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2020.10.27

『僕の野球人生』第19回 宇佐美尭也副将

『僕の野球人生』第19回

宇佐美 尭也 副将(4年/外野手/桐朋)

宇佐美(加工済)

幼稚園の年中の頃に兄の所属していた野球チームに特別に混ぜて練習をさせてもらっていたのが、野球人生の始まりです。

小学校の頃は自分より体が大きく野球が上手い選手が大勢いて、彼らに繋ぐためにバントばかりしていました。チームプレイなどという崇高なものではなく、ただ監督が怖かったのでバントをしていました。それでもたくさん勝つことができたのは良い思い出です。

桐朋中学・高校では試合で結果を出せない苦しみを嫌というほど味わいました。中軸を打たせてもらっていたものの、自分が打てないせいで負けてしまった試合の方が遥かに多く、当時のチームメートには今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。それでも自分たちより強い相手にどうやって勝つかを考えていた時間は確実に今の糧になっており、中学時代の森先生、高校時代の田中先生をはじめとした指導者の方々の愛ある指導で人間として大きく成長させていただきました。

高校卒業後、家族のサポートのおかげで1年間の浪人の末に掴み取った東大合格ですが、正直なところ、東大で野球をするかどうかは迷っていました。というのも、幼い頃から自分より野球が上手かった2歳上の兄が東大野球部で苦しんでいる姿を既に2年間見ていて、自分が通用するわけないという考えが頭をよぎったからです。そして、どうやら同期には高校時代に地方大会でベスト4やベスト8になった高校で活躍していた選手が何人もいるらしいという情報は、野球部に入っても自分が活躍できるチャンスが無いかもしれないと、更に僕を悩ませました。
しかし、せっかくここまで続けてきた野球を、更に上のレベルで挑戦できる場があるのであれば挑んでみたい、ダメだったらダメで仕方がないという気持ちで東大野球部の門を叩きました。

入ってから1年間はただガムシャラにに練習していました。同期の野手がどんどん神宮デビューしていく中で、来年は自分も神宮に立つんだという思いで石元(内野手/4年)と一緒に授業の合間を縫っていかに多く練習するかということばかり考えていました。秋には法政から勝ち点を奪う瞬間をスタンドで目の当たりにして、神宮で勝つことがいかに尊いことであるかを実感しました。

2年生になり、守備固めと代走として春の開幕戦でベンチ入りをすることができました。初めて味わった神宮のグランドからのリーグ戦の雰囲気は今でも忘れられません。
しかし、結果は15-0の惨敗。相手の圧倒的な強さとそれに対して何もできずにベンチにいた自分の無力感に気持ちを整理することができませんでした。それでも24時間しない内に神宮でまた試合が始まります。負けに落ち込んでいる暇などなく、次の試合に向けて準備をしなければいけない。結果に一喜一憂なんてしている内に連敗がどんどん積み重なっていく。東大野球部として戦うことの現実を知った瞬間でした。

基本的にスコアが競っている試合でしか出番の無い自分の役割が悔しくて、打撃練習を重ねましたが、練習やオープン戦で結果を出すことができず、リーグ戦での役割はほぼ変わりませんでした。大差で負けている試合はベンチから流れを変えることのできない自分の無力さが情けなくなり、僅差の試合で、役割を果たすために出場しても、守備では勝ち越しの打球が目の前を通り過ぎていき、代走ではホームを踏むことができませんでした。チームに絶対必要な役割でもないので、投手の頭数を増やしたい時にベンチを外されることもありました。だから、リーグ戦では自分の存在意義を示そうと、どんな仕事でも必死にやりました。
そんな日々だったので、神宮球場ではミスをしないでホッとしたことはあっても、ガッツポーズをする程嬉しかったことは今のところ一度もありません。

ここまで野球人生を振り返って、良くない思い出ばかりを書いていますが、僕にとって野球がそんなに苦しいものであったら、18年も野球を続けていません。

そもそも、18年間も野球を続けられたのはひとえに野球が大好きだったからです。これだけは胸を張って言えます。というより、嫌々野球をやっていたとしたら、大学に入ってからも何不自由なく野球をやらせてくれた両親に申し訳ないです。
決して周りより野球が上手い訳ではありませんでしたが、どうやったら昨日より上手くなれるかを考えたり、様々な人にアドバイスをもらったりしたことが、練習で上手くいった時は嬉しいですし、練習したことを生かして試合でヒットが打てたらもっと嬉しいです。
だから、練習に行くのが嫌だった日は1日も無いし、野球をやめたいと思ったことは一度もありません。好きなことを毎日好きなだけやることができた自分は本当に幸せ者で、両親に感謝しています。
そして更に幸せなことに、仲間にも恵まれました。東大野球部の選手は向上心の高い選手ばかりで、その姿勢にはいつも励まされました。どんな時間にグランドに行っても誰かしらが自主練をしていて、皆暇さえあれば自分の打撃や投球の動画を見て研究している。そんな姿から毎日積み重ねることの大事さを学びました。そんな尊敬できる仲間達と切磋琢磨して勝利という一つの目標に向かっている毎日は本当に刺激的で、最近はほぼ毎日、東大野球部に入って良かったなぁと思っています。
尊敬できる仲間と一緒だからこそ、試合に負けたら物凄く悔しいし、まだ自分たちはこんなもんじゃない。もっとできるはずだと、次に勝つためのエネルギーに変えることができました。このチームで勝つ。今はその思いだけで残り少ない日々を過ごしています。

そして何より、こんな僕を支えてくださる方々が数え切れないほどいます。

野球人生の全てを懸けるとまで言ってチームを率いてくださった井手監督をはじめ、これまで指導してくださった指導者の方々、4年間親身になって面倒を見てくださったトレーニングジムの方々。
どんなに大差で負けていても、どんなに大雨が降っていても最後まで必死に応援してくれる応援部の皆、神宮に足を運んで、配信を通じて、応援してくださる方々。
そして、18年もの間、大好きな野球に打ち込める環境を整えてくれて、誰よりも応援してくれた家族。
他にも僕の野球人生に関わってくれた全ての方々のおかげで野球に打ち込むことができました。ありがとうございました。

残されたのは2試合です。
僕が尊敬する方がこんなことを言っていました。

念力が強い方が勝つ。

勝利への想いだけでは絶対に負けません。死ぬ気で勝ちにいきます。
是非、神宮球場で応援よろしくお願い致します。

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次回は10/28(水)、岡副将を予定しております。

お楽しみに!

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