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号外WEB版

TOKYOROCKS2023 春季号外

第9週

春季リーグを振り返って

2023/5/31 UP
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慶應義塾大学

悔しい春、そして収穫の春である。最大の目標である天皇杯を逃した。優勝しないと何も報われない。やってきたことは優勝することでしか認められない。一方で収穫が多い春であった。外丸、谷村の2枚看板が先発として安定、リリーフ陣も4年生から1年生まで多くの投手が登板した。野手も1年生が欠かせないプレイヤーとして活躍し、4年生の入試組が試合を決める最高の瞬間も生まれた。秋の天皇杯を目指す上で選手層の充実は不可欠で、新戦力が春のリーグ戦を通じて数多く台頭してきたことはこれ以上無い収穫だ。夏に控える北海道遠征と連戦のオープン戦に臨む上での好材料といえる。 春は明治が優勝した。この春、その明治を追い詰めたのは慶應だ。秋同じ思いをさせるわけにはいかない。有終の秋に向け、「アツい夏」を過ごす。 (藤井快)

明治大学

チーム上田の春季リーグ戦は完全優勝、戦後初の3連覇で幕を閉じた。この結果は明大野球部だけの力で成し得たものではない。日頃から大学関係者、OB、OG会の駿台倶楽部、後援会、保護者の方々などたくさんの方々の支えがあって活動できている。神宮球場に声援が戻ってきた今季はそれを更に強く感じさせた。ディフェンディングチャンピオンとして迎えた今シーズン、重くのしかかった重圧を跳ね除け、応援してくださる方々のたくさんの声援を大きな力に変えた。一戦ごとに凄まじい成長を続け、今では春季リーグ戦開幕当初とは別格とも言える程だ。代打で出た選手が結果を残すなど、学年を問わずチーム全員が自分の役割を全うした。来月に開幕する全日本大学野球選手権を前に選手たちは更なる闘志を燃やしている。リーグ戦で競い合った五大学の思いを背に昨春の雪辱を晴らすべく日本一を掴む。(森裕規)

法政大学

今季を振り返ると、「収穫の春」になったに違いない。 近年の法大はBクラスに低迷し、歯がゆいシーズンを過ごしてきた。 それを打破すべく、今季は今泉(4年・主将=中京大中京)を中心に寮生活や一野球人としての所作から見つめ直し、チーム一丸となりリーグ戦優勝・日本一を目指してきた。 結果的にチームは2位となってしまい、あと一歩のところで目標に届くことはできなかった。 しかし、グランドでは勝ち気を全面に見せるプレーや相手をリスペクトする所作などが要所で見られ、またメンバー外のスタンドの応援選手の熱い応援などで他五大学に引け目を取らない、今泉世代の「色」がはっきりと表れた約2ヶ月間であった。
勿論、私達が目指すところは頂点だけであり2位で満足する選手は誰1人いない。今後はこの春で出た個人課題やチームとしての課題、また今泉世代の「色」をより強固なものにし、「豊の秋」に出来るよう1日1日を大切に過ごしていく。(上田龍弘)

東京大学

今季の春季リーグ戦は10敗1分と勝ち星をつかむことができなかった。しかしその中でいくつかの喜ばしい要素も見つかった。一つが先週の「この春のMVP」でも紹介したように先発投手陣がかなり試合を作ってくれたことだ。序盤に大きな点差がついてしまうような展開は今季は少なかった。もう一つが新戦力の台頭である。その最たる例が全試合通してライトのスタメンを守った酒井捷(2年=仙台二)と全試合ショートのスタメンを守った青貝尚柾(2年=攻玉社)である。特に酒井はチームトップとなる2割8分1厘の打率を残すなど大活躍のシーズンとなった。この強力な投手陣と新戦力のメンバーの力を存分に発揮し秋こそは勝ち点を取ってお世話になった井手監督や大久保助監督に恩返しがしたいところである。 (石井悠人)

立教大学

苦しい戦いが続いた春だった。結果を見ても2勝8敗3分と爪痕を残すことができず、歯が立たないという現状を突き付けられた。チーム打率、防御率ともに悪い数値を記録し、山積する課題が浮き彫りになった。なかでも、副主将を担うエースの池田(4年=智辯和歌山)にとっては、苦しい春になっただろう。ボール自体には手応えを感じていたものの、本来の投球ができない試合が続いた。だからこそ、秋に向けての成長意欲は人一倍だ。この夏を通して進化した姿を、本来の輝きを取り戻したエースを待ち望む。
秋リーグまでの3ヶ月間は、このチームとっても残された最後のチャンスである。まっさらになった9個の枠を、130名を超える部員全員が1から争う。そして春の悔しさを晴らす秋にできるよう、もう一度、新しくなった立教野球部を創り上げていく。主将の西川晋(4年=智辯和歌山)を中心として「革新」した姿で戦う準備は既に始まっている。(玉井一騎)

早稲田大学

投手陣の強化。ワンチャンスを逃さない集中力。不調時の対応力。この春を振り返ると、秋の天皇杯奪還への課題は山積している。しかし、昨秋から盗塁数は10個増加し、早慶戦を迎えるまで無失策だった。春季リーグ戦を迎えるまで、必死に取り組んできた練習の成果は確実に出ている。秋季開幕までの3ヶ月間、己にも仲間にも厳しく、鍛錬に鍛錬を重ねる。常に謙虚に、決して揺らぐことのない自信を携え、秋は必ず天皇杯を都の西北に持ち帰る。(柴垣敬太朗)

第8週

この春のMVP!

2023/5/24 UP
OPEN

早稲田大学

今季、早稲田大学野球部を背負い牽引した、熊田任洋(4年=東邦)がこの春のMVPである。早慶戦を残し、打率.382で4位、本塁打2本で3位、打点12で1位タイと三冠王の獲得も視野に入れており、再コンバートした遊撃手でも「#熊田たまらん」と話題の守備力でチームを支えている。また、今季主将の森田が出場できてないという厳しい状況の中、副将としてチームの顔となり、どんな場面でも勝利を諦めずに戦い続けている。3年春までは通算打率1割台と大学野球の厳しさを味わうも、最終学年となったこの春からは、名実共に早稲田大学野球部の顔となった。この春のMVPとなった背番号1が、秋こそはチームを優勝に導き、天皇杯奪還を目指す。(緑川悠希)

慶應義塾大学

この春のMVPは外丸東眞(2年=前橋育英)だ。2年生ながらチームのエース、大黒柱として奮闘してくれた。1回戦の先発、3回戦の先発と登板を重ね、早慶戦を残しながら9試合に登板、好投手が揃う六大学でも、下級生で唯一防御率五傑に入るなど文句なしのエースである。その姿勢もチームの中心と呼ぶにふさわしく、練習メニューはもちろん、その上ストレッチやランニングなど自己管理も全く怠らない。彼の活躍は当然であり、誰もが認めるところだ。秋以降も更なる活躍、六大学のエースとしてさらに飛躍してもらいたい。 (藤井快)

明治大学

今季リーグ戦のMVPはスタンドの選手たちである。彼らは日々神宮球場で躍動しているメンバーと一緒に練習を行い切磋琢磨している。そんな彼らは神宮球場の応援席で今年から声を出せるようになり、全力でベンチ入りメンバーを応援した。スタンドの選手たちは応援席の最前列で他のどの大学よりもベンチに近い位置で、立ち上がり、紫紺タオルを振り回してグラウンドの選手達に”声”を届けた。グラウンドの選手たちも近くに仲間がいてくれることが心強かった。そんな応援席からの“声”はメンバーの背中を押し、何度も試合の流れを変えた。今季の優勝は、グラウンドの選手とスタンドの選手、まさにチームが一つになって成し遂げた戦後初となる3連覇である。(森裕規)

法政大学

春季リーグ戦のMVPは尾﨑完太(4年=滋賀学園)をあげたい。 尾﨑は熾烈なメンバー争いをものともせず、下級生の頃からリーグ戦に出場しており、キレのあるストレートと多彩な変化球が持ち味の本格派左腕である。 しかし、昨季までは本人的にも納得のいく成績が出ず思い悩み、もがく日々が続いたが今季の尾﨑は一味違った。それを印象づけたのは1敗で迎えた、対早稲田大学2回戦である。 今季好調だった早大打線を5回4安打に抑え込み、勝ち投手となった。 この試合は、法大が勝ち点を落とすと優勝の望みが消えるとういう、非常に重圧のかかる試合であったが、尾﨑の冷静なマウンド捌きと献身的なベンチワークは、確実にチームにいい影響を与えており、最終学年の意地とプライドを見せつけられた。 結果的にこの勢いのまま、このカードの勝ち点を獲得することにも繋がった。 今季は目標である優勝には、一歩届かなかったものの、尾﨑をはじめ塙(4年=常総学院)、武冨(4年=日大藤沢)などの経験豊富な強力4年投手陣が更なる奮起を見せ、リーグ戦優勝・日本一へと導く。(上田龍弘)

東京大学

この春のMVPとしては全ての試合で先発投手を務めた鈴木健(4年=仙台一)と松岡由機(4年=駒場東邦)を挙げさせていただきたい。左右の両エースが先発した11試合のうち10試合は5回以上を投げ、投球回は69 2/3回と東大が守った全イニング95 2/3回のうち7割以上を担い、かつその中でQS(先発投手が6回以上を投げ自責点が3点以下の試合)が4回としっかりと試合を作ってくれた。また、2人とも規定投球回以上を投げ防御率が5点以下であったがこれは東大投手陣にとっては2010年の秋季リーグ戦以来の快挙であった。しかし彼らの好投にも関わらず今季は勝利をつかむことができなかった。
来季こそは2人の好投にしっかり答え何とか彼らの記録に「1勝」を刻みたいところである。(石井悠人)

立教大学

この春のMVPは、今季から全試合スタメン出場を果たした、一塁手・菅谷真之介(3年・市立船橋)だ。この春チームトップの打率、2本の本塁打を放つなど、いかなる試合においても安定したバッティングを魅せ、チャンスを作る二番打者としてその役割を全うした。また、守備においても一塁手として好プレーを魅せ、幾度となくチームのピンチを救った。彼の気迫こもったプレーは、チーム全体を熱くし、そして鼓舞した。とは言え、3年生として可能性を秘めた存在である。今後も進化が期待される彼に注目したい。 そして、チームとしては苦しい戦いが続いた春だった。このチームで戦うリーグ戦は、残り1シーズンである。今季の結果を受け止め、この悔しさを晴らす秋にしたい。(中澤智恵美)

応援席から

慶應スポーツ新聞会

この春のMVPには、投手の谷村然(4年=桐光学園)と森下祐樹(4年=米子東)を挙げたい。そもそも、慶大は昨年までの中心選手が軒並み卒業し、戦力はほぼ総入れ替え。新戦力への期待はあったものの、リーグ戦での経験の浅さは懸念せざるを得なかった。しかし、谷村は法大2回戦でリーグ戦に初出場、そして先発を務め7回2失点と試合を作る堂々の投球を見せた。以降も主に第2先発としてチームに貢献し、東大2回戦では9回96球完封の「マダックス」を達成。この試合では、打っては2ラン含む全3打点を記録し、投打の二刀流で輝きを放った。森下は、ここまで12試合中10試合に登板し、防御率1.59をマーク。明大1回戦では、互いに0-0で迎えた緊迫した最終回のマウンドを託され、無失点に抑え引き分けに持ち込んだ。複数イニングもこなす左腕は副将としてチームをまとめつつも、自らのピッチングで慶大に勢いをもたらす。昨年から先発を務める外丸東眞(2年=前橋育英)に加え、谷村と森下の最上級生の大車輪の活躍があったことで、ここまでの勝利があったと言っていいだろう。今季は早くも早慶戦を残すのみ。慶大野球部が普遍的に掲げる目標の1つである「ワセダに勝つ」ため、彼らの執念と気迫のこもった投球を見届けたい。 (北村可奈)

神宮六景

神宮を離れて神宮を想う
「ベンチの座り心地はどうですか?」と部長に就任した直後に聞かれたが、それは野球部長の重責についての質問だったのかもしれない。第20代野球部長として12年と2ヶ月、慶應のベンチを温めてきた。厳密に言うと、試合が始まってからベンチで座っていたことはないので、温めてはいない。「なぜ座らないのですか?」と聞かれると、恥ずかしいので「選手が大きくて試合の進行が見えないから」と答えてきた。本当は選手が頑張っているのに自分が座っていたら士気に関わると、勝手に思っていたからである。大人しく座っていてくれればいいのにと、選手にとっては迷惑な話だったかもしれない。
「ベンチからだと試合がよく見えていいですね」と言われることも何度かあった。いや、見えすぎてしまうのである。打ち込まれてマウンドから降ろされたピッチャーや、サヨナラ負けした後のうなだれた選手たちの顔は忘れられない。「明日があるぞ」と言っていた自分の顔こそ蒼白であったかもしれない。頑張っている選手よりも、我が身を切られるように辛いこと、それが神宮での負けである。野球、特に学生野球は勝ち負けがすべてではないとも言われるが、ゲームの最後、グラウンドには確かに勝者と敗者がいる。
「母校の応援は聞こえていますか?」と応援指導部の方に聞かれたことがある。もちろん母校の応援にはいつも力づけられてきた。神宮での野球の素晴らしさはその応援であり、グラウンドとスタンドがプレーと応援で一体になるのが六大学野球である。コロナ禍での神宮は、その真の力を発揮していなかった。一方で相手校が得点した時の応援の凄さは耳ではなく、体を直撃する。球場が揺れ、重低音が体を貫く。一時期、早慶戦の際に、大きなラッパ(おそらくはスーザフォンという楽器?)をスタンドに入れる台数は規制すべきだとかなり真面目に思っていた(これは負けが込んでいた時のぼやきではある)。しかしその重低音がなくなると、なんとも寂しいのである。もちろん早稲田の重低音を楽しみにしてはいけないのだけれど。
早慶戦の季節がまた来る。冷静に観戦するなんて、私は一体いつになったらできるのだろうか?
(慶應義塾大学 前野球部長 岡浩太郎)

第7週

ウチの寮はこんなところ

2023/5/17 UP
OPEN

立教大学

立大と言えば、人工芝の専用グラウンド、そのすぐ横には内野が丸々入る室内練習場やトレーニングルームが完備され、実に最高な野球環境が整っている、と既にご存知の方も多いのではないだろうか。
そんな弊部では135名の部員全員に対して全寮制を敷いており、現在は2つの寮に分かれて生活を送っている。第一寮である「智徳寮」では、主力選手40名の他、学生コーチや男性マネージャーが上級生と下級生の2人1部屋で寝食を共にしている。各部屋では独特なルールも誕生し、階や学年の垣根を越えて日々親睦が深められていく。また、第二寮の「SPグリーンハイム」は、本学の体育会所属部員専用の寮で、グラウンドまで徒歩1分という好立地のもと、弊部では87名の部員が生活を送っている。こちらは1人部屋が功を奏したのか、日に日に個性的な面々が頭角を現し、食堂や談話室からは賑やかな笑い声が響いている。
私生活でも親睦を深めた選手たちが練習を牽引し、個性豊かな人財がチームを盛り上げていく。寮生活が原点となり、チーム全体が和気藹々かつ互いに厳しく練習に励むことで、立大名物の“お祭り野球”が生み出されているのだろう。チームスローガンである『革新』の体現に向け、これからも部員一丸となって練習に励んでいく。(篠崎芽生)

早稲田大学

初代部長の安部磯雄先生の名前が由来となっている早稲田大学野球部安部寮。1925年(大正14年)に西早稲田に竣工し、60年以上も使用され数多くの名選手が生活してきた。それから、1992年(平成4年)には、西早稲田から現在の西東京市東伏見に移転された。安部寮は、在籍する部員の中でも限られた者しか入寮を許されず、野球の実力はもとより、安部寮生として相応しいと認められた者だけが入寮を許される。敷地内には恩師記念碑があり、寮の出入りの際には、安部先生への感謝と敬意を表し、記念碑に向かって、深く一礼する。寮のすぐそばに安部球場があり野球をする環境はもちろんのこと、寮には1人1部屋が設けられており、お風呂のジャグジーで疲れを癒すなど、心身ともにリラックスできる環境が整っている。残すは、選ばれし安部寮生が、優勝を恩師記念碑に報告するのみだ。(柴垣敬太朗)

慶應義塾大学

弊部の第一寮を紹介する。下田のグラウンドのセンター裏にあり、グラウンドと一体となった寮だ。ここには30名が住んでおり、個性豊かなメンバーが居住している。第一寮の名物は食堂の北田さんだ。北田さんはその抜群の腕前で僕らに料理を振る舞い、相談事やたわいもない話も気軽に乗ってくれる私たちのお父さんのような存在だ。グラウンドの練習や試合も最前列で見てくれて、僕らの最大のサポーターである。(藤井快)

明治大学

数々のOBを輩出してきた「島岡寮」。東京六大学野球で歴代1位の15度の優勝回数を記録している島岡吉郎前監督の名前に由来する。島岡寮は東京都府中市にあり、野球場2面、室内練習場が隣接されており、十分な施設が揃っている。スタッフを含め、120名を超える部員が1つ屋根の下で生活を送っているため、現在のチームの一体感を生んでいる。「人間力野球」これは代々受け継がれた明大野球部を象徴する言葉である。明大野球部では4年生が率先して人の嫌がることに取り組んできた。特にトイレ掃除をチームの顔である主将、主務、副将が務めているのは何十年も伝統として継承されてきた有名な話である。野球でけではなく、私生活でも隙のない日本一を目指す。(森裕規)

法政大学

まず、法大野球部の合宿所は最寄りが武蔵小杉駅であり、タワマン街の一角に位置している。 寮内は、一階に監督室・コーチ室・マネージャー室、60人を収容する大きな食堂を完備し、2,3階には、2人1部屋の選手部屋、また選手の共有スペース兼アナリスト分析室、大浴場がある。 いずれも、法大野球部の寮は選手同士のコミュニケーションの場が多く、チームワークを深め、互いに高め合えるいい環境だと言えるだろう。
また、偉大な先輩方が積み上げてきた六大最多優勝の誇りであるトロフィーが飾られている。常に法大野球部員としての自覚を問いただされる寮でもあると言える。 そして一歩外を出ると、「法政通り」という商店街があり地域にも根付くHOSEIの街になっている。生パスタ専門店Kino、中華料理天龍、そば処ゑびす屋、中華テンカなど多くの店が「野球部盛り」と題した超大盛りのご飯を提供してくださっている。
寮生活で蓄えたエネルギーを最終カードの東大戦でも存分に発揮し、勝ち点を獲得する。(上田龍弘)

東京大学

我がチームの寮である一誠寮は大学・球場から徒歩10分程度の場所に建っており、そこでは35名が共同生活を営んでいる。弊部の人数は毎年120名前後であり、その中からリーグ戦での活躍を見込まれる選手やマネージャー・学生コーチが入寮する。一誠寮の特徴としてはやはり玄関に掲げられている横額であろう。様々なところで語られているものなのでご存じの方も多いと思うが、その横額には「一誠寮」という字が書かれており、その中の「誠」の字のタスキが一画欠けている。その一画は東大が優勝したときに書き足されることになっている。さて、話は変わるが横の写真は寮のロビーで行われた焼き鳥パーティーの風景である。写真に写っているのは左から酒井捷外野手(2年=仙台二)、名畑諒介内野手(4年=三鷹中等教育)、別府洸太朗外野手(4年=東筑)の3名である。弊部の寮は他のチームに比べると小規模だがその分写真のように学年関係なく仲良く生活することができている。この点も弊部が風通し良く運営できている1つの要因であろう。 (石井悠人)

応援席から

スポーツ法政新聞会

4年ぶりに神宮球場に歓声が戻ってきた。「歓声って超うれしい。」。今季のポスターにあるキャッチコピーを表すかのように、選手たちがスタンドからの大歓声を背に躍動している。
投手陣では尾﨑完太(4年・滋賀学園)、篠木健太郎(3年・木更津総合)の先発2本柱が確実に試合を作ると、救援では塙雄裕(4年・常総学院)が今年も大車輪の活躍を見せる。
打線も今季から1番に抜てきされた武川廉(3年・滋賀学園)が4割近い打率をマーク。4番に座る内海貴斗(4年・横浜)もリーグ1位タイの3本塁打を放つ。さらには立大戦から先発メンバーに名を連ねる内海壮太(3年・御殿場西)も勝負強い打撃でチームに貢献。
ここまで4カードを終えて勝ち点は3。明大1回戦から早大1回戦にかけて3連敗。早大4回戦では9回まで1点ビハインドと決して順風満帆ではなかった。それでも、1球にこだわり粘り強く、1戦1戦戦ってきた。
最後まで1球にこだわって戦い抜く。(皆川真輝)

神宮六景

2019年までのリーグ戦に戻りました!
2020年秋季より応援団(部)による応援は応援団(部)活動エリアとして観客の皆様の立ち入りを禁止していましたが、今シーズンより従来の東京六大学野球のスタイルに戻り観客の皆様と応援団(部)が一緒に応援する応援席を復活することとしました。
新型コロナウイルス感染症について、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の2条3項の規定に基づき、厚生労働大臣から、令和5年5月7日をもって同法の新型コロナウイルス等感染症と認められなくなる旨が公表されこれに伴い令和5年5月8日に同法の5類感染症に位置付けられることになりました。このため「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が廃止されました(令和5年4月27日政府対策本部決定)。これに伴いイベントの開催制限、施設の使用制限、業種別ガイドライン等の取組も廃止され、よって当連盟による「新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」を廃止いたしました。
春季リーグ戦第6週より完全に2019年までのリーグ戦運営に戻りました。
(東京六大学野球連盟 事務局長 内藤雅之)

第6週

ウチのムードメーカー

2023/5/10 UP
OPEN

東京大学

我がチームのムードメーカーは矢追駿介(4年=土浦一)と別府洸太朗(4年=東筑)の外野手コンビだ。二人はチームの外野手をまとめる外野手長を務めており、開幕からここまですべての試合でスタメンを担っている。もちろん二人ともベンチ内で声をあげてチームを鼓舞しているが、それだけではなくダイナミックな外野守備でもチームを盛り上げている。また、全くの別件だが二人は現在野球部の寮で流行しているボードゲームの「カタン」をよくプレイしており、よくわからない語録を作っている。もしあなたが神宮に来て東大の選手が応援時によくわからないことを叫んでいればそれは二人の影響であろう。(石井悠人)

立教大学

立大において「ムードメーカー」といえば、間違いなく西川晋太郎(4年主将=智辯和歌山)である。昨春の号外記事でも同様のテーマで紹介されていた彼だが、今年も変わらず圧倒的にチーム1のムードメーカーである。いつでもどんな時でも明るく元気で前向きな声を出し、彼の周りは自然と笑顔になる、そんな彼がチームにもたらすパワーは、今年の立大らしさにつながる、なくてはならない力である。昨年度までは、「ちょっとやんちゃで手が焼ける、実力は文句なしの愛されキャラ」としてチームの笑顔の中心にいた彼は、今季、背番号10を背負いながら、変わらず笑顔でチームの中心にいる。プレーや声掛けでチームを先導し、活気づける立大主将・西川晋太郎から今後も目が離せない。(中澤智恵美)

早稲田大学

今季の弊部は、例年に見ないほど選手たちの結束が強く、どんな場面でも声が途切れることの無い前向きな姿勢が武器である。このチームの雰囲気を牽引する1人が、中村将希(4年=鳥栖)である。2年秋の新人戦では主将を務め、チームを優勝に導いた彼は、今季2番レフトで全試合出場、5/8時点で.455の高打率に5打点6犠打と、大車輪の活躍を見せている。一見すると怖さを感じることもある、鬼気迫る表情を見せる彼であるが、選手には時にいじられ笑いを生み出す一面もある。また、チームが苦しい場面では積極的にチームを盛り立て、粘り強く戦うチームを支えている。後半戦に差し掛かった春季リーグ戦、この男が更に乗りに乗り、天皇杯奪還へと突き進む。(緑川悠希)

慶應義塾大学

慶應のムードメーカーは小川尚人(4年=三重)だ。今年彼は副将にも就任し、立場も持ってチームを引っ張ってくれている。ベンチスタートが中心であり、難しい場面での出場が主になる中でも試合前、初回からチームを全力で鼓舞し、プレーでも、プレー以外でも強力な戦力の一人となっている。試合だけではなく、練習や日常の生活の中でも会話の中心にいつもいて、少々いじられながらもチームメートみんなから愛されているのが彼だ。彼の力でチームを優勝へ、日本一へ引っ張ってくれるはずだ。(藤井快)

明治大学

彼の「声」は明大野球部にとって欠かせない。斉藤勇人(4年=常総学院)は1年春にベンチ入りを果たすも、2,3年時は思うような結果が出ず、ベンチ入りすることはなかった。 しかし、彼自身はひたむきに努力し続け、同じ立場のチームメートを気にかけ励まし続けた。2月の春季キャンプでは猛アピールし、今季ベンチへと戻ってきた。先発出場は未だないものの、どんなときもベンチから大きな「声」でチームメートの背中を押し、彼の声はチームを明るくする。彼自身苦しんできて最高学年となった今季にかける思いは誰よりも強い。そんな苦労人がチームを活気付かせここぞというときにチームに流れを呼び込むキーマンとなる。(森 裕規)

法政大学

法政大学野球部のムードメーカーといえば、内海貴斗(副将=横浜)を挙げずして誰を挙げようか。 彼は今年度副将を務めており、不動の4番としても存在感を放っている。内海の一打を皮切りに、打線が繋がっていく様を見ると、彼のような人間が空気を作る人間なのだと実感させられる。プレーだけでなく、そのセンス溢れる言葉選びによる声かけも、彼がムードメーカーたる所以であると私は考えている。いつでも輪の真ん中におり、チームメイト誰にでも気さくに話しかけるその姿は、もはや我が部の名物となっている。
そんな彼はオフでもムードメーカーとしての一面を見せている。 以前決起集会として寮内の食堂で焼肉パーティを開催した際、彼の持つムードメーカーとしての力が存分に発揮されていたように思う。自分の席を離れては隣のテーブルにいる者に声をかけ、しばらくするとまた隣の席に移っている。そうしてテーブルを渡り歩いた暁には盛り上げ役の筆頭となり、最終的には会の音頭を取っているような男である。
副将としてはチャンスを逃さない勝負強いバッティングと適切な言葉がけで、プライベートでは持ち前の類まれなコミュニケーション能力で、法政大学野球部の根幹を支えている。 今季のリーグ戦では、その文句なしの実力と抜群のカリスマ性で、チームに勝利と笑顔をもたらしてくれるであろう。(上田龍弘)

応援席から

明大スポーツ新聞部

昨年度リーグ戦連覇を果たした明大。今季も優勝候補の筆頭として期待される中、ここまで3カード連続で勝ち点を獲得し安定した強さを見せている。
 チーム好調の要因は村田賢一投手(商4=春日部共栄)の活躍だろう。今年度からエースナンバー〝11〟を背負う村田はここまで31回を投げ自責点3。防御率0.87と抜群の安定感で他大学を抑え〝負けないエース〟像を体現。圧巻の投球がチームに勢いをもたらしている。
 一方の打線は不動の4番・上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)がチームを引っ張る。今年度から主将に就任した上田は勝負強い打撃を見せここまで5打点。打率も好調をキープし、相手投手を脅かす存在となっている。
さらに今季は主軸の活躍に加え、新戦力の台頭が光る。期待のルーキー・内海優太内野手(商1=広陵)が慶大2回戦で勝ち越し本塁打を放ったのを皮切りに、その後の試合では小島大河捕手(政経2=東海大相模)、木本圭一内野手(政経2=桐蔭学園)の下級生2人が決勝打となる本塁打を放ち勝負を決めた。昨年度の連覇に貢献した中心選手に加わった、新戦力の活躍がチームの強さをより強固にしている。
今季も〝粘りの明治〟を発揮し勝利を重ねてきた明大。残すは2カードとなりリーグ戦3連覇は現実味を帯びてきた。今の勢いそのまま、猪軍団は3季連続の頂へと突き進む。(佐藤あい)

神宮六景

令和4年12月31日。52歳で卒業。

私が子供の頃から続けてきた、野球を卒業することになった日です。
小学校から野球を始めて以来、中学、高校そして憧れて入学した東京六大学の明治大学。
野球が好きで私の人生の半部以上を占めるこの野球に没頭できたことに感謝しています。

平成元年、私が明治大学の野球部に入部した年の4月11日、明治大学野球部に人生をかけられた島岡吉郎監督がご逝去されました。実際にお会いすることは出来ませんでしたが、当時1年生の私たちにとって、その年の東京六大学春季リーグ戦に懸ける先輩方(特に4年生)の姿は今でも脳裏に焼き付いております。結果は春季リーグ戦3位で終わりましたが、先輩方の魂を込めたプレーを体現化出来た平成4年春季リーグ戦(自身が4年次)で別府監督、国分助監督、川口コーチの下、11シーズンぶりの優勝を成し遂げることが出来ました。その時の先輩方が喜ばれている姿に凄く嬉しくなったことを思い出します。私自身は、4年次にレギュラーとして出場することは出来ませんでしたが、今振り返ると、その時の経験が、その後の私の野球人生に大きな意味を持っているような気がします。
社会人野球でJR九州野球部に採用して頂いて以来、選手9年、コーチ13年、監督7年、29年間もアマチュア最高峰の社会人野球に携わることが出来たのも、明治大学野球部に入学させて頂いて、勉強させて頂いたおかげであると思っています。
今後、更なる高みを目指している明治大学野球部の一卒業生として今後もしっかりと感謝の気持ちを持って歩んで行きたいと思います。
東京六大学野球連盟が大学野球の先頭を走りながら、見る人たちに感動と勇気を与えられるよう野球を目指してほしいと思います。

明治大学野球部のOBで良かった。今、正直にそう思っています。感謝!

(明治大学OB 平成5年卒業 野中憲二(JR九州))

第5週

我が部に欠かせない人物

2023/5/3 UP
OPEN

法政大学

法政大学野球部に欠かせない人物、それは総勢155名の野球部全員である。155名の中には、もちろんリーグ戦で戦うメンバーもいるが、その選手たちを陰で支えるマネージャーや学生コーチ、アナリストなど様々な役割を担っている部員もいる。その中でも特筆すべきメンバーが学生コーチである。11名いる学生コーチの存在がなければ法政大学野球部は成り立たないといっても過言ではない。学生コーチは練習メニューの作成だけでなく、100名を優に超える選手たちの統括、各人のコンディション確認、選手と指導者との橋渡しが主な仕事内容となっており、その役割は多岐に渡る。責任は非常に大きく、時に選手たちから不満を買うこともあるが、チームに不可欠な縁の下の力持ちである。
今年度は竹田圭佑(4年=法政)、音渕柊人(4年=成章)、清水翔太(4年=法政二)、對馬大浩(4年=五所川原)、中武凜成(4年=法政)、山本裕介(4年=法政二)、米元康人(4年=法政)、齊藤拓海(3年=法政二)、鈴木大紀(3年=法政二)、姫野翔(3年=大分鶴崎)、平尾聡一郎(2年=海星)の面々が野球部を支えている。 そして、その学生コーチ11名を牽引するのは竹田圭佑(4年=法政)である。彼は現4年学生コーチ陣で唯一学生コーチとして入部している。その経験を武器に、今年度の学生コーチ、ひいては選手全体を統率している。
彼は野球に対して誰よりも熱い想いを抱いており、一切の妥協を許さない。その想いは野球部内全体に知れ渡っており、絶大な信頼を寄せられている。その指導はまさに熱血そのものであるが、練習外で選手一人一人に対してのケアも欠かすことがない。 「熱さ」と「平静さ」を兼ね備えた彼は今年度、背番号50を背負ってベンチに入り、3塁コーチャーという大役も務めている。コーチャーズボックスから選手たちを鼓舞し、虎視眈々と得点を狙うその背中は誰とも代えがたい、彼特有の信頼感を感じさせる。
選手ではなく、学生コーチという立場で3年以上もの間チームに貢献してきた彼だからこそできるその冷静沈着な判断は、れっきとした法政大学野球部の武器のひとつである。 ここまで獲得した勝ち点は、彼の力なくして得られたものではない。その判断力を残り2カードでも大いに発揮してもらい、厳しい戦いを制していきたいと思う。 観客による歓声が解禁された今季、応援席からは毎試合熱い声援が送られ続けている。その声援を力に変え、選手たちに熱い想いと正しい判断を届ける彼にもぜひ注目していただきたい。(上田龍弘)

東京大学

我がチームに欠かせない人物として松岡由機投手(4年=駒場東邦)の名前を挙げたい。選手としてはこれまでに3試合で先発し、1試合でリリーフを行った。特に早稲田第二回戦においては好調の早稲田打線に対して4回までパーフェクトの素晴らしいピッチングを見せてくれた。また、それだけでなく今年のチームの副将を務め日々チームをまとめることに奔走している。それにとどまらず東大野球部の寮である一誠寮の寮長も兼任しており、表でも裏でもチームをまとめている欠かせない人物であることは間違いないであろう。(石井悠人)

立教大学

弊部にとって欠かせない人物と言えば、一番に思い浮かぶのが学生コーチである。前回はデータチーフの川端丈平(4年=立教池袋)を紹介したが、今回紹介したいのは、鈴木博明(4年=芝浦工大柏)、川口剛輝(4年=東明館)、坪倉弘喜(4年=立教新座)、二角凜海(4年=広島新庄)の4名である。鈴木博は学生コーチチーフとして常にチーム全体を俯瞰し、中核として練習を支えている。リーグ戦では、三塁コーチャーとして背番号40を付けてベンチ入りしている。川口は投手コーチとして、日々の練習から立大投手陣を支えている。リーグ戦では背番号50を付けて試合の流れを見極め、投手を万全な状態でマウンドへと送り出している。トレーニングコーチの坪倉は、選手の体力強化に向けて、トレーニングだけでなく食事面においても目を配っている。育成コーチの二角は、チームの底上げを図るべく、下級生を中心に熱のこもった指導を施す。常にチームを第一に考え、本気で向き合い続ける彼らの存在があってこそ、立大野球部が一つになっている。学生コーチの想いを胸に、ここから巻き返しを図る。(玉井一騎)

早稲田大学

早稲田大学野球部は学生コーチなしでは、強くなれない。今年の新人監督は、肥田尚弥(4年=早稲田摂陵)である。学年の強い推薦を受けた彼は、昼夜問わず、指導者と選手の架け橋となり、天皇杯を奪還するチームになるために、選手へも自分へも一切の妥協を許さない。その上、選手の意思・性格を尊重できるため、肥田の存在が欠かせないことは言うまでもない。そして、今年の投手コーチは藤原尚哉(4年=早大本庄)だ。野手陣以上に個が強い投手陣と向き合い続け、厳しさがありながら上を向き続けられる環境を作ることの難しさは想像に難くない。藤原が持ち前のコミュニケーション力を活かし、チームと調和をさせることで、投手陣が単なる個でなく、応援し、応援される個となりつつある。今年のチームで最も欠かせないのは間違いなく主将の森田朝陽(4年=高岡商業)であるが、核となる肥田・藤原だけでなく、学生コーチの白塚公基(4年=高志)、学生トレーナーの鈴木玲央(4年=玉龍)など、学年から推薦はされたというものの、野球選手としては自分よりも遥かに上回る選手たちに指示をする立場にいるというジレンマを抱え、それを乗り越えるために誰よりも必死にチームに向き合う。その姿を見せ続ける彼らは、天皇杯奪還をするチームには欠かせない。(柴垣敬太朗)

慶應義塾大学

慶應の我が部に欠かせない人物はこの男、関展里(4年=慶應)だ。彼はチーフスタッフとして50番を背負いチームを引っ張っている。彼は塾高時代に甲子園にも中心選手として出場するなど選手としても大きな可能性を持った選手であったが、チームの優勝のため、スタッフという立場からチームを引っ張ることを選んだ。彼の統率力、チームを引っ張る力はものすごいものであり、練習中も、試合中も彼の熱い声が飛んでいる。監督の考えを誰よりも理解し、選手と誰よりも会話し、チームをベストな方向へ導いてくれているのは彼であることは間違いない。彼を胴上げしたい。チーム全員の思いだ。(藤井快)

明治大学

この男の存在は明大野球部にとって欠かせない。熱田泰祐(4年=明大中野八王子)はチーフ学生コーチとしてチームをまとめる。新チーム発足時にチームの“日本一“という目標に自分がどうすれば貢献できるかを考えた結果、彼は学生コーチになるという大きな決断をした。そこから新しい野球生活が始まり、常にチームのことを第一に考え、時には選手に厳しい声もかけている。しかし、誰よりも仲間のことを考えて行動している彼へのスタッフ、部員からの信頼は厚い。最高学年となり数々の苦難やプレッシャーに立ち向かい、逃げることなく正面からぶつかり続けた。そんな彼が明大野球部を“日本一”へと導く。神宮球場で右手を回し躍動する彼の姿にご注目いただきたい。(森裕規)

応援席から

「立教スポーツ」編集部

主力メンバーが大幅に入れ替わり、新体制でリーグ戦に臨むRIKKIO。「チーム力は去年に勝る。」昨年度、唯一レギュラーとして起用された主将・西川晋(コ4=智辯和歌山)は語る。3月には4年ぶりに九州で春キャンプを行い、1人1人が自らの役割を理解し組織力に磨きをかけた。一皮剥けたタテジマ軍団が臨んだ法大との開幕カードでは、齋藤大(コ3=東北)と菅谷(コ3=市立船橋)の1、2番コンビの打撃が一際輝く。3回戦では先制となる2者連続の本塁打を放ち、チームを勢いづけた。また、鈴木唯(コ2=東邦)、鬼頭(文3=横浜)も共にリーグ戦初本塁打を放っており、新たな戦力が少しずつ台頭してきている。さらに六大学の強打者に立ちはだかるのは、立大の精強な投手陣だ。開幕戦で池田(コ4=智辯和歌山)は7回1失点、沖(法3=磐城)は6回2失点と共に好投を見せた。救援陣の吉野(コ2=仙台育英)、小畠(営2=智辯学園)も安定しており、投手戦を制する実力は十分にある。賜杯への挑戦はまだ始まったばかりだ。立教健児たちが勝ち星をあげる日も近い。

神宮六景

「連盟100周年に向けての応援」

東京六大学野球連盟は2025年にいよいよ創立100周年を迎える。10数年前から各大学が創部100周年を迎えていたが、その総集約ともいうべき節目が訪れようとしている。周年行事は、その来し方を共に懐かしむと同時に、その道程を支えてこられた方々に謝意を表する祝賀の機会であろう。ただ、ここ10数年に遭遇した東日本大震災とコロナ禍の経験は、野球界も社会現実の中にこそあることを改めて思い知らされることになった。少子化の影響で野球人口の減少が進行しつつある背景も念頭におけば、野球の価値がいかにして社会から認められるのか、それゆえに野球をどのように社会に発信していくか、新たなステージを目指していろいろな知恵や工夫が求められているように思われる。その点で、WBCでの優勝は、さまざまな示唆を与えてくれた。100周年を契機にして、東京六大学野球連盟には新たなステージに応えていくリーダーとしての役割が期待されている。

連盟もこの10数年、社会に開かれた野球に向けて、いろいろな活動を展開している。フォーマルには、オールスターゲームや少年少女野球教室の開催、新人研修会の実施、マザーズデイの設定、野球ゼミナールの開講などである。インフォーマルには、毎試合前後のスタンドに向かっての挨拶もその一環だろう。東大から始まりそれに明治が続き、それ以降各大学に伝播していった。リーグ戦最初の試合前と最後の試合後、応援団にだけの挨拶だった時代に比べれば、応援してもらえるファンを大切にする姿勢がはっきり表れるようになった。観戦を楽しんでもらうための神宮球場の電光掲示板や各校広報誌の工夫さらにはインターネットでの中継も面白くなっている。

応援される側から応援する側に立場が変わって、改めて応援できることの幸せを感じるようになった。その応援には、チーム内にあってはライバル意識とチームワークとの相対する課題に日々取り組んでいる部員たちへのリスペクトがある。秋のシーズン、4年生が優勝がなくなった試合後ロッカールームで流す涙へのリスペクトもある。母校を応援しつつも対抗戦として切磋琢磨できるよきライバル校へのリスペクトも、当然のことながら含まれる。フェアプレイの精神を大切にし、野球をとことん楽しみ、文武両道をつらぬき、そしてそこから人間力を鍛錬しようとしているライバル校。各校へのリスペクトは、試合前後のエールの交換が象徴するように、応援団(部)の礼をもって代表してもらっている。その応援団と一体になれる応援席が今シーズンから復活したのは、実に嬉しいことである。

母校の応援のはずが、不思議なことに自分が逆に励まされていることがある。若い選手たちの真剣なプレー、ドラマチックな試合展開は、魅力的な緊張感を与えてくれる。熱戦は応援を熱くし、母校への愛着を深める。歓喜に包まれる優勝は生涯の思い出にもなる。勝っても負けても応援できるチームがあり、応援したい選手がいることは、人生にこの上ない幸せな趣味を恵んでもらった。本当にありがたいことだ。

(立教大学 前野球部長 前田一男)

第4週

影のスペシャリスト

2023/4/26 UP
OPEN

明治大学

明大野球部の「オールラウンダー」としてチームに貢献している人物がいる。石田朗投手(4年=明治)は選手とマネージャーを兼務しており、時に投手リーダーとしても投手陣を取りまとめる。今春のオープン戦では登板後すぐにマネージャー業務を行う姿は何度も見ることができた。そんな彼はチームが“日本一”を達成するために自分に与えられた役割を自覚し最大限の努力をする。またスタッフ、チームメートからの信頼も厚く、彼の課題解決力には何度も助けられた。今季東京大学戦ではベンチ入りを果たし登板することはなかったが、そこでも自分の役割を全うする姿は変わりなかった。“日本一”への思いを持つ者は神宮で躍動するメンバーだけではない。彼の熱い姿勢が明大野球部を優勝へと導く。(森 裕規)

法政大学

今の法政大学に欠かせない存在となっているのが、「アナリスト」だ。練習時に選手の動画撮影だけでなく、人が足りない際は練習のサポートまでもしてくれている。オープン戦・リーグ戦の際は相手チームを徹底的に分析し、選手個人の特徴や傾向を考慮し、対策をしてくれるなどデータの部分で野球部を支えてくれている。そんなアナリストの中で指揮を執るのは古本隆仁チーフアナリスト(4年=法政二)である。古本自身、選手からアナリストに転換した為、選手の気持ちを考えながら選手へ情報伝達してくれている。また、誰よりも“優勝”への思いは熱い。試合前ミーティングや戦略ミーティングの際の選手への伝え方から、その熱意がとても伝わる。アナリストの存在が必ず勝利に導く。(上田龍弘)

東京大学

東大の影のスペシャリストとしてアナリストの佐藤想真(3年=佐世保北)を紹介させていただく。去年より本格的に動き始めたアナリスト部門のトップであり、日々トラックマンやラプソードのデータなどを用いて相手チームや自チームの分析を行っている。非常に長いコードをプログラミングする様はまさに圧巻である。今季の先発投手陣の調子が良いのも彼の分析による影響も大きいであろう。また、分析だけでなく選手たちとも積極的に会話を交わし、チームにとって何が必要か、何が問題になっているかを収集しその解決に奔走している。そういった姿勢も彼の魅力の一つであろう。彼をはじめとするアナリストは神宮球場で直接見ることはできないが、確かに選手たちを支えている。(石井悠人)

立教大学

立大野球部の影のスペシャリストは、データチーフの川端丈平(4年=立教池袋)だ。他大学ではアナリストが増えているが、例年弊部ではデータに特化した部門は置かずに、学生コーチがデータ班として試合分析を行ってきた。しかし、今年度の川端は、データチーフと捕手チーフの二足の草鞋を履いており、日々選手として練習する傍ら、膨大な量の試合を細かく分析し、選手兼任のスタッフメンバーとしてチームの勝利に貢献している。毎回のオープン戦では、個人成績やチーム成績の集計と評価、選手一人ひとりへ良かった点と改善点を示したり、リーグ戦期間には他大学の全試合分のDVDに目を通し、相手チームの対策を練っている、まさに立大のブレーンだ。今季のリーグ戦では選手の活躍は勿論、ベンチの中からチームを支えるデータチーフ・川端丈平にも是非ご注目いただきたい。(篠崎芽生)

早稲田大学

早稲田の誇るスペシャリスト、それが茅野真太郎(4年=早稲田実)である。昨年春の早慶戦では二塁手でスタメンを務めた実力者が、今年の早稲田を支えている。彼の最大の特徴は、抜群の野球センスを活かした万能性である。本職は二塁手ながらも現在は投手以外のどのポジションも守ることができ、代打やバント、代走とどんな場面でも活躍を期待することができる。また、豊富な経験を活かし、ベンチからチームを引き締める声かけや勢いに乗る際には積極的にチームを盛り上げるなど、できないことを探すほうが難しい活躍ぶりである。この春シーズンでは、現在までで東大2回戦での代打のみの出場ではあるが、現在流れに乗っている弊部が苦しい時には、チームの流れを変える彼の活躍が必要となる場面が必ず来る。早稲田を支える屋台骨のいぶし銀の活躍を、ぜひともご期待いただきたい。(緑川悠希)

慶應義塾大学

影のスペシャリストは大坪寛(4年=県立船橋)だ。彼はAチームのスタッフとして活躍していて、主に内野守備を専門に行なっている。ベンチに入ることはないが、彼のチームからの信頼はとても厚く、廣瀬を筆頭に内野手が悩みや相談事がある際は彼を頼る。選手を引退した今でも華麗なグラブ捌きは健在で、今春行なった鹿児島キャンプにおいては、走塁練習の際に守備につき、練習後には拍手が起こったほどだ。加えて、彼は1年生担当のスタッフとしても活動していて、これからのチームを担う選手たちの指導にも全力で取り組んでいる。彼の力でチームを強く、将来も強くしてくれるはずだ。(藤井快)

応援席から

東大新聞社

昨年はプロ志望届を2人が提出するなどレベルは着実に上がっている東大。今年は緩急が持ち味の鈴木健(育4=仙台一)と本格派右腕松岡由機(経4=駒場東邦)のダブルエースで挑む。明治大学戦では鈴木は新球種チェンジアップを交え好投し、松岡は先制を許すも粘って接戦に持ち込んだ。野手陣ではリードオフマン酒井捷(文Ⅱ2=仙台二)、堅守のショート青貝尚柾(文Ⅰ2=攻玉社)など新戦力も台頭。主将・梅林浩大(育4=静岡)ら主力との融合でまずは勝ち点獲得、そして悲願の最下位脱出に突き進む。(新内智之)

神宮六景

昭和38年から41年迄、東京六大学リーグの野球部員として神宮球場で野球をやらせていただきました。その間でいちばん記憶に残っているのは、昭和40年12月にマニラで行なわれたアジア野球選手権大会に選手の一員として参加したことです。石井藤吉郎監督の下で優勝した早稲田の選手をメインとして、他の5大学から1~2名補充というチーム構成でした。安田球場で練習をして、他の大学リーグ選抜軍と大会出場権を争い、マニラで韓国、台湾、フィリピンとアジア選手権を争って優勝しました。

日頃神宮で凄いと思っていた選手達が、試合の絶対に勝ちたい場面でもがき苦しむのを見て、あぁ自分達東大と同じなんだなと感じました。そんなことで生まれた心の余裕とも関連して翌春のリーグ戦5位に繋がって行ったような気がします。それまでは神宮で他大学の選手との交流はほとんどなかった私ですが、このチームで早稲田のエースで甲子園の優勝投手八木沢君、チームのキャプテン大塚さん、慶応の江藤さん広野さん、明治の高田君、法政の田渕君等をチームメイトとして戦ったことは本当に楽しい思い出となりました。中でも早稲田の西田君とは後に中日ドラゴンズでも一緒になり、いろいろ仲良く遊びました。
大学を卒業した後も、東京六大学野球部員としての4年間は私の人生の大事な1ページとして残っています。

(東京大学野球部監督 井手 峻)

第3週

この選手に注目!

2023/4/19 UP
OPEN

慶應義塾大学

今年の注目は斎藤快太内野手(3年=前橋)だ。開幕週からショートのスタメンを勝ち取り安定感抜群の守備と野手の間を鋭く抜くバッティングが魅力で、チームから全幅の信頼を得ている。そんな彼だが、一般入試を現役で勝ち抜いた秀才でもある。一般入試ながら1年生の秋からベンチメンバーに大抜擢され、その後不動のメンバーとして活躍。文武双全、KEIOのポリシーを誰よりも引き継ぐ男だ。彼の流れるようなプレーはチームを勝利に導いてくれるに違いない。(藤井快)

明治大学

思いを内に秘める熱い男。今年から一塁手のレギュラーに定着している加藤巧也内野手(3年=大阪桐蔭)は打順で5番を任されており、彼の重圧は昨年では考えられなかった。今まで期待されながらも神宮球場での試合経験は少なかった。しかし、この冬打撃に磨きをかけ、試合では5番として宗山、上田とクリーンアップを任されている。初カードでは自分のエラーから失点してしまい悔しい結果となってしまった。犠牲フライで何とか勝利した試合後には安堵からか涙を目に浮かべる姿は印象的であり、彼の勝ちへの執念を表わしている。4年生とともに日本一を掴むため、チーム一熱いこの漢が神宮球場で躍動する。(森裕規)

法政大学

この春、注目の選手は高原侑希内野手(4年=福井工大福井)だ。昨年は主に代打として出場し、春は打率.250、秋.333という結果に終わった。昨年の秋季リーグ戦、対慶應義塾大学との第2回戦に代打で出場し、決勝のセンター前タイムリーを放った。しかし、昨季はチームも高原自身も悔しいシーズンとなった。チームは春4位、秋5位。高原も決勝タイムリーは放ったものの春・秋合計で7試合止まりとなった。昨年の秋季リーグ戦が終わってから高原は毎日バットを振り続けた。年末年始の休養日も返上し、毎日500スイング以上は振った。春季リーグ戦前のオープン戦は思ったように結果は出なかった。しかし、高原に迷いはなかった。「自分が一番練習をやった。」と強い信念をもってリーグ戦に臨んだ。高原自身初のスタメン出場となった今季の慶應義塾大学第1回戦。先制のスリーランホームランを放つなど、5打数3安打7打点の活躍でチームの勝利に貢献した。それでも高原は満足していなかった。高原の目標は「このチームで日本一になること」。ここから、高原の活躍がチームの勝利に大いに貢献すると思う。ぜひ、この春は高原侑希に注目をしていきたい。(上田龍弘)

東京大学

この春の東大で注目してほしい選手は酒井捷(2年=仙台二)だ。2年生ながら開幕からこれまでのすべての試合でライトのスタメンとして名前を連ねている。今季初戦の明治大学戦一回戦では初安打、明治大学戦二回戦では初打点、早稲田大学戦一回戦では初本塁打を記録するなど順調に成績を残している。また、バッティングだけでなく守備の面でもフェンスにぶつかりながらのナイスキャッチでチームのピンチを救った。走攻守に優れる酒井捷選手の大暴れをぜひ神宮球場に見に来ていただきたい。(石井悠人)

立教大学

この春の注目選手として、投手、渡部太陽(4年=春日部共栄)の名前を挙げたい。彼の最大の魅力は、唯一無二の直球にある。188センチ98キロという恵まれた体格から投げ下ろされるストレートは、独特な軌道を描いて相手打者を翻弄する。U-15に選出された過去を持つ彼は、1年の浪人生活を経て、立大に入学。これまでの3年間、地道な努力を重ね、現チーム発足を機にその努力が実を結び、1軍に定着。チームの戦力を底上げする大きな存在となった。そして遂に今季初戦である法政大学戦にて、神宮デビューを果たした。「これまでの立教から変わるだけでなく、全く新しい立教に生まれ変わる」、そんな想いが込められた今年度のチームスローガン“革新”。今季において、このスローガンを体現しているのは、間違いなく彼だろう。(中澤智恵美)

早稲田大学

この春の早稲田では、この2人の選手に注目である。1人目は、齋藤正貴(4年=佐倉)。昨春のリーグ戦で初登板、先発投手の一角として期待されるも、東大戦2回戦で先発をし、3回5失点でKO。悔しさを胸に挑む今春は、オープン戦で7試合に登板し、防御率0.00。リーグ戦でも、持ち前の強心臓ぶりを遺憾なく発揮し、チームに流れを呼びこむ。2人目は、生沼弥真人(4年=早稲田実)。生沼は2年春のリーグ戦でデビューを果たし、ファーストのスターティングメンバーに選ばれる。しかし、チャンスでことごとく凡退。ここまでレギュラーに定着することが出来ず、もがきにもがいて迎える今春。他の誰よりも声を張り上げ、チームを前進させる。悔しさを知る2人の勝利への執着心が、早稲田を必ず天皇杯奪還へ導く。(柴垣敬太朗)

応援席から

早稲田スポーツ新聞会

昨年は下級生中心のチームで春は5位に沈むも、秋には2位に押し上げた早大。1年間で多くの選手が中心選手として経験を積んだ。森田朝陽(4年・高岡商)が主将に就任。さらにチームにはプロ野球での指導経験が豊富な金森栄治氏が、2年間不在だった助監督のポジションに就き、万全を期して臨む2023年シーズンが始まった。
ついに開幕した春季リーグ戦。応援席が復活し多くのファンが球場へ足を運ぶ中、最初のカードでは、春はここ2年苦しめられている東大と対戦した。初戦は今季から右のエースナンバー・「11」を背負う加藤孝太郎(4年・下妻一)の完投勝利でモノにすると、2回戦では終盤に打線が爆発し、14得点の快勝を収める。連勝で勝ち点を獲得し、5季ぶりの賜杯に向け好スタートを切った。この勢いそのままに残りの試合も勝利を重ね、悲願の優勝へ突き進んでいく。

神宮六景

球春到来です。我が東京六大学野球春季リーグも、明治大学-東京大学戦から熱戦が始まりました。多くの名勝負が繰り広げられることを楽しみにしています。
私は今、宮城県石巻市にある工場に勤務すると共に、社会人チーム「日本製紙石巻」の野球部長を努めています。当チームは4月中旬のJABA日立大会から日本選手権への道を進みつつ、5~6月の都市対抗野球大会地区予選に照準を合わせます。工場所在のチームにとって、本社所在地にある「東京ドーム」への出場はいわば至上命題ともいえます。
振り返ると、静岡の片田舎の公立高校出身の私は、神宮球場に立つ大いなる夢を抱き入部しました。途中、マネージャーに転身、目標を「チームを勝ちに導く」ことに変え、学ランにアタッシュケースという奇異なスタイル(当時は流行ってたんです)で毎日奔走しました。それを認められたのか、地元の会社(当時、大昭和製紙)に誘われマネージャーとして入部(入社)しました。しかしながら2年後に休部、長らく野球から離れていましたが、その後、大昭和製紙は日本製紙と合併、石巻にあった野球部を更に強化し都市対抗を目指すことになり、今に至ります。
思えば、私の原点は変わらず神宮球場にあるようです。日本野球連盟HPによれば、都市対抗はプロ野球発足前の1927年(昭和2年)、当時人気を集めていた中等学校(現在の高校)、東京六大学の選手を卒業後ももう一度見たいというファンの要請に応えるため、都市を基盤とした実業団の大会として第1回が開催されました。そしてその会場は神宮球場だったそうです。
母校を卒業して30年、社業の関係で北海道、東北、山口の勤務がほとんどで、昨年、石巻の現職に就き、久しぶりに神宮球場を訪れました。学生時代に目指した神宮球場、そして今、神宮球場を原点にもつ都市対抗を目指しています。巡り合わせの妙を感じるとともに、神宮球場の大いなる存在に改めて想いを馳せています。
(早稲田大学 平成4年卒 佐藤 邦彦)

第2週

今年のウチはこんなチームです!

2023/4/12 UP
OPEN

早稲田大学

「日本一」。春秋のリーグ戦優勝、そして全日本大学野球選手権・明治神宮大会を含めた「四冠」。早稲田大学野球部である以上常に求められる目標を、今年は例年以上に言葉にして、部員一同で目指している。昨年までと比べ、野心に溢れた貪欲な雰囲気が今年のチームの特徴である。チームを引っ張るのは、部員の誰からも信頼され、精神的支柱である主将の森田朝陽(4年=高岡商業)である。また、昨年に春秋を通じて第一先発を務め上げた加藤孝太郎(4年=下妻一)や1年春からレギュラーとして戦い続け集大成のシーズンを迎える熊田任洋(4年=東邦)、他にもリーグ戦の出場経験が豊富な4年生たちもチームを牽引する。早稲田らしく「氣」溢れるプレーで、天皇杯奪還、そして四冠を成し遂げるべく戦い抜く。私たちが体現する、「強い早稲田」に是非注目いただきたい。(緑川悠希)

慶應義塾大学

今年の慶大はベンチ入りメンバーだけではなく、部員全体でぶつかっていく結束力のあるチームだ。慶大の伝統とも言える、毎年飛び抜けた選手がいない中でも、チーム全体の底力を見せ戦ってきた。今年はとりわけ熱い男も多い。そんな部員たちがチームを引っ張ってくれている。とりわけ熱い4年生がいる。中澤遼太郎内野手(4年=城北埼玉)だ。彼は前向きの気持ちと底なしの明るさでチームを引っ張ってくれる。彼の一言が多くの心を動かし、チームの雰囲気を高めてくれているのは誰もが認める事実だ。彼を筆頭に多くの魅力的な部員がチームを優勝へ導いてくれるだろう。(藤井快)

明治大学

"勝利への執念がとても強い"
"挑・超・頂"をスローガンに掲げ、主将・上田希由翔内野手(4年=愛産大三河)を中心として一戦一戦を勝ち切るために全力で戦い抜く。優勝経験メンバーが多く残る中、昨年惜しくも逃した"四冠"を達成すべく細かな部分にもこだわり、常にレベルの高い野球を追求してきた。野球だけではなく私生活にも隙を作らず伝統明治の人間力野球で多くの方に応援されるチームである。応援してくださる方々に結果で恩返しするべく、日々成長し続ける明治の野球を是非ご覧いただきたい。(森裕規)

法政大学

今年の法政大学は、『克』をスローガンに掲げ、低迷しているチームから、天皇杯を奪還し、下克上を果たすべく、全員で一からのチーム作りに取り組んできた。その中で、今年の法政大学野球部の強み、それは最終学年4年生のチームワークだ。それは、ただ単に仲が良いだけではない(仲は非常に良い)。4年生、総勢36人が天皇杯奪還という目標を明確にするためミーティングを重ね、全員の力で掴み取る、強い気持ちを持っている。リーグ優勝を成し遂げるためには、何かを変える必要がある。今年のチームは、試合中の雰囲気が非常に良い。それは4年生全員が試合に出ているメンバー、上級生、下級生に関係なく、プレーしやすい環境を作っているからだ。ベンチに入っている25人はスタンドで声援を贈るメンバーの気持ちを全面に背負って、グラウンドで表現する。想いは1つ、何とかして全員で優勝する、『全員の力』これが今年のベンチ入りメンバーの選手たちの合言葉だ。野球は表裏一体、ピンチの後にはチャンスが来る。全員で逆境を乗り越え、チャンスに変える、今年の法政スタイルでもある。最後に、今年の法政は、誰かのために一球無心で白球を追う。1人1人の本気度で、泥臭く勝負する、そんなチームを是非、神宮球場でご覧ください。(上田 龍弘)

東京大学

今年の東大野球部は、「奪出」をスローガンに長い間成し遂げられていない勝ち点「奪取」・最下位「脱出」を目指します。今年のチームは去年に比べてリーグ戦経験の多い選手が少なく、リーグ戦前には様々なポジションで激しい競争が起こりました。その中で外野手の酒井捷(2年=仙台二)や遊撃手の青貝尚柾(2年=攻玉社)などの新戦力の台頭もあり昨年日本一に輝いた明治大学戦では2戦とも8回まで同点という接戦を演じた。また、感謝など野球以外の部分もきちんとすることで「勝てるチーム」ではなく「勝つべきチーム」となるべく主将の梅林浩大(4年=静岡)を中心にチーム作りを行ってきた。是非様々な面で新しくなった東大野球部をご覧になってください。(石井悠人)

立教大学

【生まれ変わりの代】今年の立教大学野球部の特徴はこれに尽きる。というのも、2年近く主力を張っていた選手が抜け、今年のチームは初めてベンチ入りを懸ける選手が多い。リーグ戦経験者の多くが抜けたことは、現役部員にとって少なからぬ不安をもたらしているが、それと同時に、自分たちらしく思う存分にプレーができる「大きなチャンス」でもあると、選手自身も認識している。
そこで、今年度の弊部では『革新』というスローガンを掲げ、これまでの立教から変わるだけでなく、「全く新しい立教に生まれ変わろう」という想いを込めている。リーグ戦の経験がない選手が多い分、主将・西川晋太郎(4年=智辯和歌山)を中心に、新たな戦力がフレッシュに躍動する部分を魅力に、「生まれ変わりの代のフレッシュさ」を新しい立教のカラーとして神宮のスタンドにお届けしたい。(篠崎芽生)

応援席から

神宮六景

WBC2023で日本が『世界一』に輝きました。普段野球に興味の無い方達までも皆さんが盛り上がり社会現象になったことは記憶に新しいと思います。

東京六大学野球でプレーする選手の皆さんの中には明確な目標が出来た方もいらっしゃるのではないでしょうか。感動的な試合内容はもとより選手たち・スタッッフの振る舞いだけでなくファンの方のマナーの良さも敵味方関係なく国を越えてリスペクトしあえ、社会での垣根や隔たりを越えてみんなの心が一つになったのではないでしょうか。
スポーツ・野球の力を改めて感じる機会となりました。

私は、この東京六大学野球に関わる全ての現役部員を第一に考えていきたいと考えています。スポーツマンシップに則り、神宮で思いっきりプレーして頂きたいです。

私自身は、今年度より法政大学法友野球倶楽部に携わることとなり、六大学の諸先輩方や関係者にお会いする機会が増えました。なお一層東京六大学野球の伝統を再認識しております。

来る2025年に『東京六大学野球史は100年』を迎えます。
皆さんは歴史に新たな一ページを刻むことになります。
是非この伝統ある歴史の一員としての誇りを持って日々の生活を送っていただきたいと思います。

失敗は存在しない!前進あるのみ!

心からエールを送ります。
(法政大学法友野球倶楽部会長 小早川毅彦)

第1週

この春の収穫

2023/4/5 UP
OPEN

立教大学

この春の収穫は、4年ぶりの春季キャンプを始めとして、非常に充実した練習を実現できたことである。宮崎での春季キャンプにおいては、2019年を最後に3年間の空白が空いていた。しかし、現地の方々や関係者の皆様のご尽力のおかげで4年ぶりに実施することができた。また、今回のキャンプでは、3/3~3/6にかけて鹿児島で行われた「薩摩おいどんカップ」にも参加した。残ったメンバーも新座キャンパスのグラウンドにて強化練習を行った。朝から晩まで野球に打ち込める充実した環境で練習を行うことができ、心身ともに成長することができたと感じている。キャンプ後の期間では、昨年度思うように実施できなかったオープン戦を滞りなく戦うことができた。チーム全員が課題を明確に把握し、それを一つひとつ潰していくための努力をした。質の高い練習と数多くの実践機会を通じて、春季リーグ戦に向けた準備を進めることができた。現在も、昨年春3位、秋4位という悔しい結果に終わった事実を受け止め、新しい立教に生まれ変わるべく練習に励んでいる。この春に磨いてきたものを春季リーグ戦で存分に発揮できるよう、チーム一丸となって「革新」を起こす。(玉井一騎)

早稲田大学

この春、一か月間と非常に長いキャンプを行った。アメリカ→沖縄→関西→愛知と移動をし、体力的には非常に厳しいものがあった。当然ながら、トレーニングの量は減り、慣れない環境に余計に体力を使った。しかし、それぞれが、それぞれの最大限を尽くし、競い合うことでチームの底力が上がった。野球に打ち込んだこの期間の濃密さは、他の六大学のどこにでも勝つ自信がある。お互いの長所・短所を理解し、置かれた状況でのそれぞれのベストを追い求める。天皇杯奪還への意志の強さは人並みではない。この長いキャンプ期間はレギュラーメンバー以外にも良い影響を与えた。人数が減ったことで練習時間が短くなるどころか、いつも以上の練習時間で自らを追い込んだ。それぞれが天皇杯奪還への意志を強く持ち、まず一勝、春の初戦に挑む。(柴垣敬太朗)

慶應義塾大学

弊部の春の収穫は新戦力の台頭が各ポジションにあったことだ。一冬超えて見違えた選手、コンバートが成功した選手、また新入生加入による底上げが各ポジションであり、層の厚いチームになっている。このようにチームが変わっていく中でも、主将の廣瀬隆太内野手(4年=慶應)や宮崎恭輔捕手(4年=國學院久我山)など、昨年度からレギュラーを張る選手も攻守両面で成長を見せ、チームの顔としてより一層頼もしい存在となってきた。1年間遠ざかっている天皇杯、今年はチーム全体で取り返す。「Unleash the Spirit ~氣を解き放て~」スローガンの通り、氣を前面に結束力で勝ち切る。リーグ戦優勝へ準備は万全だ。(藤井快)

明治大学

新チーム開始早々、誰もが羨む背番号『11』を追い求め経験豊富な投手陣が熾烈なエース争いを始め、主将の上田希由翔(4年=愛産大三河)は誰よりもバットを振り、寡黙ながらその姿でチームを引っ張る。昨年はスタメンを飾ることが出来なかったメンバーも我こそはと頭角を現している。副将としてチームの核となる堀内、黙々とレギュラーの座を狙う野波など層は厚さを増すばかりだ。春のオープン戦は例年よりも多い試合をこなし、場数を踏んできた。そんな彼らの眼には勝利しか見えていない。いざ、”頂点”へ。(森裕規)

法政大学

法政大学のこの春の収穫は、法政大学野球部としてのプライドを再確認出来たことではないだろうか。今年は、3年ぶりに2月中旬から約1週間にわたりチーム全員で鴨川キャンプを実施した。各々の課題に取り組みながらも全員での食事やミーティングなど、普段は出来ない共同生活でチームの一体感を生み出すことが出来た。また、2月下旬には薩摩おいどんカップにも参加した。早くからレベルの高いチームとの実践を重ねたことで、チーム内の競争意識が向上した。鴨川キャンプ、薩摩おいどんカップでは野球の技術向上だけではなく、OBの方々や、法政校友会の方々と接することで多くの方々に法政大学野球部は支えられているということを再確認出来た。六大学野球、法政大学野球部としてのプライドを持ち、支えていただいている人たちに結果で恩返しできるよう、全員でこのリーグ戦を全うする。(上田龍弘)

東京大学

新型コロナウイルス感染症の影響により3年間中止になっていた沖縄合宿を2月中旬より実施した。2月にも関わらず日によっては最高気温が25度を超える温暖な気候の中、高校のグラウンドなどを利用しバッテリーが良い調整を行うことができた。また、3月の前半には鹿児島にて70人規模での合宿を行い、今年より開催となったおいどんカップに参加した。鹿児島では沖縄同様温暖な気候でしっかりとした練習を行いつつ、福岡ソフトバンクホークス3軍をはじめとして6試合を行った。そういった合宿に確かな手ごたえを感じつつ最下位脱出を目指します。(石井悠人)