慶應義塾大学
悔しい春、そして収穫の春である。最大の目標である天皇杯を逃した。優勝しないと何も報われない。やってきたことは優勝することでしか認められない。一方で収穫が多い春であった。外丸、谷村の2枚看板が先発として安定、リリーフ陣も4年生から1年生まで多くの投手が登板した。野手も1年生が欠かせないプレイヤーとして活躍し、4年生の入試組が試合を決める最高の瞬間も生まれた。秋の天皇杯を目指す上で選手層の充実は不可欠で、新戦力が春のリーグ戦を通じて数多く台頭してきたことはこれ以上無い収穫だ。夏に控える北海道遠征と連戦のオープン戦に臨む上での好材料といえる。 春は明治が優勝した。この春、その明治を追い詰めたのは慶應だ。秋同じ思いをさせるわけにはいかない。有終の秋に向け、「アツい夏」を過ごす。 (藤井快)
明治大学
チーム上田の春季リーグ戦は完全優勝、戦後初の3連覇で幕を閉じた。この結果は明大野球部だけの力で成し得たものではない。日頃から大学関係者、OB、OG会の駿台倶楽部、後援会、保護者の方々などたくさんの方々の支えがあって活動できている。神宮球場に声援が戻ってきた今季はそれを更に強く感じさせた。ディフェンディングチャンピオンとして迎えた今シーズン、重くのしかかった重圧を跳ね除け、応援してくださる方々のたくさんの声援を大きな力に変えた。一戦ごとに凄まじい成長を続け、今では春季リーグ戦開幕当初とは別格とも言える程だ。代打で出た選手が結果を残すなど、学年を問わずチーム全員が自分の役割を全うした。来月に開幕する全日本大学野球選手権を前に選手たちは更なる闘志を燃やしている。リーグ戦で競い合った五大学の思いを背に昨春の雪辱を晴らすべく日本一を掴む。(森裕規)
法政大学
今季を振り返ると、「収穫の春」になったに違いない。
近年の法大はBクラスに低迷し、歯がゆいシーズンを過ごしてきた。
それを打破すべく、今季は今泉(4年・主将=中京大中京)を中心に寮生活や一野球人としての所作から見つめ直し、チーム一丸となりリーグ戦優勝・日本一を目指してきた。
結果的にチームは2位となってしまい、あと一歩のところで目標に届くことはできなかった。
しかし、グランドでは勝ち気を全面に見せるプレーや相手をリスペクトする所作などが要所で見られ、またメンバー外のスタンドの応援選手の熱い応援などで他五大学に引け目を取らない、今泉世代の「色」がはっきりと表れた約2ヶ月間であった。
勿論、私達が目指すところは頂点だけであり2位で満足する選手は誰1人いない。今後はこの春で出た個人課題やチームとしての課題、また今泉世代の「色」をより強固なものにし、「豊の秋」に出来るよう1日1日を大切に過ごしていく。(上田龍弘)
東京大学
今季の春季リーグ戦は10敗1分と勝ち星をつかむことができなかった。しかしその中でいくつかの喜ばしい要素も見つかった。一つが先週の「この春のMVP」でも紹介したように先発投手陣がかなり試合を作ってくれたことだ。序盤に大きな点差がついてしまうような展開は今季は少なかった。もう一つが新戦力の台頭である。その最たる例が全試合通してライトのスタメンを守った酒井捷(2年=仙台二)と全試合ショートのスタメンを守った青貝尚柾(2年=攻玉社)である。特に酒井はチームトップとなる2割8分1厘の打率を残すなど大活躍のシーズンとなった。この強力な投手陣と新戦力のメンバーの力を存分に発揮し秋こそは勝ち点を取ってお世話になった井手監督や大久保助監督に恩返しがしたいところである。 (石井悠人)
立教大学
苦しい戦いが続いた春だった。結果を見ても2勝8敗3分と爪痕を残すことができず、歯が立たないという現状を突き付けられた。チーム打率、防御率ともに悪い数値を記録し、山積する課題が浮き彫りになった。なかでも、副主将を担うエースの池田(4年=智辯和歌山)にとっては、苦しい春になっただろう。ボール自体には手応えを感じていたものの、本来の投球ができない試合が続いた。だからこそ、秋に向けての成長意欲は人一倍だ。この夏を通して進化した姿を、本来の輝きを取り戻したエースを待ち望む。
秋リーグまでの3ヶ月間は、このチームとっても残された最後のチャンスである。まっさらになった9個の枠を、130名を超える部員全員が1から争う。そして春の悔しさを晴らす秋にできるよう、もう一度、新しくなった立教野球部を創り上げていく。主将の西川晋(4年=智辯和歌山)を中心として「革新」した姿で戦う準備は既に始まっている。(玉井一騎)
早稲田大学
投手陣の強化。ワンチャンスを逃さない集中力。不調時の対応力。この春を振り返ると、秋の天皇杯奪還への課題は山積している。しかし、昨秋から盗塁数は10個増加し、早慶戦を迎えるまで無失策だった。春季リーグ戦を迎えるまで、必死に取り組んできた練習の成果は確実に出ている。秋季開幕までの3ヶ月間、己にも仲間にも厳しく、鍛錬に鍛錬を重ねる。常に謙虚に、決して揺らぐことのない自信を携え、秋は必ず天皇杯を都の西北に持ち帰る。(柴垣敬太朗)