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《僕の野球人生》 Vol.23 三宅 杜衛 学生コーチ

4年生特集、《僕の野球人生》では、ラストシーズンを迎えた4年生に1人ずつ、今までの野球人生を振り返ってもらいます。

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《僕の野球人生》 Vol.23 三宅 杜衛 学生コーチ (4年/広島大福山)

三宅X

 

小学校時代、同級生の中では遅めにソフトボールを始めたのに周りの環境に恵まれて上手くなった経験があったので、中高時代は野球を楽しみながらも、環境さえ良ければもっと上手くなるのになあという思いを抱いていました。そして、東大野球部という存在を知ってからは一心不乱にそこを目指すようになりました。時間はかかりましたがなんとか入部を果たすも、最初はコロナというイレギュラーにぶち当たり4ヶ月ほど何もできませんでした。しかし、この時には同級生に元甲子園球児や 140 キロ左腕がいることがわかっていたので、 わくわくした気持ちで過ごすことができました。実際に練習が始まり、同期や先輩に会う と、そこには期待通りの環境がありました。24 時間いつでも練習できる専用の球場や室内練習場、野球道具やウエイト設備が揃っていました。そして何より、野球が大好きな人がたくさんいたのが嬉しかったです。毎日前日に見つけた野球の発見をプレゼンしてくる人がいたり、贔屓球団以外のプロ野球の結果も常にチェックして僕の好きな球団が負けていると煽ってくる人がいたりと球場に行くといつも野球の話をすることができました。周りの人を五人平均すると自分になるという言葉がありますが、野球への熱量においてこれは当てはまらないと感じていた以前の自分はもういませんでした。

しかし、期待通りの環境の中で期待通りの成⻑曲線は描けませんでした。リーグ戦出場はおろか A チームに上がることすらできず3年の秋リーグが終わりました。しかし、野球においては楽観的な僕はきっかけさえ掴めば急激に上手くなると心から思っており、毎日そのきっかけを掴むべくネットや本で情報を読み漁ったり、外部指導に通ったりしていました。そんな時、学生コーチが足りないという話が学年ミーティングで出て、解決策の話し合いになりました。僕は当時、学生コーチになろうなんて1ミリも思ってなかったので学生コーチを増やさずに活動を維持する方法ばかり考えて永田(4年/学生コーチ/開成)名畑(4年/学生コーチ/並木中等教育)を困らせていました。結局、1人は出さないと厳しいという話になり、立候補もいなかったので何人かに打診がいくことになりました。なんの実績もない僕は当然、打診され最初はどう断るか考えていましたが、ふとこのまま選手続けて大丈夫だろうかという今まで感じたことのない不安に襲われました。この不安は厄介なことになかなか頭から離れず、練習や睡眠を邪魔してくるのでとうとう逃げるかのように学生コーチになることを決めました。

このように消極的な姿勢で学生コーチとしての活動が始まったのですが、今までとは違う角度で野球を見ることが新鮮で面白く、案外すぐに切り替えることができました。特に、走塁や内外野の守備は選手時代に関わることがなかったので、こんなところまで拘ってやってるんだ、すげーなと感じることが多く、神宮でのファインプレーや好走塁が必然であることを知りました。そうこうしているうちに投手起用にも関わるようになり、ピッチャーとコミュニケーションをとることも増えました。技術的な指導なんてできないし、自信もなかったのでコンディションを確認したり、今後の方針を一緒に考えたりする事しかできません でしたが、責任のある大変貴重な経験をさせてもらいました。

さて、僕の野球中心の人生も残り1週間となりました。今まで通りできることをやりきって大好きな野球から少し離れようと思います。14年間、特に最後の4年間は本当に幸せでした。

最後にお世話になった方々にこの場を借りて感謝を述べさせていただきます。

千田ソフトボールの皆様へ
自分が大学まで野球を続けたのはこの時にたくさん良い思いをさせてもらったからです。今思えばたくさんのお父さんお母さんが休日返上で協力してくれていました。ありがとうございました。特に、監督の上平さんは今も自分の野球人生1番の恩師だと思っています。

広大福山中・高野球部の皆様へ
野球人生で最も多くの時間を過ごさせてもらいました。4,5年一緒にプレーした人が多く、卒業後も多くの人が応援してくださりとても励みになりました。ありがとうございました。

応援部の皆様へ
いつも野球部の背中を押してくださりありがとうございます。あの応援があるから選手は試合中普段以上のプレーを見せてくれます。また、あの応援があるから神宮という場所が目指すべき場所になり、選手は練習を頑張ることができます。余談ですが、今夏の甲子園で広陵高校が「不死鳥の如く」を使っているのを聞いてとても誇らしい気持ちになりました。

両親へ
親族に経験者がいないのに急に野球をやりたいと言い出したり、大して成績も良くなかったのに東大野球部を目指したいと言い出したりと苦労をかける⻑男だったと思います。いつもやりたいことをやらせてくれてありがとう。2人のおかげで幸せな人生を歩めていると思います。就職するのは2年ほど先になると思うけどそのあとはたくさん親孝行したいと思っています。楽しみにしといてね。

同期へ
4年間みんなと野球ができて幸せでした。同期で試合に出ている人が少なくても、最後まで最上級生の皆がなんらかの形でチームに貢献してくれて、こんな組織なかなかないと思います。地元に帰ったら自慢します。最終カードはグラウンド、スタンド関係なく後悔なく終わって欲しいので、この1週間体調管理はしっかりしてください。今度は誰も欠けることなく最高の笑顔で写真撮りましょう。

4年間多くの時間を共にしたピッチャー陣へ
僕は選手として2試合だけ神宮のマウンドに立ったことがあります。リーグ戦と比べるとお客さんは少なく、応援部の大声援をうけることもない新人戦でのマウンドでしたが、登板前は今までにないくらいのとてつもないプレッシャーを感じました。考えたらいけないとわかっていてもふと試合壊したらどうしようとか考えてしまい震えていました。この経験から想像する事しかできませんが、リーグ戦で投げている人たちはさらに大きなプレッシャーと闘っているのだと思います。大学生らしからぬ規則正しい生活をしながら毎試合コンディションやメンタルを整え、強敵に立ち向かっていくみんなは本当にかっこいいです。これからも自信を持ってプレーしてください。また、今年は投手の数が少なく例年以上に投 手の負担の多い年だったと思います。多くのピッチャーが⻑い回を投げてくれたり、バックアップに行ってくれたりしてオープン戦が成り立ちました。本当に助かりました。

最後に同期のピッチャーへ
松岡(4年/投手/駒場東邦)健(4年/投手/仙台一)は、このチームのエースとして、プレーでもチーム運営でもいつも先頭に立ってく れてとても頼もしかったです。身体はきついと思うけどあと1カード頼みます。小島(4年/投手/ラ・サール)は、うまくいかないことも多かったと思うけど自ら進んでバックアップに行ってくれたり、たくさん補助をしてくれたり、後輩にたくさん指導してくれたりとチームへの貢献度はとても大きかったと思います。⻘木(4年/投手/筑波大駒場)三田村(4年/投手/奈良学園登美ケ丘)は、下級生の頃からたくさん一緒に練習してきて、今季ついにリーグ戦で躍動してくれて、投げる度自分のことのように嬉しいです。そろそろリーグ戦にも慣れてきたと思うので最終カードは思い切り楽しんでください。みんな大好きで自慢の同期です。最後みんなで勝ちましょう。

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次回は明日10/16(月)、木村舞穂子マネージャーを予定しております。
ぜひご覧ください。