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号外WEB版

TOKYOROCKS2024 春季号外

第9週

春季リーグを振り返って

2024/6/5 UP
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明治大学

「四冠」を目標に掲げて挑んだ春、結果は勝ち点4でリーグ2位と悔しいシーズンとなった。最も悔いが残るのは早稲田大学戦。1勝1敗で挑んだ3回戦、0-0で延長までもつれ込むも粘り切ることが出来ず11回に5失点を許し、そのまま敗戦を喫した。結果として、この勝敗が優勝への分かれ道となった。シーズンを通して苦しい戦いが続いたが、いくつか収穫もあった。まずは、チームの絶対的存在、宗山(4年=広陵)が離脱し、ショートのポジションの穴が不安視される中、光弘(2年=履正社)が攻守ともにチームに貢献した。また、最優秀防御率に輝いた髙須(3年=静岡)、大事な場面での起用に応えた松本(2年=鎌倉学園)など多くの投手陣が飛躍を遂げた。1敗に泣いた今季の悔しさは、この夏の糧となるだろう。さらに強くなったチーム宗山で、熱い応援をくださるファンの皆様、お世話になった指導者の方々に恩返しすべく、秋は必ず天皇杯を奪還する。 (岸上さくら)

法政大学

この春を振り返ると、3戦目や勝ち点の重みを感じた春であった。明治戦を終え6勝7敗、勝ち点2という結果は不本意であり、目標としていた“結果”を出すことはできなかった。投手陣はエースの篠木(4年=木更津総合)、吉鶴(4年=木更津総合)が3勝ずつと奮闘し、今季デビューを果たした安達(4年=桐光学園)が13試合中11試合の救援登板で防御率1.50を記録するなど安定した成績を残した。打撃陣は中津(4年=小松大谷)が打率.319、2本塁打と牽引し、松下(3年=桐蔭学園)が2本塁打、そして安定した守備力で自身二度目となるベストナインを獲得した。しかし、チーム打率はリーグ3位、防御率はリーグ2位に終わり最終的には4位で全日程を終えた。敗戦した試合全てが2点差以内での敗戦であり、終盤の粘りや決定機を活かせないなど課題が明白となった。小さな差の積み重ねである大きな差を埋め、歴史や壁を上回るためには、神宮と同じ気持ちで練習に臨み、目の前のことを真剣に丁寧に心を込めて行うしかない。チーム吉安に残されたチャンスは最後の秋のみ。エース2人を10勝させ、そして“結果”を残すためにこの夏を必死で過ごしていく。(黒坂夏希)

東京大学

今季は10戦全敗と悔しいシーズンとなった。リーグ戦前半は打線が好調なものの、失点を多く重ねてしまうという試合が続いた。対して後半の試合では守備は安定していたものの、1点が遠い試合が続いた。しかしながら懸命に戦っていく中で秋に向けての好材料も見られた。投手陣では主力投手に加え、渡辺(3年=海城)、佐伯(2年=渋谷幕張)、前田(2年=熊本)など経験の浅かった面々が堂々たるピッチングを見せてくれた。野手陣では開幕前から期待されていた内田(4年=開成)、中山(3年=宇都宮)、大原(3年=県立浦和)等がバッティングで気を吐き、榎本(3年=渋谷幕張)、井之口(3年)の好プレーも光った。これらの戦力に加えて、秋季リーグ戦では4年生の活躍で神宮を盛り上げる場面が必ずや訪れるはずだ。もう秋までは時間がない。この夏はひとつひとつのプレーの確率を上げることに全力を注ぐ。(岩瀬笑太)

立教大学

昨年の雪辱を晴らし7年ぶりの優勝を誓った今季であったが、6勝8敗1分・勝ち点1の5位という結果で全日程を終えた。今季は4カードが3戦目以降にもつれ込む接戦となったが、勝ち切ることができず不本意な結果となった。課題となったのは、個々の力。大事な場面でのバントミスやチャンスでの一本が出なかった。一方で、この春は収穫もあった。今季は、主将の田中祥都(4年=仙台育英)を中心に野球だけでなく寮生活も見直し、チーム力や結束力を高めることができた。また、エースの小畠一心(3年=智辯学園)を中心に投手陣は力投、野手陣は守備での失策が減るなど、これまでの練習の成果が確実に出ている。勝ち点獲得まであと一歩。この夏でさらにチーム力を高め、『勝てるチーム』となり、秋季リーグで悲願のリーグ戦優勝・日本一を掴むのは立大だ。(町田日菜)

早稲田大学

10勝2敗の勝ち点5で完全優勝を遂げ、優勝回数をリーグ単独最多の47回とし、私たちの今春のリーグ戦は幕を閉じた。収穫は、粘り強さを身につけたことである。先制されても追いつき、追い越し、勝利を掴み取ることができるようになった。立大戦、明大戦では1勝1敗から勝ち点を獲得し、一度負けてからの勝ち点獲得は2019年秋の早慶戦以来であった。野球部・応援部・スタンドの観客の方々全員の天皇杯奪還への執念が身を結んだ結果である。2015年以来の優勝パレードも行い、皆で喜びを分かち合った。日本一からの景色を目指し、全日本大学選手権での優勝を誓う。(藤田南)

慶應義塾大学

今回の春について、収穫はあったものの悔しいシーズンとなった。開幕からの3カードで立て続けに勝ち点を獲ることができたが、4カード目の明治と最終カードの早稲田から勝ち点を獲ることができず、結果的にはチーム全体の打率・防御率共に5位という結果に甘んじた。攻守ともに多くの課題を残しての春シーズン終了となった。しかし、大きな収穫もあった。1年生の台頭だ。特に著しい活躍を見せたのが、早慶戦にてスタメンマスクを被った渡辺憩(1年=慶應義塾)ではないだろうか。リーグ戦を通じて2本の本塁打を放ち、今後チームには欠かせない存在になることは間違いないだろう。渡辺だけに留まらず多くの下級生が台頭している状況に上級生も黙っていないだろう。 過酷な夏になることは全員が覚悟している。秋こそは満員の早慶戦で、天皇杯を手に「丘の上」を歌いたい。(宮田健太郎)

第8週

この春のMVP!

2024/5/29 UP
OPEN

慶應義塾大学

今シーズン、慶大のなかでMVPに値する活躍を見せたのは下級生と笑顔の指示ボードではないだろうか。今シーズン、昨夏の甲子園を制した塾高メンバーを始めとする下級生が従来よりもベンチ入りする機会が多くなったように見受けられる。彼らは今まで経験のない大学野球の対抗戦という文化を肌で感じながら自分の活躍できる場面を常に必死になって探している。下級生の台頭により上級生の練習にもより一層力が入り、チーム内での今後のメンバー争いはより激化するのではないだろうか。次に毎試合活躍したであろう笑顔の指示ボードについて触れたいと思う。昨年から使い始め、今や慶應ベンチお馴染みの笑顔ボードだが、毎試合訪れる劇的な場面で出場しているナインのみならずメンバー全員が明るくポジティブな姿勢を持つことができたと思う。最終週待ち構えるは永遠の宿敵早稲田大学。下級生も今までのリーグ戦では味わっていない、球場全体が飲み込まれるその異様さに驚嘆するであろう。そんな時こそ笑顔を大切に最後まで全員で勝利を目指していきたい。(宮田健太郎)

明治大学

この春のMVPは、全ての試合でスタメンマスクを被った小島大河(3年=東海大相模)をあげたい。打率はチームトップの3割8分1厘、「打てる捕手」として強力打線の中軸を担い、投手を好リードで支えた。特に、第2週の東京大学とのカードでは3打席連続の2点タイムリーなど2試合で5安打9打点の活躍をみせた。さらに、第6週の慶應義塾大学2回戦では、ランナーを進めたくない場面で相手がバントした打球を一瞬の隙も見逃さず二塁へ好送球をみせ併殺打とするなど、ここぞの場面で彼の強肩がチームを救った。また、タイミング良くマウンドに駆け寄り声をかける姿もみられ、女房役としてチームから絶大な信頼を誇る。今後も彼の活躍から目が離せない。(岸上さくら)

法政大学

法政大学野球部のこの春のMVPは松下歩叶である。スタメンに定着し、チャンスに強い打撃でベストナインを獲得した昨秋の経験を活かし、3年生ながらチームを引っ張る存在として臨んだ春であった。打撃面においては様々な打順で起用される状況の中、主に1番や4番を務め、主軸として打線を牽引した。打線が低迷する中、立大3回戦や慶大1回戦では試合を決める一発を放つなど打率.250、2本塁打、8打点と気を吐いた。また、守備においてもフットワークと精度の高いスローイングで何度もチームの危機を救ってきた。しかし、チームとしてはもちろん個人としても悔しさの残る春になった。主軸として誰よりも勝利への執着し、執念を見せ戦い抜いた春の経験が秋に結果として現れるであろう。彼はこの夏を越え、更に熱い男になっているに違いない。(黒坂夏希)

東京大学

今季の東大野球部のMVPは大原海輝(3年=県立浦和)に決まりだ。彼は昨年から代打として出場機会を重ねており、鋭い打球をいくつも放っていたものの、不運にも野手の正面に吸い込まれるような打球が多く無安打に終わっていた。しかし、今季は明治大学1回戦で最終回に代打で初安打を記録すると、続く2回戦では先発出場し、3点本塁打を含む5打数4安打5打点と大爆発し打線に不可欠な存在へと駆け上がった。その後も順調に安打を重ね、今季10試合を33打数11安打8打点という申し分ない成績で終えた。しかし、あくまでチームが勝てていない以上彼も満足していないはずだ。来季は彼に続く打線の起爆剤が何人も現れるよう、夏の強化練習に期待したい。(岩瀬笑太)

立教大学

この春のMVPは、背番号18を背負いエースとしてチームを牽引した小畠一心(3年・智辯学園)だ。下級生の頃からリーグ戦で登板するものの、納得のいく成績は残せていなかった小畠。厳しい冬を越え身体的にも精神的にも成長し、今春は3年生ながら大黒柱として立大野球部を支えてくれた。特に印象的だった試合は、対法政大学一回戦である。穏やかで優しい雰囲気の普段の姿とは想像がつかない気迫のこもった投球で、9回を一人で投げ抜き、大学初勝利を完封で飾った。試合後、涙を流している姿を見て、エースとしての重圧は計り知れないものなのだと感じた。この重圧を乗り越え、秋以降もさらにレベルアップし、立大野球部の、東京六大学のエースとして神宮球場を盛り上げ、チームを優勝に導いてほしい。(草野梢汰)

早稲田大学

今季、早稲田大学野球部のMVPは伊藤樹である。3年生ながら早大のエースナンバーである「11」を背負い、投手陣を牽引してきた。今季、彼が先発の試合でチームは未だ無敗。中でも明大戦第3戦で延長11回を1人で投げ切ったのは圧巻だった。チームからの援護がない時も常に粘り強く、援護を待ち続けた。彼の粘り強さが今年のチームの強さ、試合終盤の粘りにつながっているに違いない。昨年から先発の機会が増え、第一先発となった今シーズン、残すは早慶戦のみとなった。また神宮の舞台で彼の圧巻の投球が披露される。その先に見据えるのは勝ち点5での天皇杯ただ一つである。(神田航)

応援席から

早稲田スポーツ新聞会

ここまで全チームから勝ち点を獲得し、残すカードは早慶戦のみとなった早大。昨秋、あと1勝で優勝を逃した悔しさをバネに、2020年秋ぶりの天皇杯のみを見据え宿敵との一戦に挑む。
投手の中心は右のエースナンバー「11」を背負う伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)。明大3回戦では11回を一人で投げ切り完封勝利を収めるなど、ここまで熱投を続けている。また、ブルペンには共に今季防御率0.00の香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)、安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)が下級生ながら勝利の方程式を担っている。今季リーグ防御率1位の投手陣が栄冠へ勝利を引き寄せる。
打線はチーム打率2割8分4厘と好調。打率4割超えの1、2番コンビ・尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)と山縣秀(商4=東京・早大学院)のチャンスメイクから得点をするのがパターンだ。後を打つ3番・吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)、4番・印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)も勝負強い打撃を見せている。特に印出主将はここまで打率3割8分5厘、2本塁打、16打点と4番らしい活躍ぶり。絶好調の上位打線がリーグ制覇への鍵を握る。
2015年春以来の完全優勝が懸かる今季の早慶戦。2季連続で優勝の懸かった伝統の一戦を迎えた。もう悔し涙はいらない。7季ぶりとなる歓喜の瞬間を迎え、笑顔で『紺碧の空』を歌いたい。

神宮六景

早慶戦100周年記念試合

昨年の秋の早慶戦に久しぶりに神宮球場へ母校の応援に出かけた際、同期で主務を務めていた鈴木圭司君から、この「神宮六景」の原稿執筆を依頼されました。原稿作成の参考に過去の寄稿文を読んでいるうちに、来年2025年が東京六大学野球の発足100周年であることを知りました。
100周年と聞いて思い出すのが、約20年前の2003年11月26日(水)に神宮球場で行われた早慶戦100周年記念試合です。私は広告代理店に勤務していたため、先輩から声を掛けられ、100周年記念事業の実行委員会に加わることになりました。慶應と早稲田からそれぞれOBが集まり、企画会議から始まりました。何回か議論を重ね、100周年だからこそ、今までにないOBやファンの方々に喜んでもらえる企画にしようと意見がまとまりました。
結果として、往年の名選手によるオールドボーイ戦と、プロ・社会人・大学生の現役選手によるオール早慶戦を実施することになりました。プロや社会人の選手が参加できる日程調整や、神宮球場の使用可否、チケットを有料にするか無料にするかなど、多くの検討・調整事項がありましたが、なんとか実施に漕ぎつけました。当日は平日にもかかわらず、約1万人の観客にご来場いただきました。
試合はまず、レジェンドの先輩方によるオールドボーイ戦を3回行い、11対8で慶應が勝利しました。続いて行われたオール早慶戦には多くのプロ野球選手が参加しました。早稲田の野手では、私が大学1年生の時のキャプテン水口さんや同期の仁志選手が出場し、慶應からは高橋由伸選手が出場しました。現役選手では鳥谷選手や青木選手などが4年生で出場しました。先発投手は慶應が長田投手、早稲田が和田投手、2番手で慶應が志村さん、早稲田は小宮山さんが投げるという、ファンにはたまらない展開でした。その後も白熱した試合となり、結果は3対2で慶應が勝ちました。
私は、慶應・早稲田の先輩方と一緒に力を合わせ、この記念試合を成功裏に終えることができたことが、今でも良い思い出となっています。
東京六大学野球の100周年記念事業も既にプロジェクトチームが立ち上がり、様々な企画が進行中とのことです。実行委員の皆様もお忙しい中、準備が大変かと思いますが、諸所の企画・イベントと春秋のリーグ戦が盛り上がり、素晴らしい100周年になることを祈念しております。

(早稲田大学 平成6年卒 櫻井 大)

第7週

ウチの寮はこんなところ

2024/5/22 UP
OPEN

早稲田大学

初代部長の安部磯雄先生の名前が由来となっている早稲田大学野球部安部寮。1925年(大正14年)に西早稲田に竣工し、60年以上も使用され数多くの名選手が生活してきた。それから、1992年(平成4年)には、西早稲田から現在の西東京市東伏見に移転された。安部寮は、在籍する部員の中でも限られた者しか入寮を許されず、野球の実力はもとより、安部寮生として相応しいと認められた者だけが入寮を許される。敷地内には恩師記念碑があり、寮の出入りの際には、安部先生への感謝と敬意を表し、記念碑に向かって、深く一礼する。寮のすぐそばに安部球場があり野球をする環境はもちろんのこと、寮には1人1部屋が設けられており、お風呂のジャグジーで疲れを癒すなど、心身ともにリラックスできる環境が整っている。残すは、選ばれし安部寮生が、優勝の報告を恩師記念碑に報告するのみだ。(中原由信)

慶應義塾大学

慶大の寮は横浜市日吉にあり、グラウンドを中心に3つの寮が存在し、合計で100名を超える部員が寮生活をしている。中でもリーグ戦出場メンバーが多く住む「第一寮」にはウェイト場や初動負荷のマシンなどが設置されおり、昼夜問わず部員それぞれが自分のやりたい練習に打ち込める環境が整っている。中でも、今年室内練習場が建て替えられ、従来の約2倍の大きさに生まれ変わった。雨天の時だけでなく夜の練習時間外にも部員たちは各々バットを振り込んでいる。室内練習場に留まらず素晴らしい数々の施設の整備を支援してくださっている方々への感謝を忘れずに残りの試合も全力で戦い抜きたい。(宮田健太郎)

明治大学

120名を超える部員が共同生活を営んでいる「島岡寮」。東京六大学野球で歴代1位の15度の優勝回数を記録している島岡吉郎氏の名前に由来する。東京都府中市に位置しており、野球場2面、室内練習場が隣接されていて何一つ申し分ない“日本一”の施設を誇る。島岡寮に入るとすぐ目に入る額には「人間力」の文字が書かれている。この”人間力”野球は代々受け継がれた明大野球部を象徴する言葉である。明大野球部では4年生がチームのために労を厭わず、率先して寮内の環境整備に努めてきた。特にトイレ掃除をチームの顔である主将、主務、副将が務めているのは何十年も伝統として継承されてきた有名な話である。島岡寮での寮生活で培った一体感で今週末に控える最終カードの法大戦も2連勝し、優勝に望みをつなげる。(岸上さくら)

法政大学

法政大学野球部のグラウンドは武蔵小杉駅より徒歩15分程の法政大学川崎総合グラウンド内に位置しており、室内練習場やウエイト場、陸上競技場などが併設されている。そこから徒歩5分程の場所に法政大学野球部合宿所は位置している。駅から続く商店街(通称:法政通り)を抜けた閑静な住宅街に位置する合宿所周辺では、日々様々な光景を見ることができる。練習後には、部員が近所の元気な小学生や近所に住む犬(リリー・トト)と遊ぶ姿が多くみられる。また夜には多くの選手が近くの公園で素振りやトレーニングに励んでいる。さらに合宿所周辺には「生パスタ専門店kino」や「IL VENTO」、「中国料理天龍」、「カレー専門店パピー」など美味しいお店が沢山あり、野球部盛りと称された超大盛メニューを求めて多くの部員が足しげく通っている。このように、地域に根付いた合宿所生活を送ることができるのが法政大学野球部合宿所の魅力であろう。地元、武蔵小杉の方々の声援や支援は本当にありがたく、感謝の気持ちで一杯である。今年こそ必ず優勝を報告し、法政通りをパレードすることで恩返しを果たしたい。(黒坂夏希)

東京大学

現在では毎年100人を超える大所帯となった東京大学野球部にはそのすべてが入居できるような大きな寮はないため、監督に選ばれし主力メンバーと学生スタッフの計35名がこの一誠寮でひとつ屋根の下暮らしている。東京都文京区という大学の部活動のための寮とは思えないような好立地で、かつ2020年3月に改修されたばかりであるため、非常に暮らしやすい環境で生活できている。寮内は2.3階が各部員の生活部屋、1階が食堂兼ロビーとなっている。このロビーではストレッチする者、他大学の分析をする者、大学の課題に取り組む者、談笑する者など三者三様の過ごし方が見られるが、それぞれの部員がリラックスして生活するうえで欠かせない空間だ。このような日々の寮生活で蓄えたエネルギーや育んだ一体感を春の最終カードで存分に発揮してほしい。(岩瀬笑太)

立教大学

立大と言えば、人工芝の専用グラウンド、そのすぐ横には内野が丸々入る室内練習場やトレーニングルームが完備され、実に最高な野球環境が整っている、と既にご存知の方も多いのではないだろうか。そんな弊部では部員139名中136名が寮に入っており、現在は2つの寮に分かれて生活を送っている。第一寮である「智徳寮」では、主力選手の他、学生コーチや男性マネージャー42名が上級生と下級生の2人1部屋で寝食を共にしている。各部屋では独特なルールも誕生し、階や学年の垣根を越えて日々親睦が深められている。また、第二寮の「SPグリーンハイム」は、本学の体育会所属部員専用の寮で、グラウンドまで徒歩1分という好立地のもと、弊部では94名の部員が生活を送っている。こちらは1人部屋が功を奏したのか、日に日に個性的な面々が頭角を現し、食堂や談話室からは賑やかな笑い声が響いている。私生活でも親睦を深めた選手たちが練習を牽引し、個性豊かな人財がチームを盛り上げていく。新チームからは寮掃除にも力を入れている。当たり前のことではあるかもしれないが、寮生活の小さなところから意識をすることでチームスローガンである寮内での『結束』の体現をすべく、生活をしている。(遠山夏澄)

応援席から

慶應スポーツ新聞会

今季の慶大は「想定通り」が、一切ない。昨年12月から新チームを見続けていたとしても、今のリーグ戦の戦い方を予想できた人は一人としていないだろう。怪我等のアクシデントや新戦力の躍動により、スタメンはオープン戦から常に変化し続け、リーグ戦最中の今もなお固定はされてない。
流動的なスタメンには、ひとつの要因として1年生の存在がある。昨夏の甲子園を沸かせた慶應義塾高校出身の丸田湊斗(法1・慶應)や渡辺憩(商1・慶應)に加え、華麗な守備が魅力の林純司(環1・報徳学園)は、1年生ながらすでにスタメンに名を連ねている。中でも渡辺はリーグ戦初打席でサヨナラホームランを放つなど、ファンの方々にも衝撃を与えたのではないだろうか。
そんな新戦力が活躍する慶大でも、開幕から変わらないメンバーがいる。それは、一塁手・清原正吾(商4・慶應)、三塁手・本間颯太朗(総4・慶應)、遊撃手・水鳥遥貴(商4・慶應)の4年生内野陣だ。3人は打線の中で中軸を担い、慶大の得点源となっている。しかし彼らは、それ以上にチームの精神的支柱としての役割を担っているように感じる。主将を務める本間は試合中、積極的に大きな声でチームを鼓舞し、清原、水鳥も投手に声をかける場面が多く見られる。このように精神的な基盤がしっかりとしているからこそ、1年生含めメンバー皆が自信を持ってプレーできるのではないだろうか。
今年のスローガン「ALL IN “___” 〜日本一の挑戦者〜」のもと、日本一を目指す慶大野球部。4年生を中心に、「全員」でその目標へと突き進んでいく。

神宮六景

東京六大学野球100年に向けて

2025年東京六大学野球は1925年9月20日に明大対立大1回戦が開催されてから100年周年を迎えます。99年目の今年は100年に向けての準備をしていく大切な年になります。連盟では個人などの記録整理を数年前から始めており100年秋までには過去の選手たちの記録が「神宮を照らす“記録”という宝物」として完成します。その他の企画では、連盟発祥の地記念碑の建立、100周年ロゴの作成、2025年春秋リーグ戦におけるレジュエントによる始球式、秋に100周年記念展示、秋季リーグ戦終了後には記念試合、そして90周年の際と同様に100周年記念式典などが予定されています。現在100周年プロジェクトチームがそれぞれの企画に準備を進めているところです。100周年を迎えるにあたっては今年の99目年が重要で、2025年を準備万端で迎えたいと思います。

(東京六大学野球連盟 事務局長 内藤雅之)

第6週

ウチのムードメーカー

2024/5/15 UP
OPEN

立教大学

今年の『結束』というチームスローガン。チームの中心となってこのスローガンを体現しているのは、副将を務める平野太陽(4年=春日)である。彼は持ち前の明るく前向きな性格でチームの副将に抜擢され、練習や試合時、どんな時も周りに前向きな声を掛けてチームの士気を高めている。また、プレー面においても熱い想いがバッティングにも溢れ出ており、周囲に「何か起こしてくれる」と思わせるチャンスに強いバッターとしてもチームを鼓舞する。今季も残すところあと1カード。チームの『結束』に必要不可欠な存在となっている彼の明るく前向きな姿に、是非ご注目いただきたい。(町田日菜)

早稲田大学

今季、早稲田が誇るムードメーカーは文珠玄基(4年=桐蔭学園)である。リーグ戦では主に一塁ランナーコーチを務めている。彼の唯一無二の声は、どこへでも届く。常に明るく、笑顔を絶やさず、輪の中心はいつも文珠である。また、チーム随一の韋駄天でもあり、1年生の頃から注目を集めていた。文珠の存在感は、単にその明るさや声の大きさだけではない。彼の情熱的で献身的な姿勢が、チーム全体に良い影響を与えているのである。彼の存在は、我々にとって欠かせないものであり、選手達の士気を上げる大きな要因となっている。勝ち点4を懸けて戦う今カード、早稲田戦士の圧倒的な勇ましさを感じてほしい。(藤田南)

慶應義塾大学

例年に増して「氣」を大切にしている今年のチームにおいて、ベンチでの声出しは非常に大切な武器の一つである。その声出しをベンチで引っ張っているのが、ムードメーカーである佐藤駿(4年=慶應)ではないだろうか。今季はベンチスタートが多く、難しい場面での途中出場が多くを占めているが、常に試合に出場する備えをしており、監督からの信頼も厚い。幾度となく訪れるチームが苦しい場面も、その度に彼のポジティブな声掛けに救われてきた。年齢で隔てることなく誰とでも話すことができる彼のコミュニケーション力は、試合中だけでなく、寮での日常生活中も遺憾なく発揮されている。彼がベンチから放つ笑顔と数々の声掛けで、残り明治・早稲田との決戦も全員の「氣」で勝ち切りたい。(宮田健太郎)

明治大学

今年の明大野球部のムードメーカーは、間違いなく千葉汐凱(4年=千葉黎明)である。彼はどんな時でも明るく元気で、いつも周りのみんなを賑やかにしてくれるチームの絶対的存在だ。誰とでも仲良くなれる才能を持つ彼が、チームスローガン「輪」を掲げた今年の明大野球部にもたらす力は計り知れない。昨年、投手の軸となってリーグ優勝に導いた村田・蒔田・石原の三本柱が抜け、投手陣の活躍が期待されている今、千葉は人一倍強い思いでラストイヤーに臨む。2年春に初登板を飾ると3年春まではリリーフとして、防御率.000の結果でチームに貢献。3年秋は成績に苦しむが、全日本大学野球選手権大会や明治神宮野球大会など全国大会での登板経験があり、力強いストレートを軸に堂々とした強気のピッチングで打者に立ち向かっていく。グラウンド外ではチームの輪の中心にいて笑顔が絶えない彼だが、マウンドに立つ彼は一味違う。気迫溢れるプレーとチームメイトを盛り上げる仲間への声かけで今季もチームに勝利を呼び寄せてくれるはずだ。明大野球部の“元気印”は、今季も打者を圧倒するピッチングで神宮球場を沸かせる。(岸上さくら)

法政大学

法政大学野球部のムードメーカーは大川航駿(4年=日大鶴ケ丘)である。今季より念願の背番号37をつけベンチ入りを果たした左の中距離砲だ。神宮球場へお越しいただいた方であれば一度は聞き覚えあるであろう法大ベンチから聞こえてくる鮮魚商のような声は彼の声である。チャンスの時は全力で盛り上げ、ピンチなどの時には雰囲気が落ちないように先頭に立って声をかけるチームの精神的支柱だ。彼には重要な役割がもう一つある。それは試合前の円陣だ。毎度、吉安(4年・主将=大阪桐蔭)からの指名を受けては、豊富な知識と卓越したトーク力で笑顔を生み、最後には熱い想いで士気を高める。彼の円陣はチームの大きな力となっており、大切なひと時である。彼が今季からベンチ入りを果たしたのは誰もが彼の努力や人間性を認めているからであろう。大島監督との毎日のTee打撃や、相棒である吉安(4年・主将=大阪桐蔭)との自主練習が実を結び彼の一打を見ることができる日もそう遠くない。長く険しいリーグ戦の後半、彼の声そしてバットが勝ち点を手繰り寄せてくれるはずだ。(黒坂夏希)

東京大学

東大ナインのムードメーカーといえば府川涼太郎(4年=西大和学園)で間違いない。今年副将としてチームを引っ張る立場の彼は、プレーだけでなく陽気な声で雰囲気を温めてくれる。開幕直後は持ち前のバッティングでチームを沸かせたものの、直近のカードではベンチスタートが続いている。しかしながら、的確な声出しを続けベンチで自身の役割を全うし、どんな試合展開でも常にチームの先頭に立って戦況を見つめている。最終カードの立教戦、勝負どころの代打で彼の出番は必ずやってくる。ムードメーカーの一打でチームが沸き立つ瞬間を、ベンチ・スタンドの全員が待ちわびている。(岩瀬笑太)

応援席から

明大スポーツ新聞部

〝チーム宗山〟が臨む2024年度春季リーグ戦が幕を開けた。東大相手に危なげなく勝ち点1を挙げ、王座奪還に向けて順調な滑り出しを見せている。オープン戦からやや低迷気味だった打線も2試合で計38安打34打点を挙げており、打線の心配は杞憂に終わりそうだ。
野手の核は宗山塁主将(商4=広陵)だ。オープン戦での死球の影響により今季出場は困難とも思われたが開幕からスタメンに名を連ねている。背番号10を背に、慣れ親しんだ3番・遊撃手としてラストイヤーに臨む。さらに俊足の直井宏路外野手(商4=桐光学園)、抜群のミート力を誇る木本圭一内野手(政経3=桐蔭学園)、昨年度からマスクをかぶる小島大河捕手(政経3=東海大相模)が守るセンターラインは固く、他にも下級生次から出場経験のある役者がそろっている。
投手陣の軸として期待がかかるのはエースナンバーをつける藤江星河投手(政経4=大阪桐蔭)と昨秋防御率1.46の好成績を残した浅利太門投手(商4=興國)の両腕だ。藤江は昨年度こそ登板数6に止まったものの1年次春から神宮のマウンドを経験しており実績は十分。浅利は186センチの長身から繰り出される最速154キロの直球と縦のスライダーを武器に今季のブレイクに期待がかかる。その他にも緩急が武器の千葉汐凱投手(営4=千葉黎明)、最速156キロ右腕・菊地竜雅投手(文4=常総学院)、高い奪三振力を持つ大川慈英投手(国際3=常総学院)ら多彩な投手陣が控えており、今季は早い段階での継投が予想される。
層が厚いだけに投手、野手ともに固定の起用は少ない。各々が持ち味を存分に発揮しチーム全体がつながる〝輪〟となることで王座奪還への道が開かれるだろう。(伊原遼太朗)

神宮六景

「先導者たちの躍動」

いよいよ来年100周年を迎える東京六大学野球、厳しかったコロナの影響もほぼ収まり、選手たちの溌溂としたプレーと、必死にエールを送り続けてくれる応援指導部の学生たち、そして毎週、熱心に球場に駆けつけてくれるファンの皆様、いつもの神宮球場の佇まいがここにあります。
今年の1月に、慶應義塾体育会野球部OB会三田倶楽部の会長を拝命して約4か月、2月の大分県中津を皮切りに鹿児島や関西、そして日吉を経て神宮球場で部員たちの姿を観てきました。堀井監督の超一流のマネジメントと、本間主将をはじめとした選手たち、それを支えるマネジャー、コーチ、アナリスト、トレーナーなどのスタッフ、総勢約200名が織りなすハーモニーは、言葉では言い尽くせないものがあると感じています。

思えば今から40年以上も前、筆者が野球部にマネジャーとして在籍した時代、慶應義塾大学野球部は大変厳しい時代でした。部員たちは日々懸命な努力を続けていましたが、ついに4年間、天皇杯をいただくことは叶いませんでした。当時の福島監督からは、「マネジャーがしっかりしていたら優勝できたのだが」と言われたこともあり、自分の不甲斐なさを痛感した時でもありました。しかし、恩師福島監督からご教授いただいた数々の思い出は、今でも社会で必要なことばかりであり、まさに「人間力」を鍛えて下さったのだと、改めて感謝の言葉でいっぱいです。一方、昨今の後輩たちの活躍は目覚ましいものがあり、ここ10年でなんと7回もリーグ戦を制覇してくれており、現役時代に成し遂げられなかった夢を現実のものにしてくれています。

現在は、神宮球場からほど近い渋谷にある実践女子大学の教員として日々学生と接しています。筆者の頃とは隔世の感があり、今の学生は本当に真面目です。授業の欠席もほとんどありません。そして、ただ真面目なだけではありません。激動の21世紀、先行きが見通しにくいという時代を生き抜く運命を背負いながらも、前向きに、そして溢れんばかりのチャレンジ精神や主体性を有しています。まさに、これからの時代必要なイノベーティブな素養を有してくれていると感じています。
神宮で躍動する後輩たちとともに、「2050年責任世代」を生きる若者たちのウェルビーイングのために、「2020年責任世代」の自分自身に何ができるかを、問い続けてきたいと思います。

最後になりましたが、東京六大学野球を支えて下さっているすべての皆様に感謝を申し上げ、六大学それぞれの野球部の益々の発展をお祈りし、いつの時代にも「先導者」であり続けてほしいと心から期待しております。

(慶應義塾体育会野球部 昭和55(1980)年卒
慶應義塾体育会野球部OB会 三田倶楽部会長
実践女子大学 学長補佐・文学部国文学科教授 深澤晶久)

第5週

我が部に欠かせない人物

2024/5/8 UP
OPEN

東京大学

今年のチームに欠かせない人といえば門池龍之介(4年・学生コーチ=都立富士)だ。現在学生コーチの先頭に立って活動している彼が携わる活動は多岐にわたる。グラウンドの外では毎日の練習メニューの作成、首脳陣と相談しながらの選手起用の検討などチームのブレインとして動く一方、グラウンドに出れば一日中バッティングピッチャーやノッカーを務めるなどまさに部の活動に欠かせない役割を担っている。 ここまで3カードを終えて苦杯をなめている我がチームであるが、日々チームのために懸命に活動している彼を筆頭とした学生コーチ陣のためにも、まずは何としても勝利という結果を残したい。(岩瀬笑太)

立教大学

弊部にとって欠かせない人物は学生コーチである。前回はデータチーフの佐々木孝輔(4年=日大習志野)を紹介したが、今回は4年生の齋藤謙仁(4年=千葉経済大附)、ハント丈(4年=立教新座)、渡邉翔太(4年=本庄東)、出田寿希斗(4年=神戸国際大附)、大森靖太郎(4年=神戸国際大附)、坂本武紗士(4年=白樺学園)の6名を紹介する。齋藤謙は学生コーチチーフとしてメニューを考え練習を回し、リーグ戦時は背番号40を背負いベンチを盛り上げている。ハントは投手コーチチーフとして個性豊かな投手陣をまとめ、リーグ戦時は背番号51番を背負い、投手を最高の状態でマウンドに送り出している。トレーニングコーチの渡邉は、選手が試合でベストパフォーマンスを出せるよう、トレーニングだけでなく食事面においても目を配っている。育成コーチの出田は、チーム全体の底上げを図るべく、下級生を中心に一人一人に寄り添った指導を施す。大森と坂本は、投手コーチとして下級生投手を中心に選手の状態を把握し、投手陣全体のレベルアップに努めている。リーグ戦優勝・日本一という目標のために常にチームのことを考え本気で向き合う彼らの存在こそ、「結束」を掲げ常勝を目指す立大野球部には欠かせない。学生コーチの想いを背負い、チーム一丸で神宮球場で躍動する。(草野梢汰)

早稲田大学

早稲田大学野球部において新人監督なしで強くなることはできない。今年は新人監督である川内脩平(4年=八王子)が学生コーチ陣をまとめ上げ、チームの強化に取り組んでいる。学年からの強い推薦を受け、新人監督になることを決意した彼は誰よりも信頼が厚い。首脳陣と選手の架け橋として双方の考えを最も理解しながらも、昼夜を問わず常に冷静な眼差しで選手に対しては一切の妥協を許さない。投手コーチである石原壮大(4年=日大習志野)と学生トレーナーの妹尾将大(4年=金光学園)をはじめとする他の学生スタッフとの意見交換も欠かせない。チームを見つめる鋭い眼差しとキャッチャーとして鍛えた自慢の野球脳で、天皇杯奪還への最適解を見つけだす。(神田航)

慶應義塾大学

我が部に欠かせない人物として今回紹介したいのは、部長の加藤貴昭教授である。昨年の春に部長へと就任され、日々野球部の活動を支えてくださっている。学生時代は弊部にて捕手として、一つ下の後輩にあたる高橋由伸氏らと共に神宮にて活躍されており、卒業後はMLBシカゴカブス傘下のマイナーリーグにて2年間プレーもしている。2023年に部長に就任後、部員への技術指導に留まらず、弊大学環境情報学部教授の知見を活かし、データを活用した野球の様々な点での解析などの導入を行っており、弊部における自我作古の姿勢を強固なものにしている。リーグ戦試合前のバッティング中も、常に監督と共にケージの後ろに立ち選手たちの活躍を見守ってくれている。部員一同、日々の部長への感謝も忘れずに共に天皇杯を再び三田へ持ち帰りたい。(宮田健太郎)

明治大学

我が部にとって、主将の宗山塁(4年=広陵)の存在は欠かせない。勝負強いバッティングでチームの勝利に大きく貢献し、華麗な守備でチームのピンチを何度も救った。1年春途中からレギュラー定着を果たすと、2年春には首位打者のタイトルを獲得。3季連続でベストナインに選出されるなど結果を残し続け、不動のショートとして5季連続のスタメン出場を果たした。そしてついに迎えたラストイヤー。優勝を逃した昨秋の悔しさを糧に、明確になったチームの課題克服に取り組んできた。そんな中、試練が訪れた。春季リーグ戦の開幕1か月前にオープン戦で死球を受け、右肩甲骨を骨折。リーグ戦の開幕出場は絶望的とされた。それでも彼は前を向き、主将として常にチームを鼓舞し続け、懸命にリハビリに励んだ。迎えた開幕戦、3番ショートでスタメン出場を果たすと、2安打を放つなど怪我の影響を感じさせない活躍を見せた。今シーズン、チームは未だ達成できていない四冠に挑む。キャプテンとしてチームを牽引する重圧は計り知れない。しかし、彼はどんな逆境もはねのける。チームの四冠には彼の存在が必要不可欠である。(岸上さくら)

法政大学

法政大学野球部の欠かせない人物は安達壮汰(4年=桐光学園)である。冬のトレーニングを経て威力が増したストレートは最速147km/hを誇り、独特な軌道のスライダーとの緩急で打者を打ち取る巧投手である。大島監督、髙村助監督からの絶大なる信頼のもとリリーフとして今季初めてリーグ戦登板を果たした。ここまで6試合中5試合に救援登板し、いくつものピンチを脱してきた。防御率1点台の安定した投球を披露しリリーフエースとしてチームに欠かせない存在となっている。ここまでの大学野球生活は思うように行かない日々を過ごしてきた。1年秋にリーグ戦ベンチ入りを果たすも、それ以降はベンチ入りや登板が無くラストイヤーを迎えた。苦悩の日々が続く中でも試行錯誤を重ね、オープン戦での好投を続けて掴んだ絶対的な立場。臆することなく淡々とストライクを投げ込む様は、今季初登板とは思えない貫禄である。才能と努力で掴んだラストイヤー。“法大のビッグベイビー”が残りの3カードも大暴れする。(黒坂夏希)

応援席から

スポーツ法政新聞会

チームの強みを「鉄壁の投手陣と経験豊富な野手陣」と𠮷安遼哉(4年・主将=大阪桐蔭)が語るように投打ともに盤石の戦力が揃う今年の法大。8季ぶりの優勝を目指して始まった春季リーグは前半2カードを終え3勝3敗の勝ち点1。ここまで“1点”の重みを痛感する結果となっている。
立大との開幕戦では右のエース・篠木健太郎(4年=木更津総合)が7回1失点の好投も、完封負けを喫しまさかの黒星スタート。続く2回戦、3回戦では昨秋2年生ながらベストナインを獲得した松下歩叶(3年=桐蔭学園)が2戦連続の決勝打を放つ大活躍で接戦をものにし勝ち点獲得。
迎えた昨秋王者・慶大との対戦はまさに死闘となった。1回戦では打線がつながり12安打6得点で完勝を収めるも、2回戦は後半の追い上げ及ばず1点差の惜敗。運命の3回戦は1点を追う9 回に𠮷安が執念の同点打も、引き分け目前の延長12回裏に悪夢のサヨナラ本塁打を浴び涙を飲んだ。
ここまで敗れた試合は全て1点差ゲーム。投手陣ではWエースの篠木、吉鶴翔瑛(4年=木更津総合)に加え、リーグ戦未登板だった安達壮汰(4年=桐光学園)の活躍も光っている。全大学が2カード終了時点でのチーム防御率は唯一の1点台である“1.60”と脅威の数値を誇っている。だが打線はチャンスは作るも“あと一本”が出ずホームの遠い展開も多い。単独最多47度目の優勝へ向けここからは1戦も落とせない勝負の後半戦が始まる。神宮球場をオレンジに染め、必死に戦う選手たちに最大限の声援を送って欲しい。(矢吹大輔)

神宮六景

チャンスの女神がくれたゲッツー

今年度より助監督を務めております石井清と申します。
この拙文を記している現在(4月25日)、開幕4連敗と難儀なスタートとなっていますが、同じく開幕4連敗でスタートした私が3年生の時の春季リーグ戦(1980年)でのあるゲッツーが今も脳裏に焼き付いています。
4連敗後の相手は早稲田。1回戦は4回までに0対2とリードされる展開。迎えた5回も1点追加され、なおも1死満塁。
ここで二塁寄りのゲッツーにおあつらえ向きのセカンドゴロ。
センターを守っていた私は「ゲッツーだ!」と心の中で叫びました。
ところが、二塁手の前でイレギュラーバウンド(当時はまだ土のグラウンドでした)。その瞬間、「今日も負けるのか…」という思いが頭をよぎり、バックホームのために加速しました。
その時奇跡が起きたのです。イレギュラーした打球が二塁手の右肩近くに当たり、跳ね返ったボールが二塁のベースカバーに入った遊撃手のグラブにすっぽりと入り、一塁へ転送。見事なゲッツー完成!
その後、我がチームは小刻みに3点を返し、同点で迎えた9回裏の攻撃で1・3塁でのサヨナラ重盗を決め、早稲田に久しぶりの勝利を挙げたのでした。
続く2回戦も勝利を収め、自分の入学以来初の勝ち点を手にすることができました。
この勝点が当時の東大に勝ち方を教えてくれたと思います。
翌年春の6勝、勝ち点2での4位もこのゲッツーから始まったと個人的には考えています。
「勝つためには運も必要」とその後の社会人野球も通して強く感じました。
でも、その「運」をつかみ、勝利につなげるのは、それまでの努力だということも身にしみて感じました。
当時の東大もちょっとは頑張っていたので、チャンスの女神が運を授けてくれたのかもしれません。
「チャンスの女神に後ろ髪はない」ということわざを肝に銘じ、いつチャンスが来てもしっかりつかみ、勝利につなげられるよう、精進を重ねて参ります。

(東京大学野球部 助監督 石井 清)

第4週

影のスペシャリスト

2024/5/1 UP
OPEN

法政大学

法政大学野球部の影のスペシャリストは中西祐樹(2年=木更津総合)である。リーグ戦の出場は未だ無いものの、1年秋からベンチ入りを果たし着実に経験を踏んでいる捕手である。二塁送球1.8秒の強肩と軽快なフットワーク、しぶとい打撃を持ち合わせており、リーグ戦メンバーとして申し分ない実力を持っている。その中でも彼の一際目立つ持ち味は、バッテリーをはじめとするマネジメント力である。彼はどんな時でも率先して声を出し、積極的に練習や清掃活動を行う姿からチームの誰からも愛され、信頼される存在である。また、グラウンド上は勿論、寮生活でも様々な場面でアンテナを張り、指導者や先輩後輩関わらずコミュニケーションを積極的にとっている。その信頼から、試合前や試合中にもバッテリーや指導者の橋渡し役を担い、円滑な情報伝達、継投に貢献している。大島監督からも「チーム、ブルペンには必ずいてほしい存在」と絶大な信頼を誇る。今季は、法政ブルペンの潤滑油としての活躍は勿論、“第二の捕手”として吉安遼哉(4年・主将=大阪桐蔭)を脅かす活躍を期待したい。(黒坂夏希)

東京大学

東大野球部の影のスペシャリストは誰かと聞けば、アナリスト陣とチーム全員が答えるに違いない。アナリストという役割が誕生してからまだ3年程度ではあるものの、彼らが現在のチームにおいて果たす役割というのは計り知れない。日々の練習におけるデータ、オープン戦でのデータ・映像、リーグ戦の際にいただける高度なデータなど様々な素材を扱っている。データというものは素材そのままでは解釈が難しいものであるので、そのデータの意味を選手たちが理解しやすいように加工するのがアナリストの腕の見せ所だ。彼らの仕事により、従来は感覚に頼っていた部分が、可視化・言語化され個々の選手が取り組むべきことが明確になっている。今度は選手たちがリーグ戦での勝利をもって、彼らの働きに報いる番だ。(岩瀬笑太)

立教大学

立大の影のスペシャリストは、データチーフを務める佐々木孝輔(4年=日大習志野)である。彼はデータチーフとして今春のリーグ戦に向けて昼夜を問わず活動してきた。私自身、休養日にもデータルームに入り浸る佐々木の姿を何度も目にした。そんな彼はデータチーフとして膨大な量のデータを分析する傍ら、投手としても日々の練習に励んでいる。投手とデータチーフを兼任する佐々木の多忙さは本当に計り知れない。それに加え、彼は部内での文武両道ランキングでは28票を獲得し、堂々の1位となるなど、何事にも手を抜かない、そんな人だ。それなのに、弱音ひとつ吐かずに懸命にデータ・グラウンド・机に向かい続ける彼に対して私は頭が上がらない。立大では今年度からアナリストを募集しており、1年生が3人立大野球部に入部してくれた。3人にも佐々木の背中を追って、素晴らしいアナリストへと成長してほしい。2カードを終え、残す3カードで佐々木の分析してくれたデータを基に勝ち点をつかむ。佐々木、いつもありがとう!(遠山夏澄)

早稲田大学

早稲田が誇るスペシャリスト、それは学生トレーナーの妹尾将大(4年=金光学園)である。昨年の春、選手からトレーナーに転身し日々チームを支えている。新チームになる前から彼の114代としての計画はスタートし、フィジカル面の強化に取り組んできた。結果に直接結びつく感覚が薄いフィジカル面だが、彼の適切な判断と綿密なトレーニングメニュー作成により、選手たちも必死になって取り組んできた。トレーニングメニュー作成の他にも、リカバリーの面でもサポートしている。今年のチームを語る上では欠かせない、影のスペシャリストが作り上げたと言っても過言ではないフィジカルによって生み出される試合終盤の強さにご注目いただきたい。(神田航)

慶應義塾大学

慶應が誇るスペシャリストは深松結太(4年=慶應)である。彼はチーフ学生コーチとしてAチームのみならずチーム全員と向き合いながら常にチームが良くなるにはと考え続けている。大学の授業も始まり、日々複雑になる部員一人一人の練習メニューやウェイトのスケジュール作成を華麗に捌いている。また、とにかくコミュニケーションを取り続けることを意識し、選手のみならず首脳陣やマネージャーなど部に関わる全ての人から絶大な信頼を得ている。そんな彼も2年生時に出場したフレッシュリーグではキャプテンを務めるのほど実力者でもあり、最終学年なりチームの優勝を第一に考えて学生コーチへと転身した。この春行われたOP戦全44試合において常に監督の隣に立ち続けた彼が今年はチームを一つにまとめ上げ、優勝に導いてくれるはずだ。(宮田健太郎)

明治大学

春季リーグ戦初カードの東京大学戦を終え、チームは2試合で38安打34得点と強力打線が爆発した。この躍進の裏にはデータでチームを支えるアナリストの存在がある。彼らの頭脳はチームの勝敗を大きく左右する。弊部にアナリストが創設されたのは2年前。創設メンバーである石田健太朗(3年=大阪三島)、中薗遼太郎(3年=県船橋)は、前例のない中で試行錯誤の日々を過ごした。朝早くからデータ収集を行い、夜遅くまでパソコンと向き合ってデータ分析を行った。彼らは、自らの分析力で一から信頼を築き上げた。現状にとどまることなく日々精度は高くなっており、常にレベルアップを遂げている。この冬はデータを駆使しながら個人そしてチームの弱点克服に取り組んできた。アナリストがチームに与える影響は計り知れない。試合前のデータミーティングでは分析した対戦相手の傾向をチーム内に共有しており、このデータミーティングこそが戦略の要となっている。スポットライトが当たることのない役職かもしれないが、四冠達成を目標に掲げるチームにとって欠かせない存在だ。そんなアナリストの目にはチームの勝利しか見えていない。 (岸上さくら)

応援席から

東大新聞社

昨季は助監督だった大久保裕氏を新たに監督として迎え、攻守ともに顔触れを一新した東大。昨季防御率約4点の好投を見せた平田(育4=都立西)、投打「二刀流」の活躍が期待される鈴木(経4=国立)に加え、回転やフォームで独特の強みを持つ双木(農4=都立西)や昨秋のフレッシュトーナメントで好投を披露した渡辺(農3=海城)にも注目だ。打撃では今春の慶大戦で2試合を通し打率.500を誇った中山(経3=宇都宮)などの新戦力の台頭も光る一方、主戦力となるメンバーも、府川(文4=西大和学園)が第1号本塁打を放つなど安定した打撃で神宮を沸かせた。今季「突き抜ける」をスローガンに掲げる東大、今年こそは最下位脱出、優勝争いに絡めるか。(五十嵐崇人)

神宮六景

神奈川県立厚木高校時代、夏の予選大会は3年連続1回戦負け、グラウンドで校歌を歌うことは叶いませんでした。このままでは野球を終わりにできない、新聞やテレビで見ていた東京六大学野球でやりたいと思っていたところ、指定校推薦の制度があることを知り、本当に運良く立教大学に合格できました。ただ、私が合格したのは理学部物理学科、入部した当時、部員の中で理系は私だけでした。野球のレベルは高校時代とは次元が違うし、不慣れな寮生活もあり、日々ついていくのが精一杯でした。それに加え、物理学科は週に一度、午後に実験の授業があり、1年生の実験の単位を取れないと2年生の実験が受けられない、すなわち留年が決まります。野球部は午後から練習であったために、当時の横川賢次監督に、事情を説明し実験の授業に出たいので練習を休ませてほしいとお願いをしたところ、学業も大事だからということで快く承諾して頂きました。無事に4年間で卒業することができ、横川監督には大変感謝しています。

練習にも徐々について行けるようになり、2年の秋からベンチ入りし、初めて神宮球場の打席で構えたときに膝が震えていたのは今でもはっきりと覚えています。2年の秋には23年ぶりの優勝、3年秋には慶応との5回戦、法政との優勝決定戦に勝って、2回優勝ができました。素晴らしい仲間と見ることのできた優勝の景色は格別であり、やればできるという経験がその後の人生の礎となっています。
卒業後は、5年ほど社会人野球を経験した後、一念発起して弁護士を目指し現在に至りますが、受験中も大学時代の経験を糧に頑張り抜くことができました。
現在は、セントポールズ・ベースボール倶楽部の幹事長として現役部員を応援していますが、部員全員に在学中に一度は優勝を経験させたい、野球部での経験をその後の人生に役立ててもらいたい、というのが強い願いです。

2025年に東京六大学野球連盟は結成100周年を迎えます。これまで東京六大学野球を築き上げてきた各大学の諸先輩方、連盟や関係者の皆様に感謝申し上げます。そして、未来の東京六大学野球を築く選手たちが素晴らしい経験をできるよう次の100年に向けて微力ながら尽力していきたいと思います。

(立大 平成4年卒 セントポールズ・ベースボール倶楽部 幹事長 大友良浩)

第3週

この選手に注目!

2024/4/24 UP
OPEN

明治大学

前主将・上田希由翔(R6卒=千葉ロッテマリーンズ)が抜けた今、「絶対的四番打者」の穴をいかに埋めるかがチームの勝敗を大きく左右するだろう。多くの選手が空いた四番の座を狙い、日々練習に励んできた。中でも、今年の打線は横山陽樹外野手(3年=作新学院)に期待したい。作新学院高校時代は1年夏の甲子園で鮮烈なデビューを果たすと2年時には侍ジャパン高校代表に選出された。U-18ベースボールワールドカップで強豪アメリカを相手に放った彼の豪快な一発は記憶に新しい。中学時代から世界大会の出場経験があり、大舞台に臆しない度胸はチーム随一だ。プロ球団注目の選手として3年前に鳴り物入りで入学した横山は、春からスタメン出場を飾り、力強いスイングから織りなす持ち前のパンチ力で1年生ながら活躍をみせた。しかしここ2年は怪我に悩まされ、昨季も代打での出場にとどまるなど出場機会は少なく、苦しい時期を過ごした。この冬、悔しさをバネに守備にも磨きをかけ、熾烈な外野のレギュラー争いに名乗りを上げた。春季オープン戦でも結果を残すなど、強肩強打の捕手兼外野手として明治の中軸打線には欠かせない存在へと成長を遂げた。眠れる主砲の破壊力は未だ計り知れない。さあ、横山のバットが火を噴く時が来た。(岸上さくら)

法政大学

法政大学野球部の注目選手は西村友哉(4年・副将=中京大中京)である。シュアな打撃、俊足と強肩を活かした堅実な守備で1年秋よりレギュラーを獲得した実力者だ。2年、3年とリーグ戦出場を重ねるも、本人としては不本意なシーズンが続いた。ラストイヤーの春を副将として迎える彼に求められるものは多い。プレーと生活の両面から本当の意味でチームを引っ張るため、誰よりも自分自身に厳しい冬を過ごした。しかし、春先は思うように結果を残せない時期が長く続き、野球人生初の20打席連続凡退を経験するなど、“どん底”を経験した。そのような状況でも下を向くことなく、大島監督や仲間と共に試行錯誤を重ねると同時に周りの士気を高めようと奮闘する姿から、心から愛され応援される存在となった。“どん底”を味わった彼の心は強く、長く険しいリーグ戦という道において絶対的な支柱になるに違いない。一時は捨てた先頭打者としてのこだわりを強く持ち、チームに流れを呼び寄せる彼の1打席目、初球に注目してもらいたい。(黒坂夏希)

東京大学

この春の東大の注目選手は、投打に活躍が期待される鈴木太陽(4年=国立)だ。入学時から恵まれた体格を活かし、チームでもトップクラスのスイングスピード、140km/h前後を計測するストレートを武器に二刀流に挑戦してきた。昨年までは主に投手として戦線に名を連ねていたが、今季からは長距離砲として期待され打線にも加わった。ここまで2カードを終えて、6番投手として2度の先発登板、全4試合でスターティングメンバーとして出場し2安打を記録している。しかしこの男の持つ力はまだまだこんなものではない。残り3カード、投打に大暴れする鈴木太陽が東大を勝利に導く。(岩瀬笑太)

立教大学

この春の注目選手は、丸山一喜(2年=大阪桐蔭)である。大阪桐蔭高校時代に四番打者として春のセンバツ優勝に貢献した彼は、1年生の春にリーグ戦デビューを果たすと、秋には初安打をマーク。そして、2年目となる今季は持ち味であるパワーとミートを兼ね備えたバッティングを活かし、これまで全試合で四番打者として出場している。 身長181㎝、体重93㎏と恵まれた体格から生み出される豪快なスイングも彼の魅力だ。法政大学第2回戦では4打数2安打と着々と四番としての存在感を現し始めている。「結束」というスローガンのもと、新生立大野球部として7年ぶりの優勝を誓った今季。大学でも彼の存在がチームを悲願の優勝へと導くカギとなることは間違いないだろう。(町田日菜)

早稲田大学

今シーズン、注目してもらいたい選手は前田健伸(3年=大阪桐蔭)と石郷岡大成(3年=早稲田実)である。2人とも今シーズンよりスターティングメンバーに名を連ねるようになった。前田の持ち味は、かわいらしい顔つきからは想像できない豪快なバッテイング。どっしりとした構えから強烈な打球を放つ。早稲田の5番打者として、相手の脅威となる存在だろう。対する石郷岡は快足を生かした走塁と守備が持ち味である。しかし、1カード目の立教戦では適時3塁打を放つなど、彼の打撃力も侮れない。昨年まではBチームにいることの多かった彼は急スピードで成長を遂げている。明治大学から2021年秋以来の勝ち点獲得を目指して戦う今カード、今までとは違う早稲田を見せたい。昨年からスタメンを務めていた選手が多い今年のチームで、新たにレギュラーを獲得した2人から目が離せない。(藤田南)

慶應義塾大学

今年の注目は外丸東眞(3年=前橋育英)だ。1年春よりリーグ戦に登板し安定感抜群の投球を披露している彼は、昨秋は負けなしと圧巻の投球を披露し、リーグ戦優勝・日本一に大きく貢献。慶應が誇る不動のエースへと成長を遂げた。ピッチングにおいてチーム全員から全幅の信頼を集めている彼だが、今期は打撃面にも注目してほしい。今季1週目の東大戦では、際どい球を多く見逃し球数を稼ぎつつ出塁をマークするなど、1人のバッターとしてもチームの攻撃に良い影響を与えている。そんな彼も3年生となった。全日本優勝投手としてリーグ戦でも全大学からマークされるであろう今季、どのようなピッチングを披露しチームの勝利に貢献するのか、是非神宮球場へ見に来ていただきたい。(宮田健太郎)

応援席から

「立教スポーツ」編集部

昨年の主力が多く残り、今年こそ飛躍が期待されるRIKKIO。「どんな形でもいいから優勝に貢献する。」昨季、レギュラーとして起用されるも怪我の影響で思うように結果が残せなかった主将・田中祥(コ4=仙台育英)の今年に懸ける思いは強い。3月には九州で春季キャンプを行い、互いに厳しく、ひたすら追い込み、結束力を高めた。再出発したタテジマ軍団が臨んだ早大との開幕カードでは、昨年からチームを牽引してきた戸丸(コ4=健大高崎)と菅谷(コ4=市立船橋)の活躍が光った。2回戦では二人で全打点を挙げ、勝利に貢献。また、昨季ブレイクの兆しをみせた桑垣(コ3=中京大中京)、丸山(コ2=大阪桐蔭)にも期待がかかる。さらに六大学の強打者に立ちはだかるのは、立大の精強な投手陣だ。開幕戦で小畠(営3=智辯学園)は7回3失点、大越(コ3=東筑)は5回1失点と共に好投を見せた。経験豊富な沖(法4=磐城)、力強い直球が武器の吉野(コ3=仙台育英)、塩野目(コ4=足利)も安定しており、投手戦を制する実力は十分にある。賜杯への挑戦はまだ始まったばかりだ。チームのスローガンである「結束」を強め、全員野球で立ち向かう。

神宮六景

「明治神宮野球場の景色」

明治大学を卒業し、社会人野球のマネージャーとして8年ぶりに明治神宮野球場を訪れた2001年春、応援団の迫力やバックネット席での諸先輩方、ご家族・関係者の皆さまのご声援に改めて感動したことと同時に、「お前ももっと頑張れ!」と励ましの声を頂いている感覚になったことを今でも鮮明に覚えています。そして現役学生からはプレーを通じてエネルギーを分け与えてもらいました。
東京六大学野球の伝統は現役大学生や連盟関係者だけでなく、私たち卒業生も、出来る限り明治神宮野球場で観戦し声援を送ることが重要であることを再認識できた瞬間でした。
東京六大学野球だけでなく、スポーツを通じ「人間力」を磨くと良く聞かれます。
この「人間力」の解釈は、人それぞれかと思いますが、内閣府が報告しているものに「人間力は社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」とあります。
まさに東京六大学野球を通じ、聖地明治神宮野球場で「人間力」を養ってくれていると確信しています。
球場での観戦が久しい方は是非足を運んで頂き、新しい明治神宮野球場の景色を発見してください。
私もこれから出来る限り聖地に行きます。

明治大学野球部OB 平成6年卒 川口朋保
(三菱自動車:野球日本代表 侍ジャパン社会人代表監督)

第2週

今年のウチはこんなチームです!

2024/4/17 UP
OPEN

慶應義塾大学

今年のチームは「勝つことだけを目指さない」チーム。勿論、チーム目標である「リーグ戦優勝、日本一」に向けて、勝利を目指し、部員全員が日々の活動に邁進する。しかし、その先に、それぞれが目標を持つ。チームとして、その姿勢を表すのが、今年のスローガン「ALL IN “__” 〜日本一の挑戦者〜」である。メインタイトルに据えた「ALL IN “__”」には、日本一との目標に向け、「全てをかけること」、「全員で入り込んでいく」との意味が込められる。また、「“__“」には、 “to win” “for everyone” など、それぞれが目標の達成に必要な言葉を入れることで、部員が個人としてどのように振る舞い、向き合うのか、自主自立を重視するという想いが込められる。ただ野球で勝つことだけでなく、選手一人一人が勝利のその先を目指している姿にも注目してほしい。(宮田健太郎)

明治大学

チームで決めたことは全員で徹底して行う。明治大学野球部の伝統“人間力野球”を体現するように、野球だけでなく私生活からチームで足並みを揃えた。今年のチームの強みは、全員が同じ方向を向いていることである。「輪~神宮を紫紺に~」というスローガンには、チーム、そして応援してくださる方と一体となって日本一を奪還するという想いが込められている。これまで長年にわたり四冠を目指して戦ってきたが、その目標は未だ夢のまま。リーグ戦春秋連覇を達成し、戦後初85年ぶりのリーグ戦三連覇を達成してもなお、手が届かなかった。あと一歩のところで涙を呑んだ過去2年、四冠達成の難しさを現役部員は身に染みて分かっている。それでもチーム宗山は四冠を目指す。リーグ戦の出場経験豊富で、栄光と挫折を知っている4年生、昨秋、入部して初めて優勝を逃す悔しさを経験した3年生、この冬で凄まじい成長を遂げている2年生、そしてフレッシュな新戦力の1年生。チーム全員が強い想いを持ち、さらにレベルアップを遂げた。”三度目の正直”で悲願の四冠達成へ、チーム宗山に一片の迷いもない。(岸上さくら)

法政大学

今年のチームは大きく生まれ変わるチームである。4年生以下、部員全員がリーグ優勝を経験したことが無い。新任の大島監督、髙村助監督のもと偉大なOBOGの方々が創り上げ受け継がれてきた伝統を継承しつつ、新たな法政大学野球部を築き上げるため多くの意識改革を行った。野球面においては、投手陣を中心とする絶対的な守りと積極的かつ隙の無い走塁を追い求め“負けない野球”を目指してきた。吉安(4年・主将=大阪桐蔭)や武川(4年・副将=滋賀学園)、西村(4年・副将=中京大中京)を中心に練習から挑戦者としての貪欲さを大切にワンプレーと向き合ってきた。また、大島監督が常々我々学生に説く“社会で通用する人間形成”の体現を目指し、学生の本分である自立した生活や学業への意識改革も行った。一人ひとりが責任を持ち、日本一を目指す組織の一員であるという当事者意識を持つことで、チームの一体感が醸成された。大変なときは大きく生まれ変わる時である。六大学野球、法政大学野球部としてプライドを持ち、生まれ変わった今年のチームの色を多くの人の目に焼き付けてもらいたい。(黒坂 夏希)

東京大学

今年の東京大学野球部は「突き抜ける」をスローガンに、優勝という目標を掲げたチームだ。東京六大学野球98年の歴史の中で唯一優勝経験がないのが我がチームである。それどころか、過去26年52季に渡って最下位の座に甘んじているのが現状だ。この状況を鑑みて、ここ数年のチームは最下位脱出という目標設定のもとで懸命に戦ってきたものの、達成することはかなわなかった。そのような現状を是が非でも打破するんだという思いがこのスローガンに込められている。新チーム始動時から主将の藤田峻也(4年=岡山大安寺)を中心に、練習の1球1球から全員が優勝に必要なプレーのレベルを常に意識して取り組んできた。 大久保監督、石井助監督がチームを率いる新体制のもと、突き抜けた結果を求める東大ナインの活躍にご注目いただきたい。(岩瀬笑太)

立教大学

“新生立教” 今年の立大野球部を一言で表すのであれば、この言葉が相応しいだろう。大幅な首脳陣の変更、寮生活の見直し、全員参加のミーティング、地域清掃。今年は、新しい立大野球部の歴史の1ページ目を刻もうと様々なことに取り組んでいる。新たな取り組みをするにあたり始めは否定的な意見も少なくなかった。それでもミーティングを重ね、一人ひとりが「どうなりたいのか」、「どんなチームであるべきなのか」を考え、全員が納得して取り組んでいる。すべては強い立教であり続け、応援されるチームを目指すため。生まれ変わった立大野球部を是非神宮球場でご覧いただきたい。(草野梢汰)

早稲田大学

今年のチームは「1試合1試合を全員で戦う」チームだ。野手陣は早くから試合の経験を積む印出太一(4年=中京大中京)、吉納翼(4年=東邦)、尾瀬雄大(3年=帝京)などに加え、新たに戦線に名乗りを上げた前田健伸(3年=大阪桐蔭)、石郷岡大成(3年=早稲田実業)などを擁し誰が出ても戦える層の厚さでリーグ戦に挑む。常にベストメンバーで戦う難しさはあるが、切れ目のない打線で試合のペースを掴んでいきたい。 投手陣は大黒柱の伊藤樹(3年=仙台育英)を軸に、ポテンシャルの高い面々で隙を埋めている。第2先発として台頭した宮城誇南(2年=浦和学院)や、即戦力としてベンチインする髙橋煌稀(1年=仙台育英)、安田虎汰郎(1年=日大三)も試合の締めに控える。また、現状ベンチから外れているほかの部員も、虎視眈々と神宮での活躍を狙っている。優勝を経験していない私たちは、目の前の1試合1試合に全力で向き合い、勝ち点を重ねていく。そんなチームである。(中原由信)

応援席から

神宮六景

32年ぶりの母校。私が学生時代過ごしたグランド、そして町並みや風景は変わっていますが、法政大学野球部が小杉に存在していることは変わりありません。
大学を卒業し、プロ野球を経験し母校で指導できる機会は、なかなかないことであり、こうした機会をいただき、ありがたく思っています。
プロ野球を経験した人たちが、学生野球の指導することが増えてきていますが、日本野球協会とNPB、プロ野球選手会など、多くの関係者のご尽力があって今日があり、こうした道を作って頂いたことは本当に感謝しております。

「HOSEI」のユニフォームに袖を通して約2か月が過ぎました。
東京六大学野球の「重み」、そして、法政大学野球部の「重み」を改めて実感している日々です。この「重み」は、現学生達にはまだわからない事ではあると思いますが、大学を卒業し、色々な道に進んでからこの「重み」を実感することだと思います。人との繋がりも。
東京六大学野球OBとの繋がり、各出身大学との繋がり、人との繋がり、同期の繋がり、上下の年齢を超えた人との繋がりを今後、学生たちは経験していくことだと思っていますし、いま私はこの事柄を改めて実感しています。

プロ野球の世界を含め長年、野球に関わり、多少なりにも経験値の引き出しはあると思っています。その経験値を学生たちに落とし込めることができるように考えています。
学生は学業が優先であります。その中で平行して如何に野球に取り組んでいくか。
自分で考え、それを実行し、結果へ繋げて行く。この3つがあって成長していくと思いますが、このいずれかの部分で学生が悩んだりした時に、どれだけ答え合わせができて、成長していくかが重要であり、その手助けが出来ればと。

学生と共に、法政大学野球部と共に、東京六大学野球と共に、私も成長していけたらと思っています。

(法政大学野球部助監督 平成4年卒 髙村 祐)

第1週

この春の収穫

2024/4/10 UP
OPEN

早稲田大学

この春の収穫は、まだない。3月初めから中旬にかけて行われた浦添キャンプでは、日々熾烈な競争が行われ、選手全体の底が上がった。初めこそ天候に恵まれない日が続いたが、徐々に気候も気温も上を向き、一人ひとりが目標に向かって死ぬ気で練習に取り組んだ。オープン戦では多くの社会人チームと対戦し、勝利こそ少なかったものの着実に投打の力をつけ、新たな戦力も生まれた。キャンプに帯同しなかったメンバーやスタッフも同じである。自分の立ち位置を分析し、何をすべきか頭と体を動かし続け、キャンプメンバーを脅かす成長を遂げた。しかし、これらすべての努力・変革は天皇杯奪還のために行ってきたことである。7季ぶりの優勝を果たして初めて、収穫があったと言えるだろう。この春チームは確かに技術を磨き、結束を固め、経験を重ねて力をつけた。その力を以てまずは初戦、相対する立大の芽を摘むところから、我々の収穫は始まる。(中原由信)

慶應義塾大学

今春の収穫は、新戦力の台頭と過密なスケジュールを乗り越えタフさを手に入れたことだ。弊部は大分(中津)~鹿児島~大阪~名古屋と日本を横断する1ヶ月以上の春季キャンプを敢行した。中津では慶應義塾の創設者である福澤諭吉の旧居、鹿児島では「知覧特攻平和会館」を見学し、野球以外にも多くの学びを得ながらのキャンプとなった。また、鹿児島期間中は「薩󠄀摩おいどんカップ」に参加し、20連戦という過酷な日程ながらも1試合1試合全力で挑み、チームとしてスキルアップを果たすことができた。また、この春季キャンプを通じて、各選手が大きくスケールアップを果たした。体が一回り二回りも大きくなった選手、コンバートに成功した選手。そして、新たに入部した1年生を含めた下級生を中心にチームの底上げが活発化し、昨年以上にチーム内でのメンバー争いも激しく、氣に満ち溢れたチームに仕上がったと感じている。このように進化し続けるチームの中でも、主将の本間颯太朗内野手(4年=慶應)や副将の水鳥遥貴内野手(4年=慶應)、エースの外丸東眞投手(3年=前橋育英)など、昨年度からチームの勝利に貢献してきた選手も攻守両面において更なる成長を遂げ、チームの顔としてより一層頼もしい存在となってきた。最後に、春季キャンプを始めとする弊部の活動に日頃よりお力添えいただいている多くの方々への感謝を忘れず、昨秋に続き今春も天皇杯を三田山上へ持ち帰ることができるよう、チーム一丸となってリーグ戦に挑んでいく。(宮田健太郎)

明治大学

リーグ戦四連覇を目標に臨んだ昨秋は、優勝をかけた大一番であと一歩及ばす2位という悔しい結果で幕を閉じた。この悔しさを糧にチーム全員で課題克服へ日々練習を積んできた。昨年までチームを牽引してきた投手三本柱が抜け、その大きな穴を埋めるべく投手陣の競争が激化する。新エース・藤江星河投手(4年=大阪桐蔭)や昨秋飛躍を遂げた浅利太門投手(4年=興國)に負けじと、3年生以下の投手が頭角を現している。彼らの活躍がリーグ戦優勝へのカギを握る。また、主将・宗山塁内野手(4年=広陵)を中心とした強力打線は、新戦力の台頭でさらに厚みを増している。悲願の天皇杯奪還に向けてチーム宗山に死角はない。(岸上さくら)

法政大学

法政大学野球部のこの春の収穫は、一言で表すと“結束”であろう。大島監督、髙村助監督のもと、2月より改めて新チームが始動した。グラウンドの工事による慣れない環境下での練習であったが、各々が実現可能性を追求し課題と向き合った。また2月中旬にはBチームの鴨川キャンプ、Aチームの湯之元キャンプを行った。それぞれのキャンプでは圧倒的な練習量をこなし、限界まで体を追い込んだ。また鹿児島キャンプ中には薩摩おいどんカップにも参加した。単に実戦経験を積むだけでなく、東京から遥々来てくれた応援団や校友会、後援会、地元の野球ファンの方々との交流を通じて沢山の方に応援していただいていることや、そのありがたさ、法政大学の絆を再確認することができた。野球だけではない。吉安(4年・主将=大阪桐蔭)や寮長の吉鶴(4年=木更津総合)を中心に寮生活の見直しを行った。全員が責任と当事者意識を持ち、自立した生活を送れる環境を整え、大島監督が掲げる生活からの人間形成の体現を目指した。今年のチームスローガンは「結」。込められた意味の一つである“結束”は十分。あとは満を持してリーグ戦へ挑み、“結果“を残すのみだ。(黒坂 夏希)

東京大学

この春の収穫はフレッシュな戦力の台頭だ。東大野球部では、例年3.4年生がリーグ戦のベンチ入りメンバーの大半を占めているが、今年は一味違う。2月の鹿児島合宿を皮切りに、3月のオープン戦でも投手・野手ともに下級生の面々が猛アピールを続け、経験値の高い上級生でさえ出場機会の保証はない。開幕まで1週間を切った今でもなお、スターティングオーダー・ベンチ入りメンバーのどちらも予測が困難なほど、各選手がしのぎを削っている。自覚十分な上級生、我こそはと名乗りを挙げる下級生の激しい部内競争を経て、ひとまわり成長した東大野球部の選手たちが、優勝に向けた第一歩となる開幕戦へ総力を挙げて臨む。(岩瀬 笑太)

立教大学

立大のこの春の収穫は、「結束」を体現すべく行動し、一体感のあるチームに仕上がったことである。新チーム発足時から、主将の田中祥(4年=仙台育英)を中心に何度もミーティングを重ね、野球はもちろんのこと、生活面から見つめ直し一人ひとりが行動を変えてきた。3月1日からは、一軍が鹿児島県と宮崎県、二軍が新座グラウンドにて『超結束』をテーマに春季キャンプを実施した。鹿児島県では鹿児島在住の大学OBの皆さまに激励をいただき、宮崎県でも西都市の皆さまに歓迎され、野球部OBが両キャンプ地に毎日の補食の差し入れをしてくださった。九州にまで駆けつけて応援してくださるOBもいて、本当にこの部活は愛されていると感じた。今回選んだ写真は一軍キャンプのものだが、春季キャンプでは、両軍場所は違えどそれぞれが目標明確にして練習に励んだ。3月後半に合流してからは沢山のオープン戦で今までの成果にさらに磨きをかけた。先日はリーグ戦を前にして応援団やOB会が激励会を開いてくださり、改めてリーグ戦が始まることの実感をした。OB、応援団をはじめ保護者の皆さま、地域の皆さまなど多くの方からの声援を受け、今立大野球部は部員だけでなく皆さまと「結束」している。昨年の雪辱を払拭すべく、「結束」した立大野球部が戦いに挑む。(遠山夏澄)