早稲田大学
今季、早稲田が誇るムードメーカーは、山口力樹(4年=早稲田佐賀)だ。今季から代走要員としてベンチ入りし、試合の緊迫した場面で起用されている。俊足を武器に、流れを変える大きな役割を担っており、今季の「足」を生かした攻撃を支える欠かせない存在だ。一点を争う場面で、山口の走力がチームにもたらす期待は計り知れない。しかし、山口の魅力はプレーだけにとどまらない。常に明るく、誰よりも周囲を笑顔にし、チームに和やかな空気をもたらす。彼のまわりには自然と部員が集まり、明るい雰囲気を広げている。声でもプレーでも、チームに勢いを与える山口力樹。その俊足と明るさで、早稲田の“起爆剤”としてチームを勝利へと導いてくれることだろう。(北嶋晴輝)

慶應義塾大学
慶應義塾野球部のムードメーカーといえば、真田壮之(4年=慶應)をおいて他にいない。出場機会は代打での数少ないチャンスに限られるが、彼の存在感はプレーだけにとどまらない。応援席では、誰よりも先頭に立って声を張り上げ、スタンド全体を巻き込んでチームを鼓舞する。チャンスの場面では誰よりも大きく飛び跳ね、ピンチの場面では力強い声で選手たちを支える。その姿はまさにムードメーカーの名にふさわしく、チームの士気を一瞬で引き上げる。彼の明るさを見たい人は、ぜひYouTubeで「慶應野球部 壮行会」と検索してほしい。圧倒的なユーモアセンスに、あなたもきっと彼の虜になるだろう。彼の周りには自然と人が集まり、その中心にはいつも明るい笑顔がある。さらに、面白いだけではない。背が高く、優しく、声がよく、歌が上手く、字まで綺麗。真田壮之はまさに“ハイスペック男”なのだ。残り法政・早稲田との決戦も、真田の存在がチームを一つにし、勝利へと導く。彼の笑顔と声で、慶應に“熱狂”をもたらしてくれることは間違いない。(田村早絵)

明治大学
明治大学野球部のムードメーカーは、間違いなく瀨千皓(4年=天理)、今井英寿(4年=松商学園)である。彼らはどんな時でもチームの前に立ち、明るく元気で、みんなを賑やかにしてくれるチームの中心だ。瀨は副将も務めており、チームを引っ張る姿を多く見せている。ベンチスタートが中心となっているが、誰よりもベンチ内で声を上げチームを鼓舞する。そんな彼が打席に立つとベンチも一段と盛り上がる。ここまで代打で4打席に立つものの安打はない。「何か起こしてくれる」そんな魅力を持っている。今井は持ち前の明るい性格でチームに元気をもたらす存在である。これまで血を滲む努力、人一倍の練習の成果で、オープン戦から結果を残し、開幕戦では「5番・ファースト」のスタメンを勝ち取った。しかしここまで1安打と自慢の打棒を発揮できていない。2人の最終学年にかける思いは誰よりも強い。優勝のためにはこの2人の爆発が必要不可欠である。明大野球部の“元気印”が神宮球場を沸かせる。(本岡里空)

法政大学
法政のムードメーカーといえば、今泉秀悟(2年•石見智翠館)だ。彼は兄に現トヨタ自動車野球部で活躍する今泉颯太(R2卒•中京大中京-法大)をもつ生粋の法政兄弟の弟である。入学時は捕手として入学するも、チーム随一の野球センスで2年生ながらファーストのレギュラーとして今春デビューした。彼の持ち味はクリーンナップを任せられるチャンス強さと高い守備能力だけではない。元々の捕手としてのゲームメイク能力や守備時の司令塔としてチームを牽引している。また、彼のストロングポイントは技術面のみならず、根っからの明るさや元気さであり彼の声や存在は非常にありがたく、なくてはならない存在である。2年生ながらゲームに出続けるプレッシャーに耐えるメンタリティ、そしてフィジカルは申し分ない。彼の早大2回戦での活躍は鮮明だ。残り2カードの4連勝ひいては大逆転優勝の鍵は彼にかかっている。(藤森創立)

東京大学
東大野球部のムードメーカーとして青貝尚柾(4年=攻玉社)を挙げたい。明るく親しみやすい性格で、同期にも後輩にも愛される存在だ。どんな状況でも諦めず、常に前向きな声を掛け続け、ベンチの空気をポジティブに保っている。その声は試合の流れを変えることもあり、チームにとって欠かせない。ベンチでは真剣な声かけから思わず笑ってしまうような冗談まで、幅広く叫び続けている。ぜひ球場で耳を澄ませ、青貝の声に注目してほしい。(奥畑ひかり)

立教大学
今年のチームにおけるムードメーカーといえば、三宅義人(4年=立教新座)の名が挙がる(写真右)。リーグ戦のベンチ入りこそないものの、トレーニングコーチとして選手のトレーニングやウォーミングアップを主導し、ノッカーやバッティングピッチャーも務めるなど、多岐にわたる役割を担っている。なかでも彼の最大の武器は、その「声」だ。グラウンドに響き渡る力強い掛け声は、練習や試合前のウォーミングアップを一気に活気づけ、チーム全体に明るい空気をもたらす。常にチームの雰囲気を和らげ、自然と周囲に笑顔が広がる存在でもある。また、トレーニングコーチとして選手を指導するという難しい立場にありながらも、前向きな姿勢でチームを支え続けている。今季のチームに宿る一体感と粘り強さの背景には、三宅の明るさと献身が確かにある。(大場航誠)

応援席から
法政大学応援団 
本年で東京六大学野球が百周年を迎え、応援席から見ても昨年とは少し変わった試合となっている。
やはり新たに導入された始球式には不思議な力を感じる。
両校、これから鎬を削って戦う前に行われる始球式には様々な形で六大学野球を支えて下さったレジェンドに行っていただけるが、それを見る時、神宮球場の空気は一丸となる。
そこから始まる試合は、どの大学も引けを取らない戦いを繰り広げる。勝利を掴むために全力で戦うその姿は見る者に感動を与え、球場を没入の渦に引き込む。
百周年を迎える今、新たな歴史の第一歩を我々は目の当たりにしている。皆様のご声援、心よりお待ちしております。
(法政大学応援団第100代 団長 布施拓真)
神宮六景 
ブルペンからの風景
私は平成5年に入学しました。長野県長野高校を卒業し、2浪の末に早稲田大学野球部に入部しました。当時の私は早稲田大学野球部の歴史や東京六大学野球連盟の歴史を正直なところ詳しく知りませんでした。地方出身の私にとって大学野球とは高校の先輩で大学でも野球を続けた人からの話と、唯一テレビで見ることの出来た早慶戦だけでした。私はその早慶戦をテレビで見たことがきっかけで、自分もこの舞台でプレーをしたいと思い、浪人生活を経て入部した訳です。入学後、諸先輩方より早稲田の歴史、連盟の歴史を聞くにつれ、その重みの中に身を置く事を光栄に思うと共に身が引き締まる思いを感じたものです。
私のポジションはピッチャーだったのですが、幸いにも1年生の時から度々ベンチに入れてもらう機会を得ることができました。しかし、ベンチには入るものの試合で投げることは2年生の秋までありませんでした。必然的に神宮のブルペンに居る時間が長くありました。そのブルペンからの景色でとても印象に残っている話をひとつ。それは学生席の応援風景です。ご存知の通りブルペンのすぐ横は学生席です。応援部リーダーによる「学生注目!」から始まるウィットに富んだ選手を鼓舞するかけ声、それに呼応する学生。得点が入った瞬間の間髪を容れずに始まる「紺碧の空」。早慶戦に勝った時にのみ歌われる「早稲田の栄光」等々。他の五大学も同様ですが、六大学は非常に伝統的で特長的な応援が繰り広げられますが、ブルペンに長く居た私はその応援を間近で見ることができた訳です。その中でも最も印象に残っているのは、秋の早慶戦での応援部リーダー4年生全員によるコンバットマーチです。なんとそのリーダー達は涙を流しながら応援していたのです。もちろんその4年生のリーダーにとって神宮での応援は最後になると言うこともあったのでしょう。しかし、涙を流してまで人の為に応援するその姿に私は目頭が熱くなりました。そして沢山の人から熱く応援してもらえる野球部、連盟の環境を、非常に有り難く幸せに感じると共に、自分は本当にこれだけの人から応援される事に見合うだけの努力をしているのか?もっと頑張れるのではないか?と奮い立たせてもらいました。
来年は早稲田大学野球部創部125年と言う節目の年です。「125」とは早稲田にとって重要な数字です。創立者大隈重信が唱えた人生125年説による数字であり、2007年には大学創立125年の記念式典などが行われました。また、大隈講堂の時計塔はその数字にあやかり125尺の高さです。
今年が連盟100周年、来年が創部125年と記念の年が続きます。
後輩の皆さんにはどうか沢山の人から応援してもらい、早稲田らしい野球で記念の年に花を添えて頂きたいと切に願うばかりです。
そして私達と同様、卒業後に早稲田の良さ、六大学野球の偉大さを更に感じてください。
(平成9年卒業 関 英明)