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号外WEB版

通常、紙面にてお届けしている号外スタイルの東京六大学野球情報紙。 2020年秋季からは特別版として、本サイト上にて掲載させていただきます。 野球部員による記事だけでなく、各大学の新聞部や応援部などの様々な寄稿がこの号外を盛り上げます。

TOKYOROCKS2024 秋季号外

第5週

守備の要

2024/10/9 UP
CLOSE

東京大学

今シーズンの東大は渡辺(3年/海城)、鈴木太陽(4年/国立)と先発陣の好投が目立つ試合が多くある。女房役として彼らの好投を支えている杉浦海大(3年/湘南)を守備の要としてあげたい。1年生の春季フレッシュトーナメントの際に、初打席でホームランを放つなど、下級生時代から神宮での経験を積んだ彼は、2024年の春季リーグから正捕手として出場するようになった。厳しく野球に向き合う彼は、捕手としての総合力が高く、特にその強肩で盗塁を刺してピンチの芽を摘む場面はリーグ戦でも多く見られる。相手の分析も怠らず、そのリードで東大投手陣を引っ張っている。今秋リーグはここまで打撃も好調で、対慶應義塾大学二回戦では決勝点となるタイムリーを含む2安打を放って、チームの今季初勝利に大きく貢献した。文字通り攻守においてチームを牽引する彼の活躍に残りのカードも注目していただきたい。(角能紳吾)

立教大学

立大の守備の要は柴田恭佑(4年=東明館)である。2年春に神宮デビューを果たすと、これまで56試合に出場し、遊撃手を中心に二塁手、三塁手でも活躍。彼の魅力は、なんといっても出場した56試合ノーエラーの記録を持つ安定した堅実なプレーである。誰もが信頼し、彼のもとに打球が飛べば大丈夫とさえ思わせてくれる。そんな彼は今季、主に三塁手としてスタメン出場。ライン際の難しい球、ショーバン、ダブルプレーなどを難なく処理し、鍛えられた体幹で難しい体勢からでも安定感ある送球を見せ、チームの勝利に貢献してきた。また、内野手チーフとして周りにも目を向け、立教の守備面を支えている。残り2カードとなった今シーズン。チームの勝利に欠かせない存在である彼に目が離せないだろう。(町田日菜)

早稲田大学

ここはショートに打たせよう。部員全員が全幅の信頼を置く早大不動の遊撃手は山縣秀(4年=早大学院)である。彼の華麗な守備で幾度もピンチを切り抜けてきた。昨季では持ち前の守備のみならず、打撃も開花し遊撃手ベストナインを獲得し、攻守に欠かせない存在へと成長した。2年秋に衝撃的なデビューをすると、ここまで全試合に出場してきた。打球への反応、守備範囲、ハンドリング、送球までの早さ、どれをとっても彼の右に出るものはいないだろう。この夏は大学日本代表にも選出され、様々な知見を取り入れてきた。ラストシーズンとなる今季もここまで好守を連発し、勝利に貢献してきた。日本を代表する早大不動の遊撃手が、今シーズンも神宮球場で躍動する。(神田航)

慶應義塾大学

慶應の守備の要は斎藤快太(4年=県立前橋)だ。3年春からスタメンとしてリーグ戦に出場している彼は、3年生はセカンド、4年生ではショートと二遊間を器用にこなす。プレーに派手さはないものの、どんなプレーでも冷静に必ず打者をアウトにする確実性を持っており、「慶應の守備職人」として快太の守備を楽しみにしているファンも多くいる。そんな彼の冷静さが表れた代表的なプレーとして挙げられるのが、春季リーグ戦対立大4回戦ではないだろうか。1点リードの最終回、一死一三塁の大ピンチであったが、彼の好判断によりライナー性の打球を併殺に仕留め、勝ち点を掴み取った。どんな苦しい場面でも揺るぐことなく自分のプレーを淡々とこなす彼は、苦境が続くチームに良い風を必ずやもたらしてくれるだろう。(宮田健太郎)

明治大学

明治の守備の要は小島大河(3年=東海大相模)だ。持ち前の強肩とインサイドワークに長けた彼は、2年次からほぼ全試合でスタメンマスクを被り、今年侍ジャパン大学代表に選出されると、大会MVPを受賞するなど輝かしい成績を残した。そんな超実力派の彼には「泰然自若」という言葉がよく似合う。ピンチの場面に直面しても浮き足立つことはなく、常に冷静さを崩さない。普段の練習ではピッチングをほとんど褒めないが、試合中には「ナイスボール」という仕草をしてピッチャーを盛り立てる。そんな彼がチームの結び目となって、扇の要としての役割を全うしてくれるだろう。ここぞの場面での強気なリードで、チームを優勝へと導く。(岸上さくら)

法政大学

法政大学の守備の要は内海壮太(4年=御殿場西)である。恵まれた肉体から見る者を魅了する強烈な打球を放つ六大学屈指のスラッガーだ。今季は全ての試合で4番を務めており力強い打撃が持ち味の彼であるが、今季は守備においてもチームの窮地を何度も救ってきた。立大4回戦では延長13回のピンチにおいて、難しい打球をフェンスに衝突しながら好捕しサヨナラ勝利に繋げた。続く早大戦では息詰まる接戦の中、正確無比な送球で2つの本塁捕殺を記録した。未だにリーグ戦においてノーエラーである彼だが、春の慶大2回戦ではエラーの記録がつかないものの、打球判断のミスで逆転を許してしまった。春の悔しさを胸に打球判断、一歩目に磨きをかけ今季は守備の要と呼ぶに相応しい活躍を見せている。また、献身的な姿勢と仲間を鼓舞する声で牽引する姿はチームに活力を与えており4年生としての自覚も十分だ。残り3カード、優勝へ突き進むためには彼の守備と圧倒的な打撃が必要である。ここまで険しい道を歩んできたチーム吉安の4番が牙をむく。(黒坂夏希)

応援席から

法政大学応援団

平素より法政大学を応援してくださり、誠にありがとうございます。また、我々法政大学応援団の活動にご理解・ご協力いただき、御礼申し上げます。 昨年の春に多くの関係者の方々のご尽力により、コロナ以前の応援席の形態を取り戻しました。法政大学の勝利のために全力でプレーする選手の方々を、応援席の皆様と一緒に応援できることに嬉しさを感じております。一方で外野席応援から応援形態が変化した際には、応援席を巻き込んだ応援方法に難しさを感じておりました。 今季は内野席応援が復活して4季目のシーズンとなりましたが、団員一同が日頃の練習や合宿を通して応援席の作り方を試行錯誤した集大成となるべくシーズンではないかと思っております。 コロナ以前の形態に完全に戻ったかと言えば、決してそうではないかもしれません。しかし、法政大学の勝利を最後の瞬間まで信じ続けることはどんな時代になっても変わらないと思っております。 今季も残り3カードとなりましたが、どんな戦況であっても団員一同最後まで勝利を信じて応援してまいります。 末筆にはなりますが、今後ともご声援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
(法政大学応援団団長 谷田部和真)

神宮六景

2つの感謝

我が母校を卒業して32年が経ちます(実は今春「娘」も母校を卒業しました)が、私はいま「我が同期」と「支え人(ささえびと)」に対する感謝の念を、今さらのように深く抱いています。

36年前、北九州から上京した私は「コトバの違い」を含めた東京仕様の生活に悪戦苦闘の毎日でした。しかも、上級生との相部屋による野球部寮での集団生活。全国から集まった同期の面々は、現役・一浪・二浪と年齢の幅もあり「野球を愛する者」という共通項を除けば、その来歴や芸風は全くもってバラバラでした。どことなくピリピリとした空気の中で寮生活を送るなか、とある夜のボール磨き(業務用の消しゴムでボールの汚れを落とす1年生専業の夜のお仕事)の際に、同期二人が取っ組み合いのケンカを始めたこともありました(止めに入った私は軽い脳震とうでダウン)。また、ある同期は散髪屋でタバコを吸っているところを上級生に見つかり、上品なカットのつもりがゴリゴリの丸坊主で帰寮するという惨劇にも見舞われました。女子マネージャーを含め、同期会で集まった際は、今もってこうしたバカ(昔)話しに花が咲きます。このように腹を抱えて共に笑い合える時間は、私にとって大事な・大事な宝物であり、恐らくそれは永遠に不易だと思います。改めて「我が同期」に心から感謝・感謝です。

加えて、もう1つ。
私はいま、会社で総務セクションに就いています。総務業は、現場や営業セクションと違って「裏方」のお仕事が多く、必ずしも「陽の当たる部署」とは言えないセクションです。ですが、そのお仕事を誰かが担わなければ会社、あるいはグループ全体が回らないのも事実です。ですので、チーム(配下)のみんなには「裏方なれど誇り高き仕事人であり続けよう!」そう私は繰り返し伝えています。いま振り返ると現役時代、これは裏方さんに限りませんが「居てくれて当たり前」だと思っていた方々、例えば、監督さんや助監督、マネージャーに加えてOBの諸先輩方や六大学野球連盟の方々、あるいは母校に限らず六大学野球を愛するファンの皆様、そして両親をはじめとする親族。そうした多くの方々に、私たちはどれほど支え続けてもらっていたか、今さらのように深く想いを馳せる次第です。改めて「ささえびと」に心から感謝・感謝です。

現役選手の皆さん、お説教じみたことを申し上げるつもりは1ミリもありませんが、心のどこかで「同期」そして「ささえびと」に感謝しながら毎日を過ごしてもらえると、OBの一人としてこんなに嬉しいことはありません。
(そして来年、100周年を迎える東京六大学野球連盟にも感謝・感謝・感謝!)

(立教大学野球部92年卒 太田敦 東筑高校卒)

第4週

打撃の要

2024/10/2 UP
OPEN

法政大学

法政大学の打撃の要は中津大和(4年=小松大谷)である。並外れたリストの強さから強烈な打球を放ち、50メートル5.8秒の快足を飛ばしてダイヤモンドを駆け回る。まさに法政打線の要であり軸である。今季は1番、2番、3番を務め、7試合全てで安打を放つなどチャンスメーカーとポイントゲッターの両面でチームを牽引している。また既に大学キャリアハイの2本塁打を放っており、パワー、そして勝負強さを見せつけた。そんな彼の魅力は走攻守、そして笑顔である。「中津スマイル」という異名を持つほど、いつでもどこでも笑顔でおり勝ってる時も負けてる時もとにかく笑顔で楽しそうにプレーをしている。その笑顔の奥には誰よりも強い春の悔しさ、勝利へのこだわり、そして熱い闘争心が秘められているに違いない。残りの3カードも笑顔でグラウンドを駆け巡り、走攻守全てでチームの勝利を手繰り寄せてくれるであろう。(黒坂夏希)

東京大学

東大打線のキーマンはやはりこの男、酒井捷(3年=仙台二)だろう。誰もが認める東大のリードオフマンがやっと神宮の杜に帰ってきた。酒井が出塁し、中山太陽(3年=宇都宮)、内田開智(4年=開成)といった上位打線で彼を得点させるという流れが最も期待できる得点パターンといっていい。開幕から2カードを終え1得点と打線の元気がないが、この打線の本来の勢いはこんなものではない。安打でも四球でも振り逃げでも何でもかまわないが、彼が出塁し、走って、後続打者がホームに返す。このパターンが何度も見られるようになれば、東大の白星もおのずとついてくるに違いない。(岩瀬笑太)

立教大学

今シーズンの立大打線の核となるのは、鈴木唯斗(3年=東邦)だろう。下級生の頃から持ち味の長打力を武器に多くの経験を積んできた。豪快なフルスイングから放たれる打球は目を見張るものがあるが、チャンスで凡退し主軸として役割を果たせず苦しむ姿も見てきた。今春のリーグ戦も無安打と本来の力を発揮できず悔いの残るシーズンとなった。しかし誰もが認めるこの夏の努力が実を結び、今シーズンはスタメンに定着すると、7試合を終え打率.350と好成績を残している。まだまだ優勝の可能性は残されている。チームに勝利をもたらす彼の豪快なフルスイングと綺麗な放物線を描くアーチを見逃すわけにはいかない。(草野梢汰)

早稲田大学

早稲田が誇る打撃の要は吉納翼(4年=東邦)であるという意見に、異を唱えるファンは誰もいないだろう。今秋は規格外のパワーと確かな選球眼を存分に発揮しており、ここまでの2カードで4HR・15打点と、まさに鬼神のごとき活躍を見せている。チャンスでの勝負強さからついた異名は「ミスター3ラン」。先週末の法大1回戦でも、7回2点ビハインドから起死回生の3ランホームランを放ち、神宮球場の空気を一変させた。相手がどんなに好投手でも、どんなに綿密な対策がなされていても、どんなに絶望的な状況でも、彼は一振りで正解を導き出してきた。そしてその度に、見ている者を虜にしてきた。勝ち点を2つ積み上げて残るは3カード、彼はあと何回我々を熱狂させてくれるだろうか。彼の1打席、1スイングが楽しみでならない。(中原由信)

慶應義塾大学

慶大の打撃の要として紹介したいのは清原正吾(4年=慶應)である。彼のパワー溢れるスイングからはロマンを感じずにはいられない。2年生の時に初スタメンを勝ち取るも、昨年はベンチに入れず悔しさを糧に猛練習を重ね、今年春の開幕からは4番を任されている。彼の魅力は何と言ってもその長打力である。芯でとらえた打球は観るものすべてを魅了するアーチを描く。そんな彼の魅力が発揮されたのが先日行われた慶明1回戦、9回裏2死の場面からの劇的なホームランであり、あの一打がチームを窮地から救った。自軍側スタンドだけでなく、球場全体が歓喜に包まれた瞬間は感動で鳥肌が立った。 敵味方関係なく観客を魅了する彼のバットが今度はチームを勝利へ導いてくれるはずだ。(宮田健太郎)

明治大学

明大の打撃の要は、今年度全試合で1番を務める直井宏路(4年=桐光学園)だ。1年の春季リーグ戦で神宮デビューを果たすと、4年間全てのシーズンで試合に出場し、自慢の脚力とスピード感あふれるプレーで見る者を魅了した。中でも印象に残っているのは、昨秋、開幕戦の東京大学戦。自身初アーチとなる先制ホームランを放った。持ち前の機動力と守備範囲の広さでチームを何度も救ってきたが、打線でもチームに欠かせない存在へと成長した。昨季は全試合に出場し、打率.327とキャリアハイのシーズンとなったが、チームのリーグ2位という結果に悔しさをにじませ、更なる飛躍を誓った。今季も既に2試合で猛打賞を記録するなどヒットを量産し、バットでチームを牽引する。また、慶應義塾大学2回戦で、3ランホームランを放ちベンチに戻る宗山にサイレントトリートメントをしかけるなど、エンターテイナーな一面もある。真摯に野球と向き合い、皆から慕われるリードオフマンが明大打線の口火を切る。(岸上さくら)

応援席から

立教大学体育会応援団

平素より立教大学に格別なご厚情を賜り御礼申し上げます。

昨年度より従来の応援席の形が戻りましたが、コロナ禍で入部した私達には未知な部分が多く、過去の先輩方が作り上げてくださった応援席を復活させ、今まで以上に皆様に盛り上がって頂けるように、日々試行錯誤を重ねて参りました。
試合中に喜びを分かち合える瞬間、試合前後に皆様から声を掛けて頂ける瞬間、応援席で起こるどのような瞬間も大変嬉しく、かけがえのないものであると実感しております。

春季リーグ戦では、延長戦の末、勝ち点を取ることができないという悔しい試合が続き、5位という結果に終わりました。しかしながら、どの大学からも1試合は勝ちを獲得し、春には連敗の記録を破り、秋には8年ぶりに慶應義塾大学から勝ち点を獲得するといったように、六大一の試合数を誇る立教大学はその分だけドラマを持っております。93代でできる最後のリーグ戦、応援団と野球部とそしてお客様と結束し、最高の瞬間を見るためにこれからも全力で応援して参ります。

今後ともご声援の程、宜しくお願い致します。
立教大学体育会応援団
団長 望月蒼生

神宮六景

私が初めて球場で生の野球観戦をしたのは五十年弱前の慶應幼稚舎一年生の時の春の早慶戦でした。観客席に入るや否や、体が持ち上がる様な感覚の物凄い歓声と球場を包み込む独特の雰囲気に興奮し、圧倒され、鳥肌が立ち、「将来、ここで野球をするんだ!」とその場で誓った程でした。
大学在学中は選手としてはリーグ戦出場の機会はありませんでしたが、四年生の時に新人監督に就任し、チームの運営に携わらせて戴きました。新人監督と言っても、一・二年生には私より野球が上手い選手は何人もいて、どの様にしたらチームから信頼され、チームに貢献出来るかを同期の新人コーチ・西丸君と一緒に常に考えていました。そして、技術的な指導よりも「一・二年生達のメンター役」として彼等に寄り添う姿勢で接する事に徹しました。毎日、野球日誌を提出して貰いましたが、個性の強い選手も多く、中には「せこいヒットより常にホームランを狙う打者でありたい!」と書いていた選手もいました。
恩師である故・前田祐吉元監督には「Enjoy Baseball」の理念を通じて「自ら責任を持ち、考え、工夫をする」「既成概念に捉われない幅広い視野を持つ」「個性と多様性を大切にする」等を教えて戴きました。見聞を広める為に海外遠征も頻繁に実施されましたが、監督室の本棚は英文の書物で一杯で、米国UCLAとの合同練習会ではご自身で通訳をされ、「かっこいいな」と憧れの眼差しで見ていた自分がおりました。「卒業したらどんどん海外に出て行った方が良い」とアドバイスを戴き、後に私自身が米国の大学院に留学をした際には自分の事の様にとても喜んでくださいました。昨今、多様な文化を理解し、橋渡し役となる国際人材が求められていますが、前田監督は当時から今の時代を先取りする様な感覚を持っておられました。
東京六大学野球は私の野球の原点であり、夢であり、良き指導者とチームメイトに恵まれ、四年生の最後の年に19年振りの春秋連覇を達成して学生野球を終える事が出来たのは本当に幸せでした。選手としてはチームに貢献できませんでしたが、最後の一年間は野球人生で一番充実した一年となり、大学時代に得た様々な貴重な経験は、会社を経営する立場になった今でもその土台となっています。
東京六大学野球には深く感謝を申し上げると共に、来年、百周年を迎えられる東京六大学野球が今後も未来の選手達の憧れの的として更に発展されていく事を心より祈念しております。

慶應義塾大学野球部 井上政継(平成四年卒業)

第3週

この選手に注目!

2024/9/25 UP
OPEN

明治大学

今秋の注目選手は、堅実な守備と力強い打撃が魅力の光弘帆高(2年=履正社)だ。春、ケガの影響で戦線離脱した宗山の穴を埋めるべく、途中から遊撃手のスタメンに定着し、その存在をアピールした。高校時代、U-18代表でプレーをした経験のある実力者でプレッシャーに強く、ここぞの場面でのバッティングはチーム随一である。普段は大人しい光弘だが、グラウンド上ではエネルギッシュで懸命なプレーを見せ、どんな球も確実にグラブに収めリーグ戦を通して無失策。強肩を生かしチームのピンチを何度も救ってきた。この秋は宗山が背負った背番号6を引き継ぎ、共に鉄壁な三遊間を組む。攻守でさらに磨きをかけた光弘がチームの優勝のカギを握る。(岸上さくら)

法政大学

法政大学の注目選手は倉重聡(1年=広陵)である。角度のある直球は最速145km/hを誇り、空振りを奪うことの出来るスライダーも兼ね備えている。1年生ながら今季2試合にリリーフ登板し、5イニングを無失点に抑えている。そんな彼の一番の持ち味はマウンド度胸であろう。マウンド上での気迫満点の立ち振る舞いや、臆することなく右バッターのインコースに力強いストレートを投げ込む様は1年生とは思えない。立大4回戦では延長2イニングを託され、ピンチを抱えながらも粘り強いピッチングでサヨナラ勝利に繋げた。この秋、倉重にかかる期待は大きい。またこの先も険しい場面で登板することがあるだろう。そんな場面でもエースの篠木(4年=木更津総合)のように漢の気迫でマウンドを守り続けていってほしい。彼にはそれを期待できる程の実力とスター性がある。この先も法政の“シゲ”に注目してもらいたい。(黒坂夏希)

東京大学

人呼んで「永遠の小学生」。内田開智内野手(4年=開成)のことだが、今秋の東大においては彼を押さえておけば間違いないだろう。昨チームの打棒から背番号5を引き継ぎ、今年度から自身もチームの打撃長に就任している。小柄ながらパワフルな体格を武器に夏季オープン戦では打率、四死球数ともにチームトップレベルの数字を記録、出塁率も文句なしだ。だが打撃はもちろんのこと、観客は彼が見せるギャップに惹かれるに違いない。誰の懐にも入り込む子犬のような天真爛漫さはフィールドでは息を潜め、打席での鋭い眼光からは観る者をワクワクさせてくれる頼りがいが感じられるのだ。今秋は未だチャンスをものにできておらず悔しさを滲ませているが、彼はこんなところでは終わらない。ここだけの話、苗字よりも下の名前で応援されるのが好きなので、神宮球場ではぜひ応援部とともに「かいち」コールで熱い声援をお願いしたい。(德田菜月)

立教大学

立大のこの秋の注目選手は竹中勇登(3年=大阪桐蔭)だ。名門大阪桐蔭高校出身の竹中だが、2年生の春まで登板機会に恵まれなかった。そんな竹中が2年生秋になり、頭角を現した。練習・オープン戦で着実に経験を積み、2年生秋のシーズンでリーグ戦初登板を果たす。そして3年生となった今シーズン、リリーフもできれば先発投手も務められる、そんな頼もしい投手に成長してくれた。立大の今季開幕カードの慶大1回戦では、リリーフとして2回を無安打4奪三振と好投し、サヨナラ勝ちに大貢献してくれた。そして、2カード目である法大との戦いではリリーフを務めあげるだけでなく、3回戦では先発投手をもやり遂げ、7回1失点と頼もしいピッチングを見せてくれた。ちょっとやんちゃで可愛く、だけどめちゃくちゃ頼れる竹中に今シーズンは注目していただきたい!(遠山夏澄)

早稲田大学

この秋は梅村大和(4年=早稲田実)に注目してほしい。中学時代は世田谷西リトルシニアのキャプテンを務め、日本一を達成し、高校時代も早稲田実業でキャプテンを務めるなど、野球エリートの道を歩んできた男である。大学では2年時の春季リーグ戦に初出場、フレッシュトーナメントではキャプテンを務めるなどの活躍を見せたが、出番は多くはなかった。持ち前のセンスと共に努力を重ね、堅実な守備力と勝負所での重要な打撃が評価され、最上級生として迎えた今春のリーグ戦では全試合に出場し、スターティングメンバーに名を連ねるようになった。大学野球ラストシーズン、トップレベルを走り続けてきた彼に似合う言葉は優勝のみである。間違いなく神宮球場で輝いてくれることだろう。(藤田南)

慶應義塾大学

慶大でこの秋注目してほしい選手は、広池浩成(2年=慶應)である。力強い直球と鋭く曲がる変化球が持ち味の2年生投手である。春季リーグ戦より主にリリーフとして神宮のマウンドを経験した彼は、この秋に先発としての才能を遺憾なく発揮しようとしている。夏の北海道キャンプ以降立て続けに、テンポよく投げ込み相手打線を完璧に抑える投球を披露。信頼を勝ち取り、開幕週の立教第2回戦ではついに先発登板。7回3安打1失点の安定した投球を披露し、先発としての初勝利を飾った。各大学投手の好投が目立つ今季、彼の右腕が慶應を勝利に導いてくれると信じている。(宮田健太郎)

応援席から

明治大学応援団

茹だるような残暑の中、チーム宗山のラストシーズンがついに幕を開けた。大事な1カード目、東京大学戦では2戦連続で白星を挙げ、無事勝ち点を収めた。
今年の明治の強みは強力打線である。スターティングメンバーには、ベストナインの受賞経験のある実力者が揃い、下位打線には日本代表でMVPに選出された小島大河(政経3=東海大相模)が名を連ねるなど抜け目がない。リードオフマンを務める直井(商4=桐光学園)は現役選手の中で最多の出場数を誇る経験豊富な選手で、今シーズンもチームに勢いを呼び込む。
投手陣では、春季思うような成績を残せなかった4年生が復活を誓う。エースとして先発を担う藤江(政経4=大阪桐蔭)とリリーフとしてブルペンを支える浅利(商4=興國)、千葉(経営4=千葉黎明)、山田(国日4=札幌一)。4年生が層の厚い明治の投手陣をまとめあげ、相手を圧倒する。
2シーズン優勝を逃した雪辱を晴らすべく、天皇杯奪還に燃える明治。全国への切符を掴み、全員で喜びを噛み締めたい。(小林大河)

神宮六景

「東京六大学野球のOBとして」

2025年に現行の六大学となって100周年を迎えます。1903年に始まった早稲田大学と慶應義塾大学の対抗戦(早慶戦)が始まりで、その後に明治大学、法政大学、立教大学、そして東京大学が加わり現在の東京六大学野球となり、その歴史が100年を刻もうとしています。その伝統ある長い歴史の中の4年間に法政大学野球部として関われた事を感慨深く、改めて凄いところに居たんだなと感じています。100周年事業も盛大に企画されているとの事、東京六大学野球OBと東京六大学ファンの皆様は心待ちにしている事だと思います。

現役の選手の皆さんもやがて社会に出て活躍されると思いますが、現役とは違った「六大学野球の繋がり」を実感すると思います。それぞれの企業や職業に就く中で、自分の母校の先輩後輩、同級生だけでは無く、沢山の他校の“OB・OG”と出会います。大先輩から、歳の離れた後輩たちとのビジネスの繋がり、人の繋がりを実感して行く事でしょう。勿論スポーツの枠を越えた繋がりも存在しますが、「東京六大学野球の繋がり」は特別なものがあると実感しています。私は専門商社に勤務していますが、社内にも多くの東京六大学野球のOB・OGが在籍しており、その繋がりでビジネスの幅、人脈が拡大していく事も多々御座います。そしてたまには皆で集まって「東京六大学OB飲み会」や「オレンジ会(法政OB)」などを開催し、ガス抜きも含めたお互いを激励し合ったり悩み相談をしたり、リーグ戦を展望する会を行い、社内で何でも話の出来る貴重な“仲間”となっています。もちろんそれがビジネスの業界を超えた社外とも存在し無限の繋がりとなっていますし、面識がそれまで無くとも、仕事で他校の後輩から挨拶や相談を頂くと、「よし、彼の為に何とか応えてやろう!」と格好をつけたくなるものです。

最後になりますが、野球部OB・OGとしてやや疎遠になってしまっている方も、100周年を機にもう一度母校や他校との繋がりを意識し、東京六大学を盛り上げて行きませんか?現役学生は勿論、OBとしての東京六大学野球があると思いますし、それが先人達のこれまでの100年の積上げになっていると感じています。次の100年に向けて皆さんで東京六大学を盛り上げて行きましょう!

法友野球倶楽部 吉松孝司(平成4年卒)

第2週

ラストシーズンにかける思い

2024/9/18 UP
CLOSE

慶應義塾大学

コロナ禍の2021年に入部した4年生も、あっという間に今季がラストシーズンとなってしまった。野球部員として活動したこの3年間、先輩方にはリーグ戦優勝や日本一など数々の素晴らしい場面を見せていただき、とても貴重な経験をさせてもらってきた。その先輩方を含む多くの応援してくださる方々への恩返しと、強い慶應野球部を後輩へ引き継ぐという意味でも、今季の「天皇杯奪還」は成し遂げなければならない目標である。そのような気持ちで挑んだ春のシーズンは3位という悔しい結果に終わった。チームはこの夏、北海道で行ったキャンプや日吉でのOP戦など猛暑に見舞われながらも、ひたすらにチームが勝つために自分たちが何をすべきかを追い求めてきた。この夏を乗り越え選手たちは一回りも二回りも大きく頼もしく見える。4年生にとっては泣いても笑っても大学野球最後のシーズンである。選手・スタッフが一丸となって自分たちが持つ最大限の力を発揮して、目標である「リーグ戦優勝」を達成し有終の美をなんとしても飾りたい。(宮田健太郎)

明治大学

2020年5月20日、世界中に蔓延したコロナウイルスの影響で私たちの高校最後の夏から「甲子園」の文字が消えた。目標にしてきた聖地を目指す権利さえ失われたあの瞬間の感情を私は一日たりとも忘れたことはない。大学入学後も無観客試合など、たくさんの制限を強いられたが、数えきれないほど多くの方々のおかげでやっと今まで通りの六大学野球の形を取り戻すことができた。そして迎えた、大学野球のラストシーズン。仲間と共に野球が出来ること、目指せる場所があること、スタンドに足を運んで応援してくださる方がいること、それがどれだけ幸せで恵まれていることなのか、部員全員が身をもって感じている。甲子園への道を閉ざされたコロナ世代の私たちだからこそ、今、学生生活最後のシーズンにかける思いは特別なものがある。これまで私たちに関わってくださった全ての方々への感謝を胸に、40人のラストシーズンが今始まる。(岸上さくら)

法政大学

この秋、法政大学野球部の4年生40名がラストシーズンを迎える。今年の4年生は入学以来一度も優勝経験が無い。全国の舞台で鎬を削り世代トップクラスといわれてきた選手たちにとっては受け入れ難い現実であった。さらに下級生時代はクラスターの発生や観客制限など様々な制約のかかる中の活動が主であり、思い描いていた理想との乖離に苦しむことも多かった。ようやくコロナ禍も緩和し応援も従来通りの形で迎えた春のリーグ戦であったが4位に終わってしまった。この夏は現在地を受け入れるところから始まり、最後の秋に向けて基礎の徹底、競争を意識し鍛錬を積んできた。また、仲の良さを自他ともに認める学年であるが、仲が良いだけでは勝てない。吉安(4年・主将=大阪桐蔭)、篠木(4年=木更津総合)を中心に思うことをぶつけ合い最後まで勝ちに繋がるための準備をしてきた。大島監督は4年生の入学と同じ年に助監督に就任し、その時の1年生が4年生になる今年、監督に就任した。この秋は縁のある大島監督に何とか優勝という結果を贈りたいと心から思う。それぞれがお世話になった方々に感謝の思いを持ち、結果を残すためだけにこのラストシーズンに臨んでいく。(黒坂夏希)

東京大学

TEAM2024もいよいよ最後のリーグ戦を迎えた。惜しい試合もありながら0勝に終わった今年の春季リーグ戦の悔しさを晴らすべく、ラストシーズンの秋季リーグ戦へ挑む4年生の思いは並大抵のものではない。入学時から3年間、リーグ戦での勝利を経験し続けてきた中で、春季リーグ戦は改めて勝利を収める難しさを実感することとなった。コロナ禍に入学した自分たちの代だからこそ、多くのファンの方や応援部の声援の下にプレーできる環境の素晴らしさを強く感じている。応援してくださるすべての方の期待に応えるべく、選手はもちろん、マネージャー、学生コーチ、アナリスト全員がこれまでの集大成をぶつけることで、TEAM2024がこれまで目指してきた「突き抜け」を体現し、最高の後輩とともにラストシーズンに勝ち点獲得を達成する。(角能紳吾)

立教大学

今年の立教は『結束』というスローガンを掲げ、チームだけでなく、応援してくださる方々など野球部に関わる全ての皆さまと結束し優勝することを目標に新チームをスタートした。冬の練習、春のキャンプを互いに切磋琢磨し取り組んだものの、春季リーグ戦は6勝8敗1分の5位という不本意な結果で幕を閉じた。しかし、各大学から1勝以上を掴むことができた、秋に繋がる希望の5位であった。そこから、夏季キャンプでは一人ひとりが優勝のためにできることを考えチームの底上げに尽力した。そして、ついに4年生にとっては泣いても笑っても学生野球最後となるラストシーズンが始まった。ラスト1年でより一層強くなった『優勝する』という目標を胸に、部員138名と応援してくださる方々全員で一丸となり、必ず優勝を掴み取る。(町田日菜)

早稲田大学

4年生はここまであと1勝を何度も経験してきた。目の前で胴上げを見る屈辱も味わってきた。そして最終学年となって向かえた春季リーグ戦だった。「春何としても天皇杯を奪還する」まずその目標を果たした。しかし日本一にはあと一歩及ばなかった。ここでもあと1勝を経験することとなってしまった。その悔しさを持って挑んだ夏の南魚沼キャンプでは、「連覇、日本一になる資格のあるチームをつくる」この言葉を胸にチーム一丸となって厳しい練習に取り組んできた。その想いは間違いなく他大学に負けることはない。あとは連覇、そして日本一の頂へチーム一丸となって突き進むだけだ。(神田航)

応援席から

神宮六景

「野球に魅せられて」

1974年に東大野球部に入部しましたが、その年から社会人野球三菱自動車京都の監督を務めた岡田彬監督が東大の監督に就任され、厳しい練習が始まっていました。
『高校時代の野球の技術・体力で劣る東大が、他大学と同じような練習をしていて、リーグ戦で勝てるわけがない。』ということから、とにかく厳しい練習で、当初40名ほどいた新入部員はいつしか12名になっていました。しかしそのおかげで、六大学野球が50周年を迎えた1975年の秋に、東大は12シーズンぶりに最下位を脱出することができました。

このシーズンは春の優勝校明大との開幕戦で、自分と同じ2年生の西山明彦(現・先輩理事)、中澤文哉両投手で連勝し勝ち点をあげ、この後は敗戦が続きましたが、最後の立大戦で1勝をあげ5位となりました。当時はブルペン捕手でしたが、リーグ戦での勝利の感動によって改めて幼い時からいそしんできた野球の楽しさ・魅力を強く認識しました。
ちなみに明大は東大に敗れた後は、他の4大学から勝ち点4をあげ、怪物江川卓投手を擁する法大を抑え春秋連覇、一方で法大は翌年春から4連覇を遂げることになります。
この時の明大のエースだった丸山清光さんと、東大の外野手だった富田裕さんが卒業後に同じ朝日新聞社に勤務していたことから、当時の両チームのOBが毎年春・秋のリーグ戦の東明1回戦を観戦した後、神宮球場の近くで懇親会を開く会が年2回あり、自分も頻繁に参加させていただき昔話に花を咲かせています。

さて3年になると、監督が新日鉄釜石で社会人野球経験のある小笠原文也監督に代わりましたが、やはり練習の厳しさは相変わらず、その結果1976年春は最下位だったものの秋は5位に上がり、最上級生となった1977年春は慶大に連勝し、最終の立大戦にも連勝して1947年以来30年ぶりの4位となりました。立大戦は西山投手の2試合連続完封で勝ちましたが、2回戦の9回表1:0で迎えた1死2塁のピンチに、立大4番の吉井郁雄選手が1塁ベンチ前に高々と打ち上げたファールフライが、真っ青な空からだんだん自分の方に近づき、キャッチャーミットに収まったかと思ったら、少し弾んでしまい慌てて右手で押さえた感触は何年たっても忘れられません。

卒業後も社会人野球から草野球、近年は大学野球部と高校野球部のOB会活動など野球に関連することを続けているのも、学生時代のこうした経験によって“野球の魅力のとりこ“になってしまったせいかもしれません。挙句の果てにここ数年は還暦野球でプレーを続けており、そのチームには東大や慶大の後輩が所属しています。
野球を通じて教えてもらったことも多く、もちろん岡田、小笠原両監督をはじめ当時のチームメイトからは多くを学び感謝してもしきれませんが、自分にとっては野球それ自体も、師であり友であります。おそらく最後まで何らかの形で野球に携わっていくでしょう。東京六大学野球に関係する皆さん、選手、審判、指導者、連盟等、プロ・アマを問わずさまざまなところに“野球のとりこ”となって人生を送っていらっしゃる方も多いかと思います。前述の東大・明大の交流会に参加される方や、還暦野球でプレーしている皆さんの多くも同じかと思います。現役の部員たちからも、そうした“野球のとりこ”がたくさん出て、皆さんの力で、東京六大学野球が、日本の野球がさらに盛り上がることを期待しています。

(東京大学運動会硬式野球部OB会一誠会 幹事長 1978年卒業 半田常彰)

第1週

この夏の収穫

2024/9/11 UP
OPEN

早稲田大学

弊部としての今夏の収穫は、競争の激化である。9人しか選ばれないスターティングメンバー、25人しか選ばれないベンチ入りメンバー。選手全員が熾烈な競争を繰り広げ、限られた枠を争っている。新潟県南魚沼市で行われた夏季キャンプは勿論のこと、オープン戦や普段の練習からも、新戦力の台頭・負傷者の復調が目立っている。また、高いレベルからの刺激も十分である。キャンプ中に行われた「全早稲田戦」では、社会人野球チームで活躍する先輩から様々な技術を吸収した。印出太一主将をはじめとする大学日本代表に選ばれた4名は、同年代で活躍するトップレベルの選手たちと共に戦い、世界一の称号と豊富な経験・知識を得て帰ってきた。春秋連覇の立役者となるのはいったい誰なのか、今シーズンも選手一人ひとりから目が離せない。(中原由信)

慶應義塾大学

8月4日から19日まで16日間、Aチームは北海道幕別町・旭川市にてキャンプを行った。涼しい日が続き、活動しやすい気候の中、朝から晩までみっちり練習に打ち込むことができ、個人はもちろんチームとしてもパワーアップすることができた。このキャンプにおける収穫は下級生からの突き上げである。多くの下級生が北海道キャンプに帯同し、各ポジションでスタメン争いに食い込んできた。その中でも2人、鷲見旺宥(1年=岐阜)と渡辺憩(1年=慶應義塾)がリーグ戦での活躍が期待されている。鷲見は春のフレッシュ法政戦に登板し、夏のOP戦でも多く登板経験を積んだ。渡辺は春のリーグ戦でも2本の本塁打を打ち、強肩強打の捕手として秋も攻守にわたる活躍が期待されている。夏の期間にチームとして取り組んだ成果を披露し、春の雪辱を晴らしたい。(宮田健太郎)

明治大学

8月上旬、島岡御大ゆかりの地・長野県高森町で夏季キャンプを実施し、心身共に成長を遂げた。帰京後も数多くの実践練習を行い、朝から晩まで府中のグラウンドで汗を流した。天皇杯奪還のために鍛錬を続け、この夏は、秋季リーグ戦を勝ち抜くために必要不可欠な「チーム力」を得た。そして、今秋、皆が復帰を待ち望んだ主将・宗山塁(4年=広陵)が神宮のグラウンドに帰ってくる。試合に出場できなかった春の悔しさを胸に、宗山の最後の逆襲が始まる。秋こそ、応援してくださる皆様に「優勝」の報告をもって恩返しできるよう、チーム一丸となって2ヶ月間のリーグ戦に挑む。熾烈なメンバー争いを経て一回りも二回りも強くなったチーム宗山で臨む最後のシーズン、いざ出陣。(岸上さくら)

法政大学

この夏の収穫は勝利への貪欲さと競争意識である。春季リーグ戦では7敗全てが2点差以内での敗戦と接戦での弱さが露呈された。この夏はこの課題を打ち破るため、チームとして勝利にこだわることをテーマとし、オープン戦をはじめAチームは関西遠征、Bチームは新潟サマーリーグで実践経験を積んだ。主将の吉安(4年・主将=大阪桐蔭)や代理主将の篠木(4年=木更津総合)を中心に勝利へのこだわりを持ってこの夏に挑んだ。しかし、関西遠征では一勝もできずオープン戦でもなかなか勝ちきれない試合が続いた。その中で新戦力の台頭がチームの雰囲気を変えた。春季リーグ戦後、レギュラーが確定している者は誰一人いないというチーム状況を理解し日々の練習における競争意識を促した。激しい入れ替わりの中で、特に石黒(3年=高岡商)や中西祐(2年=木更津総合)、倉重(1年=広陵)などがハツラツとしたプレーで頭角を現した。チームとして勝利に一番の重きを置き、そのために自分自身がチームのためにできる最善を尽くすという考えがチームに浸透することで全体の雰囲気、そして日々の結果に結びつくようになった。ただ、収穫というにはまだ早い。競争意識から生まれる勝利に貪欲な姿勢を持ち続けることでリーグ戦での勝利、勝ち点、そしてその先の優勝に結びつけこれを夏の収穫としたい。(黒坂夏希)

東京大学

ここ2年と同じく、今夏も北海道・遠軽町での強化練習を8/1-8/10にわたって実施した。冷涼な気候と準備していただいたありがたい練習環境のもと、朝から晩まで練習に明け暮れた。その成果を実戦の場で確認すべく、3連覇を目指す名古屋での七大戦に向かったが、あっけなく黒星発進。この敗戦で改革されたチームの意識がこの夏の1番の収穫といってもいいかもしれない。これまで以上に危機意識をもって取り組んできた結果を、開幕戦からフルスロットルで見せていきたい。 (岩瀬笑太)

立教大学

春リーグでは、すべてのカードで1勝はしたものの勝ち点を取り切ることはできずに5位に終わった。この夏の期間は、どう1点を取るのか、どう1点を守るのか、そしてどう勝ち点を取るのかをチーム全員で突き詰めた。特に8/1~8/13の期間でAチームは東北、Bチームは新座でキャンプを行い、オープン戦を交えながら多くの実戦を積んだ。各々がチームのために何ができるのかを考え、役割を全うすることで、個人の技術向上だけでなくチームプレーの徹底、底上げがなされた。今年は、例年以上に軍の入れ替えも多くメンバー争いが激しい。春の悔しさ、夏で得た自信を糧に秋リーグでは勝ちにこだわり、チーム全員で戦う。(草野梢汰)