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『僕の野球人生』第19回 安田拓光外野手

『僕の野球人生』第19回

安田 拓光 外野手(4年/三鷹中等教育)

安田①

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僕の野球人生を振り返ってみると、野球に本気で取り組んでいた高校、大学の時期は苦しいことが多かったような気がします。それでもここまで野球を続けてきたのは、困難を乗り越え成果が出た時には何にも変えがたい喜びがあったからなのではないかなと思っています。

 

 

熱狂的カープファンである父にカープファン英才教育を施された僕は物心ついた時には野球が大好きでした。小学校3年生になると小学校の野球チームに入り、チームメイトに恵まれたこともあり試合で勝つ喜びを知ることができました。

中高一貫の都立三鷹中等教育学校に入学後、あまり迷わず野球部に入りました。中学の野球部はまともに活動しておらず、気の合う同期に恵まれそれなりに楽しくはあったものの、大会ではほとんど一回戦負けでもどかしさを感じていた記憶が残っています。

高校の野球部では中学とは一転し厳しい練習が行われていました。中学でぬるま湯に浸かっていた僕たちは練習についていくことがやっとでしたが、中学の時のように負けっぱなしで終わりたくないという思いで食らいついていきました。

自分たちが最上級生になった高校2年生の秋の大会では2試合連続でサヨナラ勝ちをして創部以来初の本大会出場を果たしました。中学生の時本当に情けなかった僕たちが高校での厳しい練習を共に乗り越え初めて大会で成果を出せたことがたまらなく嬉しく、この時人生で初めて嬉し涙を流しました。確か他の同期も全員泣いていたと思います。本当に最高の瞬間でした。

これを超える喜びを味わいたいと思い東大野球部に入部しました。高校時代は対戦することすらできなかったアマチュア界トップクラスの選手達に勝つことができたなら人生で最高の日になるのだろうなという期待を抱いたからです。

僕の見立ては正しかったようで、4年春の最終戦、初めてリーグ戦で勝利した日は現時点で間違いなく人生で最高の日です。嬉しすぎて頭が真っ白になり涙が止まりませんでした。野球をここまで続けて良かったと心の底から思いました。

あの日神宮球場のレフトから見た景色は一生忘れることはないと思います。

 

 

冒頭にも書いた通り僕が苦しいことがあっても野球を続けてきたのは、困難を乗り越え成果が出た時には何にも変えがたい喜びがあったからですが、その困難を乗り越えられたのは、苦しい状況でも諦めずに前を向けたのは、野球を通じて出会った仲間や親のおかげです。

 

高校2年生の夏の大会で自分のミスで試合を壊してしまい先輩たちの夏を終わらせてしまった時

先輩たちが僕を励ましてくれなかったら、同期が次の大会でリベンジしようと言ってくれなかったら、監督が喝を入れてくれなかったら、僕はとっくに野球から逃げていたと思います。

大学1年生の時同期の多くが出場するB戦にすら出られずスタンドで試合を見ていた時

ともにスタンドで試合を見ていた同期が上手くなって見返してやろうと言ってくれなかったら、学生コーチの岡本さん(R2卒)が僕に期待してくれていなかったら、もう野球部にはいなかったと思います。

リーグ戦で何十連敗もして連敗ストップのビジョンが全く湧かなかった時

それでも前を向いて戦い続ける東大野球部の先輩方、同期、後輩、指導者の方々がいなかったら、僕は勝利を諦めてしまっていたかもしれません。

野球を始めて今までの苦しかったすべての時

父が僕のプレーを見るのを楽しみにしてくれていなかったら、母が僕の健康を気遣ってくれていなかったら、とっくに野球は辞めていたと思います。

僕が野球を通じて最高の喜びを味わうことができたのは皆さんのおかげです。本当に感謝しています。

皆さんと野球を通じて出会い、苦しい時期を共に乗り越えられたことは僕の人生における最高の財産です。野球をここまで続けて本当に良かった心の底からそう思います。

 

 

 

「僕の野球人生」や日頃の会話の中で自分はチームの勝利に貢献できていないのではないかという悩みをたまに読んだり聞いたりします。言葉に出していないだけで同じような悩みを持っている人は他にも多くいるのではないでしょうか。

僕個人の意見としては法政戦の勝利も立教戦の勝利も活躍した選手だけでなく、ベンチにいた選手、メンバー外の選手、マネージャー、学生コーチ、アナリスト、監督、助監督、、、全東大野球部員で掴みとったものだと思っています。チームの勝利に貢献できていないのではないかと感じている人たちもあの勝利を心の底から誇りに思う権利があると思っています。

なぜそう思うのか?

僕は東大野球部の最大の武器は足でもなく頭脳でもない、「何度負けても前を向き続けられる」メンタリティだと思っています。このメンタリティはどれだけ失敗しても、先が見えなくても同期のみんな、後輩のみんなが各々の道で諦めずに立ち向かっていることによってチーム全体で生み出されたものだと思っています。

何度受験に失敗しても神宮のグラウンドに立つことを諦めなかった人、大きな怪我を負っても選手として活躍することを諦めなかった人、選手としての道が断たれてもチームの勝利への貢献を諦めなかった人、どんなに結果が出なくても諦めずにバットを振り続けている人、他大学の選手に技量で勝ることを諦めていない人、、、どんなに高い壁が立ちはだかろうとも決して諦めない、そんな人の集まりだからこそ持つことができた武器だと思います。

もしこの武器がなかったとしたら、まだまだ連敗は続いていたと思います。この武器を持っていたからこそ何度負けても勝つための工夫や準備を怠ることがなかった、だから勝てたのだと本気で思っています。

早稲田戦は2試合とも大敗しましたが、明治戦、法政戦、諦めている人は1人もいないと思います。

このメンタリティを武器に残り4戦東大野球部員全員で勝利を掴み取りましょう!

 

 

最後にもう一度野球をここまでやらせてくれた父と母に改めて感謝の気持ちを伝えさせてください。

父へ

いつも惜しみない援助ありがとうございます。お父さんが野球というスポーツを教えてくれたおかげでかけがえのない出会いと思い出を得ることができました。本当にありがとう。

応援がいつも本当に力になっています、あと4試合お願いします。

母へ

今まで野球をやらせてくれて本当にありがとう。僕が野球をやることで一番迷惑をかけたのはお母さんだと思います、本当に申し訳ないです。迷惑をおかけした分はこれから取り返して行きたいと思っています。あと4試合頑張ります。

 

 

残り4試合全力を尽くします!

 

 

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次回は10/11(月)、山﨑外野手を予定しております。

お楽しみに!