勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
おはようございます!
主務の小林です。
私はリーグ戦運営のために今日も神宮へ向かっております。
今年は特に就職活動でも銀座線を使うことが多く、ほぼ毎日のように“外苑前”を通る日々です。そろそろ定期を買った方が良いのではないかと思っています。
先週末のブログで、
明治大学の印象は、チームとしてまとまりがあること・投打ともに大舞台の経験がある選手が多く隙がないこと、と記しましたが、本当に苦しい戦いでした。
もう一週間も前のことになるのですが、未だにサヨナラ打を打った選手が走ってみんなのところに駆け寄る姿は忘れられません。いち早く熱戦をお届けしたいと思っていたのですが、更新が遅くなってしまいましたこと、大変失礼致しました。
さて、第6週の明治大学との戦いは勝ち点を落としていない2校同士の天王山に相応しい戦いでした。
本日の題名にもあるように「勝ちに不思議の勝ちあり」の逆転勝利。
手に汗握る3試合を写真とともに振り返っていきましょう!
慶大の先発は髙橋亮吾。先制点を取られることが多いだけに初回は無失点で切り抜けたかったところですが、失策も絡み2点を失います。しかしすぐさま1回裏、頼れる四番・郡司の適時打で1点を返します。先発同士意地の投げ合いで次の1点が両校ともに遠く、どちらに転んでもおかしくない展開に。
すると7回表に1点を追加され流れが相手に、、、と思った選手は誰もいませんでした。最後まで諦めない塾野球部は9回裏、相手投手の投球が乱れ土壇場で2点をもぎ取りますが、橋本典之の力走も僅かに及ばず延長戦へ。そして、その時はすぐにやってきました。相手の失策で走者を出すと、この試合適時打を放っている郡司が左中間を破る二塁打を放ち見事サヨナラ勝ち。1戦目をものにしました。
<先発として試合を作った髙橋亮吾>
<この日一番の当たりが人生初のサヨナラ適時打となった郡司>
郡司「明治さんの野球は本当に隙が無く、なかなかリードをさせてくれない中で2度もサヨナラ勝ち出来たことはチームにとって大きな自信となりました。慶早戦で勝って完全優勝し、今年のスローガンでもある“超越”を果たしたいと思います!」
“あと1勝で優勝”を意識せずに臨んだ二回戦。先発の菊地は初回失策から先制点を許してしまいます。なんとか援護したい打線でしたが、“目の前で優勝を見るわけにはいかない”明治大学の鉄壁の守りに阻まれ、なかなか反撃の糸口をつかむことができません。中盤、中村が二塁打を放つも後が続きません。投手陣は3人の継投で3安打に抑えるも、完封負け。まさに優勝への意地と意地のぶつかり合いになった試合でした。
<6回途中被安打2に抑え、今季安定感のある菊地>
このカード勝ち点を取った方が優勝に大きく近づく第3戦。今季初先発・昨季最優秀防御率賞の佐藤が満を辞してマウンドに上がります。この日こそは先制点を取る気持ちで野手もはりきります。3回までは白熱した投手戦となり、試合が動いたのは4回表。連打を浴び3点を先制されてしまいます。
しかしここからが本当の勝負だったのです。5回裏、一死から小原が三塁打を放ったのを皮切りに、河合・ 郡司の適時打で1点差に迫ります。6回裏には代打・植田清太が4年のプライドを見せ同点に追いつきます。1点を勝ち越されるも、すぐさま追いつき第1戦と同じ異様な雰囲気に。
迎えた9回裏、昨日完全に抑えられた相手投手からこの日あたりのなかった先頭・内田が二塁打を放ち好機を作ると、最後に決めたのは俊足の1年生ルーキー渡部遼人(はると)でした。神宮初安打がチームに貴重な勝ち点を引き寄せるサヨナラ適時打となり勝利。先輩達に囲まれて喜ぶ姿はとても嬉しそうでした。
<昨秋以来のリーグ戦先発を任された佐藤>
<値千金のサヨナラ打を放ったルーキーの渡部遼人>
渡部遼人「優勝が大きく左右される明治戦で勝ち点を取ることができ、少しホッとしています。一人一人ができる準備をしたことが、大きな勝因だと思います。僕にたまたま良いところでまわってきて打つことができましたが、それまでに3点差を追いつく先輩方の攻めがあったからこその勝利です。慢心せず、これからさらにレベルアップをし、早慶戦に向けて勝つ準備をしていきたいと思います。応援のほどよろしくお願い致します!」
<投手・野手・学生コーチ全員が渡部のところへ>
2試合ともサヨナラ勝ちで勝ち点を取るのは入部して以来の経験で、先制されても投手が粘って、最後にひっくり返す今年のチームをよく表していると思います。見ている皆様にはハラハラさせてしまうことも多いと思いますが、これが野球の醍醐味ですね。
実は試合の先攻後攻の順番は、リーグ戦の日程を決める際にマネージャーがじゃんけんをして決めているのです。
2試合ともサヨナラ勝ちとは自分の右手に命運がかかっていたと思うと、震えが止まりませんでした。
少しだけですが、チームの勝利に貢献できたのかなと思います。(法政大学・立教大学にはじゃんけんで負けたのがわかりますね、、、)
今回はどの試合も総力戦で臨んだので、明治戦での《神宮で輝いた選手》を選出するのに1時間くらい悩みました、、、。
サヨナラ打を放った郡司・渡部遼人両選手には先程コメントをもらったので(本当は4人にしたかったのですが、先に載せてしまいました笑)、同期の4年生の2人に登場してもらいます!
田中裕貴(4年・投手/芝高校出身)
「勝ち点を取ることができて本当に良かったです。今カード僕は、3試合全てに登板させていただきましたが、少しでも多くのアウトを取って次の投手へ繋ごうという一心で投げていました。結果として無失点で抑えられたのでホッとしています。いよいよ残るは早慶戦のみ。絶対に負けられない戦いがまだ続きます。約2週間、調整ではなく、より上手く、そして強いチームになれるよう、練習していきます。引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。」
田中裕貴は190cmに迫る身長と長い手足で打者を翻弄するピッチャー。明治戦では3試合すべてでセットアッパーを任され、今季失点は0なのです。私は2年生の春、田中が新人戦の決勝で先発したのをよく覚えています。あの試合は4時間半の熱闘の末延長13回サヨナラ負けをしましたが、奇しくも相手の先発は森下暢仁投手でした。当時は明治打線相手に打たれてしまって悔しい思いをしているのを見ていたので、今回雪辱を果たせて良かったのではないかと思います!
植田清太(4年・外野手/慶應義塾高校出身)
「今回の勝利はチームにとって非常に大きな一勝になりました。個人としても勝利に繋がる一打をあの場面で打てて本当に良かったです。立教戦ではご迷惑をお掛けしました。あれだけ対策とバットを振ってきて打てなかった。その悔しさを内に秘めてあの日からまたバットを振り続けましたし、今回結果を出せて”振ってて良かった”と初めてそう思えました。 4年の意地というものを少しは見せられたかと思います。この第3戦は全員がMVP。全員でもぎ取った勝利です。次の早慶戦も全員野球で挑みます。」
やっと出た待望の一本が、チームを救う適時二塁打でした。下級生の頃から兄弟でベンチ入りするのが目標(弟は捕手の植田将太)と語っていましたが、今季はなかなか結果が出ずに明治戦でも3回戦のみのメンバー登録だったのです。『代打で結果を出す』。これほど難しいことはないと思います。けれどこの一本が出たことで、次も必ずチームを救う一本、といわず一発をスタンドに入れてくれるでしょう!
早ければ今日から始まる第7週で優勝が決まる可能性もありますが、そう簡単に優勝させてもらえないのがリーグ戦の面白くも厳しくもあるところです。
明治戦で出たミス、課題。沢山あります。ということは、まだまだ成長できます。今の結果に満足しているようでは早稲田大学には勝てないと全員が自覚しています。
今日も神宮で行われている試合結果を気にせずに、それぞれが練習に集中して取り組んでおります。
完全優勝まであと勝ち点1。
最後に待ち受けるのは、最高で最強の宿敵・早稲田大学です。早稲田に勝つことはリーグ戦優勝と同じように、部の中でチーム目標として掲げています。
昨年の慶早一回戦。私はアナウンス室で3万人の観衆を目の前にしたのですが、その時の異様な雰囲気は忘れられません。普段噛まないはずの自分の名前を噛むくらいです(笑)
選手にも気づかれていたようですが、笑いが起こっていたようなのでいい意味で緊張がほぐれる材料になったのかなと勝手に思っていました。
今年はその景色をベンチから。
きっと最高の瞬間が待っていると選手を信じて、見守りたいと思います。
このブログをご覧下さっている皆様とも感動を分かち合いたい。
部員はもちろん、應援指導部・慶早戦支援委員会の仲間も思っております。
土曜日の応援席は大変嬉しいことにほぼ完売状態なのですが、日曜日はまだまだありますので是非キャンパスでお買い求めください。当日は大変混雑する上、優勝がかかる日曜日は売り切れる可能性が大きいです!
販売状況の詳細は慶早戦支援委員会のホームページを随時ご覧ください。
今後とも温かいご声援、宜しくお願い致します。