明治大学
明治大学野球部の強さの源泉は、日々の生活を営む「寮」のなかにこそある。私たちの大きな特徴である全寮制。生まれも育ちも、育んできた個性もまったく異なる者同士が一つ屋根の下で暮らす。この「同じ釜の飯を食う」濃密な共同生活は、単なる衣食住の共有に留まらない。互いの価値観を認め合い、自然と他者を尊重する姿勢や、高いコミュニケーション能力、そして強固な協調性を養う、まさに人間形成の場となっている。ここで苦楽を共にした仲間と過ごす時間は、人生において二度と得られない、かけがえのない財産だ。これほどまでに高いレベルで切磋琢磨し、仲間と深い絆を結びながら、一切の妥協なく野球だけに没頭できる環境は、間違いなく「明治ならでは」の特権である。この素晴らしい環境が、私たちを強くする。まずは目の前の法政戦で2連勝を飾り、優勝を手繰り寄せる。(島抜康介)

法政大学
法政大学野球部の合宿所は、神奈川県の武蔵小杉にあります。武蔵小杉駅から合宿所に向かう途中には二ヶ領用水があり、春になると川沿いに桜が咲き乱れます。地元の方には桜の名所として知られ、憩いの場になっています。合宿所からグラウンドまでは徒歩5分ほど。グラウンド近くにはトレーニングルームや陸上競技場があり、練習時間以外も自主強化に集中できる環境が整っています。寮内には藤田信男先生の銅像やこれまで獲得したリーグ戦の優勝カップがあり、法政大学野球部の歴史や伝統を感じます。入部して初めて見た時は、その数と重みに圧倒されました。偉大な先輩方が積み重ねてきた歴史を目の前にして、自分もこのチームの一員であることを実感しました。選手たちは4年間、この合宿所で仲間と生活を共にしながら、野球に向き合います。(佐藤瑛)

東京大学
東京大学野球部の拠点「一誠寮」は、東京大学弥生キャンパスの一角にある東大球場から徒歩10分ほど、文京区の閑静な住宅街に位置する。東大野球部は今春、150人を超える大所帯となったが、全員が入居できる大きな寮はない。だからこそ、選ばれし主力選手やスタッフ35名がこの屋根の下で送る共同生活には、特別な熱量が宿る。1階はロビー、2・3階は1人部屋の個室となっており、特に1階のロビーは食事やミーティング、分析、ストレッチ、そして試験勉強などを行う多機能な空間だ。寮のロビーには食事やミーティングのため、寮外の部員も多く訪れ、学年の垣根を越えた風通しの良い一体感が育まれている。寮の象徴は、入り口に掲げられた「一誠寮」の額である。「東大が優勝した時に書き入れる」として「誠」の字の最後の一画はあえて書かれていない。その「最後の一画」を書き入れるため、東大は100年の時を超えて他5大学に挑み続けてきた。今春のリーグ戦では9年ぶりに勝ち点を奪取し、チームの勢いは増すばかりだ。この勢いのまま迎える最終カード、「最後の一画」への一歩目・最下位脱出への熱き想いを胸に、さらなる快進撃を狙う部員たちの奮闘から目が離せない。(堂埜智咲紀)

立教大学
立教大学野球部は約150名の部員が在籍しており、2つの寮に分かれて生活をしている。第一寮である「智徳寮」では、主力選手40名の他、学生コーチや男性マネージャーが上級生と下級生の2人1部屋で寝食を共にしている。各部屋では独特なルールも誕生し、階や学年の垣根を越えて日々親睦が深められている。また、第二寮の「SPグリーンハイム」は、本学の体育会所属部員専用の寮で、グラウンドまで徒歩1分という好立地のもと、弊部では100名の部員が生活を送っている。こちらは1人部屋だが、食堂ではみんなで揃って食事をしたり、談話室で集まって談笑したりするなど、賑やかな笑い声が響いている。私生活でも親睦を深めた選手たちが培った一体感で、最終カードを2連勝で締めくくる。(大西陽菜乃)

早稲田大学
初代部長である安部磯雄先生の名前が由来となっている、早稲田大学野球部安部寮。1908年に西早稲田に竣工し、以後場所を変えながら、数多くの名選手が生活してきた。1992年には、現在の西東京市東伏見に移転した。安部寮は在籍する部員の中でも限られた者しか入寮を許されず、野球の実力はもとより、安部寮生として相応しいと認められた者だけが入寮を許される。寮のすぐそばに安部球場があり、野球をする環境はもちろんのこと、1人1部屋が設けられており、お風呂のジャグジーで疲れを癒すなど、心身ともにリラックスできる環境が整っている。敷地内には恩師記念碑があり、寮の出入りの際には、安部先生への感謝と敬意を表し、記念碑に向かって、深く一礼する。寮内の恩師記念室では、野球部の紡いできた歴史を、数々の物品によって感じることができる。今季、天皇杯を安部寮に持ち帰ることはできなかったが、伝統の早慶戦では何としても勝ち点を獲得できるよう全力を尽くす。(大野郁徳)

慶應義塾大学
今年は慶應義塾高関寮をご紹介しよう。この寮は一見、ただの家のように見えるがこの中にはおおよそ20人を超える部員が入寮している。創立50年を超えるこの寮はあまたの選手を輩出してきた。ここの寮を経験した選手は一段と体を大きくして退寮する。その秘訣はまさに寮母にあるだろう。第二の母のような存在の寮母さんはおいしいご飯を作ってくれて、時には選手の相談にものり何でもできるまさに「慶應のフェアリーゴッドマザー」である。この寮で一番おいしい料理は唐揚げだ。カラっと挙げられた衣と中からジュァっとあふれ出てくる肉汁はまさに唯一無二だ。この唐揚げがあればどれだけ結果に悩んでいる選手がいても前を向いて頑張ろうと思えるまさに「魔法の唐揚げ」だ。食べていると地元を思い出すような味で選手はおなかを満たしている。最高の仲間たちとの絆を深め、最高の思い出を作ることができるこの寮があるからこそ今の慶應は一丸となって試合に挑むことができている。この高関寮で作り上げた体とチームの絆をぜひ神宮でご覧あれ。(沖﨑真周)

応援席から
東京大学新聞社 
東大野球部は「勝撃」を2026年のスローガンに据えた。神宮球場で勝って世間に衝撃を与えることを目指す。昨季は慶大と法大から勝利を挙げるも勝ち点には届かず、今年は勝ち点獲得に必要な「カード2勝」へさらなるレベルアップを求められた。
今季は昨年エースだった渡辺向輝や、ベストナイン獲得経験のある3選手が卒業し、戦力の低下が懸念された。しかし、昨季の勝利に直接的に貢献した選手は、2勝を挙げた新エース・松本慎之介(育3=國學院久我山)や、肩の強さが持ち味の捕手・明石健(農4=渋谷幕張)、鉄壁の二遊間の秋元諒(法3=市川)や樋口航介(養3=海城)など、当時3年生以下の選手が中心であり、これらのメンバーが残ることは大きな意味を持った。さらに投手陣も整っている。春先から新2年生の中根慎士郎(文Ⅰ2=筑波大駒場)、池田剛志(理Ⅱ2=江戸川学園取手)、小山喜弘(文Ⅱ2=灘)といった投手陣が安定感を見せており、新4年生の江口直希(工4=海城)、佐伯豪栄(工4=渋谷幕張)と合わせて投手層はこれまでにないほど厚くなった。東大が真っ向から戦うためのピースは揃ったと言えるだろう。
開幕カードの明大戦では、1回戦で7回まで同点と粘りを見せ、昨季全勝優勝の明大相手に善戦した。翌週の早大戦でも東大は魅せる。2回戦では粘り強い継投で幾多のピンチを切り抜け、2-2の引き分け。春季リーグ戦全敗を回避すると、続く3回戦は13安打と打線が好調で4-7と接戦を繰り広げた。5月に入って慶大戦も1回戦は7回まで同点とまた接戦を演じた。
春5年ぶりの勝利までもう一歩のところで迎えた法大戦。
1回戦では先発・松本が好投すると、明石のソロ本塁打や樋口の適時二塁打で7回に逆転。松本もこれまでは終盤になると制球力や球速が低下してしまい途中で降板していたが、冬にスタミナ強化に取り組んだ成果が現れ、この日は9回まで投げ切り126球完投勝利を挙げた。
春1勝できて、秋の勝ち点獲得も現実的かと記者は思ったが、2回戦を現地で取材し度肝を抜かれた。いきなり初回に2失点したものの、劣勢な場面から東大打線に火が付き5回終了時点で7-3とリードした。ピンチでも好守が立て続けに飛び出し、法大に流れを渡さなかった。守りから攻撃へというリズムを作れており、まさに強豪チームの戦い方ができていた試合と言えるだろう。その後8回に無死満塁のピンチを迎えるも1失点で切り抜け、5投手が継投の末、8-5で勝利。コロナ禍の特別ルールを除き、9年ぶりの勝ち点獲得となった。なお、春の勝ち点獲得は1997年以来29年ぶりであり、まさに快挙だ。
野球のうまさや試合運びで東大は一枚上手だった。それはまぐれで起こるものではなく、実力で掴んだ勝ち点1だ。応援や歓声も選手を後押ししただろう。今季最終カードは立大戦。立大も調子が上向きで簡単な相手ではない。最下位脱出へ向け、突き進む東大を応援したい。(吉野祥生)



































