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『僕の野球人生』第12回 高橋佑太郎内野手

『僕の野球人生』第12回

高橋 佑太郎 内野手(4年/私立武蔵)

R3.05.23vsH② (1320)

高橋②

自分にとって野球とは何か?
なんで野球をしているのだろうか?

これまで盲目的に膨大な時間を野球に費やしてきた自分は、半年ほど前、考え始めた問いです。

それから何度もこのことについて考えてきました。そして、辿り着くことができた答えは、
まず第一に、「野球のプレー一つ一つ、その全てに幸せを感じている自分がいるから」です。
そして、それをもっと掘り下げて考えると「自分にとっての野球は、自己実現のための道具の一つであり、いつ終わるかも分からない人生を後悔なく生きるために野球をしている」
という答えに行き着きました。

そもそも人生とは何かと考えた時、そんなものに明確な答えなんてないと思います。じゃあ何のために生きるているのだろうか?
今、自分は起きている時間のほぼ全てを野球に費やしています。でも、それだからといって野球をやるために生きているということではないと思っています。
自分は、「結局、人は自分自身が一番満足するため、幸せを得るために生きている」と思っています。

そして、自分にとっての満足とは何か、どうすれば自分が自分に誇りを持っていられるかということを考えると、1日の中で全てをやり切ったと言える自分でいること、そしてそれを毎日少しずつ積み重ねていくことができるかということしかありません。
勿論後悔が残ってしまう日もあります。でも、その考え方に気づくことができたおかげで毎日練習出来るということがどれだけ幸せなことなのかということを感じながら練習を迎えることが出来るようになりました。リーグ戦で勝つためにために練習しているというのは間違い無いですが、神宮でのリーグ戦も、東大で行われるオープン戦も、練習も同じ1日で、いつ出来なくなるか分からない野球が出来るということに変わりはありません。残り1ヶ月の東大野球部で野球ができる時間も変わらずにその1日1日を大切にしていきます。

また、全てをやり切ることを一番に考え、そこに集中することができるようになった時、他人の尺度で自分の行動を考えてしまうことが本当に勿体ないことだと気づくことが出来ました。こんなのも自分の価値観に過ぎませんが、このことに気付くことができて良かったと思っています。

いつの間にかコーチに怒られないことばかりを考えるようになってしまっていた小学生の時、チームメイトとの仲にばかり気を取られていた中学生の時、試合に出られるかどうかばかり考えていた高校生の時、そして、監督や学生コーチからの評価ばかり気にしていた大学3年生までの自分。野球人生を振り返ってみると自分の行動はいつも他人からの評価で左右されてきました。
「他人がこれだけ練習しているのだからこれくらいやらないと」、「監督が見ているから声を出さなければ」「レギュラーになるためにチームで一番練習しよう」
こういった行動には主体性というものは全くありません。そしてその行動から他人からの承認欲求を満たすことはできても、今も誇ることが出来るようなものを得ることができたことはありません。
しかし、そんなこれまでの自分にも、今でも素晴らしかったと思える時というのはあります。その経験を振り返ってみると、他人が自分のことをどう思うかなどということは頭にありませんでした。そして、自分がやりたいこと、やるべきことに対して夢中になっていました。

そして、今、自分は間違いなく1日の中で悔いなく全てをやり切ったと言える自分でいます。他人でなく自分の価値観で考え、やりたいこと、やるべきことに集中出来ている自分でいます。
とても素晴らしい時間を過ごせていると思います。

でも、チームとして勝利を得たいし、自分も結果を出したい。結局自己満足に過ぎないというのは分かっていながらも、その気持ちがあるのは事実です。自分の中でも今まで言ってきたことと矛盾しているのは分かっています。ただ、どちらも自分の本心であることは間違いないです。だから、その矛盾も受け止めながら、試合の中でもできること、やるべきことを一つずつ積み重ねていきます。

ここまで色々と書いてきましたが、自分がいくらやりたいことだとしても、その思いだけで出来ることではもちろんありません。そこに打ち込める環境を作ってくれ、自分のやりたいように野球をやらせてくれている家族には感謝してもしきれません。何も結果を残せていない自分の助言を受け入れ、信頼してくれたチームメイトには本当に助けられました。さらに、サポートしてくれているトレーナーの方々、自分が変わるきっかけをくれた、SNSで繋がって関わりを持つことができた方々、小学校から大学まで関わっていただいた指導者の方々、こういった全ての人がいたからこそ今の自分の価値観が形成され、今の自分があります。本当に感謝しかありません。

最後に、
自分は本当に野球が下手くそです。これから先もそのせいで壁にぶつかることはあると思うし、そこで他人からの声が気になる時はあるかもしれません。
やりたいことが上手くいかず、イライラしてしまうこともあると思います。

でも、自分の人生は一回しかありません。

「やれること、やりたいことを全てやり切ったと言い切れる自分でいる」
このことを胸に刻んでこれからも過ごしていきます。

 

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次回は9/30(木)、辻村内野手を予定しております。

お楽しみに!