早慶戦100周年記念試合
昨年の秋の早慶戦に久しぶりに神宮球場へ母校の応援に出かけた際、同期で主務を務めていた鈴木圭司君から、この「神宮六景」の原稿執筆を依頼されました。原稿作成の参考に過去の寄稿文を読んでいるうちに、来年2025年が東京六大学野球の発足100周年であることを知りました。
100周年と聞いて思い出すのが、約20年前の2003年11月26日(水)に神宮球場で行われた早慶戦100周年記念試合です。私は広告代理店に勤務していたため、先輩から声を掛けられ、100周年記念事業の実行委員会に加わることになりました。慶應と早稲田からそれぞれOBが集まり、企画会議から始まりました。何回か議論を重ね、100周年だからこそ、今までにないOBやファンの方々に喜んでもらえる企画にしようと意見がまとまりました。
結果として、往年の名選手によるオールドボーイ戦と、プロ・社会人・大学生の現役選手によるオール早慶戦を実施することになりました。プロや社会人の選手が参加できる日程調整や、神宮球場の使用可否、チケットを有料にするか無料にするかなど、多くの検討・調整事項がありましたが、なんとか実施に漕ぎつけました。当日は平日にもかかわらず、約1万人の観客にご来場いただきました。
試合はまず、レジェンドの先輩方によるオールドボーイ戦を3回行い、11対8で慶應が勝利しました。続いて行われたオール早慶戦には多くのプロ野球選手が参加しました。早稲田の野手では、私が大学1年生の時のキャプテン水口さんや同期の仁志選手が出場し、慶應からは高橋由伸選手が出場しました。現役選手では鳥谷選手や青木選手などが4年生で出場しました。先発投手は慶應が長田投手、早稲田が和田投手、2番手で慶應が志村さん、早稲田は小宮山さんが投げるという、ファンにはたまらない展開でした。その後も白熱した試合となり、結果は3対2で慶應が勝ちました。
私は、慶應・早稲田の先輩方と一緒に力を合わせ、この記念試合を成功裏に終えることができたことが、今でも良い思い出となっています。
東京六大学野球の100周年記念事業も既にプロジェクトチームが立ち上がり、様々な企画が進行中とのことです。実行委員の皆様もお忙しい中、準備が大変かと思いますが、諸所の企画・イベントと春秋のリーグ戦が盛り上がり、素晴らしい100周年になることを祈念しております。