明治大学
この秋のMVPはこの男しかいない。明大野球部の顔である宗山 塁(4年=愛三大三河)だ。1年秋から4番を任され続け彼の存在は常にチームの中心にあり、今年はキャプテンとして、チームを春季リーグ戦優勝に導いた。「先輩たちからもらったリーグ戦連覇のバトンをなんとかして後輩たちに繋がなければならない。」周りからの期待や重圧は彼以外には到底理解し難いものであり、彼以外背負いきれる者はいなかっただろう。どんなに苦しい時でも周りに弱い姿を見せることなくチームを鼓舞し続けた。そんな彼が牽引したチーム上田は、今季勝ち点4を取るも優勝にはあと僅か届かなかった。彼は後輩たちにこの悔しさを託した。1年間チームを牽引した最高のキャプテンが誰もが認める今季のMVPだ。(森裕規)
法政大学
この秋、法大のMVPは浦(4年・副将=鳴門)一択だろう。彼は副将として主将の今泉(4年・主将=中京大中京)を補佐しながら常にチームを俯瞰し、普段は表には出さない熱い心でチームの目標達成へと尽力してくれた。また今秋、打撃面では好打率を残し、チームの窮地には4番に座り、打線に安心感と相手への警戒を生むことができた。守備面でも外野、一塁とオールラウンダーとしても幾度となくチームを救った。法政大学野球部には浦の様な選手は必ずチームに必要で必ず良い影響をもたらす。来季以降、下級生は浦の様な選手を目標にひたすらに努めて欲しいと心から願う。(上田龍弘)
東京大学
東大野球部のこの秋のMVPには松岡由機(4年=駒場東邦)を挙げたい。最速146km/hを誇る右腕は東大のエースとして春秋ともに最多の投球回を投げ、二季連続で防御率5.0以下を達成した。この記録は15秋16春の宮台康平さん以来となり、まさにエースとしてふさわしい活躍を見せてくれた。また、10/8に行われた法政大学戦第二回戦では142球を投げ完投勝利を挙げた。東大の完投勝利はこれも17秋の宮台康平さん以来となり、松岡にとっても通算登板37試合目にして念願の初勝利となった。また、選手としてだけでなくTEAM2023の副将、そして部員寮の寮長としてもチームを引っ張ってくれた。自分自身も彼にかなり助けられた思い出がある。本当に4年間ありがとう。(石井悠人)
立教大学
この秋のMVPは池田陽佑(4年=智辯和歌山)だ。この秋の戦績は2勝8敗で春に続く5位と悔しい結果に終わり、池田自身1勝もする事ができず、決して満足のいくシーズンとはならなかった。しかし、池田は立教大学野球部のエースとして常に投手陣の手本となり、闘志あふれる投球で仲間を引っ張ってくれた。1年春にデビューし、この秋まで立大投手陣の柱としてフル稼働でチームを支えた池田の存在は非常に大きかった。現役最多44試合30先発はその証である。怪我や不調に悩まされるときもあったが、それでも最後まで全力で戦い抜いた彼の姿はファンの心に刻まれるだろう。私はそんな彼と同じチームで戦えたことを誇りに思う。池田のこれからの野球人生に幸あれ。(玉井一騎)
早稲田大学
この秋、森田朝陽(4年=高岡商業)は復活を果たした。オーバートレーニング症候群と診断され、グラウンド内外で苦しみ続けた1年だった。今季最終戦では痛烈な右中間への安打を放つなど再起し、今シーズンは神宮球場のベンチに入り続けた。ベンチからチームを鼓舞し続け、大事な場面の代打に常に備える、最後まで早稲田が優勝できると信じさせ続けた主将の森田こそ、MVPである。ただし、森田の穴を埋めた存在を忘れることはできない。勝つために必要なことを自他に問い続け、時には身を粉にしてチームを創り上げた副将の熊田(4年=東邦)。勝利に足りないものは何か、苦しみながら何時も考え続けた新人監督の肥田(4年=早稲田摂陵)。最終的には0.02差の2位となったものの、最も不安視された投手陣を厳しく、熱く、愛を持ってまとめ上げた投手コーチの藤原(4年=早大本庄)。最終戦までの優勝争いは、彼らなしには成し得なかった。私からではあるが、最大限のリスペクトを送りたい。六大学最高の応援を最強の応援に出来なかった今季。来春は彼らの努力を肌身で感じてきた後輩たちが最強の応援へと引き上げる。(柴垣敬太朗)
慶應義塾大学
この秋のMVPは外丸東眞(2年=前橋育英)、誰も疑うことはないだろう。8先発で64イニング、そのうち6勝をあげ、全ての試合で6回以上を投げ切ると言う文句のつけようのない成績であった。まだ表情にはあどけなさが残るが、2年生にしてエースの風格、これから2年間の活躍が楽しみでならない。彼は誰にも負けない「地道に努力できる力」を持っている。毎日自分がやるべき練習を整理し、時間の使い方を工夫し、チームで一番徹底した練習をしている。その地道な積み重ねがピッチングへの自信につながり、今季の圧倒的なピッチングにつながっている。優勝の最大の立役者であり、甘えん坊の外丸。この最高の赤ん坊は僕らをどこまででも連れて行ってくれるだろう。(藤井快)