためのサポートに回ることに抵抗がなかったと思います。
後輩達には、4年間は意外と一瞬だってことを知っておいてもらいたいです。入部して、春フレッシュに出て、顎を骨折して、秋フレッシュに出て、怪我前のスイングを探し求めてもがいているうちに4年の秋を迎えていて、フレッシュは昨日のことのように思い出せます。周りから見ればまだまだだったのかもしれませんが、やれるだけやったと少なくとも自分の中では思っているからこそ、後悔はありません。だからこそ悩んだり、迷っている暇があるなら動き出すことをおすすめします。そして今年、さらには来年以降自分の分までリーグ戦で活躍してくれることを期待しています。と勝手なことを言っていますが、結局のところ、周囲のノイズは気にせず自分のためだけに頑張ってもらいたいです。結果として、それが周囲の期待に応えることになると思います。

そして両親へ

とにかくホウレンソウが苦手な息子でたくさん迷惑をかけたと思います。東大に入るため浪人すること、野球部に入ること、顎を骨折したこと、小松庵に入ること、きちんと決断の前に相談したことはないのに、自分の決断を常に尊重して、そして応援しくれました。
私の野球人生のスタートは、父との公園でのクリケットのようなプラスチックバットでボールを飛ばす遊びだったと思います。
軟式、硬式とボールは2段階硬くなりましたが、大学入学当初のコロナ禍で練習ができない時期まで、キャッチボールや打撃練習に付き合ってくれました。また試合があると聞けば、物陰から自分の打席の動画を撮って送ってくれました。
母は、練習で朝早い日も自分より先に起きて、朝、昼、晩飯を当たり前に用意してくれていました。実家を出て暮らすようになって、改めてどれだけ支えられていたかを身に染みて感じました。
2人には、いくら感謝しても仕切れないほどの迷惑をかけてきたと思います。本当にありがとう。これから少しずつ恩返しができればと思っています。
最後に

同期へ
今さら改めて言うこともありません。
残りのリーグ戦で勝とう。
そして引退したらたくさん遊びに行こう。

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次回は明日9/29(金)、阿部泰典内野手を予定しております。
ぜひご覧ください。