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TOKYOROCKS2022 秋季号外

第9週

この秋のMVP!

2022/11/3 UP
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早稲田大学

秋に限らずこの一年を通して、主将の中川卓也にMVPを与えてあげたい。高校時代に、春夏連覇という輝かしい実績をあげ、鳴り物入りで入部してきた彼は、もがき苦しみながらもラストイヤーは主将としてチームを引っ張ってきた。自身の成績が振るわない状況であっても、チームのため仲間のために声をかけている姿は、まさしく「主将の姿」であった。優勝の可能性は無くなってしまったが、早慶戦で「早稲田の誇り」を胸に、主将として輝く中川卓也を最後まで見ていただきたい。そして、4年生の集大成として、必ず早慶戦で勝利して有終の美を飾りたい。4年間ありがとうございました。(岩井寛汰)

慶應義塾大学

下山悠介(4年=慶應)がこの秋のMVPだ。1年間通してチームのあるべき姿と目指している目標に向けて休むこと無く前を向いて走り続けてくれた。夏のオープン戦では大差で負けてしまうような試合が何度もあった。誰も途中で投げやりになったり諦めたりしなかったのは下山が常に前を向いて走り続けてくれたからだ。また、「チャンピオンにふさわしいチームになろう」と細かい所まで気を配ることのできる人間力のある集団を追求した。秋のリーグ戦でも紆余曲折はあったが、1つ1つ勝点を積み重ねることができたのは夏場に身につけたこのタフさによるものである。最終カードの早稲田との対抗戦でもやることは同じである。下山を始め、4年生を中心に一丸となって相手に向かっていく。(服部昂祐)

明治大学

主将・村松開人(4年=静岡)が明大のMVPだ。春は怪我の影響もありリーグ戦にはわずかな出場にとどまったが、精神的支柱として天皇杯奪還に導いた優勝の立役者だ。今秋には春の試合に出られなかった悔しさも晴らすかのように不動のリードオフマンとしても躍動しチームを牽引した。リーグ戦最終ゲームとなった立大2回戦を終えて、涙を流している姿は心打たれた。誰にも計り知れない「10」番の重圧がかかっていたことは間違いない。春のリーグ優勝、秋の優勝争いは多くを語るタイプではない彼が個性派揃いを束ねた功績と言えるだろう。ありがとう、そしてお疲れ様。個人としても結果を残し続け、9勝2敗1分の勝ち点4で全てのカードを終え、第9週早慶戦を残し春秋連覇に向けて望みを繋いだ。望みを信じて名実ともに“日本一のキャプテン”にする。(鈴木一真)

法政大学

この秋、そしてこの1年間を通じて法政の背番号10を背負った齊藤大輝(4年=横浜)がMVPである。主将としてチームを引っ張っていくことになったこの1年間、彼自身、納得のできる結果がなかなか出なかったと思う。苦しい1年間であったはずだが、どんな状況でも、感情を表に出す事があまり無いため、いつも冷静で毅然とした態度が、チームに安心感を与えていた。またこの1年間、常にチームのことを考え、思いやりのある発言でチームを支えていた姿は、選手全員が印象的に感じていたに違いない。「今年のチームは良い雰囲気だね。」と言っていただくことが多くあったが、それは間違いなく、齊藤のチームづくりのおかげであると思う。私自身も主務として彼に沢山助けられた。次のステージでの活躍も楽しみであり、またこの法政大学での経験が、2年後の彼をより強くさせてくれるはずである。(宮本ことみ)

東京大学

この秋のMVPとして、主将でありかつ捕手というチームの命運を握るポジションで重責を担った松岡泰希(4年=東京都市大付)の名前を挙げたい。この秋は打撃面においては苦戦の続く日々だったものの、守備面でタイプの異なる11人の投手をリードして扇の要としての役割を果たした。他五大学の強力打線を相手に東大が戦うためには、競った展開に持ち込む守備が当然重要であり、かつその難易度は大きなものであるが、その中心にはいつも松岡がいた。最終週までもつれ込む優勝争いを演じている慶大から1勝、明大から引き分けをもぎ取ることができたのも粘り強く守りから生まれたものだと言える。松岡、1年間お疲れ様。そしてありがとう。(田中平祐)

立教大学

立大のMVPにはキャプテン山田健太(4年=大阪桐蔭)を挙げたい。1年春にリーグ戦デビュー、スタメン獲得を果たすと、当時から不動の4番としてチームを引っ張ってきた。そして最上級生となった今年度は立大の主将として、夏には大学日本代表の主将として、常にチームの先頭に立ってきた。彼の特筆すべき点は、入部当初から大阪桐蔭最強世代の一人として、さらには誠実な立ち振る舞いとその甘いルックスによって、下級生の頃から多くのファンやメディアに注目され、常にチームの顔としての自覚を求められてきたということだ。特にこの1年間に関しては周囲からの期待や求められるものと、それに対する自身やチームの成績との狭間で、目には見えない多くの重圧、重責と戦ってきたと思う。無論このプレッシャーを計り知ることはできないが、しかしそのようなことを感じさせることなく、むしろどのような状況であっても精神的柱としてチームを支え努力する姿はとても印象的だった。私自身、マネージャーという立場でありながら悩みを相談したり頼ったりすることも多く、彼の言葉に何度も救われてきた。それだけ彼の存在というのは私たちチームメイトにとって大きなものだった。今年のRIKKIOは山田を中心とした、人に恵まれた最高のチームだったと思う。健太、お疲れ様。本当にありがとう。(大河原すみれ)

応援席から

神宮六景

平成2年の春季リーグ戦の早慶戦は勝ち点を取った方が優勝という12年ぶりの早慶V決戦になりました。早稲田にとっては15シーズンぶり30回目の優勝を目指す早慶戦です。
1960年の伝説の早慶六連戦から30年を経て、早稲田は石井連蔵監督、慶應は前田祐吉監督が再び優勝をかけて戦うということもあり、テレビやスポーツ新聞でも大きく取り上げられて、神宮球場は3日間とも超満員になりました。

第1戦のプレイボールの審判の声とともにスタンドから「オオオーーーーー」という大歓声が沸き起こりました。先発マウンドに立っていた私の頭上から球場全体に包み込まれた大歓声が降ってくる感覚になりました。こんな感じは初めてだと思いながら、投じた1球目をライトスタンドに運ばれました。球場の雰囲気が一変しました。早稲田の1塁側は静まり返り、慶應の3塁側からはさらに大きい歓声が起こりました。慶應の声の風圧はマウンドに立っている私がぐらつくくらいすごかったです。

その後は落ち着きを取り戻し、4対3で完投勝利しました。2戦目は慶應が勝ち、3戦目の優勝決戦を迎え、私は再び先発としてマウンドに上がりました。
石井連蔵監督からは「早稲田のエースたるもの先発完投。途中で代えたりしない。マウンドで困った時は魂を投げよ。」と言われてきました。これまで先発した試合はすべて完投してきたのですが、この試合は7回表、3対3、ワンアウト満塁というピンチを背負い、力尽きました。代わった1年生の大越投手が見事に1球で5-2-3のダブルプレーに打ち取りピンチを脱してくれました。その勢いで早稲田は3点取り、6対3で勝って優勝しました。
超満員の神宮球場で早慶戦ができたこと、そして優勝できたことはとても良い思い出です。

(早稲田大学 平成3年卒 市島 徹)

第8週

監督紹介

2022/10/27 UP
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立教大学

140人を超える部員がいる、この大所帯をまとめ上げているのが、溝口智成監督である。現役時代には、一塁手で二度のベストナインを獲得・優勝を経験するなど、主将としてプレーでも立大野球部を牽引する存在であった。監督という立場になった今でも、厳しい言葉のなかにも何か選手を鼓舞するような意図が含まれており、自ら先頭に立って選手たちを盛り上げる。時にはノックを打ったり、バッティングピッチャーを務めたりなど選手のために尽力する姿は一目置かれる存在である。毎日早朝から夜遅くまで、誰よりも長くグランドに立つ姿は、まさに理想の指揮官そのものだ。その姿を見て刺激を受け、選手たちは毎日厳しい練習に励んでいる。今後も溝口監督が築き上げてきた立教大学野球部はこれからも「進化」し続けるだろう。(吉本楽)

早稲田大学

早稲田大学野球部を率いるのは、小宮山悟監督だ。小宮山監督は、現4年生の入部と同時に、野球部の監督に就任した。「早稲田大学野球部のあるべき姿を取り戻す」ことを掲げ、常に学生と根気強く向き合い、早稲田の野球部はどうあるべきかを繰り返し説いてきた。就任2年目には、秋季リーグ戦で蛭間(4年=浦和学院)の逆転ホームランもあり、早慶戦で優勝を決めた。その際の優勝インタビューで、石井連蔵さんに思いを馳せ、涙を流したのは記憶に新しい。今季、小宮山監督の下で4年間鍛錬を積んだ4年生にとっての集大成、他力にはなるが、逆転優勝に望みをつないでいる。しかし、早稲田にとって、勝つことがすべてではない。「誰からも立派と思われる学生となれ」とあるべき姿を取り戻すべく、小宮山監督の闘いは続く。(菊池聡太)

慶應義塾大学

慶大の監督、堀井哲也は今季で6季目を迎える。就任当初から新型コロナウィルスの影響で例年とは全く異なる形式でのリーグ戦を迎えることになり、様々な困難があった。いかなる状況下でも前例に囚われることなく、変化を恐れずにチャレンジしていく監督の姿勢がここまで慶大野球部をリードしてきた。また、野球に対する愛が深く、長年の指導経験を生かして全部員に分け隔てなく指導する。朝から晩までグラウンドに立ち続ける姿はまさに野球仙人である。お茶目な部分もあり、部員からは「哲ちゃん」の愛称で親しまれている。秋はお世話になった監督のためにも優勝という形で恩返ししたい。勝負の早慶戦は監督含めチーム一丸となって臨む。(服部昂祐)

明治大学

絶対的エースがいない今年のチームを田中武宏監督の手腕で明治らしい粘りの野球で春季リーグ戦では6季ぶりの優勝に導いた。部員と同じ1つ屋根の下で寮生活を送り、野球だけではなく私生活など細かい点まで目を配らせ隙のないチーム作りをしている。まさに明大野球部が掲げる「人間力野球」にふさわしい。普段は寡黙な方だが、野球の目は素晴らしく的確でハイレベルな指導はチームのレベルアップに繋がっていると感じる。また、宗山塁(2年=広陵)と毎日マンツーマンで厳しい練習をおこなうなど“愛”も忘れない。第7週を終えて、春秋連覇の可能性を残している。最終カードで勝ち点をあげ、優勝に望みを繋げ田中監督を“漢”にする。(鈴木一真)

法政大学

我が法政大学野球部の監督はみなさんご存知の通り、加藤重雄である。2年前、助監督の大島公一とともに監督に就任をしたが、この2年は激動の2年であったに違いない。コロナのクラスターから始まり、様々な出来事に正面から向き合う姿から、沢山のことを学ばせて頂いた。きっと選手も同じであろう。普段は、とても温厚で、情に厚い方であるが、グラウンドでは、人一倍「勝ちたい」という強い気持ちを感じる。グラウンドでも監督室でも、「沢山の応援してくれている人の為に必ず優勝したい」といつもお話しくださっていた姿が印象的であった。その分、今回の秋季リーグの結果は残念であったが、後輩たちが必ず今年の無念を晴らしてくれると信じている。(宮本ことみ)

東京大学

我が東大野球部を率いるのは井手峻監督(昭和42年卒=新宿)である。就任して丸3年、東大野球部史上初の、プロ野球選手としての経験を持つ監督としてチームを支えてきた。普段の口数はそう多くはないものの、プロ野球界でコーチ、二軍監督、球団代表を務めた経験を活かし、良いものは良い、悪いものは悪いとはっきり選手に伝える。また、野球部の活動はあくまで“部活動”であるとの考えのもと、学生たちの意見を尊重し、チーム運営を進めてくださっている。今年のチームで勝ち点を挙げて、最下位を脱出して、恩返しすることは叶わなかったが、新チームでの選手たちの奮起、井手監督のさらなるご活躍をお祈りして、チーム2022主務としての原稿とさせていただきたい。(田中平祐)

応援席から

早稲田大学応援部

平素より、早稲田大学を応援いただき、誠にありがとうございます。
我々早稲田大学応援部は「原点」というスローガンの下、活動しております。様々なものが急速に変容していく中で、今迄の歴史を引き継ぎ、我々が新たな時代の先駆けとなるという覚悟を持ち、応援に挑んで参りました。秋季は3年振りに内野で応援をさせていただいております。皆様と共に声を出す事は叶いませんが、早稲田を応援して下さる皆様と共に、野球部の天皇杯奪還へ向けて、能う限りの力を尽くして応援して参ります。今後共、熱い応援を何卒宜しくお願い致します。
(応援部主将 齋藤 巽)

神宮六景

「3年振りの少年少女野球教室とオールスター戦の開催」

この夏、2019年以来3年振りに少年野球教室とオールスター戦を開催することが出来ました。
少年野球教室は8月24日、東京都軟式野球連盟に所属する17チーム、約250名の小学生を対象に神宮球場で開催しました。当日は六大学各校の主将をはじめ主力選手が講師となって、ウオーミングアップから、各ポジション別の練習など3時間に渡って行われ、野球教室終了後には記念撮影をして終了しました。3年振りの開催ということで参加人数も多く楽しい一日でした。
オールスター戦は8月27日に松山坊ちゃんスタジアムで開催しました。松山では当初2020年に開催予定でしたがコロナ禍により2021年に延期、しかし2021年も同様に開催出来ず、今年の開催となりました。試合は春季リーグ戦の順位より明大、法大、早大の石鎚マウンテンズと慶大、立大、東大の瀬戸内オーシャンズとの対戦となり、投打に圧倒した石鎚マウンテンズが7‐0で快勝しました。地元校友会を中心に観客も約5,000人が来場され大いに盛り上がりました。
来年も神宮球場で少年少女野球教室を開催し、オールスター戦は桐生市で開催を予定しております。

(東京六大学野球連盟 事務局長 内藤雅之)

第7週

チーフマネージャー紹介

2022/10/20 UP
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東京大学

主務の田中平祐(4年=ラ・サール高校)はまさに今年のチームの核であっただろう。東大野球部の主務だけでなく六大学を運営する東京六大学野球連盟のチーフとしても尽力した彼はその忙しさに忙殺されながらも120名を超えるチームをまとめ上げた。コロナによって合宿などの様々な行事が2年間制限され、ノウハウもほとんど残っていない状況で運営がうまくいったのも彼がチームのために奮闘してくれたおかげである。春こそ勝ち星を挙げることはできなかったが今季優勝争いを繰り広げる慶應義塾大学に勝利したのも彼の働きがあってこそであろう。普段は優しく周りに気配りを欠かさない彼は選手のみんなからも頼りにされ、そして愛されている。来週の法政戦は最後のカード。彼と、そして彼の作り上げた最高のチームをぜひ目に焼き付けていただきたい。(石井悠人)

立教大学

立教大学野球部史上初の女性主務として、その名を轟かせた彼女。その名も大河原すみれ(4年=湘南白百合学園)。圧倒的な視野の広さで幾多のピンチを救い、持ち前の責任感から身を削ってでも組織のために日々奮闘する姿は、頼れる先輩そのものだった。コロナ対策では、いつなんどきもチームを一番に考え、時には厳しい言葉をかけることもあった。その徹底力は、私の目指すところである。野球部に対する熱い思いを持った彼女が牽引したこのチームは、最高のチームへと成長した。皆さまお馴染み、彼女のトレードマークであるメガネを外し、大きな瞳を輝かせるコンタクトデビューが待ちに待たれる。1年生から寮生活をして全力で駆け抜けてきた4年間の集大成となるラストゲーム、最高の“すみれSMILE“をお目にかかれることが楽しみである。(玉井一騎)

早稲田大学

今季、昨シーズンの「一球入魂」のような明確なスローガンを掲げなかった早稲田大学野球部において、早稲田のあるべき姿を考え抜き、チームを引っ張ってきたのが主務の菊池聡太(4年=東筑)と副務の岩井寛汰(4年=早稲田摂陵)である。菊池は物事を冷静に俯瞰しつつ、内に秘める情熱でチームを引っ張ってきた。岩井は副務として菊池を支えながら、広報を束ねるチーフとして、業務の細部にまで気を配り、抜け目のないチーム運営を担ってきた。112代の伝統を誇る早稲田大学野球部の看板を背負い、来年以降にも引き継いでいくという重責に正面から向き合う姿を間近で見させていただいた経験は、かけがえのない貴重な時間であった。今年は春の5位という悔しい結果からの雪辱を晴らすべく、3年ぶりのキャンプ開催などコロナ禍での大きな変化の過程となった1年であった。その中で、2人は弊部の進む道を示し続ける指針としてここまで歩んできた。秋季リーグ戦も残すところ最終カードのみ。2人の旅路の終着点となる伝統の早慶戦、早稲田の誇りを胸に最後まで戦い続ける。(緑川悠希)

慶應義塾大学

日頃からチーフマネージャーとしてチームを引っ張り、チームの勝利を1番に願っているのが服部昂祐(4年=東京都市大付)である。1年生時にマネージャーに選任され、どうすれば選手がやりやすいかを第一に考え、日々の仕事を行う頼れる先輩だ。今夏には侍ジャパン大学代表の帯同マネージャーに選出され、オランダでの国際大会へ参加。日の丸を背負い重要な役割を担うなど、部内外問わず多方面から全幅の信頼を獲得している。ベンチに入れば大きな声でチームを鼓舞し、チームに欠かせない戦力だ。そんな彼の姿を見られるのももうわずかだが、いつか最後は来るものである。その舞台こそが「早慶戦」であり、集大成。その背中をしっかり目に焼き付ける。(藤井快)

明治大学

昨年に引き続き明治大学野球部の主務を務めるのは効率モンスターこと鈴木 一真(4年=明大中野八王子)。主務として莫大な量の仕事を効率よく何なりとこなす。コロナ禍で通常のマネージャー業務に加え、直面する問題に対して、苦しい顔一つ見せず、行き先が不透明な中でもチームが進むべき方向に舵を切った。そして、彼の部内での信頼は厚く、チームにとって唯一無二の存在だ。厳しい中にも優しさの溢れる彼の笑顔に何人が救われただろうか。また、トイレ掃除や道具の管理も積極的に行い自らの姿勢でもチームを引っ張る。主務2年目という今年は1年目の経験を活かして春季リーグ戦ではチームを優勝に導いた。勝ちに対する執念は誰よりも強く、常にチームのことを一番に考えている彼が、”日本一の主務”を目標に今季もチームを優勝へ導く。(森裕規)

法政大学

チーフマネージャー。それはチームの顔であり、来客の対応、オープン戦や遠征等のスケジュール管理はもちろんのこと、野球部の活動がより円滑に、充実したものとなるために行う仕事は多岐にわたる。今年度は、法政大学野球部の長い歴史の中で、創部以降初めての女性のチーフマネージャーとして、宮本ことみ(4年=法政)がチームを牽引してきた。彼女は、常にチームのことを最優先に考え、選手が野球に集中することができるような環境づくりを積極的に行っていた。また、端麗な容姿からは想像することができないスタミナとパワフルさをもち、これまでの仕事に加え、チーム運営においてより良いものを新たに取り入れ実践してきた。そんな彼女の姿から、私たち後輩マネージャーは日々多くの刺激を受け、来年、再来年と法政大学野球部をさらに飛躍させ、常勝軍団への復活を目指さなければならないと感じている。そして四年生にとって最後のリーグ戦も、残すところ今週末の東大戦のみとなった。誰よりもチームを第一に考え、駆け抜けてきた4年間の集大成。神宮球場での彼女の輝きを目に焼きつけてほしい。(對馬大浩)

応援席から

明治大学応援団

日頃より、共に熱く応援を行って下さり、どうも有難うございます。
明治大学応援団は「声と拍手」に拘り、日々、選手の方に届く応援を追求しております。昨今は新型コロナウイルス感染症対策の為、お客様の発声が禁止されている事を受けて、応援の中に拍手を多く取り入れるようにしました。どのような場面であっても我々と共に拍手をして下さるお客様、そしてその思いに応えて勝利を掴んで下さる野球部の方々には感謝しか有りません。このように神宮球場で野球応援ができていることにも感謝し、毎試合に全身全霊で、応援席が一体となって、野球部の日本一、「頂戦」を後押しして参ります。

第6週

我が部の俊足選手

2022/10/12 UP
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法政大学

鈴木大照(2年=明徳義塾)はチームNo.1の走塁力と捕内外野全てを守れるユーティリティさも兼ね備えた法政のスピードソルジャーである。今秋は主に代走で試合に出場し、常に先の塁を狙う抜け目のない走塁、抜群の判断力と瞬発的な走力は、チーム全体から厚い信頼を寄せている。また、走塁にとどまらず、打撃面においても今年から新たに左打ちに挑戦し、夏季オープン戦では、安打を放つなど、ハイセンスさと高い対応力を発揮している。謙虚で真摯に野球と向き合う姿と、愛嬌のある可愛らしさでチームから愛される法政の韋駄天、鈴木大照が神宮球場を駆け巡る姿に注目してほしい。(宮本ことみ)

東京大学

伊藤翔吾外野手(4年=開成)の名前を我が部の俊足選手として挙げたい。積極走塁で得点を図るスタイルが確立されつつある東大に欠かせない存在で、今季は1塁ベースコーチとして選手に指示を送りながらここぞの場面での代走起用に備えている。出場すれば自慢の足でダイヤモンドを駆け回り、実際今季は代走で起用された4試合のうち3度得点を果たしている。痺れる場面での起用が続く中で自信を持って走れるのは、繰り返した走塁技術の練習と、走塁長として重ねた相手の分析の賜物である。秋季リーグ戦も残り1カードとなったが、東大の勝利、最下位脱出を引き寄せる活躍にぜひ注目してほしい。(田中平祐)

立教大学

立大の俊足選手と言えば、道原慧(4年=駒大苫小牧)をはじめとした何人ものスピードスターがいるが、その中でも今回は森村陽(4年=國學院久我山)を紹介しようと思う。盗塁3.20秒をマークする彼は、持ち前の俊足を活かした守備と走塁術だけでなく、パンチ力も併せ持っており、走攻守三拍子が揃った逸材である。試合前の余興を担当するなどお茶目な一面を見せる彼だが、グラウンドに立てば誰よりも大きな声を出し、誰よりも真面目に野球に取り組む熱い情熱を持つ。リーグ戦では代走として出場し、持ち前の俊足で盗塁を決める時もあれば、相手バッテリーにプレッシャーをかけて打者を助けることもり、試合で果たす役割は非常に大きい。プレッシャーがかかる場面でも大胆なプレーができるのは、誰よりも努力してきたという自信なのかもしれない。彼の足が立大に勝利の得点を呼び込み、優勝が懸かる後半戦を制していく。(白石優依)

早稲田大学

我が部で俊足の選手を1人挙げるなら松木大芽(4年=金沢泉丘)だろう。下級生の頃から、持ち前の俊足と守備範囲でメンバー入りをしてきた。第4週の東大との試合では、スタメンに抜擢され、8打数4安打2盗塁と大活躍。守備でもファインプレーを連発し、大学ラストシーズンで大暴れしている。夏の南魚沼キャンプでは、高いミート力でバッティングにも自信がある中、持ち前の俊足を活かすためバント練習をひたすら行い、「早稲田の仕事人」としてさらに持ち味に磨きがかかっている。残り2カード、神宮で駆け巡る背番号「24」に大注目だ。(岩井寛汰)

慶應義塾大学

慶大の主砲である萩尾匡也(4年=文徳)は鋭い打球を放ち、長打・本塁打も放つ重量級の打者である。もう一つ、彼の強みは足が速いことである。大柄な見た目からは想像し難いが、バネのある彼の走りは単打を長打に変え、盗塁を可能にし、中堅手としても広い守備範囲を可能にしている。今夏に選出された大学日本代表においても50m走で上位5名以内に入るほど彼の俊足ぶりは突出している。走・攻・守の全てで泥臭く全力でプレーする萩尾の足にも今秋は要注目である。(服部昂祐)

明治大学

主将・村松開人(4年=静岡)をも上回るスピードスター・飯森太慈(2年=佼成学園)が神宮のダイヤモンドを駆け回る。昨季から自慢の俊足を武器に彼にしか出来ない役割を果たし、チームに欠かせない存在に名乗りをあげた。この夏に更なる急成長を果たすと、今季東京大学との開幕戦に1番レフトでスタメンに名を連ねた。その後は2番打者として全試合に出場すると3番宗山塁(2年=広陵)、4番上田希由翔(3年=愛産大三河)と東京六大学屈指の打者の前で相手の神経をとことんすり減らしている。彼の魅力は何と言っても、俊足揃いの明大でも群を抜く「とにかく速すぎる」脚だ。走ると分かっていても止められず、スタートを上手く切れない場面でも走塁技術を発揮し次の塁を盗む。走る姿を見るとベンチもスタンドも「速い」と思わず口にしてしまう。東京大学戦では脚が速すぎるがゆえに、スライディングでベースを通過しアウトになる場面も見受けられた。打撃面でも163cmと小柄な体格からは想像できないパンチ力も侮れない。また対法政大学1回戦では緊迫した展開を打破するタイムリーセーフティ―バントで勝負を決めた。また脚力を活かしてジャンプする打席前のルーティンも必見だ。「小さな巨人」が快足を飛ばしてリーグ優勝に大きく前進するホームを踏むことだろう。(鈴木一真)

応援席から

慶應義塾大学應援指導部

新型コロナウイルス感染症の影響で、約2年間思うような応援活動が出来ませんでした。それでも屈することなく、塾野球部の皆さんが勝利への熱情を持ち、変わらぬ強さを誇り続けたことに、沢山の感動と勇気を頂きました。そんな中で、やっと内野席で、今まで以上に近い距離で応援出来ることを心より嬉しく思っております。
「頭を使って行動すること」は慶應らしさの一つです。選手が最後の瞬間まで全力を出し切れるよう、我々も最後の瞬間まで応援を模索し続けます。慶應らしい応援で社中一体となり、全力で塾野球部を後押しして参ります。
(應援指導部四年生一同)

神宮六景

2020年に入り、この年は東京オリンピック開催の年となるはずでした。この年度は明治大学が当番校となり、さまざまなところで例年とは異なる対応が迫られる年となることを覚悟しておりました。しかし、突然のように襲ってきたコロナ感染の大禍。オリンピックの開催も1年遅れとなり、リーグ戦もさまざまなかたちでこれまでにない対応を迫られることとなりました。私も理事長として、マスコミ対応等の仕事で汗を流したことを記憶しております。以来3年近くが経過し、その間、連盟事務局の皆さんの対応ぶりには頭が下がる思いでした。
2021年3月末をもって大学を退職、私は部長の職も退任しましたので、現在は観客席から応援させていただいております。

私の研究の専門はマネジメント、特にマーケティングです。ここ10年の研究テーマは企業と顧客の「共創」のあり方についてです。企業にとり顧客は単なる購買者あるいは提供されるものをただ受け入れる存在ではなく、企業にとってはかけがえのないパートナーであるという視点の重要性について理論的・実証的な研究を進めてきました。
この間、神宮球場は、私の研究にとって貴重な機会を提供してくれました。スポーツ・マーケティングの世界も今大きな変革の時代を迎えています。スポーツの世界でも、アスリートの技量、指導者の手腕、施設面での充実、諸運動機器の高度化、イベント主催者・スポーツ諸団体の支援、メディアの支援等が揃っていることは必要不可欠な要件です。しかし、その中で特に重要なものの一つが観客の存在です。スポーツの世界でも、優れた価値を生み出すには応援する観客の存在が欠かせないと言うことです。

このコロナ禍の中、本リーグ戦も無観客、無応援団ですすめられてきた時期を経験しました。球場に響くのはバットからの快音とミットに吸い込まれる球の音、そして選手同士で掛け合う声のみでした。それ以外は静寂の中。そこで体感したのは、いかに観客、声援してくれる皆さまの存在が大きいかということでした。これはすべての競技、すべてのアスリートが感じたことだと思います。
つまり、スポーツ競技にとり、観客は単なるお客さんではないということです。支援していただける観客はスポーツ競技の価値を「共創」してくれる重要なメンバーです。それを心底、実感させてくれたのがここ数年です。この意味で、私にとって、この経験がスポーツ・マーケティングの研究面でさまざまなヒントを提供してくれました。

最後になりますが、私の人生で貴重な12年の歳月を提供してくれました東京六大学野球連盟、明治大学野球部に感謝しますとともに、これから一層の発展を祈念しております。ありがとうございました。
(明治大学野球部 前部長 井上崇通)

第5週

守備の要

2022/10/6 UP
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明治大学

指揮官から全幅の信頼を寄せられた蓑尾海斗(4年=日南学園)が司令塔を務める。彼の最大の持ち味はゲームメイク能力である。数々の投手の状態を見極め、攻めのリードで牽引し相手打者を翻弄。あらゆる局面を経験し培った野球勘を活かした観察眼を武器に的確な指示を出す。主将・村松開人(4年=静岡)がフィールドにいながらも主将よりも長けたゲームメイク能力を存分に発揮している。またムードメーカーとしての役割も忘れない。明るさでチームを盛り上げ、ファールフライでフェンスギリギリまで追う姿やカバーリングでフィールドを全力疾走する姿はスタンドを盛り上げる。1年春は森下暢仁投手(R2卒=広島東洋カープ)の優勝を決める投球をミットにおさめ、昨季は6季ぶりのリーグ優勝を決めるサヨナラ犠飛を放ち、歓喜の輪の中心にはいつも蓑尾がいる。優勝請負人が躍動する姿を是非神宮球場でご覧いただきたい。(鈴木一真)

法政大学

今秋の法政の守備の要は、大柿廉太郎(4年=健大高崎)である。彼は2年生から正捕手として活躍し、2020年の夏に開催されたリーグ戦では、優勝にも貢献した。3年生の時には、出場する機会が減ってしまったが、このラストシーズンでは彼が守備の要としてチームを牽引する。そんな豊富な経験値のある彼のキャッチャーとしての出立ちは、チームに安心感を与えてくれている。今秋は主に一戦目のスタメンマスクを被る彼だが、ここまで、多くの厳しい投手戦を乗り越えてきた。そして彼の魅力は、守備だけではない。明大戦では、チームとして安打がなかなか出ない苦しい状況で、2本の長打を放ち、打線に勢いをつけた。攻守ともにチームを勢いづけてくれる存在である。ラストシーズン、残り少ないカードだが、「扇の要」でチームをリードする大柿の活躍に期待して欲しい。(宮本ことみ)

東京大学

東大の守備の要といえばやはりこの選手であろう。松岡泰希捕手(4年=東京都市大付)である。3年春からスタメンに定着してマスクを被り続け、東大守備の中心として活躍を続けている。多くの時間を費やして相手打者を研究し考えた配球、試合中の投手と野手のリード、勝負所での盗塁阻止、など東大の守りにおいての松岡の貢献度は間違いなく大きなものである。この1年は主将という重責、対戦相手からの警戒、メディアからの注目など、数多くのプレッシャーと闘いながらの日々だっただろう。それでもそのプレッシャーを跳ね除けるようにグラウンド上でもベンチの中でも声を張り上げてチームを鼓舞し戦う姿は、守備の要でありかつチームの要である。松岡を中心としたチーム一丸の守りで、目標とする最下位脱出に向け残るリーグ戦も勝利を積み重ねていきたい。(田中平祐)

立教大学

立大の守備の要といえばなんといっても井上剛(4年=佐久長聖)だろう。強肩と俊足を活かした安定感とセンス溢れるプレーで昨春にレギュラーを獲得すると、華麗な守備で観る者を魅了し、これまで幾度となくチームのピンチを救ってきた。井上は自身のプレーだけでなく、チームメイトにも日頃から積極的にアドバイスを送っており、後輩たちが自ら井上に意見を仰ぎに行くことも少なくない。また、気さくで親しみやすい性格で、選手スタッフ問わず話しやすい人柄も魅力である。今季も井上の存在がチームの勝利に大きく貢献すること間違いない。(大河原すみれ)

早稲田大学

早大の守備の要は山縣秀(2年=早大学院)である。山縣は、言うなれば早稲田の超新星だ。この夏、熾烈な遊撃手争いを制し、秋季リーグ戦初戦からスタメンで出場すると、持ち前の図太い神経と守備力が爆発し、大変な輝きを放つが如く、幾度も守備でチームを救っている。飛ぶように軽快なフットワークで打球を追いかけ、手品のような手さばきでボールを握り替え、軽いスナップで矢のような送球を放つ姿は見る人を惹きつける。三塁を守る中川卓也(4年=大阪桐蔭)や、二塁を守る熊田任洋(3年=東邦)といった先輩達に引けをとらず、遊撃手としてチームを牽引する山縣は優勝に欠かせない存在としてまだまだ成長中だ。(菊池聡太)

慶應義塾大学

『朝日晴人(4年=彦根東)』慶大が誇るショートストップだ。3年時から持ち前の強肩を生かし、慶大の遊撃手として定位置を獲得した。軽快なフットワークで広い守備範囲を誇り最後までボールに食らいつく。ショートからの送球はその見た目からは想像できないほどに鋭く強い球が放たれる。溌剌とプレーする彼の真骨頂は「泥臭さ」である。どんな形でもアウトを取りに行く姿勢に彼の執念を感じる。イニング間には毎回全力で守備位置まで走り、要所で周囲に声をかけて仲間を鼓舞する。いつでも笑顔で全力で野球をする朝日は慶大の元気印だ。打撃面でも昨秋の不振を見事に克服し、今春は打率2位の活躍を見せた。いつでも「青春」している朝日晴人を最後まで見届けてほしい。(服部昂祐)

応援席から

法政大学応援団

平素より法政大学に熱い応援をいただきまして誠にありがとうございます。
本年度は制限がある中ではございますが、内野席応援が復活し、皆様と近い距離での応援が叶いました。以前のように声を出しての応援は難しい状態ではございますが、皆様と気持ちを一つにして母校の名のもとに活躍する選手の背中を押せる応援をするべく団員一同精進してまいります。又、97代体制の集大成として、受け継がれてきた伝統を後輩達に残し、今後百年続く応援を残すべく我々の姿で示す所存です。
秋の優勝を目指し、これからも変わらぬ応援のほどよろしくお願い致します。

(団長 柴山直也)

神宮六景

時が経つのは早いもので、私たち同期は来年、大学を卒業してから25年を迎えます。
それぞれの道で活躍している仲間と集まると、当時に戻ったかのように思い出が鮮明によみがえります。
同期の仲間と共に野球をしたのは1994年~1997年の4年間。優勝したのは唯一、私が大学4年時の1997年春季リーグ戦でした。

慶應は早稲田から勝ち点を取れば優勝という状況。
第1戦は5対2で勝利。優勝するなら連勝しかないと意気込んで迎えた第2戦は2回までに5点をリードされてしまう厳しい試合展開となりました。しかし、ベンチではひとりひとり自分の役割に集中し、まだまだこれからだと勝つことを疑う選手は誰ひとりといませんでした。その結果、7対6の逆転勝利で優勝を果たすことができました。

私が大学生だった当時、学ランを着用し電車で神宮球場入りするのが通常でした。
日吉駅から東横線の終点渋谷駅まで行き、銀座線に乗り換え2駅目の外苑前駅で下車。スタジアム通りの緩やかな坂道を上り、秩父宮ラグビー場を過ぎると右手に赤茶色の明治神宮野球場が見えてくる。徐々に緊張感が高まっていく。

リーグ戦最終カードの早慶戦、特に春の早慶戦は学生たちが応援席の席取りをするために徹夜で並ぶ光景も珍しくはなかった。
学生たちの列の横で試合前のウォーミングアップをする。頑張れ!と声を掛けられ、気持ちが昂る。
試合前バッティング練習を終え、ロッカーで着替えるなど試合の支度をして、再び薄暗く狭い階段を降りグラウンドに入ると目の前は多くの学生たちがスタンドを埋め尽くしている。
いつも通り、早稲田の学生の方が多く左中間まで支配している。そして、大歓声の中でプレーボール。

この文章を書いているのは、2022年秋季リーグ戦の2週目の最中です。
これまでに経験したこともないほど大型で非常に強力な台風が日本列島を襲っています。異常気象、コロナとひと昔前とは環境が大きく変わってしまいました。
コロナ対策のために現在選手たちはバスで神宮球場入り。声を出さずのスタンド応援。神宮球場にくる学生たちの数も減ってしまいました。
嬉しいことに、今シーズンからは応援指導部が内野席に戻ってきました。少しずつ、これまでの神宮球場の風景に戻りつつあること実感しています。

秋季リーグ戦は、4年生にとって最後のシーズン。
最高の学生生活だったと10年後、20年後に思えるよう、精一杯野球をして欲しいです。
微力ですが、私自身も選手たちにできる限りのサポートをしていきたいと考えています。

最後に、一日も早く、コロナ前と同じように満員の神宮球場でプレーできる日が戻ってくることを、多くの学生たちが神宮に戻ってきて、スタンドで肩を組みながら若き血を歌う中で試合ができる日が戻ってくることを願っています。

(慶大 平成10年卒 根岸弘)

第4週

打撃の要

2022/9/28 UP
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慶應義塾大学

慶大打線の中軸を担うのは廣瀬隆太(3年=慶應)である。長打力と状況に応じた巧打、そしてチャンスでの勝負強さを武器にしている。一度は彼の豪快なスイングを目にしたことがあると思うが、甘い球は容赦なくスタンドへ運ぶ彼の存在は対戦相手にとって脅威である。今夏に選出された大学日本代表では同学年の明大・上田希由翔などレベルの高い仲間と時間を共に過ごし、多くの刺激を受けた。また、夏場の数多くのオープン戦を通して実践感覚を養い、オランダでの国際大会、松山でのオールスター、高校日本代表との壮行試合を通じて大舞台での場数を踏んだ。一夏を通して多くの経験値を得た彼の打撃力はさらに磨きがかかった。チームを背負う自覚と責任も芽生えており、さらに頼もしさが増した彼の活躍に今季も要注目である。(服部昂祐)

明治大学

歴代錚々たるスラッガーが背負った明大の背番号「25」。1年秋から4番に座る「頼れる主砲」上田希由翔(4年=愛産大三河)が明大打線の鍵を握る。誰もがうらやむ体格から放たれる打球は文字通りきれいな放物線を描きスタンドまで飛んでいく。昨季は打率3位、打点2位の結果を残し自身初となるベストナインを受賞した。しかし大事な局面で凡退し4番の役割を果たせず苦しむ姿も垣間見えた。この夏には侍ジャパン大学代表にも選出され、日の丸を背負い4番を務める活躍も見せた。世界レベルを肌で感じ周囲からも刺激を受けるなど一回りも二回りも成長を遂げた。今季は開幕戦から本塁打を放つと、勢いは留まることなく対東京大学3回戦では先制本塁打を含む3打数3安打と大暴れした。また、今季からはサードを主戦場とし、チーム屈指の俊足を生かし走攻守でチームに欠かせない存在となっている。一振りで戦況を変える豪快さに加え、天性のバットコントロールも併せ持つスラッガーがチームを救う一打を放つ。(鈴木一真)

法政大学

今年の法政打線に欠かせないのは間違いなく今泉(3年=中京大中京)であろう。昨春リーグ戦では、3本の本塁打を放ち、打率.286の好成績を収めた。春で強く印象に残っているのは慶應義塾大学戦1回戦、3点を追いかける5回、彼の一振りでその差を詰め、サヨナラ勝ちに大きく貢献した。今秋からは4番打者として定着し、打撃でチームを大きく引っ張ってくれている。思い切りの良いバッティングに加え、性格は真面目で謙虚であるため、先輩後輩関係なく信頼があり、「今泉なら打ってくれるだろう」という期待もある。彼の存在は、精神的にも法政打線の支柱となっていると言えるだろう。彼のチームに勢いをもたらし、優勝へと導く一打に乞うご期待あれ。(宮本ことみ)

東京大学

今年の東大打線を牽引するのは宮﨑湧外野手(4年=開成)である。今季は開幕週の明治大学戦こそアクシデントで出遅れたものの、第2週の慶應義塾大学戦から復帰。復帰初戦で貴重な追加点となった適時二塁打を含む2安打をマークして東大1年振りの勝利に貢献した。通算10盗塁を記録している脚力も自慢で、走塁に力を入れ得点を目指す今の東大打線に欠かせない存在だ。個人としてのみならず、副将としてチームを支える宮﨑だが、打撃長の役職も兼ねており、チームの打撃改善に力を尽くす日々を送っている。チームとしての今季5試合21得点は、試合に出る選手・分析に力を入れた控え選手、チーム全員の力によるものだが、それを打撃長として取りまとめる宮﨑の貢献度は間違いなく大きい。残る試合も上位打線を任される場面が多いであろう。チーム目標である最下位脱出へ、チームを勝利に導くさらなる一打に期待したい。(田中平祐)

立教大学

立大の打撃の要として、吉岡広貴(4年=広陵)を挙げる。2020年度春季リーグ戦に代打で神宮デビューを果たし、2021年度春季リーグ戦では熾烈なメンバー争いに勝ち先発出場も果たした。彼の強みは主に2つある。1つ目は【巧みなバットコントロール】だ。今春、不動のレギュラーとして初めて規定打席に到達した吉岡は、チームトップとなる打率.333を記録した。特に、カウントが追い込まれてからの粘りの打撃は、彼の強みを体現しているといえる。2つ目は【勝負強さ】だ。吉岡の勝負強さを象徴する試合が、2試合ある。1試合目は、2021年度春季リーグ戦・法立1回戦だ。1点ビハインドで迎えた9回裏2死2塁。この場面で、代打に吉岡が送られた。カウント2-2からの6球目、吉岡が放った打球はセンター前ヒットとなり、2塁走者が生還。土壇場での同点タイムリーヒットとなった。塁上での大きなガッツポーズは今でも強く印象に残っている。2試合目は、2022年度秋季リーグ戦・法立2回戦だ。お互い譲らず同点で迎えた延長10回裏。3者連続四球による1死満塁の好機に、打席が回ってきたのは吉岡だった。カウント2-1と追い込まれた4球目、しぶとく放った当たりはライトの前に落ち、サヨナラヒットとなった。まさに、彼の勝負強さを見せつけた試合だった。今季も、彼の打撃がチームを勝利に導くと信じている。(吉本楽)

早稲田大学

打撃の要。それは、背番号「1」蛭間拓哉(4年=浦和学院)である。この4年間、「蛭間に回せれば大丈夫」という仲間からの大きな信頼を胸に、持ち味の勝負強いバッティングで、早稲田を勝利に導いてきた。バッターボックスでのオーラは凄まじく、彼のフルスイングは見ものである。しかし、日本代表を経験し、六大学で一番のバッターに成長した彼は徹底的なマークで、最終学年のリーグ戦で思うような結果が出ずに苦しんでいる。それは、彼にとってさらにレベルの高いバッターになるための試練であろう。毎日自身の打撃を見つめ時間をかけて練習している姿は、チームメイト全員が見ており、「蛭間なら必ず打ってくれる」と信じている。蛭間が本領を発揮した時、「早稲田の打棒」が完全復活する。(岩井寛汰)

応援席から

立教大学体育会応援団

東京六大学野球秋季リーグ戦を開催するにあたり、ご尽力頂いた方々に心より感謝を申し上げます。

私達応援団はこの三年間、変わりゆく環境下で活動をする中で、周囲の方々に支えられていた事を再度痛感しました。
又、その中で、この秋リーグ戦、内野席で応援を行える事に、この上ない喜びと感謝を感じています。
今の私達に出来る事は、その様な環境を作って下さった全ての方への感謝を応援として魅せ、野球部と共に優勝を目指す事であると考えています。
今迄の応援団が、そして現在の応援団が大切にしている「想い」を全力で応援席から届けます。

立教大学の応援席にて皆様をお待ちしております。
(松本 健)

神宮六景

「神宮がくれた出会いに感謝」

審判員として活動をさせていただき7年目を迎えます。私が審判員の道を志した理由は、マネージャーとして過ごした学生時代に諸先輩方と業務を通じて、沢山の接点を持ったことをきっかけに「審判員は生涯にわたり東京六大学野球に携われる立場」であることに気づかされ、大好きな野球に携わりたい、お世話になった母校・そして六大学へ恩返しができる環境だったからです。

初めて審判員として立った神宮球場は、マネージャーとしてスコアブックを片手にダグアウトから見つめていた景色とは全くの別世界でした。応援団の奏でる音色、選手を鼓舞するファンの声援、1球に賭ける選手の眼差し、これまでも感じていたはずだった、全ての光景が初めてに思えるほど心打たれ感動したことを覚えています。それほど私にとって卒業後も神宮の舞台で六大学に携わり、さらに審判員として活動することは特別な時間であるのだと思います。

ありがたいことに勤め先でも六大学に携わる仕事をさせていただいており、公私ともに充実した日々を送っております。仕事でも様々な方にお会いする機会がありますが、六大学出身者に出会うと自然と心が和む瞬間があります。これは4年間、リーグ戦を制して神宮で天皇杯を手にするという六大学しか成し得ない共通の目標に向かって6校が切磋琢磨してきた歩みが生んだ、素敵な絆だと思います。

審判員として活動する特別な時間。社会人として出会いに感じる六大学の絆。すべては六大学の一員として、神宮に集うことで得ることができた財産です。

私はこの先も感謝の気持ちと初心を忘れずに審判員としてグラウンドに立ち、東京六大学野球の発展と恩返しのため、そして何よりも現役選手・学生スタッフ・マネージャーたちが神宮の舞台で輝けるよう、一緒に努力していきたいと思っております。

(法大 平成26年卒 法政大学審判員 浅田祐太朗)

第3週

この選手に注目!

2022/9/21 UP
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早稲田大学

攻撃中はサードコーチャーボックスから、守備中はベンチから、人一倍声を出すチームで一番熱い男、冨永直宏(4年=國學院久我山)に注目してほしい。彼は、2年の秋に選手から学生コーチに転身した。2年時秋のフレッシュリーグではレフトオーバーのツーベースヒットを放つなど、選手としてさらに飛躍を遂げる可能性があったにもかかわらず学生コーチとなったのは、他でもなくチームの勝利の為である。この夏の、早稲田の成長には彼の存在が必要不可欠であった。首脳陣からも選手からも絶大な信頼を誇る彼が、日々グランドで選手と対峙し、時に厳しく時に寄り添いながら、鍛錬の場としての、練習の雰囲気を醸成してきたことがチーム力の底上げにつながっている。もちろん主将副将がチームを中心で引っ張ってきている訳だが、その裏の中心で、陰に陽にチームを牽引する彼の姿は見る人に勇気を与えるはずだ。(菊池聡太)

慶應義塾大学

慶應の代打の神様といえば誰を思い浮かべるだろうか。慶應ファンであれば皆が北村謙介(4年=東筑)と口を揃えて答えるだろう。神宮の舞台で活躍することを夢に、一般入試で慶大の門を叩くと下級生時代は黙々と練習に励んだ。昨春から代打起用でリーグ戦に出場すると、しぶとい打席や得点が欲しい場面でしっかりと打点を残すなど監督の期待に応え続けた。昨秋の明大2回戦では9回表2アウトから代打ホームランを放ちチームを救ったことは記憶に新しい。4年生となった今年も着実に経験値を積み重ねてきており、一夏を越えて更にパワーアップした彼の打撃力は対戦相手を脅威にさらす。ラストシーズン、過去最高の北村が解き放たれる。(服部昂祐)

明治大学

チャンスでこの男ほど怖いものはない。昨春の立大1回戦、全日本大学野球選手権大会準々決勝佛教大戦の両試合では9回2アウトから一時同点適時打を放ち野球の醍醐味を教えてくれた。西山虎太郎外野手(4年=履正社)は1年春からスタメンに名を連ねるなど鮮烈な神宮デビューを果たすと、その勢いのまま2年秋には遊撃手ベストナインを獲得する華々しい大学野球人生を送っていた。しかし皆さんご存じの通り明大内野陣の層の厚さゆえにレギュラー争いは他にはないほど熾烈であり、ベストナイン受賞者でもレギュラーが確約されない厳しい世界であった。生き残りをかけたラストイヤーは外野にも挑戦し、オールラウンドプレーヤーとして昨季はチームを6季ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。今季も持ち前の勝負強さ、野球センスでチームに欠かせない存在として活躍を見せる。応援してくださる方の期待を一身に背負い、「虎」のごとく躍動し春秋連覇を手繰り寄せる。(鈴木一真)

法政大学

今シーズン、注目して欲しいのは吉鶴翔瑛(2年=木更津総合)である。昨春こそ出番は多くなかったが、この夏、大きな成長を遂げ、今シーズンは尾﨑完太(3年=滋賀学園)と共に法政の投手陣の主軸として躍動する。出所の見えにくいフォームで相手打線を翻弄し、先発した先週の早稲田大学戦では、粘り強く4回を投げ切った。また自己最速の150km/hを記録し、場内を沸かせた。彼をはじめとし、投手陣の健闘があったが打線が繋がらず、早稲田戦は惜しくも勝ち点を落としてしまったが、まだ優勝の望みはある。最後まで粘り強く戦い抜き“優勝”を掴み取る瞬間を是非見届けてほしい。(宮本ことみ)

東京大学

この秋の注目選手として大井温登外野手(3年=石川県立小松)の名前を挙げたい。2022年春季リーグ戦でデビューを果たした3年生で、デビューから2打席目で初安打を記録。その後も代打で出場を重ね、10打数4安打の記録を残した。夏のオープン戦でも好調を維持して安打を重ね、今季は「1番・レフト」として開幕スタメンを勝ち取った。副将の宮﨑湧外野手(4年=開成)がベンチを外れるというアクシデントがあったとは言え、首脳陣の大きな期待の表れであろう。ゆったりとした構えから鋭い打球を広角に飛ばす「打棒」にぜひご注目いただきたい。また、野球とは直接関係ないのだが、実際の表情と打席前にビジョンに表示されるヘッドショットでの表情のギャップにもご注目。実際の方が数百倍良い表情をしているので、神宮球場でぜひご確認を(笑)。(田中平祐)

立教大学

この秋は蒲生潤(4年=岩手県立高田)に注目していただきたい。本年度に岩手県陸前高田市で行われた1軍の夏季キャンプには補助として帯同。リーグ戦出場経験はないが、誰よりも野球が大好きな蒲生はその後も人一倍の努力を続けた。そして、キャンプ後に与えられた少ないチャンスで結果を残し、着実にアピールを重ねてチームで頭角をあらわした。彼の持ち味は小柄な体格からは想像できないパンチ力のあるバッティングで、且つここ一番での勝負強さも併せ持っている。また、持ち前の陽気な性格で場を盛り上げ、誰からも愛されるチームのムードメーカーでもある。4年間の集大成となる今季、「苦労人・蒲生」のバットがチームを悲願の優勝へと導き、ラストシーズンに花を添える。(白石優依)

応援席から

東京大学運動会応援部

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。さて、本年度は春季リーグ戦最終カードから、応援部/応援団/応援指導部が内野席で応援をすることが可能となりました。三年ぶりの内野席の景色は弊部四年にとっては非常に懐かしく、下級生にとっては初めてのものでした。お客様の拍手と共に選手をより近くで応援出来る喜びを、ひしひしと感じております。ご尽力頂いた全ての方に感謝申し上げます。そして、ついに秋季リーグ戦が幕を開けました。東京大学は初戦から絶好調、春の王者明治大学を引き分けに抑えます。更に、対慶應義塾大学戦での見事な勝利は、硬式野球部の皆様が目標としていらっしゃる「最下位脱出」に繋がる大きな一歩となりました。更なる勝利の為に、応援部一同力を尽くし、最後の最後まで応援して参ります。
(主将 杉田南実)

神宮六景

1985年、31年ぶりに立教高校が甲子園に出場しました。当時私は高校1年生で、予選に3試合出場させていただきました。ただ、甲子園で試合に出ることはできませんでした。
高校卒業後、迷うことなく入部した立教大学野球部では、1989年に23年ぶりに秋季リーグ戦優勝、1990年の秋季リーグ戦も優勝し連覇を達成しました。私が大学2年、3年の時でした。とにかくラッキーでしたし、仲間にも恵まれて、良い思い出を作ることができました。大学4年の時に東京大学に200勝を許したのも今では良い思い出です。

野球はリトルリーグから始めましたが、一番緊張した場面は、神宮球場で初めて打席に立った時です。急に膝がガクガクして震えが止まりませんでした。53歳になりましたが、後にも先にもあれほど緊張したことはありません。
卒業して社会人になり、銀行員時代、マーケティング会社時代、現在の会社経営者になるまでと、いろいろなジャンルの職業の方とお会いしてきましたが、東京六大学野球でプレーしていたことが話題となり、そこから人とのつながりに変わり、新しいビジネスに結びつくことが多々ありました。大変ありがたいことです。東京六大学野球の底知れぬパワーが今の礎を築いていると思います。

現在、野球部OB会副会長として、毎試合神宮球場に足を運んでいます。正直、現役の時の勝利より、OBとしてスタンドから母校の勝利を見届ける方が、何倍もうれしく感じます。
今シーズン、我が立教大学が優勝し、OB会副会長として学校と選手のために、優勝祝賀会や優勝パレードの手配など、お手伝いさせていただくことが何よりの幸せだと思っています。
(立大 平成4年卒業 セントポールズベースボールクラブ 副会長 菅原勇一郎)

第2週

ラストシーズンにかける思い

2022/9/14 UP
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立教大学

気づけば私たちの代もラストシーズンと言われる時期となった。今年の4年生は昨年からリーグ戦出場機会に恵まれた選手が多く、新チーム発足時からリーグ戦優勝・日本一を成し遂げるという強い覚悟をもって練習をしてきた。しかし今春のリーグ戦では優勝を目前に臨んだ明治との直接対決で敗れ、一勝の厳しさを改めて突きつけられた。私たちにとっては泣いても笑ってもラストチャンス。これは立教だけでなく他五大学にとっても同じだ。しかし優勝に懸ける思いは六大学で一番だと思っている。4年生38人が選手スタッフ一丸となり、チームのために各々の立場からいまの自分たちにできる最高のパフォーマンスを存分に発揮したい。そして、このチーム、この仲間たちとともに、『進化』の集大成として必ずや優勝を掴み取る。(大河原すみれ)

早稲田大学

「最上級生になって優勝する」。4年生は、この4年間の集大成を発揮するときが遂に来た。「早稲田で野球をやりたい!」という想いを持って、3年前に早稲田大学野球部に入部してきた4年生のほとんどは、秋季リーグ戦をもって、野球人生に終わりを告げる。幾多の困難や多くの喜びを分かち合い、互いに高めあってきた仲間と「優勝」という最高の結果で終わりたい。選手として努力し続ける者、学生コーチ・トレーナーとして、選手を必死に支える者、マネージャー・データ班として、チームを支える者、1人1人のチームへの関わり方は違うものの、「優勝」という目標に対して、チーム全員が同じベクトルで鍛錬してきた。早稲田の歴史を学び、早稲田大学野球部の一員であるという「早稲田への感謝」も胸に、「一球入魂」の精神で、ラストシーズンに懸けたい。(岩井寛汰)

慶應義塾大学

この秋のリーグ戦は4年生にとってラストシーズンとなる。1年生の3月頃からコロナ禍となり、多くの制限がかかった。各校、様々な環境の変化に対応し、これまでの常識に囚われず常にベストな形を模索してきた。今ではコロナ前のリーグ戦を知る最後の代となったが、今年は多くの方のご尽力により、通常時に近いリーグ戦を経験することができている。神宮の舞台に立つ者もそうでない者も全員がチーム目標である「リーグ戦優勝・早稲田に勝つ・日本一」を叶えるために全力を尽くす。4年生が最後にできることは、泥臭く必死になって貪欲に1つのアウト・1点・1勝を取りに行く姿勢である。それがお世話になった慶應義塾体育会野球部という組織への恩返しであり、後輩に伝えていくものである。正々堂々と真剣勝負ができる環境に感謝し、泥臭く相手に食らいついて勝点を取り、そして最後に天皇杯を手にしよう。(服部昂祐)

明治大学

昨春は4年生の力が遺憾なく発揮され6季ぶりの天皇杯を掴み取った。しかし東京六大学野球の看板を背負い挑んだ全日本大学野球選手権大会ではベスト8に終わり、勝ちへの執着心が人一倍強い4年生にとっては嬉しさ以上に悔しい春シーズンとなった。春秋連覇、そして明治神宮野球大会優勝を新たな目標に掲げ、ラストシーズンに向けてひた走るが、なかなかチームの調子は上がってこないという苦悩の日々が続いた。それでも目指す場所は変わることなく、伝統明治の「人間力野球」に再び原点回帰し後輩や応援してくださる方に4年生の集大成を見せてくれることだろう。まだ見ぬ「頂」へと到達し、嬉し涙がこぼれるラストシーズンで大学野球人生の終止符を打ちたい。(鈴木一真)

法政大学

3年前にすごく遠くに見えた4年生のラストシーズンが、ついに始まった。3年前から今日まで、この野球部で楽しいことも辛いことも沢山あったが、それも思い出となり、この「ラストシーズン」は、二度と経験することのできない青春となる。今年の法政は春4位と不本意な結果に終わってしまった。決して悪い雰囲気であったわけではなかったが、東京六大学という歴史、実力のあるリーグで勝つ難しさを肌で感じた。この夏は、春の悔しさを胸に、秋、絶対この代で優勝するために、必死に練習を積み重ねてきた。その成果を存分に発揮し、応援してくださる皆さんと共に“優勝”の喜びを分かち合いたい。(宮本ことみ)

東京大学

「躍進」というスローガンを掲げ始動した東大野球部TEAM2022。昨年春秋で2勝を挙げた先輩方からの更なる躍進を誓い練習に取り組んで迎えた春季リーグ戦だったが勝利を挙げることはできなかった。なんとしても勝ちたい。勝ち点を取りたい。最下位脱出したい。毎シーズン、毎カードの目標にはなるがこれ以外にラストシーズンにかける思いはない。井手監督の掲げる投手を中心とした守りの野球を、首脳陣、ベンチ入り選手、控え選手、スタッフ一丸となって目指し、神宮球場に東大旋風を巻き起こしたい。(田中平祐) (写真は秋季リーグ戦対明治大学1回戦での東大ベンチの様子)

応援席から

神宮六景

私が東京大学野球部に在籍したのは、1994年から1997年で、東京六大学野球のスターと言えば、慶應義塾大学の高橋選手や明治大学の川上選手でした。彼らのプレーには、やはり華やかさがあり、凄みがありました。
一方で、私が東京六大学野球という場に足を踏み入れてそうした選手のプレーと同様に感心したのは、マネージャーでした。
大学のマネージャーとは、こんなに多岐にわたる仕事をこなしているのかと驚かせられました。

それは、現役部員を終えて、OBとして助監督や監督を務めさせて頂いたときにはなお感じたことです。各大学の優秀で献身的なマネージャーあっての東京六大学野球であると。
さらには、そのマネージャーを束ねる東京六大学野球連盟の内藤事務局長はじめスタッフの方の尽力。
私は、東京六大学野球連盟以外の大学野球連盟での監督も経験しましたが、東京六大学野球連盟の学生マネージャーや事務局の方々の支えが、とても大きなものであったことを感じさせられました。

今、なお、東京六大学野球連盟は、大学野球界において伝統を保ちながら中心的な存在としてその威光を示していると思いますが、そこには、多くのスター選手や各大学の戦いの歴史があるからというのはもちろん、それと同時に、マネージャーを中心とした事務方の連盟運営の歴史があるからこそ、ということを感じます。
東京六大学野球のさらなる発展のため、今後も、選手と事務方がそれぞれに互いを尊重し、魅力ある東京六大学野球にしていってくれることと思います。 そして、その伝統ある東京六大学野球の歴史に、東京大学野球部が天皇杯を賜る日が加わることで、その歴史がなお一層魅力あるものになると、私は信じています。

(東大 1998年卒 中西正樹)

第1週

この夏の収穫

2022/9/7 UP
OPEN

東京大学

この夏はAチームが遠軽町、Bチームが室蘭市で合宿を行った。夏の合宿を実施することができたのは2019年以来のことである。最高気温は30℃ほど、日中でもわずかながら風に涼しさも感じる冷涼な気候と、合宿先の皆様にご協力いただきご準備いただいた恵まれた練習施設のもと、朝から晩まで実戦練習と反復練習を繰り返す野球漬けの日々を送ることができた。Aチームは合宿でつけた勢いそのままに、かつての帝国大学の流れを汲む7大学で争われる全国七大学総合体育大会(七大戦)でも優勝。投手を中心にしっかり守り、野手陣が勝負所で得点をしっかり奪い、投打を噛み合わせて勝ち切った。夏の練習の成果に確かな手応えを感じる大会となった。それでも、見据えるはリーグ戦で東大に立ちはだかるは強豪5大学である。つけた自信を持って堂々とぶつかり合い、秋季リーグ戦こそは東大野球部の「躍進」を証明したい。(田中平祐) (写真はAチームの遠軽合宿の様子)

立教大学

この夏の収穫は、大学夏季休業期間中に充実した練習を行えたことである。新型コロナウイルスの影響により開催できていなかった夏季強化合宿を、関係者の方々のご尽力により3年ぶりに開催する事ができた。1軍は8/2~8/12にかけて岩手県陸前高田市・高田松原奇跡の一本松球場にて開催・残ったメンバーも新座キャンパスグラウンドにて強化練習を行った。充実した環境で練習を行う事ができ、技術力向上だけでなくチーム一体感の醸成にも大きく繋がったと考えている。また、1.2年生を中心としたメンバーはこちらも3年ぶりの開催となった「次世代育成大学野球サマーリーグ」に参加し、多くの実戦機会を得る事ができた。強化合宿終了後は、チーム全員が新座にて練習を行い、練習試合などの実戦機会を通じて秋季リーグ戦に向けた準備を進める事ができた。現在も、あと一歩のところで優勝を逃した春季リーグ戦の悔しさを胸に、選手・スタッフ・マネージャー全員が秋季リーグ戦に向けた準備を進めている。この夏の『進化』を活かし、秋季リーグ戦に臨む。(吉本楽)

早稲田大学

この夏の収穫は、チームが一丸となり、一球にこだわる練習ができたことだ。今夏は、新潟県南魚沼市での夏合宿を無事に行うことができた。全寮制でない早稲田にとって、全員とはいかないものの、より多くの部員が集団生活をする中で野球に打ち込めた充実した12日間を過ごせたことは大きな経験となった。東伏見の安部球場に戻ってきてからは、合宿で作り上げた良い雰囲気をさらに高めつつ、4年生のメンバー外部員が練習の補助に回ってくれていることで、グランドがさらに活気で溢れている。コロナ禍においても通常の練習や合宿を行えるようにご尽力してくださっている方々への感謝の気持ちを持ちつつ、「一球入魂」で優勝を掴み取る。(菊池聡太)

慶應義塾大学

この夏、Aチームは8月2日〜14日の期間で北海道の幕別町と旭川市にて約2週間のキャンプを行った。連日の猛暑を避けて快適な環境下で追い込み、試験期間終了後の体力的な遅れを取り戻した。日吉に帰ってからも多くのオープン戦をこなし、その中で出た課題を実践で克服する取り組みを続けた。Bチームは8月15日〜25日の期間で山形県寒河江市にてキャンプを行った。約10日間、自身のレベルアップに集中することができ、新戦力台頭に向けて非常に有意義な期間となり、約80名のキャンプメンバーをまとめた上級生のリーダーシップも成長した。加えて慶大の未来を担う1.2年生の中心選手は8月5日〜8日にかけて第8回次世代育成大学野球サマーリーグin新潟に参加した。2.3年後にリーグ戦で対する六大学の他校との対戦があり、あいにく勝利を収めることは叶わなかったが、現状を認識し他大学との実力差を感じて良い刺激を受けた。他にも1.2年生中心の試合が多く組まれ経験値を増やした。橋本達弥(4年=長田)、萩尾匡也(4年=文徳)、廣瀬隆太(3年=慶應)の3名は大学日本代表に選ばれ、第30回ハーレムベースボールウィークや高校日本代表との壮行試合などトップレベルの仲間や対戦相手と共に時間を過ごし、そこで得た経験をチームに還元した。多くの方々のご尽力とご厚意で成り立ったこの夏の思い出を胸に、感謝の心を忘れずに優勝に向けて突き進んでいく。(服部昂祐)

明治大学

このような情勢下ではあったものの、おかげさまで島岡御大ゆかりの地・長野県高森町で3年ぶりの夏季高森キャンプを実施することが出来た。昨季は明治らしい粘りの野球を体現し、六校で最も多い15試合を戦い抜き悲願の天皇杯を掴み取った。朝から晩まで野球に集中出来る環境で再び天皇杯を掴むために鍛錬を続け、技術・体力に磨きをかけ、今季もタフに戦い抜く準備は整った。また主将・村松開人(4年=静岡)の復活や投手、野手ともに新戦力の台頭によりメンバー層はさらに厚みを増した。多くの方の想いを胸に「人間力野球」で春秋連覇達成へ。(鈴木一真)

法政大学

私たちの夏は「遠征中止」から始まった。チームとしても個人としても大きく成長できるチャンスの遠征であったため、とても残念だった。そんな中、オープン戦をこなす日々が始まり、次第に選手たちから「強化練習をしよう」という声が上がった。それから「小杉キャンプ」と称し、1週間、朝から夜まで武蔵小杉のグラウンドで汗を流した。この夏の収穫は、間違いなくこの小杉キャンプを経て得た「チームの一体感」である。この夏、チームの雰囲気は日を重ねるごとに良くなっていると感じる。今秋は、応援してくださる皆様に、その変化を「リーグ優勝」という目に見える結果で確信していただけるよう、この二ヶ月間、精一杯戦っていこうと思う。(宮本ことみ)