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号外WEB版

TOKYOROCKS2022 春季号外

第8週

この春のMVP!

2022/5/25 UP
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立教大学

立大のこの春のMVPを出すのは正直難しい。というのも、目標としていたリーグ戦優勝を成し遂げることができなかったという結果が全てだからだ。もちろん、この春で良かった点もいくつかある。投手で言えば荘司。今季はエースとして相手を圧倒する投球を見せ、特に最終戦となる明治大学戦では、 154球を投げた2日後とは思えない今季一番となる素晴らしいピッチングを見せた。また、野手で言えば、吉岡、宮﨑、黒岩、山田のスタメン4人が打率3割を超えており、六大学の中でも3割超えバッターが4人もいるのは立大だけである。そして四死球も70選んでおり、これも六大学の中で最多となる。しかしそれでも1点が遠く、勝つことができなかった。目の前で優勝を決められた瞬間は何とも言えない感情になった。今できることは、この結果を真摯に受け止めて秋に向けて練習あるのみ。この悔しさを秋に晴らすしかない。(大河原すみれ)

早稲田大学

この春のMVPは間違いなく、第一先発を勤め上げた加藤孝太郎(3年=下妻一)だ。そもそも、今春は投手陣が早稲田の穴だと言われていた。ところが、ここまで、チーム防御率で見れば明治に次ぐ2位と、投手全体で見ても粘り強いピッチングを続けてくれている。中でも加藤は、ここまで、5試合38イニング488球を投げ、防御率0.95、六大学の投手個人成績で堂々の一位である。早東3回戦では、無残塁完封という珍しい記録を成し遂げた。このような結果が出たのは、食事やトレーニングなど全てにおける意識の高い努力があったかなのは間違いない。とは言え彼はまだまだ発展途上である。チームとしてはここまで悔しい試合が続いている。応援してくれているファン、OBの方々の為にも、さらに成長していく加藤を中心に投打が一丸となり、まずは早慶戦勝利を、そして秋優勝をつかみ取りたい。(菊池聡太)

慶應義塾大学

この春のMVPは、投手からは橋本達弥(4年=長田)、野手からは山本晃大(4年=浦和学院)を選出する。橋本は東大2回戦以外の全試合に登板し、東大戦以外は全てクローザーとして試合の最後を任された。5月18日時点で25回1/3を投げて防御率は1.78と六大投手陣の中で2番目の好成績を保っている。いかなる状況下でも万全の状態で臨めるよう最高の準備をし、毎試合安定した投球で試合を締めくくる姿はまさに職人である。その職人的準備で裏付けられた確固たる自信により、マウンド上では圧倒的オーラを放ち相手打者を圧倒した。4年生としてリーグ戦に臨む姿勢を背中で語ってくれた彼が投手のMVPだ。一方の山本は4年生となった今シーズンから本格的にリーグ戦デビューを果たすと、ここまで全試合にスタメンとして出場し、打線の中核を担い、安定した守備を務めるなど、非常に大きな役割を果たした。これまでとても層の厚かった慶大外野陣の中でその存在は隠れていたが、ポテンシャルは予てより光っていた。ラストイヤーはその才能を存分に発揮するだけでなく、人一倍勝利にこだわり、仲間を思う姿は味方を奮い立たせる。4年生の意地を見せてくれた「熱い男」、我らが山本が野手のMVPである。(服部昂祐)

明治大学

チームメイトから全幅の信頼を置かれている副将・山田陸人内野手(4年=桐光学園)がこの春のMVPだ。第5週の法政大学2回戦1点ビハインドで迎えた9回の同点タイムリーヒットは皆様の記憶に鮮明に残っているだろう。あの一打がなければ、第6週を終えて優勝争いに「明大」の名前を連ねることはなかった。今シーズン序盤は明大打線の4番を任され、チームを勝利に導く打撃を見せてくれたが、中盤から彼にとって決して好調とは言えない苦しい試合が続いた。しかしあの試合は「陸人に繋げば」そんな思いがベンチに流れていた。全員で繋いだこれまでにない絶好のチャンスでチームメイトそして応援してくださる方々全員の期待に応える一打となった。また、フィールドに主将・村松開人(4年=静岡)がいない今季は副将の山田と蓑尾海斗(4年=日南学園)が主将の穴を感じさせない存在感でナインを統率した。今後も“熱い副将”が優勝を手繰り寄せる活躍に期待している。(鈴木一真)

法政大学

この春のMVPは、全会一致で篠木健太郎(2年=木更津総合)であろう。下級生ながら堂々と気迫のこもったピッチングで今春の法政野球部を支えてくれた。今春の第一戦目、早稲田大学戦では9回145球の激投の末、大学初勝利を収めた。その後の試合でも一戦目の先発を任され、今年の法政大学野球部の中心選手として戦った。二戦目はなかなか思うようなピッチングができなかったと話すが、どんな状況でも「篠木が頑張っているから、バッティングで取り返そう」というチームの雰囲気があった。それはきっと彼のピッチングだけでなく人柄がチームの雰囲気を作り上げているのだろう。また彼は普段、とても穏やかな話し方をする。そこからは想像がつかない彼のマウンド姿は、チームにスイッチを入れているように感じる。この春のMVPは間違いなく篠木である。だが結果として「優勝」は掴み獲れなかった。この悔しさをバネに篠木を含め法政大学野球部の成長を楽しみにしていてほしい。秋は必ず日本一になりたい。(宮本ことみ)

東京大学

この春のMVPとしてエース井澤駿介(4年=札幌南)の名前を挙げたい。今季はここまで4カード全ての1回戦に先発登板し、東大が守った全86イニングのうち1/3以上となる29イニングを投げ、フル回転で東大投手陣を支えている。特筆すべきは3カード目の早稲田大学戦での熱投だろう。1回戦を9回2失点で完投。1点ビハインドで迎えた9回裏の阿久津怜生(4年=宇都宮)の劇的同点ソロ本塁打を呼び込んだ。翌日の2回戦にも3点リードの6回から救援登板し、今季のチーム初勝利の期待を背負ってマウンドに上がり堂々のピッチングを見せるも、ここは早稲田打線に意地を見せられ最終的に引き分けた。2試合とも勝ち切ることこそできなかったものの、井澤なくしては展開しなかったチーム目標である最下位脱出をかけた接戦だった。2年春から先発マウンドに立ち続け、試合を作り続けるその姿は一般ファンの方から「偉人」と呼ばれるほど。偉人・井澤の大車輪の活躍に野手陣が応え、投打の噛み合った戦いで秋季リーグ戦こそは悲願の最下位脱出を果たしたい。

応援席から

スポーツ法政新聞部

昨年は新たに加藤重雄監督、大島公一助監督を迎え頂点を狙ったが、投打がかみ合わず春季4位、秋季5位と悔しい結果に終わった。
今季は、昨年春秋ともにベストナインを獲得した齊藤大輝(4年・横浜)が主将に就任。さらに昨年まで2人だった副将も3人体制となり、新体制で王座奪還を目指す戦いが始まった。
迎えた春季リーグ戦、開幕カードで対戦した早大相手に、1回戦での新エース・篠木健太郎(2年・木更津総合)の完投勝利もあり、2連勝で勝ち点獲得と最高のスタートを切った。さらに慶大とのカードでは、1、3回戦ともにサヨナラ勝利を挙げ、昨年なかなか見られなかった粘り強さを見せた。東京六大学野球リーグ最多タイとなる46度の優勝を誇る『東京六大学の王者』は、かつての栄光を取り戻すために、着々と前進している。

神宮六景

学生野球のメッカと呼ばれる明治神宮野球場で行われる東京六大学野球は、私にとって憧れの原風景であり、あの唯一無二、独特の雰囲気に包まれる場所は、私に青春の心を思い出させ、時に鼓舞し、今でも成長させてくれる、言わば心の故郷であります。天高くこだまする応援団の声、カラダの芯まで感じる太鼓の響き。試合の流れを敏感に感じ取る生粋の野球ファンのどよめき、好プレーに対する盛大で惜しみない拍手。各校学生の応援。運営を支えるOB。同窓の仲間、かつてのライバルたち。六大学の各選手たちはそんな最高の舞台で、先人たちが守り、積み上げてきた歴史と伝統を感じ、自校のプライドをかけて熱戦を繰り広げる。これらすべてのひとつひとつが、これからも東京六大学野球が東京六大学野球であり続けるためには欠かすことが出来ない、守っていくべき要素だと思います。

また、近年、日本野球界ではアメリカのメジャーリーグで二刀流で大活躍する大谷翔平選手や日本プロ野球で史上最年少で完全試合を達成した佐々木朗希選手を輩出するなど、統計学・測定技術の発達に基づく評価・技術の革新、フィジカルの向上等により、個々のプレーヤー単体としてのレベルが急速かつ飛躍的な進化を遂げています。このことは野球というスポーツ全体のレベルアップとして大変歓迎すべきことであり、今後、大谷選手や佐々木選手を超えるような記録的な成績を残す型破りな選手が東京六大学野球からもたくさん出てくることを楽しみにしています。

一方、個人の活躍がクローズアップされる中でも、やはり野球は団体スポーツであり、特にアマチュア野球では、個々の力の結集の結果、チームワークで勝敗が決まるという野球本来の醍醐味も失ってもらいたくないと思います。東京六大学野球は、各校がそれぞれに独自の特色を持っており、各校がそれぞれ「○○大学らしい」戦いをすることが東京六大学野球の魅力でもあり、これからも各校の戦いぶりに注目していきたいと思います。

大川広誉(慶應義塾大学OB・平成7年卒業)

第7週

ウチの寮はこんなところ

2022/5/18 UP
OPEN

東京大学

Aチームのメンバーと男子マネージャーの計35名が共同生活を送っているのが我が一誠寮である。東京大学弥生キャンパスの一角にある東大球場から徒歩10分ほどの場所に住宅街に囲まれて建っており、都心にありながら夜間も静か。2020年3月には改修工事が完了し、設備が一新された。六大学野球の舞台での勝利を目指し日々活動する部員にとって申し分ない環境であると言える。1階が共用スペース、2,3階が各部員の生活部屋となっており、個人で生活するのを好む部員、周囲と一緒に生活するのを好む部員どちらにとっても生活しやすい快適な寮なのではないだろうか。1階の共用スペースは食堂としての役割を果たすとともに、選手のストレッチスペースや意見交換の場として機能しており、夜の時間をそこで過ごす部員も多い。様々な場で紹介されていることではあるのだが、一誠寮に掲げられている横額についてこの場でも紹介させていただきたい。写真の通り、「誠」の字のタスキが一画欠けているのだが、これは筆を執った長与又郎先生が、東大が優勝した時にタスキを書き入れよう、と言ったことに由来すると語り継がれている。創部から102年が経った今もなお横額の「最後の一画」は欠けたままだが、「最後の一画」に向けたとめどない奮闘こそが東大野球部の歴史であり、一誠寮を拠点とした日々の奮闘は続くのである。(田中平祐)

立教大学

立大は140名の部員全員に対して全寮制を敷いており、現在3つの寮に分かれて生活している。三寮はほぼ隣接した場所に位置しているが、特に第一寮である「智徳寮」はエントランスを出ると目の前にグラウンド、そのすぐ横には内野が丸々入る室内練習場とトレーニングルームがあり、野球をするには最高の環境であると言える。また、立教大学新座キャンパス内に立地するため、野球だけでなく大学生の本分である学業にも集中できる。第二寮「SP新座ハイム」、第三寮「SPグリーンハイム」は合わせて約100名が生活しているが、こちらは全て一人部屋となっており、プライベート空間が確保されている。特に第三寮は女性エリア完備されており、女性マネージャーも他の部員と同じ寮で生活を送っているのは立大の特色といえる。全部員が4年間を寮で過ごし寝食を共にする。私にとってもここで過ごす時間はあと半年となる。日々の生活を共にしてきたからこそ築けるチームの一体感を、神宮の舞台で存分に発揮したい。(大河原すみれ)

早稲田大学

初代部長の安部磯雄先生の名前が由来となっている早稲田大学野球部安部寮。1925年(大正14年)に西早稲田に竣工し、60年以上も使用され数多くの名選手が生活してきた。それから、1992年(平成4年)には、西早稲田から現在の西東京市東伏見に移転された。安部寮は、在籍する部員の中でも限られた者しか入寮を許されず、野球の実力はもとより、安部寮生として相応しいと認められた者だけが入寮を許される。敷地内には恩師記念碑があり、寮の出入りの際には、安部先生への感謝と敬意を表し、記念碑に向かって、深く一礼する。寮のすぐそばに安部球場があり野球をする環境はもちろんのこと、寮には1人1部屋が設けられており、お風呂のジャグジーで疲れを癒すなど、心身ともにリラックスできる環境が整っている。残すは、選ばれし安部寮生が、優勝の報告を恩師記念碑に報告するのみだ。(岩井 寛汰)

慶應義塾大学

慶大野球部には全部員を収容できるほどの大きな寮が無い。およそ180名の部員の半分近くはグラウンド付近で一人暮らしをしている。対して寮で暮らしている部員はおよそ100名であり、主に3つの寮に分かれて暮らしている。その中で第一合宿所は野球部の心臓であり、主力30名がここで生活し、寝食を共にしている。各部屋は4人部屋であり、同部屋の先輩後輩の絆は特に深い。また、寮長の朝日晴人(4年=彦根東)は寮内環境の整備に目を光らせ、寮生は緊張感を持って各々清掃に取り組んでいる。第一合宿所は全部員憧れの寮であり、第一寮生は部員の代表として自覚と責任を持って日々過ごしている。寮での生活は慶大部員にとって大切な時間である。(服部昂祐)

明治大学

東京都府中市に構える「島岡寮」。東京六大学野球で歴代1位の15度の優勝回数を記録している島岡吉郎前監督の名前に由来する。野球場2面、室内練習場が隣接されており何一つ申し分ない“日本一”の施設を誇る。スタッフをはじめ、120名を超える部員が1つ屋根の下で生活を送っているため、現在のチームの一体感を生んでいる。「人間力野球」これは代々受け継がれた明大野球部を象徴する言葉である。明大野球部では4年生が率先して人の嫌がることに取り組んできた。特にトイレ掃除をチームの顔である主将、主務、副将が務めているのは何十年も伝統として継承されてきた有名な話である。これまでの先輩方が私生活が神宮の舞台で表れ1球に笑い、1球に涙を呑んできたからこそ野球以上に私生活において厳しい指導を受け、現在の明大野球部を築き上げている。日本一の環境で己を磨き上げた4年生を中心に“頂”を目指す。(鈴木一真)

法政大学

住みたい街ランキングで上位に位置する人気のエリア「武蔵小杉」に寮とグラウンドを持っているのがウチの寮である。タワーマンションが並びスタイリッシュな駅前から15分程歩くと閑静な住宅街となり、ウチの寮に到着する。玄関から入ると一階には監督室、助監督室、マネージャー室、食堂があり、二階と三階が選手の部屋になっている。選手部屋は、二人一部屋となっていて、お風呂やトイレなど共用部分も多く、選手間でのコミュニケーションが多くなるつくりだ。寮で生活している人はもしかすると気付きにくいかもしれないが、“寮”という空間は特別なものだと私は思う。ただ生活を共にしているのではなく、野球というスポーツで同じ目標に向かっているその“青春”に、必ず寮での日常の思い出が残ると思う。特に4年生は残り少ない“ムサコ”での生活、「リーグ優勝」「日本一」とともに仲間と分かち合う寮での何気ない1日も大切にしていこう。(宮本ことみ)

応援席から

明大スポーツ新聞部

エースナンバー〝11〟不在。厳しい状況の中、幕を開けた今季の明大であったが、そんな心配は杞憂(きゆう)であった。蒔田稔投手(商3=九州学院)、村田賢一投手(商3=春日部共栄)が先発二枚看板として、いずれも現在投手成績ランキング5位以内に名を連ねる大車輪の活躍。蒔田は法大3回戦で初完封、村田も慶大2回戦で7回までを零封し、チームを勝利に導く投球を披露している。ラストイヤーに懸ける髙山陽成投手(文4=作新学院)も救援として覚醒の時を迎えた。
また、打線は開幕から村松開人主将(情コミ4=静岡)を欠く中、宗山塁内野手(商2=広陵)が打率においてリーグ首位をひた走る。昨季まで4番に座り続けていた上田希由翔内野手(国際3=愛産大三河)も、今季はさまざまな打順で躍動し、打率、打点ともに好調をキープ。加えて二塁守備もこなすなど、献身的な活躍を見せている。
「今年のベンチは明るい」。選手が皆口をそろえるように、今季の明大の特徴は勝利への執念の強さだ。それが最も顕著に表れたのは法大戦。1戦目を落とすと、2戦目も9回まで2点ビハインドと苦しい状況だった。しかし、副将・山田陸人内野手(法4=桐光学園)の適時打で引き分けに持ち込むと、勢いそのままに続く2戦で勝ち点をもぎ取った。
幾度も雲を払いのけ、6季ぶりの頂はついに目前まで見えてきた。残すは立大との天王山。最後に笑うのは果たしてどちらか。やはり笑顔が1番似合うのは、今季の明大に違いない。(栗村咲良)

神宮六景

コロナ禍における応援団(部)

2020年に突如と襲ってきた新型コロナウイルスで、六大学野球は春のシーズンを5試合総当たり制にして真夏に開催しました。まだ新型コロナウイルスの色々な知見がまだわからず、観客上限3,000人とし、応援団(部)による応援を禁止しての開催でした。秋季リーグ戦からは外野席を一般に解放せずに、応援団以外に誰もいないスタンドでの応援を実施して、2021年の春秋のシーズンも観客数の変更があったり、緊急事態宣言による無観客試合はあったものの同様な形で応援をしていただきました。そして迎えた2022年のリーグ戦ですが、内野席で応援をした経験者が4年生のみとなってしまうので、今後の応援活動にも支障が出てしまうという危機感から何とか内野席での応援が実施できないかと各方面と交渉をしてきましたが、シーズン開始にはまだ今までと同様の形でしか行えませんでした。リーグ戦は六大学野球従来の勝ち点制に戻りましたが、大声を禁止されている応援は簡単ではありませんでした。しかしながらその後も引き続き交渉や安全計画を見直した上で、再び新型コロナウイルスに関しての対応におけるイベント開催の感染防止安全計画書を東京都に提出し、応援団(部)の内野席エリアでの応援について東京都並びにスポーツ庁、内閣官房新型コロナウイルス等感染対策推進室のご理解をいただき、東京都の許可を得ました。第7週に間に合いよかったと思っています。応援団のエリアを内野に持ってきても引き続き一般の観客の皆様には大声の禁止として拍手の応援とはなりますが、2019年までの体制に一歩近づきました。
秋季リーグ戦では普通の状態に戻れることを願ってばかりです。

東京六大学野球連盟
事務局長 内藤雅之

第6週

ウチのムードメーカー

2022/5/11 UP
OPEN

法政大学

我が部のムードメーカーは宮﨑秀太(4年=天理)である。不動の1番センターとして打線を牽引している。現在は、8試合で打率.414(5/7明治戦終了時点)と打率ランキング2位の活躍を見せている。これから繰り広げられる首位打者争いには注目だ。そんな彼は、岸和田だんじり祭で有名な大阪府岸和田市出身で、チームを盛り上げる「お祭り男」である。彼がいるだけでチームの雰囲気はガラリと変わる。例えば、練習や試合で落ち込んでいる選手がいると笑いに変えたり、前向きな言葉がけをしたりしてチームメイトを鼓舞する。誰に対してもフレンドリーで親しみやすさを持った彼の人間性は多くの人を惹きつけるであろう。またプレーでも一番打者として幾度となくチャンスを作り、打線が沈黙している場面でホームランを放つなど、数々の苦しい場面を救い、チームを勢いづけてきた。プレーや声掛けで多くの人を魅了し、笑顔にする「お祭り男」宮﨑秀太から今後も目が離せない。(對馬大浩)

東京大学

きっと彼はただただ純粋な野球小僧なのだ。それ以上でもそれ以下でもない。別府洸太朗外野手(3年=東筑)である。世に言うムードメーカーには様々なタイプがいて、人一倍声を張り上げてチームを鼓舞するタイプ、センス溢れる発言でチームを盛り上げるタイプなどが代表例なのではないかと思うが、別府は特段そういうわけではない。もちろんベンチ内で声を出していないだとか、発言がつまらないだとかと言っているわけではなく、1つ1つのプレーでチームを盛り上げていくタイプなのである。広い守備範囲と強肩を生かした外野守備、強い打球を飛ばす打席にチームは勇気づけられ、そして1球1球に全力で喜び、全力で悔しがり、感情を全面に出す姿に、ベンチ内は自然と引き込まれ、雰囲気も明るくなる。多分本人はチームのムードを作ろうとそうしているわけではないので、意識せず、どうかそのままで。この号外記事のことも特に本人には言わないでおこうと思う。(田中平祐)

立教大学

常に笑顔で明るい声出し。彼の周りは自然と笑顔になる。そんな立大のムードメーカーといえば西川晋太郎(3年=智辯和歌山)だ。彼は高校時代に5季連続の甲子園スタメン出場を果たし将来を嘱望されて立大野球部へと入部した。しかし下級生の頃は試合出場の機会がなく、なかなか表舞台へと出ることがなかった。一時は練習でさえも身が入らない時期があったが、そんな中でも腐ることなく野球に向き合い続けた結果、新チームになってからはレギュラーを勝ち取り、今春にはとうとう神宮デビューも果たした。ちょっとやんちゃで手が焼ける、そんなところがかわいい愛されキャラ。そして実力は文句なし、センス抜群で溢れるスター性。今季はチームの笑顔の中心・西川から目が離せない。(大河原すみれ)

早稲田大学

すべらないボケに、切れのあるツッコミを日々量産する、期待を裏切らない大阪出身のおもしろひょうきん者。三宅隆二郎(4年=明星)が早稲田のムードメーカーである。私は彼がすべったところをこの3年間で見たことがない。仮にすべりかけても必ず笑いを取る勢いと粘り強さを持ち合わせているからだ。周囲の面白さも引き出す彼の周りは常に漫才状態だ。先日、リーグ戦にて代打で出場し、ベンチはその試合最高潮の盛り上がりを見せた。日々、厳しい鍛錬を積んでいる早稲田にとって彼の存在は太陽の如く、光輝いていると言っても過言ではないだろう。人生はノリという彼の軽快なスイングから、なんでやねん!という痛烈なツッコミ同様、劇的なタイミングでリーグ戦初ヒットを放ち、チームに笑顔をもたらしてほしい。(菊池聡太)

慶應義塾大学

ウチのベンチに一際目立つ男がいる。副将の文元洸成(4年=智辯和歌山)だ。小中高全てのカテゴリーで主将を務めた彼は大学でもいつも輪の中心にいる。普段から彼がチームメイトに対して自ら気さくに話しかける様子は慶大グラウンドでは日常風景である。同期や後輩からの後押しもあり、ラストイヤーは副将としてチームを統率している。リーグ戦のベンチでは1回〜9回まで常に声を出し続けて味方を鼓舞するが、ただ盛り上げるだけでなく、要所では緊張感を持たせる役割も担う。また、ここ一番の代打としても常に最高の準備を整えており、今後彼が打席に立つ場面は間違いなく重要な局面になるだろう。今季はプラスの氣で充満している慶大のベンチワークにも是非ご注目していただきたい。(服部昂祐)

明治大学

とにかく“熱い男”が明大野球部のムードメーカーだ。どこにいても耳に入ってくる「声」でチームの盛り上げ役に徹している。特に例年以上に「泥臭い」今年の明大野球部では彼は必要不可欠な存在であり、チームの“象徴”と言える。持ち前の元気さに加え、Mr.フルスイングとしてチームに勝利を呼び込む。自慢の打撃を武器に1年春から代打としてリーグ戦出場を果たしたが、今季まで不調に陥りなかなか出場機会に恵まれず、人一倍苦しい期間を過ごしてきた。しかし血の滲む努力を重ねようやく打撃が開花し、第2週の東京大学戦で念願のリーグ戦初ホームランを放ち、努力が報われた瞬間となった。代打の切り札としてベンチから出番に向けて控えている彼の声が神宮球場に響き渡る。その声が全員の原動力となり6季ぶりの天皇杯奪還に導く。(鈴木一真)

応援席から

慶大新聞部

昨季の慶大野球部は圧倒的な力で春秋連覇、そして大学4冠まであと一歩のところまで駆け上がった。主将の下山悠介(4年・慶應)や副将の増居翔太(4年・彦根東)など、昨年の経験者たちが中心となって、新生・慶大野球部はスタートを切った。4年生が抜けた穴を埋めるべく、堀井監督は新戦力の台頭を求めて、オープン戦では多くの選手に経験を積ませた。
 迎えた春季リーグ戦、初戦の東大1回戦では終盤までビハインドの展開が続くも、途中出場の宮崎恭輔(3年・國學院久我山)の決勝3ランで逆転。続く立大とのカードでは雨の中、先発・外丸東眞(1年・前橋育英)が好投を見せるなど、経験が少ない選手の台頭が著しく、チームも引き分けを挟んで4連勝と波に乗った。15年ぶりのリーグ戦3連覇へ向け、チーム一丸となって突き進む。

神宮六景

春の選抜高校野球大会が無事終わり、六大学野球が始まった。2年ぶりに日本の春の野球ペースが戻った。リーグ戦が中止になったのは、太平洋戦争の3年間(1943年春〜1945年秋)の中断があるのみだ。六大学野球は終戦の年の8月から9カ月後には1回戦制で復活し、3回戦制、2回戦制を経て5シーズン目には勝ち点制が復活した。
2年前の年末年始に新型コロナウィルスが日本を襲い始め、すべての人が初経験の感染症と感じている間に瞬く間に拡がり、スポーツの世界にも影響が及んだ。同じ神宮球場で行われている東都大学野球はじめ多くのスポーツイベントの開催が中止に追い込まれる中で、六大学野球の開催も同様になると諦めた六大学野球ファンも多かったに違いない。
しかし、連盟が2年前の春は無観客ながら1回戦制で8月10日開幕の「夏のリーグ戦」開催に踏み切り、秋からは2回戦制、何と応援団の「定位置」を外野席に据え、六大学野球の伝統を維持してくれた。そして、5シーズン目のこの春には勝ち点制が復活し、六大学野球ファンを安堵させた。やはり六大学野球の醍醐味は勝ち点制に尽きる。
戦後の六大学野球復活と同様のことが令和の時代に起きた。六大学野球連盟、応援団連盟の6校の皆さまの伝統を繋いだ努力には感謝しかない。外野からの6校応援団の熱の篭った応援にエールを送りたい。残るは応援団がいつ「定位置」に戻ってくるか。焦らずゆっくり待とう。

この春、野球発祥の地のアメリカメジャーリーグではナショナルリーグが指名打者(DH)制を採用した。これで、従来型のナ・リーグ、セ・リーグ、東京六大学野球とDH制採用のア・リーグ、パ・リーグ、東都大学野球他の構図が変わる歴史的な春となった。DH制、タイブレーク制、球数制限、金属バット、ビデオ判定など、時代ともに野球も変わっている。この先、セ・リーグがDH制を採用したら、「伝統」を堅持する東京六大学野球と関西学生野球、明治神宮野球大会、高校野球がどう対応するか、興味が募る。神宮球場のスコアボードに投手が「1」ではなく「P」で表示されたら何となく寂しい気がするが。
現役当時、神宮球場のひと時代前のスコアボードには、試合前に先発ピッチャーとキャッチャーは選手名、出身校のアナウンスとともに表示され、先発オーダーの発表で2度目のアナウンスをされる「特権」があった。「明治大学の先発バッテリーをお知らせします。ピッチャー丸山君。上田高校。・・・」のアナウンスを聞くたびに、試合前になんとも言えない心地良さと緊張感が入り混り、マウンドに登ったことを思い出す。ピンチの時、ベンチから躯体を揺らしマウンドに向かってくる島岡御大から真剣な眼差しで発せられた「なんとかせい!」の檄が懐かしい。

東京六大学野球、永遠に。
丸山清光(明治大学OB・1976年卒)

第5週

我が部に欠かせない人物

2022/5/4 UP
OPEN

明治大学

明大野球部は4年学生コーチ4名なしに成り立たない。石川雄大(4年=明大中野)、石保壮介(4年=成田)、島村遼太(4年=明大中野八王子)、原尚矢(4年=明治)の4名とも「日本一」に貢献する方法を模索し、学生コーチに転身を果たした。チームメイトやスタッフも全幅の信頼を寄せており、早朝から夜までの練習をすべて取り仕切り、誰よりも身を粉にしてチーム第一を体現している姿はとても頼もしい。また「人間力野球」を体現すべく、時には心を鬼にしてチームが勝つための行動に徹している。決して目立つポジションではないが、彼ら4名がチームに必要不可欠な存在であることは全部員の変わらない共通の認識である。彼らの支えやチームメイトが熱い想いを胸に活躍する姿から目が離せない。(鈴木一真)

法政大学

我が部に欠かすことのできない人物は、野尻幸輝外野手(4年=木更津総合)である。彼は高校時代から名を馳せており、現在は主力としてチームを牽引している。そんな彼は、野球をすること以外の多くの場面でチームを支えている。あまり知られていないであろう彼の裏側について迫っていきたい。まず一つ目は寮長としての一面だ。寮内の掃除を徹底させ、時には厳しく後輩への指導をすることもある。寮の平和は彼が守っているといっても過言ではない。二つ目に声掛けである。練習や試合での声掛けだけでなく、普段から同級生や後輩と積極的にコミュニケーションを取っている。悩んでいる後輩がいると相談に乗ってあげるような後輩思いの「兄貴」的な存在である。三つ目に「もっている」ということだ。彼が打席に立つと「何かが起きる」という期待感を私たちに抱かせてくれるのだ。チャンスというチャンスに打席が回ってくるのは「もっている」証拠であろう。これだけでは伝えきることができない、彼は魅力にあふれた人物である。これからの彼の活躍にぜひ注目してほしい。(對馬大浩)

東京大学

チーム全員が我が部に欠かせない人物であるというのは言うまでもないのだが、個人名を出すとするならば伊藤和人外野手(4年=城北)の名前を挙げたい。彼にとってリーグ戦デビューとなっている今年の春季リーグ戦では、内野外野ともに守れるユーティリティーぶりで外野手登録ながら三塁手として開幕戦にスタメン出場。以降も内野用グラブと外野用グラブの両方を持って出番に備えている。チームにとって欠かせないのはプレー面のみではない。1年生の頃から「罰当長」として、遅刻や忘れ物といったチームが上昇していく上で不適切な行いが学年内であった際に該当部員に反省を促し、規律を正してきた彼だが、最上級生となってからは学年内にとどまらず積極的にチーム全体を良くすべく尽力している。球場内の掃除、道具の片付けの徹底など、野球部員として、人として、あるべき姿であるために、部員に注意をするという嫌われ役を買って出てくれるこの働きは我が部に決して欠かせない。グラウンド内外で部に欠かせない活躍にぜひご注目いただきたい。(田中平祐)

立教大学

学生主体で活動する弊部にとって、欠かせない人物と言えば間違いなく学生コーチであろう。前回はデータチーフの伊東良起(4年=立教池袋)を紹介したが、今回紹介したいのが、山添颯大(4年=広島新庄)、林大毅(4年=東筑)、安藤颯人(4年=立教新座)、郷景太(4年=長良)の4名である。山添は学生コーチチーフとしてチームを統括しており、日頃はメニューを考え練習を回し、試合時は三塁コーチャーとして背番号40を身につけベンチ入りしている。林は投手コーチとして立大投手陣の根幹を支え、リーグ戦時は背番号51をつけて投手を万全な状態でマウンドへと送り出している。トレーニングコーチの安藤颯は、コンディショニングにより選手の状態を試合でのベストパフォーマンスに繋げるべく、一人ひとりへ熱心な指導を施す。育成コーチの郷は、チーム全体の底上げを図るべく、主に下級生を中心に選手レベルの向上に努めている。チーム全体が一つになって優勝に向かっていけるのは、彼らがチームのことを第一に考え、リーグ戦優勝・日本一という目標に対して本気で向かっているからだろう。今年のチームを支える彼ら学生コーチの想いを胸に、部員一丸となって悲願の優勝を掴み取る。(大河原すみれ)

早稲田大学

我が部に欠かせない人物を3名紹介する。1人目は、新人監督の冨永直宏(4年=國學院久我山)である。新人監督として、試合では背番号「50」を背負い三塁ランナーコーチを務めている。さらに、日々の練習メニューの調整や首脳陣とのコミュニケーションなど、部の根幹を担っており、早大野球部において必要不可欠な人物の1人だ。また、彼の「チーム想いで“愛”のある」厳しい発言が、日々の安部球場での練習でさらに緊張感をもたらしている。2人目は、投手コーチの横山優斗(4年=早稲田実業)である。今年の早大投手陣は、3年生以下の登板が目立っており、投手コーチとして、下級生が投げやすい環境を作ることが重要となっている。その中で、彼の持ち前のユーモアと献身的な姿勢が下級生の活躍の原動力となっており、早大投手陣の躍進に大きく繋がっている。背番号「51」がブルペンから自信を持って送り出す早大投手陣に、今後も注目してもらいたい。3人目は、学生コーチの齋藤竜登(4年=早大本庄)である。日々のチーム練習に加え自主練習など、常に選手に寄り添いサポートしている彼は、誰よりもチームの勝利を1番に考えており、選手からの信頼が絶大である。試合では、背番号「40」を背負いベンチから人一倍大きな声で仲間を鼓舞し「氣」を送っている。あとは彼らの想いに選手たちが応えるだけだ。彼らの“熱き想い”を背負ったナインが神宮球場で大暴れする。(岩井 寛汰)

慶應義塾大学

我が部の練習が日々円滑に進む上で欠かせない人物はチーフスタッフの五十嵐孝起(4年=慶應湘南藤沢)と新人チーフスタッフの荒井悠希(4年=山形南)の2人である。五十嵐は毎日監督と密に連携を取り、翌日の練習メニューを組み立てている。彼は我が部で最も監督の野球観を理解しているだろう。練習メニューや練習環境、チームの運営方法などチーム全体に対する周知の前には必ず五十嵐を挟む。彼は選手にとってより良い環境を提供するため、強くなるために最善の形を日々模索している。一方の荒井はBチームを担当している。フレッシュトーナメントの優勝と一人でも多くの選手をAチームに輩出することを目標に日々最善の練習形態を提供する。慶大野球部は名門校からの入部は少ない。そのため、下級生の間はBチームで実力を伸ばすことになる。荒井は下級生に対して人一倍強い思いを持っている。下級生はその思いを感じて例年以上に躍動するだろう。無私の精神でチームに身を捧げる二人の勇姿を神宮球場でご覧いただきたい。(服部昂祐)

応援席から

早稲田スポーツ新聞会

勝ち点1が遠い。2020年秋季リーグ戦以来の優勝を目指す早大は、今季ここまで5戦を消化し、1勝4敗の5位。久しぶりの勝ち点制の元で未だ勝ち点を上げることができていない。
中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭)と蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)の2人を中心に据え、挑んだ今春だが初戦の法大1回戦で相手エース篠木健太郎(2年)に14三振を奪われ完投負け。第2戦では序盤に先行するも、追加点を奪えず、終盤に逆転された。優勝に向けこれ以上負けられない中で迎えた第3週の明大戦。序盤こそくらいつくも、6回以降は打線が沈黙し、明大先発蒔田稔(3年)に完投を許し敗戦。2回戦はなんとか勝利を収めるも、3回戦を落とし勝ち点獲得とはならなかった。
嫌な流れが続いているここまでだが、収穫もある。先発を務める加藤孝太郎(人3=茨城・下妻一)の存在だ。明大2回戦では終盤足をつりながらも9回を1人で投げ切りチームに今季初勝利をもたらした。
残り3カード。優勝は厳しい状況だが、全勝すれば可能性がないわけではない。まずは勝ち点1を。『ワセダ』の意地を見せてほしい (山本泰新)

神宮六景

私が2012年に法政大学を卒業して10年が経ちました。
大学卒業後は、社会人野球で6年間選手としてプレーをしました。現在は土日等の限定的ではありますが、法政大学野球部のコーチとして選手達と共に汗を流しております。卒業後もこうして、母校である法政大学野球部に携わることができていることに感謝の気持ちでいっぱいです。コーチとして関わらせて頂いている今、指導した法政大学の選手が活躍すること、チームが勝つことが心の底からの喜びであり、更には自分が現役時代活躍した時に感じた喜び以上に嬉しく思う時もあります。
自分がプレーをするだけでなく、違う立場になった今でもこうして心の底から嬉しいと思い、喜びを分かち合える野球というスポーツはとても素晴らしいなと強く感じています。
チームが勝つために何ができるか、選手が活躍するために何ができるか、そしてこれから社会に出ていく選手達が1人の人間として成長するには何ができるかを自分の経験を基に選手達に伝えることが自分の使命であると思い、日々選手達と向き合っています。

東京六大学野球の優勝校には天皇杯が下賜されます。
天皇杯は原則として1競技につき1つで、国内を統括する団体に与えられており、各競技の日本選手権大会で優勝した選手やチームに授与される場合が多いのですが、硬式野球では東京六大学野球連盟に天皇杯が下賜されるのです。それは東京六大学野球が野球界にとって特別な存在であることを意味します。
今の現役の選手達には東京六大学野球の一員であることを誇りに思い、全力でプレーしてもらいたいです。私も東京六大学野球のOBの1人としてこれからも誇りを持って母校に携わっていきたいと思っております。
最後になりますが、引き続き東京六大学野球並びに法政大学野球部への温かいご声援をよろしくお願い致します。

(法政大学 平成24年卒 難波 真史)

第4週

影のスペシャリスト

2022/4/27 UP
OPEN

慶應義塾大学

慶大野球部からは松永幸哉(4年・学生スタッフ・新潟)と佐々木勇哉(3年・アナリスト・立川)の2名を影のスペシャリストとしてご紹介したい。松永はサブチーフスタッフとして、チーフスタッフで相方の五十嵐孝起(4年・学生スタッフ・慶應湘南藤沢)とAチームの練習を日々サポートしている。松永は明るく親しみやすい性格で周囲の人々から慕われている。彼は選手と指導者、 AチームとBチーム、学生スタッフとマネージャー、その他様々な所でパイプ役を務めている。学生スタッフの域を越えた彼の仕事範囲のおかげで今年の慶大野球部は回っている。佐々木は慶大野球部初のアナリスト枠での入部者である。前例の無い立場であったが、彼のひたむきな姿勢の積み重ねにより部内に欠かせないポジションとして確立された。部におけるアナリストの在り方、より良いデータの提供に日々愚直に向き合う姿勢はプロフェッショナルである。この2人を含む、目に見えない所で部のために誠実に取り組む人々の存在は今年も慶大野球部を優勝に導く。(服部昂祐)

明治大学

明大野球部随一の「コミュニケーション力」でチームに貢献している人物がいる。小倉優太郎内野手(4年=市川)にしか出来ない働きで「日本一」のチーム作りに奮闘し、これまでにない役割を担っている。猛勉強の末、明大野球部の門を叩いた彼は誰もが認める努力家であり昨春には念願のリーグ戦出場も果たすなど、スタッフ、チームメイトからの信頼も厚い。今季からは裏方に転身し、チームを支える立場で「日本一」を目指しており、彼が生み出すコミュニケーションはチームメイトを活気づける力があり、チームの士気を高めている。神宮球場で活躍する姿は見ることは出来ないが、選手が活躍する裏側には彼の活躍がある。彼をはじめチームのために裏方として活躍する部員の想いを胸に、神宮で躍動するメンバーの姿を是非ご覧いただきたい。(鈴木一真)

法政大学

今年の法政野球部を支える大きな存在は、学生コーチである。スタッフと選手の繋ぎ役であり、司令塔である法政の二本柱を今回は紹介したい。投手陣の指揮を執るのは、近藤皓介(4年=日大山形)で、野手陣の指揮を執るのは、髙野歩夢(4年=法政)である。昨年のチームは、一点に泣いた試合が多くあった。一点の重みを感じた私たちだからこそ、攻撃面ではスイング量をチーム全体で増やし「どうしたら点が取れるか」を全員で考えながら練習をした。また、投手陣の守備面においては、冬の時期にフォームをしっかり固め、投げ込みを多く重ねるようにした。二人は昨秋、新人監督、新人助監督としてフレッシュトーナメント優勝を志し、新人チームをまとめた。しかし結果は、惜しくも2位。新チームとなり、さらに進化を遂げた二人は、今年こそリーグ優勝、日本一にチームを導くべく、闘志を燃やす。(宮本ことみ)

東京大学

東大の影のスペシャリストとして、奥田隆成学生コーチ(4年=静岡)、小野悠太郎学生コーチ(4年=渋谷幕張)、島袋祐奨学生コーチ(4年=那覇国際)の3人の4年学生コーチ陣の名前を挙げたい。3人ともに初め選手として入部するも、チーム事情を鑑みて学生コーチに転身することを決意した部員たちである。学生コーチの仕事は、ノッカーやバッティングピッチャーとしてのグラウンドでの練習の補助はもちろんだが、首脳陣と相談しながら練習メニューを計画したり、さらには試合時の選手起用を考えたりするなどにまでわたっている。100人を超える部員を抱えるチームにおいて日々の練習を円滑に行うことができているのは間違いなく3人を筆頭とした学生コーチ陣の力あってこそのことで、まさにチームの影のスペシャリストであると言える。小野と島袋はリーグ戦時にはベンチにも入り、小野は戦術面での監督の補佐役として、島袋は3塁コーチャーとして、チームの浮沈の鍵を握る。測ることはできずとも確かに大きな貢献度で今後もチームを支えていってくれることであろう。(田中平祐)

立教大学

弊部には現在140名の部員が所属しており、選手、学生コーチ、マネージャーとそれぞれの立場からチームのために役割を全うすべく日々活動に励んでいるが、特にリーグ戦期間中に活躍が光る “データチーフ”を紹介したい。他大学でアナリストが増えている中、弊部はデータに特化した部門は置かずに選手がデータ班としてデータ分析を行っている。そんな中、チームで唯一データ分析を専門として取り扱っているのがデータチーフの伊東良起(4年=立教池袋)だ。日頃の練習やオープン戦では選手の状態を数値で分析管理し、また、リーグ戦に向けては相手チームの特徴や傾向を徹底分析して対策を練っている。データはいくら研究しても際限がなく、かつデータを専門にしているのはチームでただ一人のため、彼のデータチーフとしての仕事量は膨大なものである。しかしそんな様子は微塵も感じさせず、各選手の特性を活かせるように昼夜を問わず日々チームのために励んでいる。今季のリーグ戦では、選手の活躍ももちろんだが、その裏でチームに多大な貢献をしているデータチーフ・伊東良起にぜひご注目いただきたい。(大河原すみれ)

早稲田大学

今年度の早稲田に欠かせない存在なのが、折内健太郎(4年=磐城)だ。近春はまだベンチ入りこそしていないが、メンバー練習において、グランドで誰よりも声を出し、チームを鼓舞し続けている折内は、チームに良いムードをもたらす影のスペシャリストだ。折内の声は、例え寮にいたとしてもグランドでの声が聞こえてくる声量があるだけでなく、気迫がこもっている。普通の人が出す声より、何段階も魂がこもっているように感じるのだ。スポーツ推薦ではない折内が懸命に努力し、メンバー練習に参加、誰よりも声を出し気迫でチームを引っ張る姿は、メンバーだけでなく、メンバーには入れていない同期、下級生にも勇気を与えている。近春、どこかの試合で折内がベンチ入りし、神宮球場にその声を響き渡らせてほしいと切に願っている。(菊池聡太)

応援席から

「立教スポーツ」編集部

昨年は春秋ともにあと一歩のところで優勝を逃したRIKKIO。悔しい思いを糧に今年こそは頂点を目指す。開幕前のインタビューで、タテジマ軍団の主将・山田(コ4=大阪桐蔭)は「4年生の一球への思いや執念を見てほしい」と語った。その言葉通り、法大戦では4年生の活躍が目立った。黒岩(法4=静岡)のリードをもとに荘司(社4=新潟明訓)が飛躍を遂げ、自身リーグ初勝利。島田(コ4=龍谷大平安)も3者連続三振を奪うなど、これからの活躍を期待させる結果を出した。宮(営4=國學院栃木)は今年も守護神を務め、無失点。また、打線は法大1回戦、切り込み隊長・道原(法4=駒大苫小牧)がチャンスメイクすると、宮﨑(コ4=大阪桐蔭)が適時二塁打で走者を還した。法大2回戦では吉岡(コ4=広陵)が2安打1打点と結果を残した。打撃や守備だけでなく、井上剛(コ4=佐久長聖)を中心に声でもチームの雰囲気を明るく保ち続け、「立教らしさ」を見せつけた。悔しい過去から「進化」を遂げリーグ優勝、日本一の座へ。ラストシーズンにかける男たちの春はまだ始まったばかりだ。(山岡雄一郎)

神宮六景

私の神宮球場との出会いは幼少期にさかのぼります。

早稲田OBでもある父に連れられ、初めて野球というものに触れたのが神宮球場の早慶戦でした。
そこで一つの事件が起きました。スタンド最前列で観戦していた私は、あろうことかフェンスの上部でおもちゃの車を走らせていました。そして案の定、それをグラウンドに落としてしまったのです。
ところが、それに気づいた慶應の選手が試合中にも関わらず、すぐさま拾って丁寧に返してくれました。
そこで私の中の何かが弾けました。「野球選手になろう」「そしていつか、ここ神宮のグラウンドに立とう」

10数年が経過し、大学生となった私は神宮球場に戻ってきました。ただ現役時代は2試合、ベンチに入るまでがやっと。出場してフィールド内に立つことはできませんでした。

そこから今度は30年が経過、思いがけず同期の小宮山氏が監督に就任しました。「応援」という立ち位置で大学野球の世界に戻ってくることとなりました。
全身全霊を傾けて戦う同期に対して何か役に立てることはないかと考えていたところ、審判員資格を保有していたことから思わぬ声がかかりました。
「神宮球場で審判をやってみないか?」

ただ、もうすぐ55歳になろうかという、少年野球の試合でしかジャッジしたことのない私に本当に務まるのか?体力は?動体視力は?スピードについていけるのか?
色々と悩みながらもオープン戦の審判をこなしはじめたところで、あっという間に審判登録されてしまったのです。

そして2021年秋、私は半世紀を経て審判員として神宮のグラウンドに立つこととなりました。

景色は昔も今も変わりません。天皇杯が下賜される野球界のトップリーグ、東京六大学野球連盟のもと、グラウンド上では真剣に白球を、夢を追いかける選手たちがいます。そしてスタンドには、この場所にいつか立ってやろうと夢見る少年少女がいるはずです。
体力はいつまで持つかわかりません。公平かつ正確なジャッジが常にできるかわかりません。それでも気力の続く限り、この神宮球場での真剣なプレーに、そして真剣なまなざしに全力で応えられるよう、大いなる責任感を胸に日々精進していきたいと思います。

東京六大学野球連盟 審判員 松永謙一郎(平成二年卒)

第3週

この選手に注目!

2022/4/20 UP
OPEN

早稲田大学

この春の早大の注目選手は、原功征(4年=彦根東)である。昨春のリーグ戦でデビューし、今や副将・貴重な中継ぎサウスポーとしてチームに必要不可欠な存在だ。持ち味は、何といってもサイドスローから繰り出される変幻自在のピッチングで、球速差でバッターのタイミングを外し手玉にとっていく姿は、頼もしい限りである。今年の早大投手陣は後輩中心の中、副将として最上級生の原が、投手陣をまとめ上げ、後輩が投げやすい環境作りを整えている。また、緊迫した試合展開での登板が多いが、首脳陣からの信頼が厚い証拠であり、彼なら必ず抑えてくれるであろう。早稲田が誇る仕事人、背番号「13」がマウンドに上がれば、早稲田の「勝利」の合図だ。(岩井 寛汰)

慶應義塾大学

慶大の注目選手を投打から1名ずつ挙げたい。投手では橋本達弥(4年・長田)が今シーズンの鍵を握る。昨シーズンは主にクローザーとして試合を危なげなく締めた。伸びのあるストレートと落差のあるフォークを武器にしているが、最大の特徴は度胸である。今シーズンからは先発に転向し、試合運びを担う。強気の投球でチームを勝利へと導く。慶大打線を語る上で廣瀬隆太(3年・慶應)の存在は欠かせない。恵まれた体格から放たれる打球は一級品であるが、状況に応じたバッティングも得意としている。重要な局面でコンスタントに役割を果たす彼の存在は今年も慶大打線の中核を担う。また、守備においても大柄な体格からは想像できない機敏な動きを見せる。一時たりとも目を話すことのできない二人の活躍を是非神宮球場でご覧いただきたい。(服部昂祐)

明治大学

明治の韋駄天が神宮球場で躍動する。前主将・丸山和郁(R4卒=東京ヤクルトスワローズ)が抜けた外野の穴を埋めるのは直井宏路外野手(2年=桐光学園)しかいない。昨年1年生ながら18打席を経験したが、チャンスで結果を残せず誰よりも悔しい1年間となった。しかしこの冬悔しさをバネに打撃にも磨きをかけ、熾烈な外野のレギュラー争いを繰り広げるなかで春季オープン戦でも結果を残し、50m5.8秒の自慢の脚力で攻守で欠かせない存在へと成長を遂げた。悲願の天皇杯奪還に向けて背番号「28」が勝利を呼び込む。(鈴木一真)

法政大学

この春、特に注目して欲しいのは今泉内野手(3年=中京大中京)である。今季リーグ戦1カード目の早稲田大学戦では彼にとって「初」づくしであった。「初」打席、「初」球、リーグ戦「初」ホームランを放ち、背番号「7」の存在感を見せつけた。昨秋のリーグ戦では、スタメンでの出場はあったものの、なかなか結果が出ないシーズンとなった。その結果を受け、冬には体重増加でパワーアップを図ると、打球スピードはチームでもトップレベルとなり、3月のオープン戦でも打率は安定。「今泉に回せば必ず返してくれる」という雰囲気がチームの中にできた。その中での春季リーグ戦初戦、今泉の打撃はチームを勢いづけてくれたに違いない。「優勝」という二文字に向け、力強いバッティングでチームを牽引する今泉から目が離せない。(宮本ことみ)

東京大学

東大の注目選手として、梅林浩大内野手(3年=静岡)を挙げさせていただきます。12年ぶりの甲子園球児の入部として別府洸太朗外野手(3年=東筑)とともに入部当初から注目を浴びてきましたが、ついに今季レギュラーに定着。春季オープン戦から開幕週の慶應義塾大学戦まで4番に座っています。春季の開幕戦となった慶應義塾大学1回戦ではリーグ戦初ヒットも生まれました。鋭いスイングから放たれる力強い打球でポイントゲッターとしての役割を果たしてくれるはずです。また、打撃面だけではなく一塁守備での柔らかいハンドリングにもご注目いただきたいです。一塁手の守備は大きく目立つことはあまりありませんが、東大の取るアウトに確かに大きく貢献していると言えます。今季の梅林選手の活躍にご期待ください!

立教大学

この春の注目選手といえば何と言っても荘司康誠(4年=新潟明訓)だろう。188センチ90キロと恵まれた体格で、その長身から投げこまれる角度のあるストレートは彼の最大の魅力と言える。リーグ戦での勝ちこそまだないが、昨春神宮デビューを果たすと慶大戦では最速151キロをマーク。昨秋には2戦目先発を任され、防御率2.22と安定した投球を見せた。また、ひとたびユニフォームを脱ぐと気さくな人柄と持ち前の明るさで周りの人を笑顔にする一面も。今季は立大エースナンバー「18」を背負う荘司。彼の投球がチームの勝利の鍵となる。今年の神宮は荘司に魅了されること間違いない。(大河原すみれ)

応援席から

東京大学新聞社

昨春最終戦に完封勝利を収め64連敗という長いトンネルを抜け出した東大は、プロ球団も熱視線を送る主将の松岡泰希捕手(4年=東京都市大付)や、エースの井澤駿介(4年=札幌南)など主力が多く残った。4番に座る梅林浩大(3年=静岡)は甲子園経験球児と、役者はそろっている。今季の開幕戦では勝利こそつかめなかったものの、昨年王者の慶應義塾大学に対し六回までリードを保ち、エースの井澤にはホームランが飛び出すなど勝利への明るい兆しを見せた東大ナイン。今年こそ「万年最下位」のレッテルに終止符を打つ。(安部道裕)

神宮六景

野球がとにかく好きで、甲子園を夢見た高校球児から、その果たせなかった夢を神宮球場に立つことに変え、2006年に立教大学の野球部の門を叩き入部しました。

しかし入部後は野球よりもまず先に、寮生活での基本やルールなどを叩き込まれました。
1年生の頃は、上級生となかなか自分から話しかけることすら叶わないような環境でした。
私の出身高は宮城県の仙台第一で、自由な校風でした。自ら考えてのびのびと野球と向き合ってきた高校時代とは180度違う環境に戸惑い、何をしたくて大学へ来たのかもわからなくなり、このまま辞めてしまうこと考えたことも何度かありました。
それでも諦めずにいられたのは、やはり同期の仲間たちと切磋琢磨していられたことがとても大きかったです。
卒業して10年以上たちますが、今も同期と集まると、1年生の頃の話で盛り上がることが多く、それだけ濃い時間を過ごしてきたのだと思います。
結局私は4年間神宮球場でプレーをすることはできませんでしたが、大学野球に挑戦したことに何一つ後悔はありません。
夢よりも大切な、かけがえのない仲間たちと出会うことが出来たこと、いつも支えてくれた家族の大切さに気がつくことができたこと、東京六大学の立教大学野球部として卒業できたこと。こられ全てが、卒業後の長い人生において、私の誇りになると思っています。

私はこの春から六大学の審判員として神宮球場に立ちます。まさかこんな形で、神宮のグラウンドに立つという夢を実現できるとは思ってもいませんでした。
これからは夢を追う選手達に気持ちよくプレーしてもらえる環境づくりと、東京六大学野球連盟の発展に貢献し、恩返しをしていけたらと思っております。

(立教大学審判員 田澤 央義 平成22年卒)

第2週

今年のウチはこんなチームです!

2022/4/13 UP
OPEN

立教大学

今年は昨年までにリーグ戦を経験した選手が多く在籍しており、例年以上に勝利への執念が強いチームと言える。それは今年のチームスローガン『進化』にも現れている。『進化』には、今までの良いところを受け継ぎつつもこれまでをより大きく超えて進んでいく、成長を遂げた姿=化けるといった意味が込められている。化けるまでの大きな変化を成すためにはそれ相応の練習が必要不可欠であり、生半可な気持ちでは実現することはできない。この冬も一球一打を大切に、執着心を持って練習してきた。全てはリーグ戦優勝・日本一を達成するため。主将・山田健太(4年=大阪桐蔭)を中心としてこの冬を経て「進化」したチーム全員の姿にぜひご注目いただきたい。(大河原すみれ)

早稲田大学

今季の早大は六大学の中で戦力的には劣るチーム。これが我がチーム共通の認識だ。そんな中、主将の中川卓也(4年=大阪桐蔭)を中心とし、一球に集中し日々鍛錬を重ねてきた。始まりは絶望的なほどのチーム状況だったが、何度もチームでの進化を遂げてきた。リーグ戦通算10本塁打の蛭間拓哉(4年=浦和学院)、たまらん守備連発の熊田任洋(3年=東邦)をはじめ、守備や打撃で経験の浅い投手陣を盛り立てる。守備は短く攻撃は長く、そんな心地よい試合展開を繰り広げる、勝つべくして勝つ早稲田野球部のプレーに注目してほしい(菊池聡太)

慶應義塾大学

今年のチームは「挑越〜do the right thing〜」をスローガンに掲げ、「リーグ戦優勝・早稲田に勝つ・日本一」の目標達成に向けて日々取り組んでおります。最大の特徴は主将の下山悠介(内野手・慶應)、投手では増居翔太(彦根東)、橋本達弥(長田)の2人を中心にリーグ戦経験の豊富な4年生と浮橋幸太(投手・富岡西)、外丸東眞(投手・前橋育英)といったフレッシュな下級生が入り混じっていることです。旧4年生が抜けた穴を巡って激しい主力争いが繰り広げられており、非常に勢いのあるチームとなっております。是非、神宮球場に足をお運びいただき、新生KEIOをご覧になって下さい。(服部昂祐)

明治大学

「日本一への執着心」がとにかく強い。4年生中心に今年のチームの特徴はこれに尽きる。主将の村松開人内野手(4年=静岡)は野球・私生活ともに常々「日本一」をチームに意識させ、明大野球部の伝統“人間力野球”にさらに磨きをかけた。現役部員で日本一を経験したのは4年生のみとなり、日本一の景色そして常勝軍団“明治”の伝統を受け継ぐため、この春に懸ける想いは例年以上だ。リーグ戦の経験が豊富な選手が多くいる今年のチームだが、これまで以上に「泥臭く・粘り強く」明治にしかできない野球を神宮球場でご覧いただきたい。(鈴木一真)

法政大学

今年の法政大学野球部は「一心」というスローガンを掲げている。スローガン決めの話し合いをする際に、部員全員に浸透する分かりやすいスローガンにというテーマでこのスローガンとなった。「一心」には大きく2つの意味がある。1つ目は、字の通り“心を一つに”という意味である。法政大学には、様々な目的を持って野球に取り組む150人が集まっている。その中でも「優勝」という二文字を達成するためには、全員の意思統一が必要になる。神宮のグラウンドでプレーをする選手だけが、野球部員ではない。その為、全員の気持ちを一つにすることが、優勝に繋がると考えた。もう1つの意味は「“一”に対するこだわりの心」である。一番、一振り、一球、一歩目にこだわりを持つことが大切であると、新チームが始まる以前の経験により学んだ。スローガン通り、現在、チームにまとまりを感じている。このチームで優勝し、応援してくださる皆様と心を一つに喜び分かち合いたい。(宮本ことみ)

東京大学

今年の東大野球部は、「躍進」をスローガンに、最下位脱出を目標に活動しています。連敗を食い止め年間2勝を挙げた昨年のチームからの、さらなる「躍進」を目指す今年のチームは、野球への探究心と成長意欲が非常に強いチームです。身体のメカニクスや技術面を各々が積極的に学び、それを周囲の選手と教え合って学びを深める雰囲気がチームとしてあります。Rapsodoなどの測定機器を用いた数値による評価も欠かさず行い、目指すべきところを明確にして身体能力と技術の向上に取り組む姿があります。地道な努力をリーグ戦での結果に結びつけるべく今後も取り組みます。(田中平祐)

応援席から

神宮六景

私は選手として4年間、監督として7年間神宮球場にお世話になりました。自身の思い出を少し語って、大きなテーマにつなげたいと思います。

昭和58年、高知の田舎から出てきて神宮球場を初めて見たとき、回廊の荘厳さに圧倒された。学ランの襟にBBLのバッジを付けて関係者口から入ったとき、優越感を感じた。そして、階段を降りベンチ裏の暗い通路を通り抜けると、そこは青々とした人工芝が広がっていた。綺麗だった。
意気揚々とした初対面とはうらはらに、不名誉な記録が刻まれてしまった。選手としては東大通算1000敗目の最後の打者に、監督としては94連敗。一方で、チームメイトには恵まれた。選手時代は大越健介投手、監督時代は宮台康平投手、共に大学JAPANに選ばれたスターだった。

監督時代に何度も聞かれた質問がある。「東大生が野球をやる意味はなんですか」

「歴史、名誉、自負の3つがあります。日本野球の発祥が明治4年の開成学校(東大の前身)であるという歴史。天皇杯を賜っているリーグの一員であるという名誉。そして、文武両道の最高峰を実践しているという自負です。これらこそ東大野球部の存在意義です。」

以上は外向けに整理整頓された答である。本当は「野球が好きだから」これ以上でもこれ以下でもないのかもしれない。野球が好きで、そこに神宮があれば、試合に出たい、チームに貢献したい。試合をすれば勝ちたい。そのために努力を惜しまない。そんな東大生たちが躍動するのをこの春も楽しみにしている。 (東京大学 昭和62年卒・元監督 浜田一志)

第1週

この春の収穫

2022/4/1 UP
OPEN

東京大学

続く新型コロナの影響で、昨年に引き続き沖縄でのバッテリー合宿、福岡でのAチーム合宿を中止にせざるを得なかったこの春の東大野球部であるが、合宿メンバーとなるAチームとBチームの振り分けの時期が例年より遅くなった分、チーム内での競争は年明け以降も激化することとなった。広いグラウンドで豊富な実践経験を積む合宿はできなかったものの、東大球場でしっかりとチーム全員で練習を積むことができたこと、それこそがこの春の収穫である。コロナ禍で思うように練習できない期間を経験しているからこそ感じる、通常練習ができることのありがたみを胸に。全員野球でいざ最下位脱出!(田中平祐)

立教大学

新型コロナウイルス感染症の影響により、3月に予定していた宮崎キャンプが3年連続で中止となった。しかしその分を自チームのグラウンドでの強化練習期間に充て、量・時間ともにリーグ戦に向けて練習をやりこんできた。今年のチームは「一球への執念」というものを大事にしている。小技や走塁練習といったところから1点をどのようにとっていくのか、勝つチームとなるには何が不足しているのかを徹底して考え練習に落とし込んできた。また、この春は投手陣が力をつけ、試合の組み立てを計算できるようになったことも大きいだろう。昨年までのように試合に対して勝った負けたではなく、どのような勝ち方をしたのか、この勝ち方で本当に優勝を狙えるのか。選手一人ひとりの勝ちへの執念、そして自覚がいままでとは格段に異なっている。部員全員が「進化」を胸に、本気で優勝に向かっていけるチームになったのがこの春の一番の収穫ではないだろうか。(大河原すみれ)

早稲田大学

この春の収穫はまだない。早稲田は春季リーグ戦での優勝、そして日本一を成し遂げることこそが、「春の収穫」と言える。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、3月に予定していた沖縄キャンプは中止を余儀なくされ、当初のスケジュールとは大幅に異なったが、主将の中川卓也(4年=大阪桐蔭)・副将の蛭間拓哉(4年=浦和学院)を中心に、安部球場での強化期間で、個人・組織のレベルアップを図った。また、練習では1プレーごとに振り返りを行いチームの「隙」を無くし、ミーティングを重ねることで「技術力」だけでなく「組織力」も強化された。天皇杯奪取に向け、「一球入魂」の精神と安部球場で培ってきた練習を神宮球場で体現するべく、春季リーグ戦で「打棒早稲田」が目を覚ます。(岩井 寛汰)

慶應義塾大学

今春のリーグ戦から3年ぶりに勝ち点制が復活した。4年生は1年生の時以来、3年生以下は初めての経験である。勝ち点制はリーグ戦の醍醐味であり、今回復活したのは非常に嬉しいことだ。一方で、戦い方も過去2年とは変わってくるだろう。投手を中心に、連戦に耐えうる体力が必要になる。この春、最大の収穫はこの体力と気力である。昨年の明治神宮大会決勝戦で息切れした経験から新チーム始動時よりこの2つにテーマを絞って取り組んできた。私が見てきて過去3年間と比較しても今年が一番体力と気力で充実していると言える。コロナ禍で多くの制限がある中でもできることを模索して取り組んできた。オープン戦も連戦を怪我なく乗り越え多くの経験を積んだ。優勝への歩みが今始まる。(服部昂祐)

明治大学

学生野球の集大成となるラスト1年間で新戦力として4年生が多く台頭してきた。昨年の主力が抜けたことによる外野の大きな穴を埋めるべく日置航外野手(4年=日大三)や長南佳洋外野手(4年=八戸学院光星)らを中心に熾烈なレギュラー争いで奮闘してる。また「champion team 」をテーマ掲げ、主将・村松開人内野手(4年=静岡)を中心に新たなチーム体制を整えた。悲願の天皇杯奪還に向けて、準備は万全だ。(鈴木一真)

法政大学

この春、法政大学には、大きな収穫があった。冬の時期は、徹底的に体力強化に打ち込んだ。走り込みによる体力強化、徹底した守備の基礎練習、ひたすら振り込んだ打撃練習を終えて春を迎えた。その結果、春季オープン戦では、「攻めの法政」で守備、打撃ともに順調に成長を遂げた。昨年、試合に出場していた選手はもちろん、今春から台頭してきた選手の底上げがあり、チーム全体としてレベルの向上を感じている。 そしてついに待ちに待った春季リーグ戦。3季連続の5位を経験した法政大学野球部には、今失うものは何にもない。挑戦者として、必死にプレーし、優勝を勝ち取る。是非神宮球場にお越しいただき、選手の躍動を目に焼き付けて欲しい。 また、昨年のコロナを経て、多くの方々の温かさを感じた。ご支援をいただいた方々へ「優勝」という形で恩返しがしたい。(宮本ことみ)